6月14日〜20日のオーストリアのニュース



6月14日(月)

     国外ニュース

EU閣僚はイランに対する新たな決議を可決

イランとの核をめぐる対立で、EU加盟各国外相は、イランに対す
る新たな追加制裁を決定した、とドイツ外務大臣グイド ヴェスタ
ーヴェレは昨日ルクセンブルクで発表した。中心となるのは貿易の
制限である。イランの保険と金融活動は、今後はEU内部では行な
えない。ガスおよび石油産業では、EUの企業空の闘士は禁止され
る。イランの革命近衛兵の銀行口座は凍結される。ヴェスターヴェ
レは、これは「決意の重要な表明である」と述べた。今回の制裁
は、民間、軍事を問わず物資の取引の制限を含んでいる。これらの
分野に関する技術支援や、技術移転も禁止される。またイランの海
運会社イリシルの船舶は、EUの港に入港できなくなる。

     国内ニュース

緑の党は自由雇用契約の廃止に賛成

企業が伝統的な雇用関係を回避するべく、短時間雇用、自由雇用契
約、請負契約など、変則的な雇用形態を乱用しているため、緑の党
は特に自由雇用契約の廃止を求めている。「これを結んでいる被雇
用者は、賃金および社会福祉的に切り下げを受けており、社会福祉
制度の保険料が払われておらず、国の力が納税者に及ばない」と緑
の党の被雇用者問題の専門家ビルギット シャッツは昨日発表し
た。




6月15日(火)

     国外ニュース

スロヴァキア中道右派政党が連立で合意

スロヴァキア野党各党は、連立政権結成で合意した。中道右派政党
の党首4人、スロヴァキア民主キリスト教連合SDKUのイヴェタ 
ラディツォヴァー、自由連帯党SaSのリヒャルト スーリク、キリ
スト教民主運動KDHのヤン フィーゲル、モスト・ヒド(橋)党の
ベラ ブガルが火曜日に、政治声明に署名した。これによればこの
4党が連立を結成することになる。この宣言の中では4人は、危機
克服と左派スメル党の責任かで行なわれた「前政権の無責任な経済
の負の遺産の克服」を優先する、と述べた。79議席と国会の過半
数をもつこの4党の党首は、ラディツォヴァーを首相とすることで
合意した。新政権の綱領と人事に関して、集中的な話し合いが始ま
るところである。

     国内ニュース

経済会議が医師株式会社を批判

昨日閣議で決定された医師株式会社の計画を、経済会議が激しく批
判した。経済会議の医療部局専門家組織の議長ユリアン ハトシー
フは、厚生大臣アロイス シュテーガー(社会民主党)が重視して
いるのは、「釣り合いが取れた公正な解決策を見いだすことではな
く、医師の願望をできるだけ早期にかなえる」ことだけのようだ、
と述べた。ハトシーフの意見によれば、シュテーガーは外来診療病
院を新たな医師株式会社へ転換することを求めている。「政府案が
議会で可決されることになれば、専門家委員会は自分たちが管轄す
るすべての事業所を守るために、最高裁判所まで全ての可能性を利
用しなければならない」、たとえ経済会議議長クリストフ ライト
ルが医師会と診療報酬について合意していたとしてもである、と述
べた。




6月16日(水)

     国外ニュース

国連は少年兵を使用する国々に圧力を強める

国連安全保障理事会は、子供たちを武力紛争に送り込んだり、諜報
活動に利用したり、兵士の性的な奴隷として虐待している国々に対
して、圧力を強める。安保理では水曜日に1日間の議論が行なわ
れ、いかなる種類のものであれ未成年者の搾取と、未成年者に対す
るあらゆる暴力を、極めて厳しい形で非難した。メキシコ外務大臣
パトリシア エスピノサ カテンジャノは、世界に対して、「子供
たちがこの種の暴力で極めてひどい犠牲者になるのを見たくないの
であれば、なすべきことがたくさんあります」と述べた。メキシコ
は6月に安保理の議長を務めている。最新の国連の報告では、この
種の人権侵害を行なっている軍、反乱勢力、その他の組織が、初め
て実名で挙げられ、アフガニスタン警察、コンゴ、チャド、紛争地
区であるダルフールを中心としてスーダン、ソマリア、中央アフリ
カ共和国の軍および反乱者組織が非難された。

     国内ニュース

国民評議会が中央武器登録所を可決

新たな武器法が昨日、国民評議会で可決された。社会民主党、国民
党、自由党、緑の党が水曜午後、この提案を支持した。未来同盟だ
けが反対投票を行なったが、それは伝統的な嫌がらせである。
2014年末から、コンピューターを利用した中央武器登録所が開設
され、ピストルの他、小銃、散弾銃も登録される。1871年以前の
歴史的な武器は、武器登録の義務から除外される。武器法の新法
は、EUの指針にしたがったものである。




6月17日(木)

     国外ニュース

EUと米国はイランに対して新たな制裁を取る

イランとの核をめぐる対立で、EUと米国はイランに対して制裁強
化を可決した。EU加盟27カ国の首脳は木曜日にブリュッセルで、
先週国連安保理で可決された制裁よりも明らかに厳しい新たな対策
を可決した。また彼らは、イランに対して交渉の席に戻るように求
めた。「我々に必要なのは、両者の利益になるように、イランの核
計画などに関して真剣な交渉を行なうことである」と述べた。数時
間前には米国政府も、イランに対する追加制裁を発表していた。イ
ランは密かに核爆弾の製造に取り組んでいる、との情報がある。米
国国防大臣ロバート ゲイツは、「イランのミサイル備蓄は、ヨー
ロッパにとって大きな脅威である」と警告した。

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自由党はブルゲンラント州選挙への異議を断念

ブルゲンラント州自由党は、州議会選挙の結果に異議を唱えない模
様である。同州同党幹部会は、ピリングスドルフで1時間半に渡っ
て協議を行なった後、9対4でこの決定を行なった、と同党事務長
ゲーザ モルナーはAPA通信に発表した。選挙結果への異議を支持
する意見として、「私たちは情勢に単に満足するつもりがないこ
と、権限の乱用に扉を開き、さらに憲法に合致しない選挙規則が存
在していること」が述べられた。法律関係者の話として、選挙結果
に異議を唱えることで、議席を獲得する可能性が出ていたが、選挙
のやり直しをする危険性も生じた、とのことである。選挙のやり直
しを行なえば、同党は打撃を受ける可能性がある、との意見があっ
た。




6月18日(金)

     国外ニュース

カダフィ事件でスイスとリビアは仲裁裁判を選択

「カダフィ事件」でスイスとリビアは、マドリードで仲裁裁判所の
設置に関して話し合った。スペインの仲裁人の話によれば、両社は
この委員会の委員を既に指名したが、確認を取る必要がある、との
ことである。裁判は1週間で始まる、とスペイン政府の代表ハヴィ
エル エロルザは述べた。委員2人が30日以内に3人目の委員を指
名し、その時点から60日間で最終的な決定を下すことになる。仲
裁裁判所は、リビア元首ムアマル カダフィの息子ハンニバルが、
2008年7月にジュネーヴで逮捕された事情を検討することになっ
ている。2009年秋にはスイスは英国人の国際法学者エリザベス 
ウィルムスハーストを当時の仲裁委員に指名し、リビアはインド人
の法律家スレーニヴァサ パマラジュ ラオを指名した。両者が再
び提案されたかどうかは不明である。

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ブルゲンラント州議会選挙の結果取り消しは行なわれない

自由党に続いて、「ブルゲンラント州候補者名簿」党も、5月30日
の州議会選挙の結果取り消しの訴えを起こさないことを、金曜日午
後に決定した。シュトープで開かれた同党の連邦議会議員候補の集
会で、この決定が下された。「我々にとってはこの問題は解決済み
である」と、州議会議員に選出されたドイッチュクロイツァー選出
のマンフレート ケリーがAPA通信に述べた。この決定により、選
挙に関する異議申し立てが起こされるかもしれない、との予想に決
着がついた。




6月19日(土)

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ポーランド人は新大統領を選ぶ

ポーランドでは日曜日に、予定を早めて大統領選挙を行なう。現在
元首を務め、右派自由主義の与党「市民の基盤PO」に属する国会
議長ブロニスワフ コモロフスキが有力と見られている。保守派の
野党「法と正義PiS」の元首相ヤロスラフ カチンスキが、かなり
の追い上げを見せ、これに続いている。第1回投票では10人の候補
者のうち誰も、絶対多数に達しなかった場合には、7月4日に決選
投票が行なわれる。普通であれば秋に行なわれる予定であったこの
投票が必要になったのは、大統領レフ カチンスキ(今回の候補者
ヤロスラフ カチンスキの双子の兄弟)が、4月10日にロシアのス
モレンスクでの飛行機墜落事故で死亡したためである。この事故で
は、政治家、軍人、聖職者を含め96人が死亡した。

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労組連合会長フォークラーは熱い秋を約束

オーストリア労働組合連合会長エーリヒ フォークラーは、秋の賃
上げ交渉は熱いものになる、と予告した。労働組合は労働時間の短
縮が行なわれても、給料の全額支給を交渉し、購買力が下がるのを
さける、とテレヴィ番組で述べた。フォークラーは、国家財政の立
て直しのために、富裕者、工業界、金融の大規模業務に対する課税
に全力をあげ、石油税の引き上げなどの大衆増税には労働組合は反
対する、とも述べた。




6月20日(日)

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コロンビア選挙では政府の候補者サントスが勝利

コロンビアの大統領選挙は、初期の結果発表によれば、保守派政権
の候補者フアン マヌエル サントスが、はっきりした勝利を収め
た。サントスは投票所の1割が集計された時点で、69%の支持を得
た。対立候補の元ボゴタ市長アンタナス モックスは、決選投票で
は27.5%を獲得した、とのことである。元国防大臣のサントスは、
大統領アルバロ ウリーベの信頼が熱い人物と目されている。ウリ
ーベは2期大統領を務めたため、今回は立候補できない。影響力の
大きな上流階級の家族の息子であるサントスは、第1回投票ではわ
ずかに半数に届かなかったが、緑の党から立候補したモックスの倍
の票を得た。

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ケルンテン州スロヴェニア人評議会議長にインツコが選出される

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ上級代表でケルンテン州のスロヴェニ
ア人ヴァレンティン インツコは、昨日民族組織会議により、ケル
ンテン州スロヴェニア人評議会の議長に選ばれた。48人の代議員
のうち1人が保留した他には、インツコに反対する人はいなかっ
た。対立候補もいなかった。彼の代理には、クラーゲンフルト ラ
ント郡のツェル プファレ副市長ナンティ オリップと教員の代表
ダニロ カッツが選ばれた。インツコは就任の演説の中で、ケルン
テン州のスロヴェニア人の代表部の味方をしたい、と述べた。この
民族組織は調和を必要としており、一つの言語で話すべきであり、
「2つの言語を持つことを豊かさ」ととらえる見方を実現しなけれ
ばならない、とも述べた。2ヶ国語による村落名標の問題は、法的
な取り扱いをするだけでなく、政治的な取り扱いをする必要もあ
る、と述べた。その他ケルンテン州のスロヴェニア人にとっては、
2カ国語による学校や幼稚園などの緊急の問題もある、とも語っ
た。




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