３月１日〜７日のオーストリアのニュース
３月１日（月）
国外ニュース
ギリシア首相は緊急会議を予告
ギリシア首相ギオルゴス パパンドレウは、水曜日に政府が危機対
策会議を行なう、と発表した。この閣議では、「経済のための決断
が下され」なければならない、とパパンドレウの事務所は、EU経
済委員オリ レーンの訪問のわずか数時間後の月曜夕刻に述べた。
パパンドレウはこれより前に、自分が属する社会主義運動党の議員
と、協議を行なう方針である。これ以上の詳細はさしあたり発表さ
れなかった。レーンはギリシアに対して、さらなる支出削減を求め
た。オイロ使用地域のどの国も、長期に渡って能力以上の支出を続
けることはできない、とも述べた。3月中旬にはギリシアはEUに対
して国家財政の赤字を撤廃するための中間報告書を提出しなければ
ならない。
国内ニュース
13人の動物保護家の裁判が始まる
犯罪組織へに加わっていたため、さまざまな組織に属する13人の
動物保護家の裁判が、ウィーン ノイシュタットの州裁判所で火曜
日から始まる。彼らの弁護士は、この裁判はいわゆるマフィア条項
278aに基づいて、「作り上げられたもの」であるとし、無罪を要
求する方針である。容疑者7人は、脅迫あるいは器物損壊などの軽
罪の容疑も持たれている。
３月２日（火）
国外ニュース
ブラウンは再びカリフォルニア州知事を目指す
現カリフォルニア州法務大臣ジェリー ブラウン（71歳）は火曜
日、米国西部のカリフォルニア州の州知事選挙に立候補する、と発
表した。1975年から1983年の間同州知事を務めたブランは、民
主党からこの選挙に出る。2期に渡り知事を務めたため、共和党の
現知事アーノルド シュワルツェネッガーは、2010年末に退任し
なければならない。選挙は11月に行なわれる。共和党からは大金
持で元eBayの社長だったメグ ホイットマンと、会社経営のステ
ィーヴ ポイズナーが立候補する。
国内ニュース
「透明な情報銀行」は単なる振替口座の新たな名称か？
政府は飛行会議を開き、連立両党の中心的な課題の一つで妥協点を
見いだしたが、これはかなり意外であった。社会民主党の「最低限
の（生活）保証」が成立するのは確実となったが、国民党は「透明
な情報銀行」の準備を進める意向を押し通した。連邦首相ウェルナ
ー ファイマン（社会民主党）と、特に副首相ヨーセフ プレル
（国民党）が、これについて満足している、と述べた。ただし「透
明な情報銀行」は、今まで社会民主党が拒否していた国民党の「振
替口座」の名称を取り替えたものに過ぎないのかどうかについて、
党中央部の意見は全く分かれている。
３月３日（水）
国外ニュース
オランダでは右派大衆迎合勢力が地方議会選挙で勢力を伸ばす
オランダの右派大衆迎合的なヘルト ウィルダースが、昨日行なわ
れた地方議会選挙で、政治権力への足がかりとなる一歩に向け、大
きな駆動力を得た。投票所が閉鎖された後に発表された世論調査に
よれば、ウィルダースの政党「自由のための党」は、第3位となる
地歩を固めた。右派の公共放送の委託を受けた世論調査は、6月
9日に行なわれる国民議会の選挙も扱っている。この調査によれ
ば、外国人とイスラーム教徒に対して攻撃的な言葉を投げかける右
派大衆迎合政党は、投票の3割ほどを得ている。投票率は56%で、
4年前の地方議会選挙を若干下まわった。
国内ニュース
連邦産業院選挙で経済同盟と緑の党が議席を得る
連邦産業院の議員選挙では、国民党に近い立場の経済連合と、緑の
経済が得票を伸ばし、社会民主党と自由党のそれぞれに近い立場の
会派は、票を減らした。投票率は41%で、2005年の48%を大きく
下まわった。経済連合は70.9%、社会民主党経済連合は11.5%、自
由経済経営者連合は8.6%、緑の経済は5.8%の支持を得た。経済連
合会長で、連邦産業院総裁のクリストフ ライトルはこの結果を
「大事件」であり、票を増やしただけでなく、「すべての新人を自
分の陣営から出す」ことに成功した、つまりすべての州で絶対多数
を得た、と述べた。
３月４日（木）
国外ニュース
アルメニア革命 トルコは米国大使を呼び出す
オスマン帝国時代にアルメニア人数十万人を殺害したことについ
て、米国下院で決議が出されたことに怒り、トルコは米国大使を呼
び出す、と予告した。この呼び出しは即座に実行される、とトルコ
政府は発表した。トルコからの厳しい抗議にもかかわらず、米国議
会の委員会は、オスマン帝国時代のアルメニア人迫害を、民族虐殺
である、と評価していた。米国下院外務委員会は昨日、賛成23、
反対22でこの決議を採択していた。オスマン帝国の法的後継者で
あるトルコは、NATOの重要国であり、事前にこの決議は重大な結
果を招く、と威嚇していた。米国大統領バラック オバマは、この
決議が採択された場合には、トルコを侮辱しないように、と警告し
ていた。トルコは近東および中東地域で、米国の重要な同盟国であ
る。
国内ニュース
ローセンクランツ問題でフィッシャーは明確な発言を行なう
自由党の大統領候補者バルバラ ローセンクランツの禁止法案に関
する発言をめぐる対立で、現職のハインツ フィッシャーは発言を
行なった。木曜日の演説で、具体的にローセンクランツの名前を出
しはしなかったが、民主主義的な（現在のオーストリア）第二共和
国の価値を信じるものは、ナチを過小評価することも、無力なもの
とすることも許されない、と述べた。国民党の政治家たちも、自由
党の候補者である彼女とは距離をとっており、ナチを認める彼女に
対する告発は、さらなる困難を招いている。
３月５日（金）
国外ニュース
アイスランドではアイスセイヴ銀行関連法の住民投票
アイスランドでは今日、25万人の国民が1年半前に倒産したネット
上の銀行アイスセイヴの外国での負債の支払いに関する法律につい
て、投票を行なう。この法律では、38億オイロの返却方法が定め
られている。それによれば、英国およびオランダ政府は、それぞれ
の国の銀行の顧客損失を穴埋めするために、損失を前払いしなけれ
ばならない。事前の世論調査によれば、この法律には明確に反対の
結果が出ている。首相ヨハンナ シグルザルドッティルは、この法
律はすでに時期を失している、と見ているが、それは先週すでに英
国とオランダは、アイスランドが支払うべき利息に関して、若干手
直しした提案を行なったからである。ただしこの交渉は成果をあげ
ることなく、終了した。アイスランドは英国とオランダ政府が、同
国のEU加盟交渉の開始と、国際通貨基金による緊急に必要な負債
の支払いを遅らせる可能性があるのではないか、と懸念している。
国内ニュース
以前の支持者はローセンクランツの発言に同意せず
自由党の大統領候補バルバラ ローセンクランツは、活動禁止法に
関する彼女の発言で、「クローネ新聞」の信頼を失った模様であ
る。月曜日には彼女に投票するように訴えていたハンス ディヒャ
ントは、土曜版ではローセンクランツに対して、「あらゆるナチ的
な思想とはっきり距離を取る」ように求めている。「それ以外の手
段は、大統領候補として彼女に能力がないことを示す」と彼は匿名
の記事で述べている。「クローネ新聞」は、勝つ見込みのない人に
公平な機会を与えようと、「常に」試みており、彼女には自分の理
想や立場を述べる機会を与えてきたが、疑惑が生じるようなことも
起きた、とディヒャントは書いている。一方国民議会議長バルバラ
プラマー（社会民主党）は、ローセンクランツの発言は受け入れ
らない、と述べた。
３月６日（土）
国外ニュース
イタリアの立候補者名簿をめぐる対立で抗議の声
イタリア野党は、問題となっている首相シルヴィオ ベルルスコー
ニの通達を可決しないように、大規模な抗議を行なうように呼びか
けた。野党民主党の代表アントーニオ ディ ピエトロは、このよ
うなクーデタに対抗するには、反乱が唯一の道である、と述べた。
民主党はすでに土曜日にローマとミラノでデモを行なった。彼らは
イタリア国民に対して、来週末に首都ローマで開かれる全国的な抗
議活動に参加するように呼びかけた。イタリア大統領ジョルジョ
ナポリターノはすでに、2つの地方議会から、政権党「自由の国民
PDL」の候補者を失格とする措置を撤回するこの通達に賛成してい
た。政府によれば、この通達は選挙を担当する官庁の決定に対する
異議と、候補者名簿に関する規則を、明確化するものである。これ
より前にラツィオ州とロンバルディア州の裁判所は、ベルルスコー
ニの政党の候補者に規則違反があったとして、彼らを3月末の選挙
の立候補者名簿に入れるのを取り消していた。3月28日と29日に
は、イタリアの20の地域のうち13で行なわれる投票は、ベルルス
コーニの中道右派政権に対する重要な意志表示と見なされている。
国内ニュース
「プロフィル」誌は国防省の汚職疑惑を報道
報道雑誌「プロフィル」の月曜日に発行される号では、国防省の高
官に対して職権乱用容疑で、汚職を扱う検察の捜査が行なわれてい
る、と報じた。同省広報はこれを認めた。捜査の出発点は、昨年計
画されていたアルシュッツ社輸送機145機の調達計画に関連する国
防省に対する告発である。広報によれば、この件で「規則違反」と
「奇妙な出来事」が起きた、とのことである。同誌によれば、国防
大臣ノルバート ダラボス（社会民主党）の事務所は、参謀総長エ
ドムント エントアッヒャーに対して、懲戒手続きを取るつもりで
ある。参謀総長は辞任すると威嚇した後、何の行動も取っていな
い。
３月７日（日）
国外ニュース
テロリストがパキスタンで逮捕か？
パキスタン南部の都市カラチで昨日、ある容疑者が逮捕され、テロ
組織網アル カーイダとの戦いで、追及が成果をあげているのでは
ないかとの見方が生まれている。パキスタン治安部門によれば、逮
捕されたのは米国人アダム ガダフンで、アル カーイダ首領ウサ
マ ビン ラーディンの信任が厚いと見られ、米国がもっとも力を
注いで行方を追及している人物の一人である。ただしAFP通信によ
れば、パキスタン治安部隊の代表は、この情報を否定した。それに
よれば逮捕されたのはアブ ヤヒヤという男で、その国籍と活動は
現在調査中とのことである。また米国当局は、総額百万ドルの懸賞
金でガダフン逮捕につながる証拠を求めている。彼はユダヤ教から
イスラーム教に改修した男で、2008年には米国の旅券を破棄し、
自分はもはや米国市民ではない、と宣言していた。ガダフンは過去
に何度も、急進派イスラーム教徒のウェッブサイトで公開された映
像による書簡に登場している。
国内ニュース
批判にもかかわらず鉄道と郵便の方針を転換せず
基盤整備大臣ドーリス ブーレス（社会民主党）は、オーストリア
鉄道と郵便株式会社には、大きな方針転換は不要である、と見てい
る。彼女は公務員法の修正を拒否し、過剰な人材は労働市場内部で
活用すべきである、と述べた。彼女は、鉄道の平均年金受給開始年
齢が低いことに関する批判を、国民党にぶつけ、国民党と自由党そ
の後の未来同盟の連立政権時代に、人員整理を目標として、年金の
早期受給を導入したためで、これは間違った方向であった、とブー
レスは日曜のテレヴィ番組で述べた。経済大臣ラインホールト ミ
ッターレーナー（国民党）が発案した石油税の引き上げで、ブーレ
スは今のところ明言をせず、重要なのはそれによって、多くの資金
が国家財政に入り込む（石油を国境を越えて買いに行く）ガソリン
購入旅行の方向を変えることができるかどうかである、と述べた。