10月25日〜31日のオーストリアのニュース



10月25日(月)

     国外ニュース

イランは原発の一号機に燃料を挿入

正式発表によれば、イランはまもなく原発一号機に核燃料を入れ
る。これは火曜日に行なわれる予定である、と国会の広報が月曜日
に首都テヘランで通信社イルナに発表した。8月には同国はロシア
の支援を受けて、ブシェール市近郊の原子炉を稼働させていた。数
週間前から82トンの燃料が、反応炉の建物の横に用意されてい
た。本来の計画では、ロシアからの163の燃料棒は、9月中にも国
際原発機構IAEAの監視下で搬入されることになっていたが、技術
的な問題でこれが延期されていた。イランの発表によれば、この原
発は2011年初めに、電力を供給する。西側諸国は、ロシアからの
燃料が供給されているため、イランには自らウランを濃縮する理由
がなくなった、と論じている。

     国内ニュース

フィッシャーは軍の財政の「適正化」に賛成

連邦大統領ハインツ フィッシャーは、建国記念日をきっかけに、
国防軍の財政を「適正な」ものにするように求め、改めて国民皆兵
の義務を支持する、と発表した。国防軍に必要なのは「明確な仕事
量、適正な報酬、国民にしっかり根をおろすこと」である、と彼は
建国記念日の通達の中で述べた。最近国民皆兵の義務あるいは職業
軍の問題が、再び議論されているが、「オーストリア連邦政府の政
府声明の中で、中立と皆兵義務を維持することが明確に宣言されて
いる」とフィッシャーは述べた。




10月26日(火)

     国外ニュース

ホドルコフスキー裁判は最終段階に

世界が注目する中、逮捕されたロシアの政治家で、石油長者のミハ
イル ホドルコフスキーのモスクワでの裁判は、水曜日に最終曲面
に入る。47歳の彼の弁護士は、最終弁論を開始する。弁護士は1年
半に及ぶ、2億1千8百万トンの石油の横領容疑での裁判で、無罪が
得られるものと期待している。彼らはこの裁判は、首相ウラジミー
ル プーチンと激しく対立していた彼を、政治的に冷遇するための
企みである、と見ている。検察は2003年から逮捕されているホド
ルコフスキーに対して、さらに6年間の拘留を要求した。これによ
り、ロシアでもっとも有名な拘留者である彼は、2017年にようや
く自由の身となる。この判決は、遅くとも12月には出される予定
である。

     国内ニュース

ウィーンでの社民党と緑の党の連立交渉が正式に始まる

ウィーンでは、社会民主党と緑の党の交渉が今日から本格化する。
両党は正式の連立交渉を行なうために、会談を行なう。先週金曜日
には、市長ミヒャエル ホイプル(社会民主党)が、環境政党であ
る緑の党と交渉を行なうつもりだと予告し、国民党との連立を行な
わないとの決定を下した。この時彼は、緑の党の筆頭候補マリーア
 ファシラコフ同様に、この両党の連立は確定したものではなく、
まず話し合いを行なわなければならない、と述べてていた。両党は
今度は9つの部会で話し合いを行なうが、これは今8つの専門部局
があり、そのため社会民主党を代表して、それぞれの閣僚も話し合
いを行なうことに対応している。9つめの部局は、「ヨーロッパの
安全とヨーロッパに於けるウィーン」を主題とする部会であり、ホ
イプル自身が議長を務める。緑の党はファシラコフのほか、多くの
幹部を送りだす。連立成立に向け11月3日が目標の期日である。




10月27日(水)

     国外ニュース

EU首脳会談では激しい論争が予想される

ヨーロッパ各国の首脳は、今日午後からブリュッセルで、オイロ安
定化の対策強化に関して協議をする。EU加盟各国は、より厳しく
迅速に制裁を科すための各国の蔵相の提案を可決する予定である
が、その際には激しい議論が行なわれるものとみられる。改革を進
めたい国のいくつかは、寛容な措置を求める可能性がある。具体的
には、年金改革を既に軌道に乗せ、そのために赤字の上限を課され
たくない9カ国がその仲間である。外交官の話によれば、ポーラン
ドが重要な決定を阻止する可能性があり、「EUでは圧力が時には
効果的な道具である」とのことである。ドイツとフランスが求めて
いるEU条約改正も争点である。ドイツ首相アンゲラ メルケル
は、過剰な負債を抱える加盟国のために、危機克服の組織を常設す
る意向である。確かな筋の情報によれば、彼女は他のEU諸国から
の抵抗が続いているため、この要求を取り下げる、とのことであ
る。巨額の赤字を抱える国からEUの投票権を奪うという、反対意
見の強いこの要請を、彼女が放棄するかどうかは、はっきりしてい
ない。

     国内ニュース

学生は家族支援縮小に抗議

学生は木曜日、ウィーン、グラーツ、ザルツブルク、リンツでデモ
を行ない、政府が計画している家族支援削減に反対する。大学生組
合と、以前大学の講義室を占拠していた抗議活動「大学発火」の参
加者たちは、抗議活動に参加するように呼びかけた。大学生組合
は、ウィーンだけで5千人が参加する、と見ている。ウィーンでは
抗議活動は16時にウィーン大学の本館前を出発し、バルハウス広
場とオペラザを経由して、シュトゥベン門まで行き、そこで家族問
題を担当する経済省のところで、18時に最終集会を行なう。一時
的に道路が封鎖される可能性があるため、警察は自動車の運転手に
は迂回するように勧めている。




10月28日(木)

     国外ニュース

ヨーロッパ評議会「イスラーム教徒は烙印を押される」

ヨーロッパ評議会の人権特使は、ヨーロッパのイスラーム教徒に対
する不寛容が増大し、いくつかの国で大衆迎合的な議論が行なわれ
て、イスラーム教徒に烙印が押されていることを非難した。世論調
査によれば、イスラーム教徒とイスラーム教文化は、「悪しき印
象」を与え、不安と不審につながっている、とトマス ハマーベル
クはストラスブールで述べた。ドイツのフリードリヒ・エーベルト
財団の研究所の調査結果では、質問を受けた人の58%以上が、イス
ラーム教徒に対する宗教行為の実行を制限することに賛成し、特定
の組織に対する宗教の自由に対する拒否の態度を示した。ハマーベ
ルクは、イスラーム教徒に対する差別は、特に就職および教育の分
野でのものを強く非難し、民主主義政党の「怠慢あるいは困惑」を
露呈するものだ、と述べた。

     国内ニュース

銀行に対する課税で連邦は各州に取り分を「分配」

連邦と州の間での予算の交渉が行なわれているさなか、政府は突然
気前の良さを示した。連邦に対してだけ予定されていたが、各州都
市町村も、銀行に対する課税の約3分の1を受け取るが、これは銀行
救済のために何か対策を講じるためだけの資金ではない。連邦はこ
れにより、予算協議で「反抗的な」州に対する圧力をかける可能性
を持つことになる。その見返りに政府は、おそらく他の問題では譲
歩が得られると期待している模様である。




10月29日(金)

     国外ニュース

オバマ「信ずるに値するテロの脅威」

飛行機の中で2つの怪しい荷物には爆薬が含まれていた、と米国大
統領バラック オバマは金曜日午後に発表した。この荷物はイエメ
ンから送られたものである。これより前に、数機の飛行機が捜査を
受けた。宛て先は米国内のユダヤ人施設2箇所であった、この荷物
からは「信ずるに足るテロの脅威」が見いだせる、とオバマは述べ
た。彼はイエメンにあるアル カーイダの支所との関連があると見
ており、米国はイエメンのアル カーイダを断固せん滅する、と今
後の措置を予告した。

     国内ニュース

2011年予算では社会福祉給付が削減

効率的な行政を行なって支出を削減する可能性を、予算のために利
用したい、と大蔵大臣ヨーセフ プレル(国民党)は再び強調し
た。彼の60:40の方式は、支出の6割を削減し、収入を4割増や
す、という方針である。連邦と各州の間で、行政改革について話し
合いが行なわれているが、政府は予算案成立の遅れをこの話し合い
を理由としている。2011年予算でも、社会福祉給付での支出削減
が心となる。長い間議論され、専門家が緊急的に求めている行政改
革は、もう議論されていない。




10月30日(土)

     国外ニュース

ワシントンでは国民のお祭りの雰囲気

米国議会の選挙戦が最後の盛り上がりを見せている。11月2日の決
着の日までわずかとなり、米国大統領バラック オバマは、民主党
が悲惨な敗北を喫するのを回避するために、最後の力をふりしぼろ
うとしている。米国の歴史の中でもっとも激しい選挙戦を終えた
が、人気のある政治諷刺家ジョン スチュアートは、国民のお祭り
の気分をワシントンにもたらした。20万人が彼の呼びかけに応え
「理性を再生させよう」と叫んだ。ただしスチュアート自身は、こ
の集会を政治的な意図のあるものとは考えていない。

     国内ニュース

ネストロイ賞は特殊な劇場に

ウルリケ カオフマンとエルウィン ピプリッツが、彼らの生涯を
かけた作品で、ネストロイ賞を授賞すれば、この2人の劇作家は、
セラピオンス劇場とともに歩んできた道が表彰されることになる。
彼らは1973年にこの劇場を設立し、「キスポトラッチュ」や「ネ
ーモ ネーモ ロキトゥーア」が彼らの代表作の題名である。当初
は「プーポドロム」という名称で指人形劇団として設立され、
1977年から88年まではワレンシュタイン広場の元映画館を拠点と
していた。1980年にセラピオンス劇場と改称し、1988年にオー
デオンという名称でターボル通りの物産取引所跡地に劇場をかま
え、現在までそこに留まっている。「生涯をかけた作品」としては
この受賞は早すぎる、とカオフマンとピプリッツは述べた。「私の
最初の感想は、私は強制的に退職させられるか、しぬかしかない
の? というものでした」とカオフマンは述べたが、それは「私た
ちの仕事が認められたということです」という前であった。




10月31日(日)のオーストリアのニュース

     国外ニュース

ブラジル大統領決選投票 ルラの後継者ルセフが新大統領に

第1回投票では決着がつかなかったが、日曜日の決選投票では、は
っきりした結果がでた。 ディルマ ルセフがブラジルの新大統領
になる。大統領ルラ ダ シルヴァが望んだ後継者である彼女は、
対立候補セラを56%対44%で破って、1月1日に大統領に就任す
る。軍事独裁政権と戦った元ゲリラの戦闘員である彼女は、今後は
国際舞台で重要な役割を果たすことになる。

     国内ニュース

教育相は大学生代表を批判

教育大臣ベアトリクス カール(国民党)は、日曜日のテレヴィ番
組で、オーストリア大学生同盟OeHを批判した。大学のためにこれ
以上資金を求めるだけでは十分ではない、自分は「敬意を持った行
動」を期待しており、確保しようとする追加の資金を、学生同盟が
「いつもちょっとした額」としてあっさり拒否するのは「不遜であ
る」と思う、と述べた。




11月1日(月)

     国外ニュース

製鉄会社はチャベスに立ち向かう 買収に抵抗

ベネズエラでは企業の国有化の波が、無制限に進んでいる。日曜日
には大統領チャベスが、7つの大きな企業の国有化を発表した。そ
の中には同国最大の製鉄所も含まれている。彼は要求を強調するた
め、月曜日に国民近衛兵をこの会社の前に配置した。チャベスの計
画は社会主義の模範となる国家を目指すものであるが、ほとんど賛
同を得られていない。製鉄会社シデトゥル社の幹部は、それほど容
易に譲歩するつもりはなく、法的に戦う、と予告した。鉄鋼労働者
の中にも、用心深くではあるが抵抗も起きている。

     国内ニュース

オペラ座での舞踏会は遅れて始まったが期間は長くなる

2009年から10年の舞踏会の時期は短く終わったが、来年はワルツ
の愛好者たちのものである。謝肉祭がもっとも盛り上がるオペラ座
での舞踏会は、4月3日に行なわれる。大晦日もワルツ愛好者は、
ウィーン王宮の皇帝舞踏会場で新年になるまで踊る機会を持つ。
「花の舞踏会」は1月14日に市役所で満開の花を咲かせる。1月
20日には引き続いて、ウィーン楽友協会のフィルハーモニーでの
舞踏会が、この舞踏会の季節の隠れた最高点である。その後1月
21日は王宮で、29日には医師たちがウィーン王宮で、少女とさま
ざまな衣装をまとった人たちが、1月31日に狩猟舞踏会を祝う。




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