４月１２日〜１８日のオーストリアのニュース
４月１２日（月）
国外ニュース
核首脳会談は核テロリストとの対決
米国の主導のもとで、世界は核を用いたテロ攻撃を、より防止する
ことになる。米国大統領バラック オバマが呼びかけた核安全保障
首脳会談がワシントンで開かれ、およそ50カ国の代表が、核の密
輸に対するより厳しい処罰を行なうことで合意をとりつける方針で
ある。また最終声明の中では、放射性物質の状況に関して、よりよ
り「帳簿」を付けることになる見通しである。ウクライナは高濃度
のウランを、2年以内に廃棄する意向を発表した。オバマはこれは
「歴史的な進展」である、と述べた。また彼とドイツ首相アンゲラ
メルケルは、国際テロ組織に対して、緊急の警告を行なった。
国内ニュース
政府は賭博法案で合意
政府は月曜日午後、数週間前から議論となっていた新賭博法で合意
した、と参加者筋の情報としてAPA通信が報じた。この決定は火曜
日の閣議で予定されており、詳細はその直前に記者会見で発表され
る。すでにはっきりしているのは、最後まで残っていた大きな対立
点、宝くじの収益金からスポーツ振興の資金を得るという計画が決
着した、というのはすでに明らかになっている。それによれば固定
されている金額は増額され、7千万オイロ以上となり、これは社会
民主党が最低額と呼んでいたものである。これまでは最低の金額が
4千万オイロであった。
４月１３日（火）
お休みです
４月１４日（水）
国外ニュース
国連はブットー殺害の調査報告書を公表
国連は木曜日、パキスタン元首相ベナズィール ブットーの暗殺に
関する調査報告書を木曜日に発表する。国連は、この攻撃の情勢と
経過だけを調査士、刑法上の責任が誰にあるのかの解明はパキスタ
ン当局の責任である、としている。2007年末にラワルピンディで
の選挙集会で、自殺攻撃犯がブットーに向けて発砲し、その後爆死
していた。当時の大統領ペルヴェズ ムシャラフは、自分の対立候
補であった彼女の死の責任が、その後死亡したタリバーンの指導者
バイトゥッラー メスフードにある、としていた。ブットーの夫で
現大統領のアーシフ アリー ザルダリは、パキスタン政府筋によ
るものである、との疑念を持っている
国内ニュース
フィッシャー「大統領選での8割以上の支持は非現実的」
連邦大統領ハインツ フィッシャーは、自分が4月25日の大統領選
挙で、大統領選挙としては過去最高の79.9%の支持を得ることは、
「非現実的」である、と考えている。この数字は1980年にルード
ルフ キルシュレーガーが再選されたときに、自由党の候補者ウィ
ルフリート グレートラーに対して記録したものである。今回はバ
ルバラ ローセンクランツを選挙に送り込んだ自由党は当時、現在
よりもっと勢力が小さかった、とフィッシャーはテレヴィ番組で述
べた。彼ははっきりした過半数の支持が得られることに期待してい
る、と述べた。一方ローセンクランツは、フォアアルルベルク州の
ドルンビルン出の選挙集会を、予定を早めて打ち切り、その理由と
して集会が社会主義青年団によって妨害されている、と感じたため
であるとした。
４月１５日（木）
国外ニュース
英国の筆頭候補が歴史的なテレヴィ討論
英国の首相職を目指す筆頭候補が、昨日同国の歴史上初めて、テレ
ヴィでの討論を行なった。労働党の現首相ゴードン ブラウンと、
野党保守党の党首デイヴィッド キャメロン、自由民主党党首ニッ
ク クレッグが、国内政治に関して、3放送局の番組の冒頭で議論
を行なった。特にブラウンとキャメロンは、何度も対決的な言葉を
発した。ブラウンが「万人の幸福」を約束したのに対し、キャメロ
ンは「方針転換」を、クレッグは「均衡を保証する公正」を主張し
た。放送局ITVの緊急世論調査では、クレッグが55%の支持を受け
て、他の2人より優位に立った。この討論は70を越える規則に縛ら
れていた。
国内ニュース
ザルツブルクではローセンクランツ支持者よりも反対派が多数
自由党の大統領候補バルバラ ローセンクランツと連邦同党党首ハ
インツ クリスティアン シュトラーヒェが出席する集会がザルツ
ブルクで木曜日に開かれ、参加者よりも多数の反対のデモ隊が現れ
た。警察の発表によれば、約150人がモーツァルト広場での自由党
の集会に現れたが、居城広場には反対するデモ隊4百人が集まっ
た。警官が大量に動員されたため、両者はお互いに隔てられ、接触
することはなかった。警官隊の隊長は、取り立てていうほどの事件
は起きなかった、と述べた。
４月１６日（金）
国外ニュース
ポーランドではカチンスキの葬儀が始まる
ポーランド大統領レフ カチンスキの事故死から1週間、ポーラン
ド国民は土曜日に大統領に別れを告げる。正午からワルシャワのピ
ウスツキ広場で、スモレンスクの飛行機墜落の犠牲者97人全員を
追悼する式典が開かれ、数十万人の参加が予定されている。夕刻に
はヨハネ大聖堂で追悼礼拝が行なわれる。日曜日にはカチンスキと
妻はクラクフのワウェル大聖堂に埋葬される予定である。追悼式に
は、ヨーロッパ上空を覆う火山灰の雲と、来賓の到着が困難になる
にもかかわらず、予定通り行なわれるが、その中には米国大統領バ
ラック オバマ、ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフ、ド
イツ首相アンゲラ メルケル、オーストリア大統領ハインツ フィ
ッシャーも含まれる。彼らが予定通りに到着できるかどうかは、火
山灰のため疑問視されている。
国内ニュース
フィッシャーがローセンクランツとの対決を拒否する理由
連邦大統領ハインツ フィッシャーは「シュタンダルト」紙で、自
分が大統領選挙の対立候補であるバルバラ ローセンクランツ（自
由党）との、テレヴィでの対決を拒否した理由を、新たに示した。
「私はガス室をめぐる問題で極めて激烈な議論をしなければならな
い人とは、同じ席につくつもりはない」と説明した。彼の選挙陣営
は特に、全国民を代表する大統領ではなく、つまり対立を生む可能
性がある候補者もいる、と指摘していた。またフィッシャーはこの
インタヴューで、国民評議会第3議長マルティン グラーフに勲章
を一切与えるつもりがない、自由党の政治家であるグラーフは彼の
行動全体が、不適任であることを示している、と述べた。
４月１７日（土）
国外ニュース
キプロスのトルコ人居住地区で大統領選挙
国際的には承認されていない「北キプロス トルコ共和国」で日曜
日、大統領選挙が行なわれる。全ての世論調査が、現職のメフメト
アリ タラートの敗北と予想している。彼は1年半以上前から、
ギリシア人の住むキプロスの多数派の代表であるキプロス大統領デ
メトリス フリストフィアスと、トルコが1974年に侵入して分裂
したキプロス島の再統一について、交渉を行なっていた。今まで首
相を務めていたデルヴィシュ エロールがおそらく勝利するものと
見られている。彼は再統一に反対し、2カ国並立による解決を望ん
でいると見られている。ただし次期大統領の行動の裁量の範囲を決
定するのは、トルコ政府である。有権者は16万4千人であるが、ト
ルコ本土からの大規模な移住により、10万人ほどが投票権を持
ち、トルコ政府は人口の攻勢を大きく変えてきた。第一回投票で
は、どの候補も過半数を得られず、4月25日に決選投票が行なわれ
る可能性も高まっている、と専門家は見ている。
国内ニュース
グラサーはマイシュベルガーが休暇に招待したことを否定
元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、「エスターライヒ」紙
で、不動産業界の元利益活動家ワルター マイシュベルガーに、セ
イシェルでの休暇の資金を出してもらったとの情報を否定した。
「もちろん」自分が旅行代金は支払った、この非難は「憎悪から私
の人格を最悪で嘲笑できる水準まで引き落とす」ものだ、と彼は述
べた。予約をしたのはマイシュベルガーだが、その理由として、グ
ラサーは自分がこの旅行で特別の支払い条件を受けたことを挙げ
た。この旅行が行なわれたのは、2004年に国営のブウォーク社の
売却が行なわれ、マイシュベルガーが巨額の金を得るわずか数週間
前であったことがきわどい点である。
４月１８日（日）
国外ニュース
北キプロス選挙で強硬派のエロールが勝利する見込み
地中海の島国キプロス再統一に反対していると目される政治家デル
ヴィシュ エロールが、日曜日午後に、北キプロス大統領選挙に勝
利した、と宣言した。トルコ 北キプロス共和国を承認しているの
は、トルコだけである。投じられた票の95%が開票された後、エロ
ールは絶対多数の50.36%を獲得した。これにより、現職のメフメ
ト アリ タラートとの決選投票は、必要なくなる見通しである。
大統領選挙で右派が勝利すれば、現在ゆっくりとではあるが進んで
いるキプロス再統一交渉は、当面完全に中止となる可能性がある。
そうなれば再びトルコのEU加盟を阻害すると見られる。ただし、
今後の北キプロスの方針に関する決定は、最終的にはトルコ政府が
下す。
国内ニュース
予算の削減 連邦の職員2,917人を減らす
2014年までに連邦は行政職員の正規定員を2,917人削減する。こ
れにより3億5千万オイロほどの「必要な支出削減策に日常的に貢
献する」ことになる、と公務員を担当する大臣ガブリエレ ハイニ
ッシュ・ホーセク（社会民主党）は日曜日にAPA通信に述べた。年
金つき退職の半分を補充しないことで、連邦行政の人材が削減され
る。例外は警察、教員、司法である。ハイニッシュ・ホーセクの
2011年から14年にかけての人事計画は、明日の閣議で財政計画の
枠中で決定される。連邦職員は現在13万6,461人であるが、
2014年までに段階的に13万3,544人に減らされる。合わせると、
全体の2.1%にあたる。