８月２３日〜２９日のオーストリアのニュース
８月２３日（月）
国外ニュース
コンゴで大量の強姦事件に関する報告
コンゴ民主共和国東部のある都市で、反乱勢力による襲撃事件が起
き、支援組織の発表によれば、2百人近くの女性が集団的な強姦事
件の犠牲者となった。ほぼすべての事例で、女性は2人から6人の
男によって強姦され、自分の子供や夫の目の前で襲われた場合もあ
る、と国際医療部隊IMCは昨日発表した。それによれば犠牲者
179人は全員、治療を受けている。国連人道支援事務所は、この事
件が起きたことを確認した。「ルワンダ解放民主勢力FDLR」の反
乱勢力とマイ・マイ族の一部が7月30日に、同国の北キヴ州のルヴ
ンギ市を襲撃し、4日間に渡って同市を占領した。国連が支援して
この組織を押え込む軍が投入されたものの、彼らはこの地域を定期
的に襲撃している。
国内ニュース
プラマー「管区長の支出を削減」
国民評議会議長バルバラ プラマー（社会民主党）は、行政改革の
一環として、管区長の支出を削減する方針である。彼女は「オース
トリア行政には上下の段階が多すぎる」と「オーバーエスターライ
ヒ通信」紙に述べた。またプラマーは改めて、すべての市町村およ
び州議会の選挙だけを行なうのではなく、国民評議会選挙も同時に
行なう「一般選挙の日」を導入するように求めた。
８月２４日（火）
国外ニュース
チェコはギリシア支援に参加しない方針
スロヴァキアに続いて、チェコもオイロを使用する各国のギリシア
に対する金融支援とは、距離を取る。救済計画について走っている
が、これに参加するつもりはない、とチェコ首相ペトル ネカスは
「クリール」紙に述べた。「チェコにとっては、財政の権限を国か
らEUに移譲することは、越えてはならない一線を越えることであ
る」と保守派の政治家である彼は述べた。チェコはスロヴァキアと
は異なり、オイロを通貨として使用していないが、それを計画して
いる。ネカスはチェコは厳しい予算の原則を守るよう支持している
ため、このような問題は生じないと見ている。
国内ニュース
シュミート「プレルは役割について混乱している」
教員を担当するのは誰か、という問題をめぐり連立与党内部で対立
が生じているが、これが次の段階に入った。教育大臣クラオディア
シュミート（社会民主党）にとって、これははっきりしている。
すべての教員は連邦の管轄下にある、と言うのである。副首相ヨー
セフ プレル（国民党）が現在、これに反対する発言を行っている
のは、議論を進めるためでしかないように思われるが、閣議ではプ
レルに当てこすりをするのを我慢できない、と彼女は考えている。
シュミートは、教員の派遣をより強力に管理し、配置計画に予定以
上に支出した費用の返還を求めるよう計画していたが、政府の幹部
がこの計画を中止させた。連邦首相ウェルナー ファイマン（社会
民主党）は火曜日の閣議後の記者会見で、この議論は財政収支均衡
委員会で、来年から行なう、と発表した。
８月２５日（水）
国外ニュース
ウィキリークスはCIAの文書を再び公開
インターネット上の情報暴露サイトであるウィキリークスは昨日、
米国秘密情報部CIAの文書を再び公開した。これには秘密文書と分
類されている3ページの分析が含まれている。この文書では、米国
市民がたとえばアル カーイダに属して、外国で攻撃を行なうこと
があった場合に、国際反テロの戦いに生じかねない影響が考察され
ている。問題の中心になっているのは、米国の印象がどのように変
わるか、そして諸外国の政府がテロとの戦いで米国を支援しつづけ
るかどうかである。この文書は、9月11日の攻撃後に設立された
CIAの特別部局が作成した。米国の報道機関によれば、この文書は
それほど危険なものではない。ウィキリークスはすでに頻繁に「血
球」の文書を公開している。
国内ニュース
古い統一価格をめぐり憲法裁判所に新たな訴訟
いくつかの税金では、課税対象物の価格が統一的に定められてお
り、最後に定められたのは1973年であるが、この統一価格をめ
ぐり、憲法裁判所で争われるのは、土地税の納税義務者だけでは
ない、と「シュタンダルト」紙は報じている。それによれば、
2つの財団が同じように、財産を持つ階層が平等な取り扱いを受
けていない、との訴えを憲法裁判所に起こした、とのことであ
る。判決は秋にも出るものとみられている。
８月２６日（木）
国外ニュース
米国はパキスタンの支援隊が攻撃を受ける可能性があると警告
米国の見解によれば、パキスタンの災害被災に対する諸外国の支援
隊は、テロ攻撃に備えなければならない。米国外務省公報は昨日、
急進派組織からの「疑いようのない威嚇」に関する情報がある、支
援隊に対する脅迫は、主として急進派イスラーム教徒タリバーンが
表明したものである、と述べた。「パキスタンの急進派がこのよう
なことをそもそも考えるということで、彼らが住民の健康をどれほ
ど軽視しているかが判る」とも彼は述べた。さらに、米国はパキス
タン政府と密接な協力を行ない、攻撃を回避する方針である、米国
の支援隊は脅迫に屈することはない、とも語った。
国内ニュース
汚職対策で2千8百万オイロを司法に支出
経済訴訟の手続きが遅々として進まないため、政府の側から反撃を
行なう。司法首脳会談が昨日行なわれ、汚職および経済犯罪対策
で、司法に対して2千8百万オイロの追加支出が昨日決定された。
これは職員の正規定員190人分に相当する金額である。人材の追加
雇用は行なわれないが、年金捻出のために削減されていた人員の分
である。法務大臣の検察に対する命令権に関しては、社会民主党か
ら疑問視する声があったため、合意は成立しなかった。
８月２７日（金）
国外ニュース
カナダでテロ分子が4件目の逮捕
カナダではイスラーム教徒のテロ分子と見られる人物に対する捜査
が行なわれているが、昨日4人目の容疑者が逮捕された。容疑者は
首都オタワでの家宅捜索の際に逮捕された、と警察は発表した。こ
れ以上の詳細は、今のところ発表されていない。当局は水曜日と木
曜日には、テロ分子と見られる3人を逮捕していた。それぞれ
26歳、28歳、30歳の容疑者は、カナダの安全のために「深刻な脅
威」である、と警察広報は述べた。彼らには、カナダでの襲撃を計
画したとの容疑が持たれている。彼らの住居の中では、爆弾製造の
手引書と材料が見つかっている。裁判所での聴聞は、9月1日に設
定された。
国内ニュース
シュタイアーマルク州国民党と自由党は集中選挙戦を開始
シュタイアーマルク州国民党は金曜日に、州議会選挙に向けて、集
中した選挙戦を開始した。国民党の約3千人がレーオベンにあるゲ
ッサー醸造所の大広間に集まり、党幹部からやる気をかきたてられ
た。自由党は3百人から4百人が、会議場に改修されたレーオベン
の旧市庁舎に集まり、中心となる話題としてイスラーム教徒とモス
ク建設を取り上げた。
８月２８日（土）
国外ニュース
ドイツ連邦銀行幹部「ユダヤ人はある遺伝子を共有」
ドイツ連邦銀行の幹部ティロ サラズィンは、ユダヤ人とバスク人
の遺伝型について発言し、激しい怒りを引き起こした。早版によれ
ば、「すべてのユダヤ人はある遺伝子を共有しており、バスク人は
他の人とは異なる遺伝子を持っている」とサラズィンは「ヴェルト
紙日曜版」と「朝刊ベルリン」に述べた、とのことである。すでに
サラズィンを社会民主党からの追放を求める声が、ますます大きく
なっていた。ドイツ連邦銀行は、同行の幹部の新たな発言につい
て、内容的なことは何も述べなかった。広報は、「サラズィン氏の
見解は個人的なものであり、銀行幹部としての活動とは何ら関係が
ない」と述べた。このインタヴューの前から、他にも彼を批判する
声は上がっていた。「ドイツ トルコ人協会」のほか、ニーダーザ
クセン州社会副大臣アイギュル エツカン（キリスト教民主同盟）
や連邦政府の融合問題担当のマリーア ベーマー（キリスト教民主
同盟）も、元ベルリン市大蔵大臣の彼を非難した。
国内ニュース
アルプバッハ公開会議は冒頭で政治対話を行なう
今年のアルプバッハ ヨーロッパ公開会議では政治会議が冒頭で行
なわれる。日曜日から政治の次元での会議と公演がたくさん行なわ
れるが、その共通議題として「計画と現実」が掲げられている。午
後に開会演説を行うのは、EU地域委員ヨハネス ハーンである。
その後外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー（国民党）がEUの
ドーナウ川戦略」という論題で発言を行なう。今回の会議の議題
は、ロシアとヨーロッパの関係、トルコの役割、EUの未来など広
い範囲で行なわれる。デイトン和平合意15年をうけ、ボスニア問
題の討論会も行なわれる。
８月２９日（日）
国外ニュース
ベルギー組閣に深刻な危機
ベルギーでは選挙から10週間経つが、組閣をめぐる努力は深刻な
危機に陥っている。フランス語系の社会党党首エリオ ディ ルポ
は、連立政府結成の模索を止めたいと求めていたが、ベルギー国王
アルベルト2世は昨日ブリュッセルで、これを拒否した。ディ ル
ポ派今後も、フラマン語系の民族党と共に、国の改革で合意を図る
ことになる。彼は日曜日に、立場の違いが大きく、合意できない、
と述べていた。国会で多数派を見つけようとの試みは、フランス語
を話すヴァロン人とオランダ語を話すフラマン人の間の対立がある
ため、失敗に終わる危険性がある。ディ ルポは10時間にわたる
交渉を行ない、国家改革のやり方を取りまとめようとしていた。問
題になっているのは2点で、ブリュッセル広域のフラマン語共同体
の地位と、ブリュッセルの財源である。
国内ニュース
ダラボス「迎撃戦闘機はドイツでより高価ではない」
緑の党の国会議員ペーター ピルツは、オーストリアが迎撃戦闘機
オイロファイター15機の代金として、1機あたりドイツの倍額を支
払った、と指摘したが、国防大臣ノルバート ダラボス（社会民主
党）は、これを否定した。整備契約を含まず、特別装備のつかない
15機の機体そのものには、オーストリアは追加して話し合った契
約8億5千万オイロを支払った。1機あたり5千7百万オイロで、ド
イツで挙げられていた金額と全く同じである、とダラボスの広報は
昨日APA通信に述べた。ピルツによれば、ドイツは新しい飛行計器
を取りつけたが、オーストリアは中古のものを取りつける、とのこ
とである。