9月27日〜10月3日のオーストリアのニュース



9月27日(月)

     国外ニュース

北朝鮮の共産党党大会で権力者の交代の兆し

北朝鮮では間もなく権力交代が行なわれる兆しが、ますます強まっ
てきた。北朝鮮の通信社KCNAによれば、元首金正日は、末の息子
金正銀を、将軍に指名した。これより前に韓国の新聞が報じたとこ
ろによれば、北朝鮮軍はこの息子を30年ぶりに行なわれる党幹部
会の代表に指名していた。この党大会は火曜日に始まる。北朝鮮の
通信社によれば、元首の妹金ギョンヒおよび元首と長年行動をとも
にしてきた崔竜海も、最高位の将軍に指名された。健康を害してい
る68歳の権力者金正日の後継者と目されている息子について、北
朝鮮の報道機関が報ずるのは初めてである。

     国内ニュース

エルスナーは電子的な足かせを改めて申請

労働と経済銀行元頭取ヘルムート エルスナーは、電子的に監視を
行なう自宅拘留を改めて申請する。先週初めて拘留を決定する裁判
官が、これに関する第1回の申請を却下していた。エルスナーの弁
護士は、この却下は「全く理解できない」と述べていた。エルスナ
ー自身は、自分が政治の犠牲となっていると考えているが、あきら
めるつもりはない、とも述べている。弁護士のユルゲン シュテフ
ァン マルテンスは、月曜日午後の発表で、弁護団は電子の足かせ
というやや穏やかな手段で、さらなる釈放申請に持ち込むことを決
めた、と述べた。




9月28日(火)

     国外ニュース

ロマ問題でEUはフランス政府に訴訟を起こすと威嚇

ロマの大量国外追放をめぐる対立で、EU委員会は水曜日、フラン
スに対する法的措置に関して決定を下す。フランス政府に対して正
式にEUの訴訟を起こすかどうか、同委員会は協議する。これは担
当するEU法務委員ヴィヴィアン レディングが9月中旬に既に予告
していたことであったが、そのためには委員会全体の決定が必要で
あった。レディングの見解によれば、フランスはロマの国外追放
で、EU条約に違反した。今年初めから、滞在権をもたない8千人以
上のルーマニアとブルガリア人が、故郷に戻され、居留地が解体さ
れた。その多くはロマであった。一方フランス国会は昨日、問題の
移民法について議論を行なった。この法律の文言は、フランスから
追放されたロマを含め、EU市民の国外追放を容易に行なえる事例
を定めており、数回に渡って出入国を繰り返し、3カ月の滞在権を
失ったEU市民は、フランスを去らなければならない。この条項
は、社会態勢にとって「過大」な負担になる人にも適用される。

     国内ニュース

郵便投票の結果シュタイアーマルク州社民党の優位は変わらず

シュタイアーマルク州社会民主党は、郵便投票の中間結果の時点で
も予想通り、州議会選挙では国民党を引き離し、第一位の議席数を
獲得した。その差はごくわずかに縮まった。議席数には変化はな
い。一方同州議会選挙では良い結果を出した自由党は、昨日の幹部
会で今後の党幹部の人事を決定した。党首ゲアハルト クルツマン
は予想通り大臣に指名され、党執行部長ゲオルグ マイアーが会派
長に就任する。また同党は社会民主党と国民党の双方と、同じ距離
を取るつもりだ、とクルツマンは述べた。またシュタイアーマルク
州未来同盟党首ゲーラルト グロスツは、州議会入りを逃したにも
かかわらず、政界に残る、と発表した。




9月29日(水)

     国外ニュース

EUは近東会談に介入

EU外務大臣キャサリン アシュトンは、近東和平が破綻阻止に介
入する。彼女は今日3日間に渡る会談を、イスラエル首相ベンヤミ
ン ネタニヤフ、パレスチナ大統領マハムード アッバス、米国特
使ジョージ ミッチェルと行なうために現地入りする、と彼女の事
務所が昨日発表した。アシュトンは声明の中で両者に対して、「交
渉続行につながる」道を探すように呼びかけた。イスラエル政府が
入植地建設の中止期間を延長しないとの決定を下したことについ
て、彼女はEUの名前で、残念だ、と述べた。アシュトンはこのとこ
ろ、近東和平交渉に十分に介入していないとして、フランス側から
攻撃を繰り返し受けていた。

     国内ニュース

金属産業の秋の賃上げ交渉が始まる

木曜日には金属産業で、秋の賃上げ交渉が始まる。オーストリアの
金属産業の16万5千人の被雇用者の交渉が行なわれる。「交渉は困
難になるという点では、交渉の参加者の意見が一致している。労働
組合は今年は、企業側の自由化の要求に対する回答として、賃金の
保障を条件に労働時間の短縮を認める方針である。さらに給与も大
きく引き上げることを求めており、「経済恐慌後の従業員に対する
正しい方向性は、通常で公正な賃上げ」を行なうことである、と工
業労働組合PRO-GEの会長で、金属産業の主席交渉役であるライナ
ー ウィマーは述べた。




9月30日(木)

     国外ニュース

タリバーンはアフガニスタンでNATO兵士6人を殺害

タリバーンの戦闘員はアフガニスタン南部で、NATOの兵士6名を
殺害した。NATOの発表によれば、兵士のうち3人は爆弾で死亡
し、その他の3名はその後の相互には無関係の攻撃で死亡した。死
亡者の国籍はいつものように、公開されなかった。これで今年ヒン
ドゥクシで死亡したNATOの兵士の数は547人となり、昨年1年全
体を既に26人上まわっている、とAFP通信は集計した。

     国内ニュース

ブルクシュタラーは大学授業料を否定しない

社会民主党の方針に反して、ザルツブルク州首相ガービ ブルクシ
ュタラーは、大学授業料の再導入を行なう可能性を否定しなかっ
た。「オーストリアの奨学金制度を、より公正なものにすることが
できれば、大学授業料の導入を検討できる。ただしそれは大学への
信頼感が今と同じように成り立つ場合に限られる。学生は研究にど
れぐらいの時間がかかるか判っている、と彼女は「ザルツブルク通
信」紙は報じている。




10月1日(金)

     国外ニュース

ラトビアで国会議員選挙

ラトビアでは土曜日に国会議員選挙が行なわれる。世論調査によれ
ば、自由主義の首相ヴァルディス ドンブロウスキスが中道右派政
権を今後も維持できるかどうかは、全く不明である。対立候補のヤ
ニス ウラバノビチは少数派ロシア人の支持を得て、最後の世論調
査では、与党陣営にぎりぎりまで迫っている。国会「サエイマ」の
100議席の配分を、150万人の有権者が決することになる。ラトビ
アは2004年から、EUとNATOに加盟している。バルト海に面する
同国は、金融恐慌で特に大きな打撃を受けた。さまざま所から合わ
せて75億オイロの信用供与を受けて、かろうじて国家としての破
産を免れている。選挙戦の争点は、この恐慌の影響である。選挙の
結果は日曜日朝より前には発表されない予定である。

     国内ニュース

緑の党は家族に関する報告書を操作したとマーレクを非難

緑の党は国民党の家族省政務次官クリスティーネ マーレクを非難
して、6月に公表された家族に関する報告書のうち、子供の貧困に
関する一章を故意に秘密にしていた、と述べた。緑の党党首エーフ
ァ グラウィシュニヒは、ウィーン国民党の筆頭候補であるマーレ
クにとって、子供の貧困の事実にかかわると、選挙戦で不都合にな
るためだ、と推定している。この調査のこの部分をマーレクが国民
評議会に秘密しようとしていたとすれば、彼女は「辞任するに足
る」、とグラウィシュニヒはテレヴィ番組と「クリール」紙に述べ
た。家族省の内部では、この章が公表されなかったのは、質が劣っ
ていたためである、と理由づけられている。




10月2日(土)

     国外ニュース

ラトビア総選挙は与党が明確に勝利

ラトビアでは過去1年半に大規模な支出削減策が取られたにもかか
わらず、首相ヴァルディス ドンブロウスキス率いる政権が予想外
にはっきりした勝利を収めた。開票途中の時点での公共放送の集計
によれば、今までの少数派政権は昨日の選挙で、国会の100議席中
65議席を獲得し、絶対過半数を得た。ドンブロウスキスの陣営は
34議席を獲得し、国会の最大会派となっている。連立与党である
緑と農民同盟、祖国と自由国民連合はそれぞれ23議席と8議席を獲
得した。これまでは与党は47議席しか持っておらず、採決の際に
は野党の賛成を得なければならなかった。

     国内ニュース

ウィーン選挙では有権者の3分の1がまだ決断を下していない

ウィーンの選挙戦は、最後の直線に入っている。最新の世論調査に
よれば現在、多くの有権者がまだ意志を固めていない。世論調査に
よって、まだ誰に票を投ずるか、決定を下してない人の割合は、
27%から35%の幅がある。社会民主党支持は現在、46%から49%
であるのに対し、国民党は15%ないし17%、自由党は19%あるい
は21%、緑の党は12%から14%の支持であった。




10月3日(日)

     国外ニュース

ハンガリー地方選挙では右派が優勢

ハンガリーで政権を持つ右派は、日曜日の地方議会選挙で明確な勝
利を収めた。投票の8割から9割が開票された日曜夜、首相オルバ
ーン ヴィクトルの青年民主同盟FIDESZが、票の6割を集めた、
と州選挙委員会が発表した。それによれば、無所属の候補が14%、
野党社会党MSZPが12.5%であった。首都ブダペストは、21年前の
転換以来初めて、右派陣営の市長タルロス イストヴァンを持つ。
彼は53.5%の支持を集め、3割ほどの支持であった社会党の候補者
を破った。多くの大都市では青年民主同盟が、市長と議会の多数派
を得た。わずかに南部のセゲド市で社会党の市長が再選された。

     国内ニュース

ウィーン市選挙で野党は社民党の絶対優勢を打ち砕く意向

日曜日には115万人のウィーン市民が、新たな市議会議員を選ぶ。
テレヴィ番組の中では、議員を出す5つの政党の筆頭候補が、かな
り慎重な態度を示した。世論調査によれば、あいかわらず有権者の
3分の1が、誰に投票するかを決めていない。社会民主党の市長ホ
イプルを例外として、全員が一つの点では意見が一致している。社
会民主党の「絶対的な優勢」を打破しなければならない、という点
である。




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