10月11日〜17日のドイツのニュース



10月11日(月)

世界各地で9億2千5百万人が飢える

世界各国は飢餓との戦いで、高い目標を掲げたが、過去20年でごくわずかのこと
しか成し遂げていない。2010年世界飢餓指標は、アフリカを中心に恐るべき総括
を行なった。「ドイツ世界貧困支援」の議長ベルベル ディークマンは、世界の情
勢を「恐るべきそして恥ずべき」状況である、と呼んだ。前進はごくわずかしかな
い中、世界各地では常時9億2千5百万人が飢えており、29ヶ国では情勢が「深
刻」あるいは「重大」と格付けされている、とも語った。これは月曜日にベルリ
ン、ワシントン、ニュー デリーで発表された世界飢餓指標の中心的な結果であ
る。世界が景気後退をしているため、情勢は一段と厳しくなった。特に劇的なのは
220万人の子供たちが、欠食あるいは食糧不足で毎年死亡している、という点であ
る。

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イランはドイツ人記者2名を逮捕

通信社の報道によれば、イランでドイツ人報道関係者2名が逮捕さ
れた。きっかけとなったのは、投石による死刑を言い渡されたイラ
ン人女性の家族に対するインタヴューである可能性がある。テヘラ
ンの主席検事モフセニ・エゼヒの声明の中では、「外国人2人」が
拘留中であることだけを見とめた。イランの通信社「イルナ」は、
この外国人2名は記者を偽っており、取材許可書を持っていなかっ
た、事態が解明されるまで、拘留は続く、と報じた。司法当局は、
姦通容疑で投石による死刑判決を受けた女性アシュティアニの家族
に、この2人がインタヴューをしようととしていたとの情報を入手
していた、とのことである。諸外国からの批判を受け、処刑は延期
されている。彼女の弁護士の1人は、国外から彼女の息子と連絡を
とった、と主席検事は述べた。

ゼーホーファーは移民に関する主張で批判にさらされる

ドイツの移民と外国人の社会への溶け込みに関する議論は、激しさ
が収まらない。キリスト教社会同盟党首ホルスト ゼーホーファー
は、特定の文化的背景を持つ人が移民することを拒否したが、これ
は非に改めて油を注ぐことになっている。トルコやアラブ諸国な
ど、他の文化的な背景を持つ国からの移民は、社会への溶け込みに
特に困難を抱え定理鵜、と彼は週末に雑誌インタヴューで述べてい
た。「その点から言って、私はいずれにせよ、これ以上他の文化的
背景を持つ人の移住を必要としない」と付け加えた。予想通りこれ
はあらゆる方面からの反論を受けた。ベルリン市長クラオス ヴォ
ーヴェライト(社会民主党)は、ゼーホーファーの発言は「全く馬
鹿げて」おr、ドイツで仕事に成功した人々を締め出すもので、
「それは誤っており、政治家は自分が行なったことの責任を取る必
要がある、と述べた。

ヴァティカンの近東教会会議が活動を開始

ヴァティカンでは近東に関する司教の教会会議が初めて行なわれ
る。ここでは今後2週間かけて、キリスト教誕生後でのキリスト教
徒の未来について、話し合いが行なわれる。この会議には185人の
司教が参加するが、そのうち140人が近東諸国からの参加者であ
る。教皇ベネディクト16世は会議の冒頭で、近東宗教会議は政治
的な出来事ではなく、宗教上な出来事にしなければならないが、こ
の地域の国々の微妙かつ相互の影響が強い社会的、政治的情勢を無
視することもできない、と述べた。




10月12日(火)

ドイツは国連安保理の議席を得る

(ニュー ヨーク)ドイツは2年間の任期で、国連安全保障理事会に選ばれた。国
連総会の192カ国は、1回目の投票で、当選に必要な3分の2の多数の賛成を、立候
補したドイツに与えた。ただしドイツが得たのは128カ国の賛成で、必要な賛成を
1票上まわったに過ぎなかった。カナダが決選投票で立候補を取り下げたため、西
側陣営の2つめの議席はポルトガルのものとなった。国連の最高の期間である安保
理の議席は、2011年から2年間の任期では、10ある非常任の議席を得た国のうち
5つが、初めて選出された国となった。その他の新たに選ばれたのインド、南アフ
リカ、コロンビアであった。外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、ここ数日間ニ
ュー ヨークでドイツの立候補に理解を求めるていたが、ドイツに信頼を寄せてく
れたことに感謝した。ドイツ政府は国連安保理の議席獲得を、世界平和と安全のた
めに力をさらに注ぐ好機と見ている。

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ドイツの報道関係者2名がイランで逮捕

(ベルリン、テヘラン)イランで逮捕されたドイツ人報道関係者
2人は、ベルリンの外務省から支援を得ている。同国北西部のタブ
リス地域へ、ドイツ大使館の対策班が派遣され、逮捕の状況を解明
しようとしており、その目標はドイツ国籍を持つ2人のできるだけ
早期の解放である、と外務省は発表した。月曜日に逮捕されたの
は、「ビルト紙日曜版」の記者とカメラマンで、彼らは死刑判決を
受けたイラン人女性アシュティアニにインタヴューをした、とのこ
とである。イラン政府は、この報道関係者は取材許可なしでこの地
域に入りこんだ、と発表した。ルーマニア訪問中の連邦首相メルケ
ルは、イランに対してこのドイツ人を釈放するよう要請した。

ロシアとドイツはお互いを「鍵を握る協力者」と見る

(モスクワ)ドイツとロシアは戦略的な協力関係を深める方針であ
る。ドイツ大統領ヴルフはモスクワでロシア大統領メドヴェージェ
フと面会した後、これを発表した。経済協力を越える密接な協力の
例として、テロとの戦い、金融市場の新たな秩序づくり、気候保護
をヴルフは挙げた。両大統領は、相手国を「鍵を握る協力国」と評
価した。ヴルフは予定外に、首相プーチンの私邸に迎えられた。本
来この会談は、モスクワ中心のいわゆる「白い家」で行なわれる予
定であった。連邦大統領がロシアを訪問するのは8年ぶりである。

記者フェドトフがロシアの新人権委員に

(モスクワ)ロシア大統領メドヴェージェフは、ロシア記者連盟の
法律家で書記長のフェドトフを、新人権委員に指名した。彼は
61歳で、人権に関して百ほどの著書や記事を書いた人物で、市民
社会発展のための評議会の議長を務める。フェドトフは最重要課題
として、ロシア社会上層部の「非スターリン化」と、メドヴェージ
ェフが提案した警察および司法改革を挙げた。中立の市民権活動家
は、この指名に安堵をしている。フェドトフの前任者パムフィロワ
は、人権情勢が悪化したと判断して、7月末に気分を害して辞任し
ていた。彼女は国内秘密情報部FSBの態勢強化も批判していた。




10月13日(水)

世界はチリとともに鉱山労働者救出を喜ぶ

(サンティアゴ)チリでは8月初めに生き埋めになった鉱山労働者33人の、劇的な
救出が速やかに進んでいる。炭坑の歴史の中でもっとも長く、もっとも多くの費用
のかかった救出活動は、世界各地で幸福な歓喜の声で受け止められた。69日間の
不安と不確実な状態を終え、彼らの半分以上が救出用の容器で地下6百メートル以
上の地点から、日の光の元に連れ出された。彼らは疲労困憊しているようにみえた
が、健康面では安定しているとの印象を与えた。家族、支援者、チリ大統領セバス
ティアン ピネラは、アタカマ砂漠にあるサン ホセタン穀の労働者の帰還を、祝
祭とした。
救出された男たちは、挨拶をした後、まず詳しい健康診断を受けた。炭鉱労働者
が、これほど長期に渡って坑内で頑張り続けたことは今までなかった。

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中国とノルウェイ間の外交が氷河期に

(オスロ)中国とノルウェイの外交的対立は、ますます激化してい
る。ノルウェイ政府は、中国に対して今年のノーベル平和賞受賞者
劉の妻の自宅拘留を中止するように求めた。前日には、ノルウェイ
大使館の代表団が妻を訪問しようとしたが、拒否されていた。この
代表団は、拘留中の夫の代わりにノーベル賞を受け取るために、
12月の授賞式にオスロに旅するように求めていた。ノルウェイ外
務省は、中国の要人4人の公式訪問を拒否したことを認めた。さら
に中国当局は、中国のノルウェイ代表団のために割く「時間はな
い」との発表していた。

アフマディネジャドにはレバノンのヒズブッラー支持者の歓迎

(ベイルート)イラン大統領アフマディネジャドは、オープンカー
でレバノンの首都ベイルートの中心部を走り、シーア派のヒズブッ
ラー運動の支持者数万人から、熱狂的な歓迎を受けた。初めてのベ
イルート訪問の冒頭で行なわれた記者会見でアフマディネジャド
は、イスラエルに対する抵抗を強めるよう呼びかけ、強くて一つに
まとまり、近代化されたレバノンを作ることに賛成した。レバノン
政府の新西側陣営は、アフマディネジャドが、レバノンをイスラエ
ルにつきだした、イランの地中海岸での稜堡にするつもりだ、と非
難した。米国政府は、アフマディネジャドの訪問を「挑発」である
と非難した。

ヴェスターヴェレはイラン外相と電話会談

(ベルリン)イランで逮捕されたドイツ人2名をめぐる対立解決
に、外相ヴェスターヴェレは乗り出した。彼排卵外相モッタキと電
話で会談し、モッタキがこの事件のために尽力するように申し入れ
た、とヴェスターヴェレはベルリンで述べた。逮捕に関する具体的
な情報とその状況については、ヴェスターヴェレは何も述べなかっ
た。ドイツでの報道によれば、「ビルト紙日曜版」の報道関係者
2人が、アシュティアニの息子にインタヴューしようとしたとこ
ろ、同国北西部のテブリスで逮捕された。アシュティアニは、姦通
罪で投石による死刑が言い渡されていた。この判決は、国際的な抗
議を生んでいた。ドイツ大使館の代表がテブリスに出発したが、逮
捕されたドイツの国籍を持つ2人との直接の関係は、ドイツ当局に
はないようである。




10月14日(木)

アフマディネジャドはレバノンとイスラエルの国境を訪問

(テル アヴィヴ、ベイルート)イラン大統領マハムード アフマディネジャド
は、レバノン、それも南部のイスラエルとの国境地帯を訪問しているが、イスラエ
ルはこれに怒りと懸念を表明している。イスラエルの政府広報は、イランは急進派
のシーア派のヒズブッラーを支援することで、レバノンを「イランの衛星国」に変
えた、と述べた。外務省の論評によれば、アフマディネジャドは「暴力と急進主義
からなる通告」をこの地域にばらまいており、彼の訪問は「あからさまな挑発」で
ある。イスラエルとの国境からわずか数キロしか離れていない村落ビント ジュベ
イルでは、アフマディネジャドは再びレバノンのヒズブッラー支持者から歓声で出
迎えを受けた。彼は演説の中で、イスラエルと「シオニスト」に対する抵抗を、長
期に渡って支持する、と約束した。

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アムレ ムサはメルケル、リーベルマンはヴェスターヴェレと会談

(ベルリン)連邦政府は近東和平の直接対話を、緊急に再開するよ
う迫っている。1年以内に2カ国並立による解決の努力を実現するた
め、あらゆることを行わなければならない、と連邦首相メルケルは
述べた。彼女はベルリンで、アラブ連盟事務長ムサと会談した。外
相ヴェスターヴェレは、イスラエル外相リーベルマンと、同じベル
リンで会談し、リーベルマンは平和的な解決を支持しており、イス
ラエルは無条件で対話を継続する用意があると述べた。ただしパレ
スチナ人は、イスラエルが西ヨルダンの地での入植地拡大を中止し
た場合にのみ、対話を継続する意向である。さらにリーベルマンの
事務所は、ヴェスターヴェレとの会談では、イスラエルが来年ミュ
ンヒェンに新たな領事館を解説することで合意した、と発表した。

NATOは支出削減の方針 核兵器の役割をめぐり対立

(ブリュッセル)NATO加盟国の国防大臣は、NATOの支出を削減
する方針でおおむね合意した。本部の数は、大規模な改革の結果、
現在の11から最大で7に、NATOの情報部の数は14から3に、本部
の職員の数は現在の12,500人から9千人以下に減らされる、と国
防相会議で決定された。共有のミサイル迎撃施設の建設は、全面的
に支援するが、核兵器の今後の役割はまだ議論が続けられる、との
ことである。またドイツは、核兵器の削減と、武器の監視を行なう
ように要請した。各兵器保有国であるフランスは、ミサイル迎撃網
は、核の脅威を補完するものにすぎない、と見ている。フランス国
防相モランは米国のミサイル迎撃態勢建設計画を、フランスのナチ
時代のドイツに対して張られたが、効力がなかった防御網である
「マジノ線」になぞらえた。

NATOはタリバーンとの対話で支援を申し入れ

(ブリュッセル)NATOは、アフガニスタンのタリバーンとの和平
交渉の努力を支援する、と発表した。それに向けて「実質的な」支
援が可能であれば、NATOはそれを行なう用意がある、と事務長ラ
スムセンはブリュッセルで開かれた記者会見で述べたが、詳細につ
いては言及しなかった。ただし蜂起勢力タリバーンに対する軍事的
な圧力は、維持しておかなければならない、ともラスムセンは述べ
た。米国外相クリントンは、アフガニスタン政府が行なっている
「国内の和解」の提案を支持し、これはタリバーン指導部ではな
く、戦闘の場を離れたがっている下部勢力に対するものである、と
述べた。一方爆弾攻撃などの攻撃により、木曜日にはNATOの兵士
8人が、ヒンドゥクシで死亡した。




10月15日(金)

ゴッタルト基幹トンネルの開削に成功

(ベルン)ゴッタルト基幹トンネルは、計画および着工から25年、開削に成功し
た。トンネルの建設作業員約2百人とスイスの政治家が緊張しつつ、最後の1.5メ
ートルを、トンネル掘削機「ズィッシ」で切り裂く様子を見つめた。約7年後には
57キロの世界最長のトンネルが、最終的に営業を開始することになっている。一
日に最大で3百の列車が、最高時速250キロでスイスアルプスの下を走る2本のト
ンネルを通過可能である。この巨大事業の費用は、約140億オイロと見積もられて
いる。
スイスではこのトンネル建設の賛否を問う住民投票が数回に渡って行なわれた。こ
のトンネルによって、物資輸送を道路から鉄道に変えることが可能となる。

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「シュトゥットガルト21」は調停に向け動きだす

(シュトゥットガルト)鉄道建設計画「シュトゥットガルト21」
をめぐり、数ヶ月に渡り対立が続いていたが、反対派と推進派が今
回は一つになって解決策を探す方針である。現在は意見の隔たりが
あるにもかかわらず、キリスト教民主同盟の元事務長ガイスラーを
議長に、両者は調停の話し合いを続けることを金曜日に決定した。
この話し合いは11月末に完了することになっており、それまでは
闘争は行なわないことが義務づけられている。行き止まり式の駅舎
にかわって、地下に通過型の駅を建設することに反対する運動同盟
の一部は、妥協を支持していない。いわゆる公園保護派は、反対派
が交渉期間中の建設中止を勝ちえられなかったことを理由に、話し
合いから降りた。数ヶ月前から、多くのシュトゥットガルト市民
が、40億オイロ以上かかる駅舎建設計画に反対して、平和的なデ
モを行なっている。

フランスはロマ問題でEUとの対立で譲歩

(ブリュッセル、パリ)EU委員会とフランスは、数千人のロマ追
放をめぐる対立で、妥協を行なう。フランス政府には法律の文言を
修正する用意がある、と同国外務相は発表した。同国政府はこれに
より、EU内部で設定された期限内での解決を図った。EU委員会
は、EUの自由通行の基本方針が、正しく実施されているかどうか
に疑いを表明していた。フランスは、EU条約を侵害しているとの
容疑で、訴訟を起こされる可能性があった。フランスは今年初めか
ら、8千人以上のロマを、彼らの故郷でEU加盟国であるブルガリア
とルーマニアに送り返した。EUの規則には、個々の事例の調査と
包括的な権利の擁護が含まれている。

プーチン政権の閣僚がモスクワ市長に

(モスクワ)ロシアの首都モスクワの新市長に、現在首相プーチン
の閣僚を務めるソビャーニンがしゅうにんする。ロシア大統領メド
ヴェージェフは、長年市長を務めたルシュコフを、9月末に解任し
ていた。インターファクス通信の報道によれば、次期市長は、モス
クワの汚職対策を中心に仕事をして行かなければならない、とメド
ヴェージェフは述べた。




10月16日(土)

統合と移民をめぐる議論が続く

(ベルリン)ドイツに於ける移民に関する議論で、政治と経済の内部には深い溝が
広がっている。連邦首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)とバイエルン
州州首相ホルスト ゼーホーファー(キリスト教社会同盟)が、外国人に対して、
社会に解け込む意欲をもっと持つように求めた。社会民主党は、メルケルが移民政
策ではやる気を示さない、と非難した。同党党首代理マヌエラ シュヴェーズィヒ
は、長期失業者の技能開発を進めると同時に、高い技能を持つ労働者の移民を受け
入れなければならない、と述べた。経済界の代表者たちは、労働力不足が成長を阻
害することがないように、改めて警告した。使用者同盟会長ディーター フントは
「ヴェルト紙日曜版」に対し、社会福祉面で安全が確保された態勢への移民を制限
すること、そして専門技能を持つ労働者を管理の下で移民させるのをより容易に行
なわせることが、賢明な移民政策の目標であろう、と述べた。

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シュトゥットガルト21計画をめぐり抗議と議論

(シュトゥットガルト)抗議活動の主催者の発表によれば、土曜日
午後には問題の鉄道建設計画に反対する約2万5千人が、路上で抗
議活動を行なったが、予想よりは参加者ははるかに少なかった。警
察によれば、そのうち数人がシュトゥットガルト駅の南側を占拠
し、バリケードを築いた。一方、建設計画反対派と推進派の舌戦
は、激しさを増した。緑の党の会派長トリティンは、鉄道社長グル
ーベが仲裁の話し合いを空中分解させようとしている、と非難し
た。連邦首相メルケルは、この巨額の建設計画の論拠を、みなによ
りわかりやすく説明するよう促した。また彼女は駅舎の建て替え
は、「ヨーロッパにとって正しく重要な交通計画」である、と見な
している。

フランスでは数十万人が年金改革に抗議

(パリ)フランスでは年金改革計画に反対して、全国でスト活動が
行なわれているため、パリの空港では大混乱が発生する可能性があ
る。燃料供給が妨害されているため、シャルル ド ゴール空港の
燃料の貯蓄は、来週の初めまでしかもたない、と輸送を担当する次
官ビュスロは述べた。フランスでは石油精製所でのストライキのた
め、ガソリンスタンドへの供給は2%に留まっている。経済相ラギ
ャルドは、燃料は十分あり、混乱に陥る理由はない、と請け合っ
た。土曜日には全国で、公式発表によれば34万人ほどが、年金の
受給開始年齢を60歳から62歳に引き上げる計画に抗議した。
140箇所で行なわれた集会には、将来の就職の機会を心配する多く
の学生と生徒も参加した。

イタリアはアフガニスタン派兵を増やす方針

(ローマ)イタリアはアフガニスタンに派遣する兵士の数を、年末
までに4千人へ増やす方針である。同国国防相ラ ルッサは、アフ
ガニスタンの米軍の最高司令官ペトレイアスとミラノで会談した際
に、このように述べた。イタリアは現在アフガニスタン保護部隊に
2千8百人ほど送り出している。追加派遣される兵士は、アフガニ
スタンの治安部隊の育成を担当することになっている。首相ベルル
スコーニは、年内に兵士をヒンドゥクシに期限つきで派遣する、と
今までに数回に渡って約束していた。




10月17日(日)

フランスでは年金改革をめぐる対立が激化

(パリ)フランスの不人気な年金改革をめぐる議論で、大統領ニコラ サルコズィ
に対する圧力が強まっている。数週間にわたる抗議活動に、トラック運転手が加わ
った。彼らは日曜夜から幹線道路の封鎖を行なう、と労働組合は発表した。石油産
業からは、製油所の長期的ストにより、来週中ごろにはガソリンスタンドの備蓄が
なくなる恐れがある、との発表があった。労働組合は、土曜日には全国で3百万人
近くが抗議活動に参加した、と発表した。内務省は、デモ隊は82万5千人であっ
た、と述べた。火曜日にはさらなる抗議活動が計画されている。水曜日には問題の
年金受給年齢を60歳から62歳に引き上げる計画について、上院が可決をすること
になっている。この引き上げでサルコズィは、年金の財政の急を告げる赤字を、再
び管理するつもりである。

     その他のニュース

ドイツとインドは国連改革を前進させることに意欲

(ニュー デリー)ドイツとインドは、国連安保理で非常任の議席
を持っているが、国連でもっとも大きな権限を持つ委員会改革の改
革を、共に押し進める方針である。この問題で密接な協力をするこ
とで、インド政府とともに演説を行なう方針である、と外相ヴェス
ターヴェレは初めてのインド訪問の冒頭で述べた。現在の国連安保
理の構成が、勢力関係を反映していないため、この改革は遅すぎで
あり、中南米とアフリカが現在全く議席を持たず、アジアの議席は
少なすぎる、とも述べた。インドはドイツと同様、今週始めに国連
総会の選挙で、2011年から2年間の任期で、安保理で非常任の議
席を得ていた。

アフガニスタンの警備会社の営業禁止措置が部分的に解除

(カブール)アフガニスタン政府は、外国の警備会社の営業禁止を
縮小した。大統領カルザイは、警備会社が大使館、外交官の宿舎、
車列、軍事基地などでの営業を再開することを認める命令を発し
た。8月には政府は、すべての国内外の警備会社に、年末まで営業
を中止しなければならない、との決定を下していた。このような企
業は何度も、誘拐や強盗の襲撃などの犯罪を起こしたとされてい
た。ただし外国の外交官とNATOは、この営業禁止にたいして安全
面での懸念を表明していた。現在アフガニスタンでは、50の民間
警備会社が約4万人を雇用し続けている。

アフガニスタンでは国防軍兵士が負傷

(カブール)アフガニスタン北部のクンドゥズ州での戦闘で、ドイ
ツ国防軍の兵士1名がまた負傷した。ポツダムの派遣部隊指揮部の
発表によれば、アフガニスタン保護部隊に参加しているドイツ部隊
が、クンドゥズの軍営の西10キロの地点で、蜂起勢力の銃撃を受
けた、とのことである。




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