9月20日〜26日のオーストリアのニュース



9月20日(月)

     国外ニュース

ポーランド訪問を前にホロコースト否定論者アーヴィングを告訴

英国のホロコースト否定論者デイヴィッド アーヴィングが、ポー
ランドを訪問しようとして反対意見がでているが、昨日ポーランド
の団体が彼を告訴した。ポーランド人に対するナチおよび共産主義
時代の犯罪の追及を担当する官庁IPN「国民追悼機関」に対して、
「開かれた共和国」という団体は、1977年に出版された著書「ヒ
トラーの戦争」のなかで、ユダヤ人の民族殺戮を否定したアーヴィ
ングを告訴した。訴状の中で「アーヴィングがポーランドの領土で
新たな犯罪を犯すまで、待つのは止めよう。証拠からみて、彼がホ
ロコーストを既に否定したことは間違いない」と述べられている。
ポーランドでは反ユダヤ的な発言やユダヤ人の民族虐殺の否定は、
最大で3年間の拘留刑に処される。アーヴィングはホロコースト否
定のため、オーストリアでは既に拘留された。

     国内ニュース

バンディオン・オルトナーは子供の養育権の「取引」に反対

法務大臣クラオディア バンディオン・オルトナーは昨日、家庭大
臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセク(社会民主党)が親族法の問
題で行なった提案に、基本的に賛成した。ハイニシュ・ホーセク
は、今後両親が離婚する際には、訪問する最低の回数について1月
に4回などと合意しなければならない、と定める意向である。バン
ディオン・オルトナーは「興味深い提案」と見ている、と彼女の広
報は述べた。「これが実現しても、共同養育の問題は解決したわけ
ではない。誰も政治的な取引をするつもりはない」とも述べた。法
務省での親族法に関する作業班の第1回会合では、ハイニシュ・ホ
ーセクは、訴訟の手続きを1年に制限し、裁判離婚の場合には両親
の協議を義務づけるよう求めた。一方彼女は、離婚後に自動で共同
養育を認める件には疑問を呈し、両親に強制的に義務を与えるつも
りはない、と述べた。




9月21日(火)

     国外ニュース

米軍では同性愛者追放は当分残る

米軍の同性愛者追放は、当面残る。ワシントンの上院は昨日、自ら
が同性愛者であることを公言した人は、米軍の任務から締め出され
るとの法律の廃止を阻止した。民主党は、「何も聞かず、何も語ら
ない」との規則の廃止を採決に持ち込むことに失敗した。これは大
統領にとって敗北である、と見られている。この規則の廃止は、バ
ラック オバマの選挙戦の公約の一つであった。彼は同性愛の兵士
は、自分の性的傾向を今後は秘密にしておく必要をなくするように
するつもりである。問題はこの法律が11月2日の議員選挙を前に、
上院を通過できるかどうかは疑問である。下院は既に5月に、この
規則の廃止を可決していた。

     国内ニュース

クルツマン、シュトラーヒェ、ペッツナーは「引き渡される」

シュタイアーマルク州自由党党首ゲアハルト クルツマンは、自由
党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェおよびケルンテ
ン州未来同盟党首シュテファン ペッツナー同様に、国民評議会か
ら「引き渡される。」緑の党所属の国会議員ディーター ブロスツ
によれば、国会議員の不逮捕特権委員会がこれを決定した。形式的
には国民評議会が、午前中の総会の終わり頃に、これに関する決定
を確定しなければならない。クルツマンのこの措置のきっかけにな
ったのは、シュタイアーマルク州自由党のモスクの塔に反対するゲ
ームであった。ただしこれは既にネット上からは消されている。グ
ラーツ検察は、緑の党の告発を受け、クルツマンが宗教上の教義の
扇動と誹謗を行なったと非難した。




9月22日(水)

     国外ニュース

オバマ「貧困国支援は富裕国の利益でもある」

米国大統領バラック オバマは、国連の貧困首脳会談で、豊かな国
々に対して、自国の利益等いう点でも、貧しい国々への支援を増や
すように呼びかけた。「我々は古い神話と決別しなければならな
い。古い神話では、発展支援は単なる事前行為であって、自分たち
の利益には貢献しないことになっていた」と彼は昨日ニュー ヨー
クで演説した。「現代の世界規模化した経済に置いては、最貧国の
前進ですら、私の国米国の人々の降伏と安全を大きく前進させる」
と述べた。また彼は、受給こくに経済を解放し、効率性を高めるよ
うに求めた。

     国内ニュース

シュタイアーマルク州議会選挙でテレヴィ討論

シュタイアーマルク州議会選挙を前に、放送を用いた選挙戦の最後
の頂点であるテレヴィ対決が行なわれ、フランツ フォーフェス
(社会民主党)とヘルマン シュッツエンヘーファー(国民党)が
討論した。まずは激しい個人的な攻撃を行なった。共通点が一つあ
り、両者は議論の冒頭で情勢は自分に有利である、と述べた。シュ
ッツェンヘーファーは「投票行動が私を裏切らなければ、わが陣営
の情勢は良好だ」と述べた。一方フォーフェスは、「私の側も良い
感触である。私はよい反応を得ており、もう一期務めることができ
るので私たちは機嫌がよい」と述べた。




9月23日(木)

     国外ニュース

国連首脳会談でオバマはパレスチナ人国家に理解を求める

米国大統領バラック オバマは国連で、独立したパレスチナ人国家
に理解を求めた。「来年ここで再会する時には、我々は新たな国が
加盟することにつながる協定を持てる。それは独立し、主権を持つ
国家パレスチナで、イスラエルと平和的に共存する国である」とオ
バマは木曜日の国連総会で述べた。同じ日にイラン大統領マハムー
ド アフマディネジャドも、国連で演説した。彼は厳しく西側を攻
撃し、騒ぎを巻き起こした。彼は2001年9月11日のテロ攻撃の犠
牲者を、イラク戦争の犠牲者と差引勘定する発言を行ない、多くの
外交官が議場を退席した。

     国内ニュース

エーベン湖収容所での妨害行動をめぐる裁判が始まる

昨年5月にエーベン湖の強制収容所跡地での追悼式を妨害した件
で、金曜日には若者4人がナチの再活性化容疑で、ウェルス州裁判
所で責任を問われる。裁判所によれば、被告たちは事前にその行動
を認めているが、ナチの背景が問題になるかどうかは不明である。
告発によれば、1人は元収容所の坑道で、「ハイル ヒトラー」と
「ズィーク ハイル」と叫んだ、とされている。その他に彼は、
「ヒトラー式の挨拶」をし、この施設の訪問者たちを、自動小銃に
似た模造銃の弾丸で銃撃した。その他の被告は、同じようにナチ的
な言葉を叫び、来訪者を銃撃した。裁判の初日には、4人の被告の
尋問が行なわれる。証人7人の聴取は後に行なわれる。判決がでる
かどうかはわからない。犯行時点で被告の3人は16歳、1人は14歳
であった。彼らには最大で5年間の拘留が言い渡される可能性があ
る。




9月24日(金)

     国外ニュース

英国労働党党大会で新党首を選出

英国労働党は土曜日に新党首を持つ。9月初めから行なわれている
党員、国会議員、労働組合員の郵便による投票の結果が、マンチェ
スターで公表される。合わせて5人が立候補している。もっとも有
力なのは元外務大臣デイヴィッド ミリバンドと彼の弟で元電力相
エド ミリバンドである。労働党は5月の国会議員選挙で敗北し、
13年ぶりに政権を失っていた。その直後首相ゴードン ブラウン
は党首と首相職を辞していた。その間それまでの党首代理のハリエ
ット ハーマンが党首を代行していた。

     国内ニュース

グラーツでの選挙戦の終盤で

シュタイアーマルク州の選挙戦は頂点に達した。ほぼすべての政党
が金曜日に、最後の集会を行なったが、その様相はさまざまであっ
た。社会民主党はグラーツのシュロスベルクで、約7百人を集め、
より大きな公正を実現すると予告し、銀行と投機家に対して厳しい
言葉を述べ、国民党は費用や努力を惜しんでいるように見える、と
述べた。国民党はほぼ7千人が出席する大きな集会をカルメル会修
道士広場でおこなったが、これはポップスのコンサートを思わせ
た。実際にこの集会に引き続いて、「ディ ゼーア」が演奏を行な
った。




9月25日(土)

     国外ニュース

イスラエルはフィデル カストロに支援を感謝

イスラエルはキューバ元大統領フィデル カストロに対して、いく
つかのインタヴューでの支援を感謝した。イスラエル大統領シモン
 ペレスの事務所は、ペレスがこれに対してカストロに個人的な書
簡を昨日贈った、と発表した。イスラエル首相ベンヤミン ネタニ
ヤフは、報道関係者に対して、米国の雑誌「アトランティック」に
今月掲載された連続インタヴューのことである、と指摘した。この
中でカストロは、イラン大統領マハムード アフマディネジャド
が、ホロコーストを否定した、と批判していた。別のインタヴュー
の中でカストロは、イスラエルはユダヤ人国家として存在する権利
を有している、とも述べていた。カストロは過去にはずっとパレス
チナ人を支持し、イスラエルを批判していたので、この指摘は意外
であった。

     国内ニュース

ベルラコヴィッチはドイツの原発に反対する決議を行なう意向

環境大臣ニコラオス ベルラコヴィッチ(国民党)は、オーストリ
アの反核政策の標的にドイツを選ぶ方針である。「クローネ新聞」
で彼は火曜日に、連邦政府がドイツの連立政権が計画している原子
力発電所の運転期間延長に反対する決議を行なう、と予告した。こ
の決議の中ではオーストリア政府は、かなり古い施設、とくにミュ
ンヒェン近郊のイーザル第1原発の閉鎖、すべての原発の安全技術
上の追加対策、反応炉の改良計画に関するドイツの情報開示義務を
求める方針である、とのことである。連邦首相ウェルナー ファイ
マン(社会民主党)は、ドイツの連立与党が決定した原発の運転期
間延長を「不安をあおるもの」だと評した。この計画はドイツ国内
でも異論が出ている。




9月26日(日)

     国外ニュース

イスラエルの入植地建設中止期間が公式に終了

西ヨルダンの地のイスラエルの入植地建設は、10カ月間の期限を
設けて中止されていたが、この期限が公式に終了した。現地時間の
深夜、首相ベンヤミン ネタニヤフが自分の意向を押し通して行な
った中止が終了した。パレスチナ人は、建設中止を延長しないので
あれば、3週間ほど前に始まった和平交渉が決裂する、と繰り返し
威嚇していた。西ヨルダンの地の入植者達は、建設中止期間が終わ
ると、これ以上の許可を必要とせず、さらに2千戸の家を建設する
ことができる。この期間の終了を前に、入植地では建設再開の準備
が行なわれた。一方パレスチナ大統領マハムード アッバスは、譲
歩の可能性を示していた。また西ヨルダンの地ではイスラエル人の
自動車が銃撃され、2人が軽傷を負った。

     国内ニュース

国民党は党内の支払いに関する対立に口をつぐむ

「プロフィル」紙は、ニーダーエスターライヒ州国民党党員は、連
邦同党に一切の支払いをしていない、報じているが、連邦国民党も
ニーダーエスターライヒ州の国民党もほとんどこれについて言及し
ようとしなかった。連邦同党主で副首相のヨーセフ プレルと、彼
のおじで同州同党主で州首相のエルウィン プレルの意見が一致し
ていないとの噂が流れているが、これについては何も話題にするこ
とはない、とのことである。両組織の関係は「良好」である、と国
民党の総書記フリッツ カルテネッガーはAPA通信に述べた。ケル
ンテン州国民党党首ヨーセフ マルティンツは、断絶については何
も知らない、と述べた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system