5月17日〜23日のオーストリアのニュース



5月17日(月)

     国外ニュース

イランとのウランをめぐる協定に懐疑的な反応

数ヶ月にわたる駆け引きの末、イランは核計画をめぐる対立で、譲
歩をした模様である。ブラジルとトルコは、イラン政府との間で、
研究反応炉用のウランのの交換で、妥協を引き出した。それによれ
ば、イランは若干濃縮したウランをトルコに運び、代わりに原子炉
用燃料を手に入れる。ただし米国、ロシア、EUは昨日、この合意
に対して、懐疑的な反応をした。トルコは、これはこれ以上の制裁
を不要にするための突破口である、と述べた。イランの原子力発電
を担当する官庁は、同国はさらに濃度の高いウラン濃縮を自力で行
なう姿勢を変えていない、と発表した。紛争解決のために努力して
いる6者から見れば、この合意は高く評価は出来ない。

     国内ニュース

ファイマン「大規模業務税は緊急の場合には単独でも導入」

社会民主党は月曜午前、フラウエンキルヒェンで開いた会派の非公
開会議の冒頭で、金融および経済恐慌の影響を議題の中心に据え
た。連邦首相ウェルナー ファイマンは開会報告の中で、社会民主
党は、金融市場を規制することを求め、また国家にとって社会的に
公正な形で課税することを求める、と述べた。オーストリアは、
EU全体では成立しなくても、単独ででも金融大規模業務税を導入す
る方針だ、とも述べた。「一ヶ国であってもそのように行動しなけ
ればならないときには、そのように行動するつもり」であり、経済
会議議長クリストフ ライトルとともに、国民党からすでにこれに
賛成の声が示されている、と社会民主党党首でもあるファイマンは
述べた。




5月18日(火)

     国外ニュース

NATOと共同でミサイル迎撃網を設置するとの案にロシアは懐疑的

NATOは共同でミサイル迎撃網を作るとの案を呈示したが、ロシア
は今のところこれになじむことができない。「NATOは戦略的な計
画の中で、ロシアをもはや敵と見なさず、ロシアの国益に敵対する
行動を試みない、と明言しなければならない」とロシアのNATO対
しディミトリ ロゴージンは「ドイツ経済新聞」のインタヴューで
述べた。元米国外相マドレイン オルブライトを代表とする専門家
組織の案は、ロシアに対して、NATO加盟国内で相反するさまざま
な姿勢を示しており、「NATOは、恋人に対して「僕と結婚してく
れる?」と尋ねるが、「僕は君を愛しているかどうかよくわからな
いんだ」と付け加える青年のようなものである、とロゴージンは述
べた。

     国内ニュース

ブルゲンラント州選挙「投票用紙に手違い」

ブルゲンラント州州議会選挙の投票用紙には、「ブルゲンラント候
補者名簿」の候補者2人の名前の表記に、大きな間違いがある。
「アンドレアス」とするべきところを「アンドレア」とした間違い
と、苗字を「ウルムバオアー」を「ウルムベルガー」としたもので
ある。ただしこの投票用紙の印刷のやり直しは行なわない、と州選
挙当局は決定を下した。




5月19日(水)

     国外ニュース

スロヴェニアの大学生が国会に投石

スロヴェニアの首都リュブリャナで起きた学生の抗議活動は、昨日
午後に国会議事堂前で暴力的な衝突に発展した。約2千人のデモ隊
が、国会に卵、石、ビンなどを投げつけた。警察は建物周辺を遮断
線で封鎖しなければならなかった、とスロヴェニアでは報じられ
た。抗議活動の主催者スロヴェニア学生連合は、この衝突とは一線
を画し、非難した。報道によれば、国会は大きな被害を受け、少な
くとも窓50枚が破られ、一時会議が中断した。

     国内ニュース

国民評議会はたばこ価格に関する新たな規則を可決

国民評議会は木曜日、たばこの最低価格に関する新たな規則と、資
金洗浄を押え込む規定の厳格化を可決する。今までたばこは1箱あ
たり、3,45オイロの価格であったが、これはEU法に違反してい
た。最低価格の代わりに7月1日からは、刺激策が取られる。たば
こ産業が市場で不当な割引を行なった場合、その利ざやは自動的に
引き下げられる。政府はこれにより価格の引き下げ競争が行なわれ
るのを阻止できるものと、期待している。反資金洗浄の規定によ
り、国外で収入がない場合には、資産価値のあるものを凍結するこ
とが可能となる。




5月20日(木)

     国外ニュース

キャメロンはサルコズィを訪問

英国新首相デイヴィッド キャメロンは、初の国外訪問を行なう
が、その最初として金曜夜にパリでフランス大統領ニコラ サルコ
ズィと会談する。夕食会では彼らは、オイロ危機とイランとの核対
立を中心に話し合いを行なう、とのことである。両国関係に関する
議題では、国防での両国の協力と英国内に原子力発電所を建設する
問題について議論する。キャメロンはその次にベルリンを訪問する
予定である。土曜日にはドイツ首相アンゲラ メルケルと会談する
方針である。今回の訪問は何よりも、キャメロンがEUとの協力を
真剣にとらえていることを示すものである。

     国内ニュース

ブルゲンラント州選挙の投票用紙の印刷しなおしは行なわない

ブルゲンラント州の州議会選挙の投票用紙の印刷のしなおしは行な
われない。州の選挙を担当する当局は木曜日にこれを決定した。対
策は講じるが、危険は残っている、とも述べた。投票用紙には2人
の名前が間違って記載されている。




5月21日(金)

     国外ニュース

イラクで爆弾が破裂 27人が死亡

イラク北部のディヤーラー州で昨日、自動車爆弾が破裂し、少なく
とも27人が死亡した。首都バグダードの北60キロのクハレス市に
あり、警察からもさほど離れていない人通りの多い市場で爆発が起
きた。警察によれば、他に71人が負傷した。この爆破は大きな被
害を引き起こした。またこれより前にバグダードの北東の村アル・
マクダジヤでは、武装して軍の制服を着た男数名が、イラク人の家
族3人を自宅内で射殺し、残った1人が負傷したままその場に置き
去りになっていた、と通信社アスワト アル・イラクが伝えてい
る。さらにバグダードの南にあるアル・ムサジブとイスカンデリヤ
を結ぶ道路に面してたっているシーア派のモスクのとなりにある駐
車場では、自動車爆弾が爆発し、通信社アル・ヤケンによれば、
1人が死亡、7人が負傷した。北部のニーナワー州とサラーフッデ
ィーン州でも、急進派が兵士1人と民間人1人を殺害した。

     国内ニュース

「ブルゲンラント候補者名簿」は早期に選挙戦を終了

5月30日の州議会選挙まで9日残して、「ブルゲンラント候補者名
簿」は金曜日午後に、筆頭候補マンフレート ケリーの故郷で、選
挙戦終了集会を招集した。約150人が集まり、ドイッチュクロイツ
の居酒屋に集まった。選挙戦を早期に終了した理由としてケリー
は、「他とは異なるやり方」を望んでいる、と述べた。彼は支持者
に対して、5月30日には同党に投票するように求めた、最大で3議
席を増やすか、全員当選したい、と述べた。他の政党の終了集会は
来週に行なわれる。自由党は水曜日、社会民主党と国民党、緑の党
は木曜日に行なう。




5月22日(土)

     国外ニュース

カンダハルのNATO基地に対する攻撃

アフガニスタンのカンダハルのNATOの軍事基地に対して、土曜日
午後に蜂起勢力が攻撃を加えた。同国南部のカンダハル市郊外にあ
る基地は、アフガニスタンの米軍の補給拠点の中心の一つである。
NATO広報は、現地時間の20時頃、ミサイルが飛行場に命中し、そ
の後地上からの攻撃が行なわれた、と発表した。この日これより前
に、タリバーンとNATO部隊の間で戦闘が起きており、少なくとも
15人が死亡していた。

     国内ニュース

緑の党は高速道路建設計画全てを中止させる方針

緑の党は、自動車専用道路および高速道路の建設計画を、すべて中
止するように求めている。そのための資金は、教育および社会福祉
部門に回すべきである、と同党連邦広報エーファ グラウィシュニ
ヒは、「石油からの脱出」の訴えの中で述べた。彼女はその理由と
して「プレッセ」紙と「エスターライヒ」紙に、道路建設に必要な
経費を挙げた。「どれだけ巨額の金が建物に使われるかどうか考え
て見てほしい。建設を中止すれば、2015年までに70億オイロの支
出削減可能で、教育と社会福祉に回すことができる。ローバオ自動
車道路だけでも17億オイロかかり、その資金があれば全大学にど
んなことをすることができるだろうか」と彼女は述べた。




5月23日(日)

     国外ニュース

英国新政府は支出削減策の第一弾を発表

英国の新政権は月曜日、巨額の国家財政の赤字と戦うために、支出
削減策の第一弾を発表する。保守党の大蔵大臣ジョージ オズボー
ンと自由民主党の同省副大臣デイヴィッド ロウズは、今年から
60億ポンドの公的支出を削減する計画について、発表する意向で
ある。英国の赤字は現在記録的な水準の1,561億ポンドで、国内総
生産の11.1%に上っている。労働党のゴードン ブラウンが首相に
再選されなかったことを受け、英国では数十年ぶりに2党による連
立政権が成立した。

     国内ニュース

ブルゲンラント州選挙の筆頭候補が議論

来たる日曜日にブルゲンラントは、新たな州議会を選ぶ。アイセン
シュタットのオーストリア放送協会のスタジオで、昨日大規模なテ
レヴィ討論番組が行なわれ、州議会に議席を持つ各党の筆頭候補が
議論を行なった。社会民主党からは州首相のハンス ニースル、国
民党の同州同党副党首フランツ シュタインドル、自由党の会派長
ヨハン チュルツ、緑の党のミシェル ライモンが参加し、司会者
ワルター シュネーベルガーの質問に答えた。労働市場、治安、選
挙後の連立のあり方について、緊迫した議論が行なわれた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system