5月10日〜16日のオーストリアのニュース



5月10日(月)

     国外ニュース

イラクでは激しい攻撃で今年もっとも多くの血が流れる

イラクでは月曜日、連続攻撃が発生し、百人を越える人々が死亡
し、350人ほどが負傷した。警察の発表によれば、イラク中央部の
都市ヒッラの工場前で、もっとも激しい攻撃が行なわれた。ここで
は合わせて3発の爆弾が破裂し、38人が死亡した。今年イラクで
30人もの人が1日で死亡したことはなかった。病院の発表によれ
ば、バグダード南95キロにあるヒッラだけで、少なくとも50人が
死亡、150人以上が負傷した。市行政部の代表に発表によれば、数
十人の労働者が紡績工場から立ち去ろうとしたその時、爆弾2発が
破裂し、救援隊が犠牲者を収容していたときに、3発めが爆発し
た。同国南部のバスラでも3件の自動車爆弾による攻撃が行なわ
れ、少なくとも20人が死亡、70人以上が負傷した。バグダードで
は蜂起勢力が早朝に、軍と警察の監視所を狙って、自動式の武器で
攻撃を行ない、内務省によれば9人が死亡、24人が負傷した。

     国内ニュース

自由党執行部はシュトラーヒェの方針を「全面的に確認」

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、強い支
持を受けて、連邦党大会の会議を終えた。彼の方針は「全面的に確
認」を受けた、とシュトラーヒェは約5時間にわたる会議の後で述
べた。党内の「若く、すばらしい勢力」も外部に向けて存在感を示
すことになり、自由民主党内部の方針をめぐる対立から、失望感を
生んだ連邦大統領選挙に関して、党首である自分は全く関与するつ
もりはない、と述べた。シュトラーヒェ「私の方針は正しいという
ことにみんなが納得した」とこの会議の結果を総括した。今後大き
な役割を果たす党員として、マンフレート ハイムブフナー、ディ
ーター エッガー、ハーラルト シュテファン、事務長ヘルバート
 キックル、シュトラーヒェの代理を務めるノルバート ホーファ
ーの名前が示された。




5月11日(火)

     国外ニュース

米国はパキスタンのタリバーンをテロリストに分類

ニュー ヨークで計画され、失敗に終わった爆弾攻撃を受け、米国
はパキスタンのタリバーンをテロ組織の名簿に入れることを検討し
ている。外務省はこの検討を開始した、と外務省公報は述べた。
「我々がしばらく前から動向を注視している組織がある。タイムズ
広場で未然に阻止された攻撃を見て、私たちはより詳しく観察す
る」とも述べた。米国法務大臣エリック ホールダーは先日、政府
は「パキスタンのタリバーンが今回の攻撃の背後に潜んでいること
を示す証拠」を持っている、この急進派は5月1日の攻撃計画を「指
揮」し、おそらくその資金も提供した、と発表していた。

     国内ニュース

EU内の例外 改革を進めたにもかかわらず税負担は増加

政府は新たに増税を計画しているが、経済協力開発機構は冷静にな
るように求める報告書を提出する。過去数年、大幅な負担減を約束
して2度の減税を行なったにもかかわらず、オーストリアの労働者
の税負担は増加した。ギリシア除くほぼすべての国では、税金の率
は実質的に引き下げられた。わずかではあるが、光明もあり、昨年
オーストリアでは、若干の改善が見られた。ただし大蔵省は、この
報告は数字を歪曲している、と考えている。




5月12日(水)

     国外ニュース

米国はインターネット攻撃を受けた際の軍事攻撃の権利を保留

米国は、国内のコンピューターネットワークが大規模に攻撃を受け
たときにために、軍事行動を行なう権限を保留する方針である。こ
のような場合には、米国はネット上に限定しない形で「報復を検討
する」ことになるだろう、と国防省高官ジェイムズ ミラーが昨日
ワシントンで述べた。この問題については、まだ多くの「法律上は
っきりしない点」が多数残されているので、あるインターネット攻
撃を戦闘行為と判断するのはどの時点か、まず定義しなければなら
ない、とも語った。

     国内ニュース

オイロ安定化策とギリシア支援が大蔵委員会を通過

ギリシア支援とオイロ安定化のための対策が、社会民主党と国民党
の賛成で、国会の大蔵委員会を通過した。オイロ安定化のために、
銀行法の中にある損害賠償責任を改正することには、緑の党も賛成
した、と国会の通信員は報じている。EUの決定を履行するため
に、これに関する法律改正は来週の国会総会で取り扱われる予定で
ある。またギリシア支援にオーストリアが負担する金額は22億
9千万オイロで、1年で4回に分割して支払われる。




5月13日(木)

     国外ニュース

ギリシアとトルコは関係を拡大

長年にわたって敵対してきたギリシアとトルコは、金曜日に両国の
関係をさらに拡大するための話し合いを行なう。トルコ首相レジェ
ップ タイップ エルドアンは、ギリシア首相ギオルゴス パパン
ドレウとの会談のために、アテネへ向かう。話し合いにはトルコの
閣僚10人も参加する。彼らはギリシアの閣僚とともに、観光、商
業、工業の各分野で一連の条約に署名を行なう方針である。さらに
不法移民との戦いおよび環境問題での協力についても話し合う。両
国政府は、分宿の可能性、多くの対立点での妥協、エーゲ海での国
家主権、キプロス問題解決の見通しについて話し合いを行なう方針
である。トルコ外務大臣アフメット ダーヴトオールは、会議を前
に、両国関係における「革命」である、と述べた。

     国内ニュース

フェクターはEUの亡命受け入れ計画に対して反対派を結集

内務大臣マリーア フェクター(国民党)は、東ヨーロッパのEU
加盟各国の内務大臣が集まる「ザルツブルク会議」で、EU委員会
の亡命受け入れ計画に反対して連携をとった。ブルガリア、ポーラ
ンド、ルーマニア、スロヴェニア、スロヴァキア、チェコ、ハンガ
リーの内相とともに、「EUの亡命受け入れ計画に反対する固い結
束」を作り出した、と彼女は述べた。各大臣は中でもダブリン命令
の柔軟化を拒否している。この命令によれば、難民として最初に登
録される国が、その手続きを担当することになっている。オースト
リアはこの命令により、多くの亡命希望者を帰国させることができ
ている。さらにもともとの国民に対する社会福祉の水準で、基本的
な物資の提供を行なうことも拒否できている。各国内相は、これは
社会福祉制度に過大な要求である、と述べた。




5月14日(金)

     国外ニュース

ヘイグとクリントンが両国関係の緊密化を支持

英国新外務大臣ウィリアム ヘイグは、就任したばかりでワシント
ンを訪問し、米国は「疑いようもなくもっとも重要な同盟国」であ
る、と述べた。「我々が協力できる幅は前例がないほど広い」とヘ
イグは昨日米国外務大臣ヒラリー クリントンとの会合後の記者会
見で述べた。クリントンも、両国関係の重要性を強調し、英国議会
では珍しい連立政権が、両国関係を損なうとの懸念は全くもってい
ない、と述べた。両大臣は両国が抱える外交的な課題について話し
合った。その中でヘイグは、新英国政権は、アフガニスタンでの活
動を維持する、と約束した。またイラン政策についても、米国の核
計画をめぐり対イラン制裁強化を後押しするつもりである、と述べ
た。

     国内ニュース

オーストリアは国家契約の記念日を祝う

オーストリア共和国は土曜日に、オーストリアの(建国の基礎であ
る)国家契約の署名55年を祝う。連邦首相ウェルナー ファイマン
(社会民主党)はこの機会に、正規のオーストリアを、ベルヴェデ
ーレ上宮の式典場での祝祭で取り上げる。式次第には、ファイマン
の演説、「国家契約への道」という短編映画の上演、この契約の交
渉に参加した国民党元次官ルートヴィヒ シュタイナーらとの会談
が上がっている。




5月15日(土)

     国外ニュース

イエメンで大統領の車列に攻撃 死者2名

イエメン大統領アリ アブドゥッラー サレヒの乗った車の列が土
曜日、同国南部で銃撃を受け、彼の護衛と攻撃側、それぞれ1人ず
つが死亡した。政府の発表によれば、ヒバイリン村近くで攻撃を受
けたときに、大統領は自動車には乗っていなかった。彼は周囲を視
察中で、事件の前には首都サヌアに戻っていた。銃撃では、大統領
護衛隊の3人と攻撃側2人が負傷した。木曜日には副首相サディク 
アミン アブ ラスの車列も襲われたばかりであった。彼は怪我を
することなく、攻撃を生き延びていた。この時は式典を終えてサヌ
アの戻る途中に、武装した者たちが車列を銃撃していた。イエメン
政府は昨年末に、イスラーム教と急進派との戦いを激化させる、と
予告していた。きっかけとなったのはクリスマスに、米国の民間機
がデトロイト周辺で攻撃を受けたことであった。

     国内ニュース

国家契約55周年記念日 民主主義とEUに対する信頼を明言

国歌契約に署名が行なわれてから55年目の記念日である昨日、現
在および過去に閣僚を務めた人たちが、ベルヴェデーレ宮殿上宮の
舞台に上った。連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は
演説の中で、「平和的な共同生活を求めるための多くの問題は、一
つの国の中では解決できない」から、共同のヨーロッパを支持す
る、と述べた。また彼は民主主義に基づき、反ファシストの基本的
な態度が、オーストリア共和国の本質的な土台であって、「共通分
母を探す」ことが「特にオーストリア的な道」として特徴的だ、と
賞賛した。「ヨーロッパ平和計画」は自明なものではなく、2世代
前には、現在のEU加盟国相互でも流血の対立が起きていたが、現
在ではそれが「夜を徹した議論」に変わった、とも述べた。多くの
オーストリア人はナチの攻撃的な戦争に責任があったことを認めて
いるが、これが国家契約の本質的な前提となっており、「政治的な
暴力、人種差別に反対し、反ファシズムを支持する態度表明」の前
提でもある、と述べた。




5月16日(日)

     国外ニュース

トルコはイランとの核をめぐる対立で妥協することで合意

イラン、トルコ、ブラジルは、核をめぐる対立で、行き詰まってい
る交渉を再び活性化するために、妥協の提案を行なうことで合意し
た、とトルコは発表した。ほぼ18時間にわたる話し合いの結果、
合意に達した、とトルコ外務大臣アフメト ダーヴトオールは昨晩
テヘランで述べた。トルコ外務省は、これに関する正式な態度表明
は、おそらく早朝に行なわれる、と述べた。この交渉は、国連が制
裁を強化する前、仲裁の最後の試みになると目されていた。

     国内ニュース

社会民主党はブルゲンラント州で会派の非公開会議を開始

社会党の国会議員団は、月曜と火曜日に会派の非公開会議を行な
う。2週間後に州議会選挙が行なわれるブルゲンラント州でこの会
議が行われるのは偶然ではない。最初の話し合いの後、フラウエン
キルヒェのサンクト マルティンス テルメで、会派長ヨーセフ 
カープと首相ウェルナー ファイマンが演説して、この会議は始ま
る。内容面で困難な議題は、経済政策と予算政策のほか、社会民主
党所属の州首相ハンス ニースルが選挙戦の中で取り上げる安全保
障問題である。




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