９月６日〜１２日のドイツのニュース
９月６日（月）
ドイツの原発はより長期に渡り電力を供給
（ベルリン）今後のドイツの電力政策に関して、数ヶ月に渡って対立が生じてきた
が、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権は、原子力発電所が平均し
て12年間、予定されていたよりも長く電力を供給することを決定した。運転期間
の延長とは別に、原子力発電所の運転会社は2011年から毎年23億オイロの原子力
税を支払うことになる。ただしこの新税は、6年間の期限つきである。また電力会
社は、更新可能な発電の拡大のためにも、国庫に対して巨額の支払いをすることに
なる。野党と環境に配慮した電力関係者は、驚きいたと述べ、これは電力会社に配
慮した政策である、電力会社はこれにより、多くの収益を手に入れることができ、
そのツケを購買者と経済界が支払わねばならない、と述べた。社会民主党は、運転
期間の延長が連邦参議院を無視して実施されることになれば、憲法裁判所に訴えを
起こす、と予告した。
その他のニュース
メルケルはリトアニアで国家予算の原則を打ちたてるように促す
（ビリニュス）リトアニア訪問中の連邦首相メルケルは、オイロの
危機を克服することを念頭において、EU安定化対策を厳しく遵守
するよう促した。この対策を守り、合理的な国家財政の安定化を行
なうことでのみ、今後うまく成長をなしとげるための土台が作られ
うる、とも述べた。彼女はヴィリニュスでリトアニア大統領ダリア
グリﾎﾞウスカイテと会談した後、ドイツとリトアニアはこの点で
は意見が完全に一致している、と述べた。グリボウスカイテは、リ
トアニアのような元ソ連の共和国で現在EU加盟国は、新たなNATO
の戦略的な構想の元で、ロシアから守られなければならない、と強
調した。今後NATOの戦略上の路線に関する意見調整は、11月の
NATO首脳会談で行なわれる。バルト諸国訪問中のメルケルは火曜
日には、ラトヴィアで怪談を引き続き行なう。インターネット犯罪が大幅に増加
（ベルリン）インターネット犯罪は昨年、大幅に増加した。連邦刑
事局の新たな集計によれば、事件の数は特にインターネットを用い
た銀行取引で増加している。同局の2009年の報告によれば、前年
比でこの種の支払流通に犯罪が関与した数は、68%増加し、この傾
向はますます強まっている。昨年の銀行取引の損害額だけでも、
175億オイロに上ると見積もられており、インターネット上の犯罪
は合わせて約5万件が報告され、2008年と比べるとおよそ33%増
で、このほかにも表に現われない犯罪が非常に多数ある、とのこと
である。イランは国連核当局との協力を拒否
（ウィーン）国際原発機構は、問題となっているイランの核計画の
検討が、さらに困難になっている、と訴えている。同機構総裁天野
の報告の中では、イラン政府は繰り返し核に対する査察を拒んでい
る、と述べられている。他の分野でもイラン首脳部は協力を拒否し
ている。ニュー ヨークの国連安保理の決定に反して、イランは
2千8百キロのウランを低濃度に濃縮させた。専門家によれば、こ
れをさらに加工すれば、3発分の核爆弾を製造するのに足りる量で
ある。同機構の信頼できる文書によれば、イランでは過去数カ月
に、少なくとも22キロのウランが、20%にまで濃縮された、との
ことである。
９月７日（火）
バローゾはEUの財政に新たな規則を導入する方針
（ストラスブール）EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾは、EUの財政を新
たなど内の上に据える方針である。彼はストラスブールのヨーロッパ議会で、EU
の情勢について初めて演説し、加盟国から提供される現在の方式は、満額に達して
いないので、EU委員会はより公平でより効果的な体制を呈示することになるだろ
う、と述べた。彼は加盟国に対して、さらなる協力を要請し、経済および金融恐慌
により明らかになったのは、加盟各国がどれほどお互いに依存しあっているか、と
いうことであり、ヨーロッパは27の異なる解決以上のものであるということを示
さなければならない、と語った。
ヨーロッパ議会の各会派は、バローゾのこの提案を歓迎した。ただし議員の中に
は、ドイツやフランスなどの大国に対して、この考えを押し通す力が彼には欠けて
いる、と非難するものもいる。
その他のニュース
EU加盟各国の蔵相は国家財政の監視強化を可決
（ブリュッセル）EU加盟各国の蔵相は、負債増加の対策として、
国家財政に関する監視を強化することを決定した。それによれば加
盟27カ国は2011年から、毎年初めにそれぞれの国会予算案を監視
のために、EUに呈示することになる。EU委員会が態度を示した
後、各国の予算は細かい点まで可決されることになる。ただし各国
議会の予算に関する主権が侵害されることはない。また各国蔵相
は、EUの包括的な金融市場改革を行なうための妥協を承認した。
銀行、保険、株式市場を担当する3つの官庁が、来年初めから創設
されることになっている。これらは問題や異常事態が発生した時
に、危機管理を行なうことになっている。メルケルはリトアニアでも国家財政の原則を守るように促す
（リガ）リトアニア訪問中の連邦首相メルケルは、借り入れが過大
になっている加盟国に対する支援を行なうために、共通通貨オイロ
が弱体化しないように、と警告した。そのためドイツは、現在EU
と国際通貨基金が行なっている危機管理の体制を、2013年を越え
て残すことには賛成しないだろう、あまりの大きな支援金を用意す
るのはオイロの価値を下げる、とリガで彼女は述べた。さらにメル
ケルは、ヨーロッパが成功の歴史を持ちつづけるためには、むしろ
確固とした予算と財政に関する政策が必要だ、とも述べた。リトア
ニアは、経済および金融恐慌で、特に大きな打撃を受けたヨーロッ
パ諸国の一つである。OECD「大学教育が最高の失業対策」
（ベルリン）ある調査によれば、大学で勉学にいそしむことが、世
界の工業国すべてで失業をもっとも上手に防ぎ、さらに良い収入を
保証している。経済協力開発機構は教育に関する新たな報告の中
で、このような結論に達している。大学卒業者とそれ以外の収入の
格差は、最近ますます拡大しており、平均した場合、職業教育を受
けた従業員の収入を75%上まわっている。ただしドイツでは大学教
育を受ける若者は、今なおあまりに少なく43%である。同機構の平
均では、その割合は56%である。さらにドイツでは、教育に対する
支出があいかわらず低水準である。経済協力開発機構はドイツの職
業教育制度を高く評価しており、この点では、企業と学校での教育
が模範的な形で結びついている。
９月８日（水）
スイスとドイツは隣国関係が良好であると確言
（ベルン）ドイツとスイスは、税制での対立点と、チューリヒおよびその周辺地域
での国境を越える飛行機の騒音問題を、良い隣人精神でもって解決する方針であ
る。2日間の日程でベルンを正式訪問している連邦大統領クリスティアン ヴルフ
が、スイス大統領ドーリス ロイトハルトとまず会談した後に、これを確認した。
ドイツ人租税忌避者をめぐり争いが生じたが、ヴルフはドイツのスイスとの関係を
再び良好になった、と見ている。ベルンの国会での演説の中でヴルフは、両者の努
力のおかげで、生じていた問題を克服するのに成功した、と述べた。
ヴルフが7月に大統領に就任して以来、これが始めての外国正式訪問である。アル
プスの共和国スイスに外国の元首が訪問するのは、年に1度か2度のことである。
その他のニュース
内閣は移民の社会への融合計画を承認
（ベルリン）連邦政府は外国人のドイツへの統合を改善する方針で
ある。内閣はそのために社会への融合計画を承認した。この計画の
中心は、教育および言語習得の育成である。外国人家庭に属する人
々により多くの機会の平等を与えられるようにするのが目標であ
る。ベルリンでこの計画を公表した連邦内相デ メズィエールは、
ドイツには10から15%の外国人が社会に解け込む意志を持ってい
ない、この問題を一部の人は重視してこなかった、と述べた。ドイ
ツ経済研究所の見解によれば、移民の増加が無条件に必要である。
同研究所所長ツィマーマンは「夕刊ハンブルク」紙のインタヴュー
で、社会の高年齢化に直面し、緊急に外国からの労働者が必要であ
って、毎年少なくとも50万人の移民が必要だ、と述べた。メルケルはEU税を断固拒否
（ベルリン）EU委員会議長バローゾは、EUの財源に関して新たな
規則を提案したが、これは拒否にあった。ドイツ首相メルケルは、
キリスト教民主同盟の会派の非公開会議で、バローゾの計画を断固
拒否した。この会議の参加者の話によれば、現政権下ではEU税は
成立させない、とメルケルは強調した。納税者連合会長デーケは、
EUが住民にとってますます高くつく事態になってはならないが、
この計画はそのような結果をもたらすだろう、と述べた。バローゾ
はストラスブールのヨーロッパ議会で、EUの情勢について演説
し、大きな基盤整備の事業の財源確保に理解を求めていた。国営宝くじ会社は賭博独占は損なわれないと見る
（ベルリン）ドイツの賭博独占に関するヨーロッパ裁判所の判決に
は、さまざまな反応が出ている。民間の賭博業者は、賭場に関する
国の契約が終了する、と述べた。これに対して国営宝くじ会社は、
賭博の独占は今後も続けることができ、契約の修正が必要なだけ
だ、と見ている。ルクセンブルクの同裁判所の裁判官たちは、スポ
ーツくじと賭博がドイツでは国によって独占されているのは、EU
法に違反している、との判断を下した。彼らは中でも、国の業者が
宝くじとスポーツくじを共に宣伝しているのに、この独占により病
的な賭博癖を押え込んでいるとしているのが矛盾している、と判断
した。
９月９日（木）
通信社の情報ではドイツの原子力産業は大規模な保護約款で守られる
（ベルリン）ドイツの原子力産業は、連邦政府との契約で、広範囲にわたる保護条
項で守られた。いくつかの通信社の情報によれば、今後の整備のための費用が、原
子力発電所1箇所あたり5億オイロの上限が設けられる。また今後の政権が2016年
に廃止される原発税を延長ないしは増税することになれば、新たな環境に配慮した
発電基金への電力会社の支払いは減額される。与党キリスト教民主、社会同盟と自
由民主党および原発運転会社Eon、RWE、EnBW、ファッテンファルの各社は、こ
の項目を設置することで、社会民主党と緑の党が、今後の選挙で勝利をした場合
に、原発の運転期間延長に関する方式を修正しにくくするための障壁を作り出し
た。社会民主党、緑の党、左翼党は、これは「秘密文書」と「陳情運動主義」であ
ると述べ、工業界とのあらゆる付随協定を即時公開するように求めた。野党は連邦
首相アンゲラ メルケルに、「熱い秋」になる、と威嚇した。
その他のニュース
大混乱を受けシュタインバッハは辞任
（ベルリン）被追放者連合BdV会長シュタインバッハは、キリスト
教民主同盟の幹部を辞任した。彼女はこれにより、第二次世界大戦
中勃発時にポーランドが果たした役割に関する発言が先日巻き起こ
した大混乱を収拾する。国会議員である彼女はすべての政党から批
判を受けていたが、その原因は、キリスト教民主、社会同盟の非公
開会議で、「ポーランドが1939年3月に既に動員を行なっていたと
いう事実は残念ながら変えることができない」と述べタコとであっ
た。彼女はその後の記者会見で、このことはドイツが戦争に対して
持つ責任を何ら変えるものではない、と付け加えていた。社会民主
党は、シュタインバッハのこの行動には耐えられない、と述べてい
た。緑の党は、これはポーランドに対する侮辱である、と述べてい
た。左翼党は、シュタインバッハの発言は、戦争を正当化する「ヒ
トラーの嘘」に追従するものだ、と述べた。シュタインバッハは
「ヴェルト」紙に、自分は党幹部界では単なる口実の役割しかもっ
ていないと述べ、キリスト教民主同盟に対して、あらゆる方面に同
調しないように、と警告した。オバマはフロリダでのコーラン焚書計画を非難
（ワシントン）米国大統領オバマは、フロリダの福音主義宗派が計
画しているコーラン焚書を厳しく非難した。これは米国の価値観と
は完全に矛盾する「破壊的な意志表示」であって、この行動はテロ
を行なうアル カーイダが「人集めの金鉱」となりうる、とオバマ
はABCテレヴィに述べた。インドとインドネシアは米国政府に対し
て、この宗派に対して措置を取るように求めた。この宗派の牧師ジ
ョーンズは、初めて譲歩の姿勢を示し、大統領府が自分に直接、土
曜日に予定されているコーランの焼却を中止するよう求めるのであ
れば、自分はこの計画を一から考え直す、と「USAトゥデイ」紙に
述べた。EU議会はロマの追放を弾劾
（ストラスブール）ヨーロッパ議会はフランスおよびその他のEU
加盟国からのロマ追放を非難した。このような措置はEU法とヨー
ロッパ人権協定に違反する、と議会の決議の中で述べられている。
議員たちは、国外追放を中止し、ロマのよりよい融合を求めた。フ
ランス政府はこの非難を断固退けた。ルーマニアを訪問中の移民大
臣ベッソンは、フランス政府はEU法に極めて忠実に行動している
と述べ、フランスは追放政策を修正しない、と明言した。
９月１０日（金）
ドイツは開発支援を抜本的に変更する方針
（ベルリン）ドイツは今後の開発支援を、自発的に立場を打ち出すように被支援国
側に促す意向である。連邦首相アンゲラ メルケルは、元国連事務総長コフィ ア
ナンとベルリンで会談し、単なる金銭面での支援から離れ、関係各国の国民の独自
の能力を産み出すよう「抜本的な変更」をすることが重要だ、と述べた。また彼女
は、ニュー ヨークで9月末に開かれる20世紀末に掲げた目標の検討を行なう国連
の首脳会談では、この立場を代表するつもりである、とも述べた。
アナンは、アフリカ諸国は現在「支援を受ける立場」から脱出し、雇用を産み出せ
るような中流階級を育成する気にならねばならない、と述べた。
10年前に合意された国連の20世紀末の目標には、極端な貧困と飢えに苦しむ人の
数を半分に減らし、すべての子供たちに学校教育を与えることが含まれている。
その他のニュース
連邦政府はサラズィンの辞任を歓迎
（ベルリン）連邦政府は、連邦銀行の幹部サラズィンの辞任を歓迎
した。合意の上でこのような解決がなされ、連邦銀行が落ち着いて
重要課題に取り組めるようになったのはよいことだ、と政府広報ザ
イベルトはベルリンで述べた。連邦政府はこの決定に何ら影響力を
行使していない、とも述べた。社会民主党は、外国人が社会に解け
込む能力を議題として、党員との公開会談を行なうと予告した。同
党主ガブリエルは、非公開会議で党からの追放手続きを取ることは
ない、と述べた。サラズィンは木曜日に、連邦大統領ヴルフに対
し、自分を解任するように、と申し出ていた。彼はその理由とし
て、世間からの圧力が強まったことを挙げた。野党はドイツの原子力産業との取り決めを非難
（ベルリン）連邦政府は、電力会社との協定を国会の議決を回避す
る方針であると非難されているが、これを否定した。連邦議会はこ
の協定をさらに仕上げるのに関与する、と関係する省庁の広報は明
言した。社会民主党、緑の党、左翼党は、キリスト教民主、社会同
盟と自由民主党の連立政権が「法律違反」を犯したと非難し、連邦
議会と連邦参議院に関与させるように警告した。この取り決めで
は、電力会社には巨額の譲歩が保証されている。原子力発電所の原
子炉1基ごとに、整備の費用を最高5億オイロまでに制限されてい
る。整備費用がこれを上回った場合、連邦が受け取る環境配備型の
電力基金への拠出金が減額される。また運転期間を短縮あるいはプ
ルトニウム税が引き上げられた場合、連邦に入る資金が減額される
ことになる。シンティとロマも被追放者財団から退去
（ハイデルベルク）ドイツユダヤ人中央評議会に続いて、ドイツ
（いわゆるジプシー）シンティとロマ中央評議会も、「逃走、追
放、和解」財団での協力を一時中止する。その理由は、被追放者連
合BdV会長シュタインバッハが、第2次世界大戦勃発時のポーラン
ドの役割について行なった発言である、とロマ中央評議会はハイデ
ルベルクで発表した。その中では、シュタインバッハの発言は、ド
イツの戦争責任と、数百万人の犠牲者を嘲笑するのに等しく、協力
はもはや不可能である、とも述べられている。シュタインバッハ
は、キリスト教民主、社会同盟の非公開会議で、ポーランドが
1939年3月には既に、動員を行なっていた事実を変えることはで
きない、と述べていた。ユダヤ人中央評議会は数日前に、被追放者
連合から財団評議会に派遣されている幹部が2人いることを理由
に、協力を中止していた。この財団の目標は、文書記録館を作り、
ヨーロッパで追放された人の不当性を記憶に留めることである。
９月１１日（土）
米国は9月11日の犠牲者を追悼する
（ニュー ヨーク）2001年9月11日のテロ攻撃の記念日に、米国大統領バラック
オバマは米国人に対して、困難な時期にあっても、混乱して宗教に関する憎しみ
を持つに至ることがないよう、そして国民としてお互いに助け合うように呼びかけ
た。国防省、ペンシルヴァニアの墜落地点、ニュー ヨークのグラウンド ゼロで
は、乗っ取られた飛行機を用いたテロ攻撃で亡くなったおよそ3千人が追悼され
た。この式典は、急進的な米国の牧師で、公開の場でコーランを焼くと威嚇してい
た男をめぐる混乱で、暗い影が落ちたが、彼は焚書を完全に断念する、と発表し
た。グラウンド ゼロ近くにイスラーム教徒の中心施設の建設計画も、興奮を引き
起こした。この計画には反対派も賛成派も集会を行なった。
その他のニュース
コーラン焚書の威嚇が再び暴動を生む
（カブール）土曜日に行なうと威嚇されていた米国でのコーラン焚
書は断念されたものの、アフガニスタンでは怒ったイスラーム教徒
の抗議活動が再び発生した。カブールの南のローガル州では、群集
が警察と市街戦を繰り広げた。女性問題担当省を襲ったデモ隊に対
して、治安部隊が発砲した。バダフシャーン州では、2日続けて数
千人が路上に繰り出した。前日には北部の国防軍の駐留地点前で、
衝突が発生した。デモ隊の1人が射殺された。フロリダの急進的な
牧師は、テロ攻撃の記念日9月11日に、コーランを燃やすと予告し
ていた。その後彼はニュー ヨークで、この行為を全く行なわな
い、と発表した。EUはトルコの「逸脱」に懸念
（ブリュッセル）EU加盟各国はトルコとの協力関係を再び強化す
る方針であるが、それはイスラーム教世界に対してトルコが示す姿
勢に関する不安があるためでもある。ブリュッセルで開かれたEU
加盟各国の非公式外相会談で、トルコは「世界的に大きな影響力」
を持ち、「イスラーム教国との橋渡しをする国」として重要な役割
を果たしている、と述べた。外務委員アシュトンは、行き詰まって
いる加盟交渉とは別に、戦略的に重要な隣国との関係を改善するこ
とに理解を求めた。ドイツ外相ヴェスターヴェレは、トルコ外相ダ
ヴトグルと外相会談を行ない、トルコとの関係全体を加入できると
いう見通しと結びつけてはならない、と注意した。加盟交渉が進ま
ない主な理由は、解決できないキプロス問題である。ゼーホーファーは方針転換し職業軍人に賛成
（ベルリン）キリスト教社会同盟党首ゼーホーファーは、兵役義務
の中断に反対するのを止めた。今や彼は兵役義務の廃止も可能であ
る、と考えている。安全保証の分析の結果、兵役義務の憲法上の根
拠が必要なくなれば、将来は職業軍人による軍が作られることにな
るだろう、と報道雑誌「シュピーゲル」に彼は述べた。これでバイ
エルン州首相であるゼーホーファーは、国防相ツ グッテンベルク
の要請に譲歩したことになる。同じキリスト教社会同盟のツ グッ
テンベルクは数ヶ月前から、兵役義務の中断を求めていた。しかし
ゼーホーファーは、ツ グッテンベルクが支持する16万3千5百人
規模の部隊という構想に反対であると述べ、その理由として、大幅
に増員しなければならなくなるからだ、と述べていた。
９月１２日（日）
トルコの憲法改正に広い範囲からの支持
（アンカラ）トルコは国民投票を行ない、幅広く多数の人が、憲法の広範な改革に
賛成した。最終得票予想によれば、60%ほどの有権者が、首相レジェップ タイッ
プ エルドアンおよび彼のイスラーム教徒保守派の公正発展党AKPの行なっている
異論も多い措置を支持した。この結果が確定すれば、エルドアンにとっては戦略上
重要な成果となる。今回の国民投票では、EU加盟交渉を前進させるために、法体
制を26項目の修正を行なうことが焦点となっていた。中でも重要なのが、軍が民
事訴訟の裁判権の元に置かれることになることである。野党はこの措置を、イスラ
ーム教徒勢力が、司法への影響力を拡大する試みである、と見ている。
現行の憲法は、80年代初めに、当時国を支配していた将軍たちが、自らの意向を
押し通したものであった。
その他のニュース
メルケルはキリスト教民主同盟右派の意向を阻止する方針
（ベルリン）キリスト教民主同盟の保守派としての性格に関する議
論に、連邦首相アンゲラ メルケルも加わった。ベルリン近郊で開
かれたキリスト教民主同盟の幹部による非公開会議の冒頭で彼女
は、同党右派の意志をくじくつもりである、と予告した。党内で
は、キリスト教民主同盟がますます保守派としての特性を失ってい
る、との苦情が広まっているが、メルケルはこれを退け、同党は3
つの根「自由主義、キリスト教社会主義、保守的」を持つ政党であ
り、この根の1つであってもなおざりにはできない、と強調した。
同党の方針に関して新たな議論が起きたのは、被追放者同盟会長シ
ュタインバッハが、キリスト教民主同盟の幹部を辞任すると発表し
たことであった。彼女は自分の辞任は、保守派の重要性が減少して
いることの結果である、と見ている。シュタインバッハは新たな保
守政党が生まれる好機である、とも認めている。原発をめぐる議論ではレットゲンの発言をめぐり混乱
（ベルリン）ドイツの原発をめぐる議論で、連邦環境相レットゲン
の発言が現在、混乱を生んでいる。「ビルト紙日曜版」の上方によ
れば、キリスト教民主同盟の政治家である彼は、ノルトライン・ヴ
ェストファーレン州の党員を前に、連邦参議院の賛成がない場合に
は、連邦憲法裁判所が原子力発電所の運転期間の延長を認めること
はないだろう、と述べていた。連邦環境省広報は、この新聞報道を
誤りである、として退けた。与党キリスト教民主、社会同盟と自由
民主党は先週、原発の運転期間を平均で12年延長することを決定
していた。連邦参議院の賛成が必要であるかどうかは、議論が行な
われている。政府が連邦参議院の採決を回避するのであれば、憲法
裁判を起こすと威嚇している州もある。与党は連邦参議院では過半
数の議席を持っていない。社会民主党党首は連邦銀行のサラズィンとの合意を批判
（ベルリン）社会民主党党首ガブリエルは、連邦銀行と同行幹部を
辞任するサラズィンの合意を批判した。連邦銀行は、連邦大統領を
救済し、サラズィンを厄介払いするために、取引を行なった、とガ
ブリエルは「ビルト紙日曜版」に述べた。連邦銀行はこれから、サ
ラズィン辞職のために多くの金を支払わなければならなくなるだろ
う、とも語った。「シュピーゲル」誌の報道によれば、移民に関す
る発言が異論を巻き起こしたサラズィンは、同行幹部の辞職に対し
て毎月1千オイロ高い年金を支払うようにと交渉した、とのことで
ある。サラズィンは社会民主党の党員であり、同党は問題のこの受
給を検討する党委員会を設置するかどうか、協議している。