11月8日〜14日のオーストリアのニュース



11月8日(月)

     国外ニュース

女性のレジ係としての労働禁止に対しサウジ・アラビアで抗議

強固な保守派のサウジ・アラビアの女性たちは、自動車を運転する
ことも、選挙を行なうことも許されない。今度はスーパーマーケッ
トのレジ係として働くこともできない。イスラーム教の新たな法解
釈がこのように命じている。6月にはあるスーパーマーケットの店
舗網が、女性をレジ係として配置し始めたが、これによりサウジ・
アラビアのイスラーム教の法律学者の怒りを買った。ただしこの決
定に対してて行こうも起きている。いくつかの新聞は、公に批判を
表明した。また現在王家では舞踏会が行なわれているが、今までは
このようなことは行なわれなかった。

     国内ニュース

銀行税で政府に「恥知らずな脅迫」だとの圧力

銀行税と、誰が銀行税の費用を最終的に負担するのかという問題
が、現在内政上の大きな問題を生んでいる。ライフアイゼン中央銀
行総裁ローテンシュタイナーは、この費用の少なくとも一部は顧客
に肩代わりさせる、と予告したが、社会民主党はこれは「恥知らず
な脅迫である」と述べた。同党は対抗して、銀行の顧客に事態が申
告した場合には、取引金融機関を変えるように求めた。ただし中期
的には、政府に対する圧力が強まる。自由党、未来同盟、経済の世
界規模化に反対する非政府団体ATTACは、銀行が顧客に費用を負
担させた場合の制裁が、この法律には含まれていない、と批判して
いる。




11月9日(火)

     国外ニュース

イタリアの暴風雨での支援金 ヴェネト州は税金を手元に残す

数日前から雨が続くイタリア北部は、一息ついている。大雨の巨大
な災害をもたらし、3人が死亡した。被災地域は首相ベルルスコー
ニに対し、即時必要な支援を行なうように求めている。これにあた
ってはヴェネト地域の代表は、税収を中央に贈らず、ヴェネト州の
被災対策のためにあてると威嚇して、注目を浴びた。「あまった」
ものはローマに送るつもりだ、とも述べた。ベルルスコーニは火曜
日に被災地を訪問し、「その必要はない」と確約した。

     国内ニュース

小売り業界の賃金交渉は第4段階に

約45万人の小売り業の従業員の賃金交渉は、水曜日に第4段階に入
る。今後の賃上げが優先課題であるが、権利の範囲拡大は、使用者
側が先にこれを除外しようとしたが、議題であるのは変わらない。
先週土曜日に妥結した金属産業労働組合では、長く成果の上がらな
い労働争議の後に、ようやく賃上げが実現した。公勤務従事者と年
金受給者の最低の賃上げ、つまり1.0%から1.2%と、2.5%の金属産
業労働組合の中間で妥結する見通しである。貨物輸送労働組合は今
週初めに、2.3%の賃上げで合意していた。




11月10日(水)

     国外ニュース

NATOとの輸送協定でロシアはアフガニスタンで利益を追及

ロシアはアフガニスタンでの軍の活動をあいかわらず「ご法度」と
しているにもかかわらず、アフガニスタンに駐留する各国との協力
を拡大する模様である。報道によれば、ただしロシアは何よりも
「商業的な利益」を追及している。具体的には、NATO加盟各国と
の協定を結んだあと、NATO全体との輸送協定を実現し、それによ
ってロシアを通過する軍事輸送を大幅に拡大する可能性が高い。

     国内ニュース

トルコ大使は自らを弁護

オーストリアの移民政策に対する冷たい批判を行なったトルコ大使
テズシャンは、水曜日にウィーンの外務省に呼び出しを受けた。首
相ウェルナー ファイマン(社会民主党)政権は、この発言を撤回
するように怒りをこめて求め、「特別な人物が起こした外交的な騒
動」である、と述べた。ただ緑の党だけが、テズシャンは「多くの
手痛い点」を付いた、と述べた。テズシャン自身は、自分はトルコ
社会の取り扱いで「不公正な状況」についての議論を起こしたかっ
ただけだ、と弁護した。




11月11日(木)

     国外ニュース

アル マリキは首相に留任

8カ月にわたる停滞の末、政治の空白と流血の攻撃に彩られて、イ
ラクの各政党は新たな政府の結成に合意した。この合意は3月の選
挙で、どの政党も必要な過半数に達しなかったことを受け、長い間
先延ばしにされた。決定を下す人物が一新されたわけではない。首
相ヌリ アル マリキ(シーア派)は、2期目を務め、彼の対立候
補イヤド アラウィは新たに作られた政治戦略評議会の議長に就任
する。内閣組閣が宗教的を原因とする暴力の新たな発生を抑えるの
ではないか、との期待がふくらんでいる。

     国内ニュース

トルコ大使に移民は感謝「心の底から私と対話してください」

トルコ大使テズシャンの開かれた態度を示す言葉は、トルコからの
移民を背景として持ち、オーストリアに住む多くの人たちに肯定的
な受け止め方をされている。彼らはあからさまな敵視を除いても、
ほぼあらゆる規則を守って移り住んだ移民たちも、繰り返し自分た
ちが正当な移民であることを主張しなければならない、との不満を
述べた。これはオーストリア生まれの第2世代や第3世代にもあては
まる、とのことである。政治学者グンギョルは、これに関連して
「移民は正当性を認められていない」と述べた。




11月12日(金)

     国外ニュース

売れ行き好調のA320に問題

ヨーロッパの飛行機製造会社エアバス社にとって、問題が増えた。
巨大旅客機A380が、エンジンが脱落したため緊急着陸したのに続
いて、好調な売れ行きを示すA320でも、技術的な問題が発生し
た。英国ミッドランド国際航空のA321型機では、突然操縦席のデ
ィスプレイが、一時故障した。エアバス社の発表によれば、これは
すぐには技術的には改善できない、とのことである。そのため操縦
士は運転規則を守っている。これより前にロールス・ロイス社は、
駆動機トレント900全種に、爆発したA380搭載のものと同じ問題
が起こる可能性があることを確認していた。

     国内ニュース

ブーレスは鉄道と道路で支出を削減

交通大臣ブーレス(社会民主党)は金曜日に、鉄道および道路建設
の2016年までの支出削減計画を発表した。オーストリア鉄道が、
15億オイロの削減で大きな影響を受けないのに対し、高速道路融
資株式会社の予算は、2016年までに約30億オイロ減らされて、
65億オイロとされた。今回の削減は30の計画の評価によって行な
われる。大規模な計画は中止されず、代わりに多くの道路改修で規
模の見直しが行なわれた。




11月13日(土)

     国外ニュース

ビルマの将軍がスー チーを訪問

ビルマの野党の指導者アウン サン スー チーの自宅勾留からの
解放は、世界各地で歓迎された。軍事体制の将軍が直に、ノーベル
賞受賞者である彼女の元を訪れ、彼女に十年にわたる逮捕が終わっ
たことを伝えた。この将軍はスー チーに対して、支援を申し入
れ、国営放送によれば、彼女が健康であるのを喜んでいる、と述べ
た、とのことである。警察の長官は65歳のスー チーに対して、
政府が正義と公正を望んでいる、と指摘した。スー チーは、自分
も全く同じであると述べ、日曜日に始めての演説を行なう、と予告
した。

     国内ニュース

ファン デア ベレン「社民・緑の連立を成功させる」

金曜日から社会民主党と緑の党が、ウィーンでの連立が正式のもと
なった。連邦緑の党の元代表であったアレクサンダー ファン デ
ア ベレンは土曜日のテレビ番組で、社会民主党と緑の党の連立の
戦略的な重要性について言及し、これは連邦政治にとっても、「過
大評価ではない」と述べた。選挙公約に背いて、ウィーンの閣僚に
転身しないことについて、ファン デア ベレンは、ウィーンの緑
の党は自分がいなくてもやっていける、と投票した人に理解を求め
た。




11月14日(日)

     国外ニュース

サルコズィの再出発は障害がつきまとう

世論調査の結果が悪化する対策として、フランス大統領サルコズィ
は、内閣改造を行ない新たな出発をあえて試みる方針である。土曜
日にフィヨンを首相とする内閣が辞任したが、日曜日には彼が首相
に留任することがはっきりした。以前は印象の薄かったフィヨン
は、今度ははっきりした特徴を獲得していた。サルコズィの計画が
全くはっきりしていない模様である。環境大臣ボルローは内閣を去
り、2012年の大統領選挙ではサルコズィの手ごわい対立候補にな
る可能性がある。元首相ジュペが要人として内閣に復帰する。外務
大臣には今まで法務大臣を務めていたアリヨ・マリが就任する。

     国内ニュース

緑の党はウィーン市連立協定を支持

ウィーン市で社会民主党と緑の党が連立政権を結成するための、お
そらく最大の障害が取り除かれた。日曜日にはウィーン緑の党が集
会を開き、98.54%が賛成して、社会民主党との連立協定を承認し
た。出席した代議員のうち343人が賛成、反対はわずか4票、棄権
は1人であった。これにより、この協定に正式に署名する道亜開か
れた。あとは社会民主党の党委員会による承認だけが必要で、月曜
日のお昼にこれが開かれる。ここで可決されるのは確実と見られて
いる。




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