12月13日〜19日のドイツのニュース



12月13日(月)

施設収容元児童に対する賠償が計画される

(ベルリン)施設に収容されていた児童で、虐待を受けた人たちは、いわゆる円卓
会議の勧告に基づき、経済的な賠償を受けることになる。連邦、州、教会は、それ
ぞれ1億2千万オイロの基金の3分の1を負担する、と評議委員会議長アンティエ 
フォルマー(緑の党)は述べた。1949年から75年まで身体的、精神的、性的な暴
行の犠牲者となった施設収容児童各個人に対して、賠償あるいは年金の支払いが計
画されている。犠牲者の代表とその弁護士は、この結果を「茶番劇」であると判断
し、告訴を行なって犠牲者年金を月額3百オイロあるいは5万4千オイロの一括の支
払いを求めている。
連邦議会の委託を受けて、円卓会議「施設教育」は、2009年2月から、80万人ほ
どの元施設収容児童の運命について、見直しを行なっていた。

     その他のニュース

国防相は妻とともにアフガニスタン入り

(クンドゥズ)国防相ツ グッテンベルク(キリスト教社会同盟)
は、アフガニスタン北部のドイツ兵の元を再び訪問した。その際彼
は、ドイツ兵のアフガニスタンからの撤退が、2011年末に始まる
と期待している、と述べた。また彼は、この期日にあまりにもこだ
わらないように、と警告した。今回の訪問には、キリスト教民主同
盟に属するニーダーザクセン州首相マカリスターと、ザクセン・ア
ンハルト州首相ベーマー、さらにツ グッテンベルクの妻も同行し
た。夫人は特に兵士の内面の問題について情報を集め、大臣は指揮
官および兵士と会談した。ツ グッテンベルクの代表団には、テレ
ヴィ司会者ケルナーも含まれており、アフガニスタンで対談番組を
録画した。野党からは批判の声が上がっている。社会民主党は、今
回の訪問は「奇妙な企てである」と見ている。緑の党側からは、ツ
 グッテンベルクは、軍が活動する地域での危険性を少ないものと
見せる危険を冒している、と述べた。

捜査陣「ストックホルムの攻撃犯には共犯者」

(ストックホルム)ストックホルムの自殺攻撃犯には、共犯者がい
た、とスウェーデン検察は見ている。この攻撃は失敗に終わった
が、綿密に準備されていたので、背後に何者かがいると推定される
ものの、具体的な容疑はない、と担当する検察は発表した。さらに
犯人の身元は特定され、28歳のスウェーデン国籍を持つワハブであ
る、とのことである。捜査陣の情報によれば、彼は近東出身で、先
日まで英国で暮らしており、現地の彼の家の捜査は、成果を挙げな
かった。犯人は土曜日にストックホルムの商店街で、まず自動車を
爆破し、その後みずから爆死した。通行人2人が負傷した。

イラン大統領アフマディネジャドは外相モッタキを解任

(テヘラン)イラン大統領アフマディネジャドは、突然外相モッタ
キを解任した、とイランの通信社IRNAが報じた。アフマディネジ
ャドはモッタキに書簡を送り、彼の成果に感謝した。一時的にイラ
ン核当局長官サレヒが、外務省を指揮する。解任の理由は発表され
ていない。イラン国内では最近、イランの利益を国際関係で代表す
るには、モッタキには力と確信が不足しているとの理由で、国会議
員がモッタキの解任を求めた、と数回に渡って報じられていた。ド
イツ外相ヴェスターヴェレは、ジュネーヴで再開されたイランの核
計画に関する話し合いが、モッタキの解任を理由に中断されること
があってはならない、と述べた。




12月14日(火)

スウェーデンはアサンジ釈放に反対して控訴

(ロンドン)英国で逮捕されたインターネット上の暴露サイト「ウィキリークス」
の創設者ジュリアン アサンジは、まだ自由の身とはなっていない。ロンドンの裁
判所は保釈金と、その他のいくつかの条件と引き換えに、39歳のアサンジの未決
勾留から釈放することを認める決定を下したが、スウェーデン当局はこれに控訴し
た。今後48時間以内にスウェーデン当局の抗告に対して、決定が下される。アサ
ンジは英国内では、スウェーデンが出したEU全域での逮捕命令に基づいて、身柄
を拘束された。彼はスウェーデンでは、女性2人に対する強姦容疑で、尋問を受け
ることになっている。オーストラリア人であるアサンジは、自分の逮捕が多くの米
国の機密文書がウィキリークスで公表されたことに対する、米国秘密情報部の茶番
劇だ、と見ている。

     その他のニュース

ベルルスコーニは不信任動議をはね返す

(ローマ)イタリア首相ベルルスコーニは、国会での不信任動議
を、かろうじて乗り切った。74歳の彼が率いる中道右派政権は、
これにより留任する。元連立相手のフィニが政権を離脱してから、
ベルルスコーニは国会で確実な多数をもはや持っていなかった。不
信任動議の投票では、314人の議員が信任、311人が不信任であっ
た。上院では予想通り、広い範囲がベルルスコーニを支持した。投
票が行なわれているあだ、ローマおよびその他のイタリアの都市で
は、数万人のベルルスコーニ反対派がデモを行なった。デモと並行
して、警察との衝突も起きた。

ツ グッテンベルクは妻同行の訪問についてはの批判を却下

(ベルリン)国防相ツ グッテンベルク(キリスト教社会同盟)
は、アフガニスタン訪問に妻シュテファニーが同行したことを批判
を受けたが、これを退けた。妻が正しいと思えば、自分はまた妻と
ともに兵士の元を訪れるつもりである、とベルリンで述べた。野党
は、月曜日に妻がアフガニスタンのドイツ兵の元を訪問したのを、
自己中心的である、と批判した。

社会民主党はアフガニスタンからの早期撤退の方針

(ベルリン)社会民主党幹部は、来年半ばにも、国防軍のアフガニ
スタン撤兵を開始するように求めている。同党主ガブリエルと会派
長シュタインマイアーは、ベルリンで開かれた同党のアフガニスタ
ン会議に、文書を提出したが、その中で、ドイツ兵の派兵は、
2013年から15年の間に完了することになっている、と指摘した。
ガブリエルは社会民主党が1月に連邦議会で行なわれる予定のアフ
ガニスタンでの活動延長に賛成するかどうか、態度を明確にしてい
ない。




12月15日(水)

メルケルはオイロ防衛の戦略を説明

(ベルリン)EU首脳会談を翌日に控え、連邦首相アンゲラ メルケルは、オイロ
地域全体の財政を安定させるために、オイロ使用地域の救済基金を長期的に設立す
ることに理解を求めた。ただし金融支援は、オイロ地域全体を危険にさらす場合に
だけ行なう、と政府声明の中でメルケルは強調した。いくつか国は、一律の金利で
の借り入れを行なう共通の国債、いわゆるオイロ債権を発行するように求めている
が、メルケルはこれを改めて拒否し、ヨーロッパのどの国も転落をさせるつもりは
ない、危険性をヨーロッパ全体に拡散することを解決と見せかけるような間違いを
犯すことは許されない、と述べた。野党はキリスト教民主、社会同盟と自由民主党
政府がジグザグの路線を取り、無責任である、と非難した。ヨーロッパ共同でのオ
イロ建ての債権を強く主張しているルクセンブルクからも、批判がでている。外務
大臣ジャン アッセルボルンは、ドイツとフランスが、EU内で権力を主張するこ
とがないように、と警告した。

     その他のニュース

アテネで衝突 全面ストでギリシアは麻痺

(アテネ)国内全体で全面ストが行なわれる中、ギリシアの首都ア
テネでは、警察とデモ隊の衝突が発生した。国会前のデモには、約
2万人が参加した。抗議活動中には、焼夷弾も使用され、自動車が
炎上した。警察は催涙ガスと閃光弾を使用した。ストが改めて行な
われたのは、巨額の赤字を抱えるギリシアを支えるために、EUと国
際通貨基金が保証した巨額の支援と引き換えに、同国政府が大幅な
支出削減策を取ることに対してである。また同国の公共生活は、大
幅に麻痺した。すべての航空便、鉄道、フェリーの運行が中止とな
り、近距離公共交通および学校が影響を受けた。工場は閉鎖され、
病院は緊急事態のためだけに開かれた。

アイルランド議会はEUと国際通貨基金の救済策を承認

(ダブリン)アイルランド議会は、EUと国際通貨基金の救済一括策
を承認した。ダブリンの下院議員は、アイルランドの金融恐慌克服
のための支援策を、81対75で可決した。総額850億オイロの救済
策が、11月末に交渉で取りまとめられていた。その見返りに同国政
府は、銀行危機で爆発した国家財政の赤字を、再びうまく押え込む
込むために、反対意見もある支出削減策を軌道に乗せていた。首相
カウエンは投票を前に、アイルランドは資本市場では、悪い条件で
しか新たな借り入れが出来ないのだから、この救済策の他には「選
択肢はない」と述べていた。

ヨーロッパ議会は2011年EU予算を確定させる

(ストラスブール)数週間にわたる駆け引きの末、ヨーロッパ議会
は来年のEU予算を可決した。この予算の支出は1,265億オイロで、
今年より3%弱増加している。これによりヨーロッパ議会は、もとも
と求めていた6%の支出増を断念したことになる。予算の可決は、ヨ
ーロッパ議会と閣議の手ごわい対立の末に行なわれた。対立のきっ
かけになったのは、EU議会が長期的な予算計画に対する発言権を求
めていたためであった。EUの議長をつとめるベルギーは、話し合い
の末妥協をもたらした。この妥協案には、今後4期のEU議長ハンガ
リー、ポーランド、キプロス、デンマークは、議会に望みどおりの
発言権を与える、という内容が含まれている。




12月16日(木)

EU加盟諸国はオイロ危機の年に終止符を打つ

(ブリュッセル)EU加盟各国は2日間の首脳会談で、オイロ危機の年であった今年
に決着をつけようとしている。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、この会議からは
ヨーロッパとオイロを支持する「断固たる方針」が出される、と述べた。EU各国
の首脳はブリュッセルで、今後危機が訪れた時に安全を確保するために、疲弊した
オイロ使用国のために、長期的な救済の傘を準備しておくことを中心とする決定を
下す方針である。この救済の傘は、ギリシアおよび他の国々のために、巨額の支援
金を負担するものであるが、2013年には廃止となる。
メルケルは、共同公債の発行をめぐって、オイロ使用国団長ジャン・クロード ユ
ンカーと対立していたが、これは解決した、と発表した。
ユンカーは、オイロ使用国は公債を発効することで、問題を抱えた国々を支援する
ために、共同国債を発効するように提案していた。メルケルがこの提案を拒否した
ことを受け、ユンカーは議論を行なうことなく提案を退けるのは、「非ヨーロッパ
的なやり方」である、と批判した。

     その他のニュース

ヨーロッパ中央銀行は株式資本をほぼ110億オイロと倍増

(フランクフルト アム マイン)ヨーロッパ中央銀行は、オイロ
使用地域での負債が度を越えて膨らむのに備える。フランクフルト
で同銀行の評議会が会議を開き、12月29日には、同銀行の株式資
本が108億オイロに増額されるが、これは現在のほぼ倍額である、
と広報は述べた。この措置を取る理由は、金融市場での変動が強ま
っており、信用が失われる危険性が高まったことに対処するためで
ある。この資金は、各国の発券銀行から出される。ドイツ連邦銀行
は約10億オイロを分担する。

コートジボワールで衝突 死者発生

(アビジャン)コートジボワールでの大統領選挙が、改めて激化し
ている。治安部隊と、諸外国が選挙の勝者として承認している野党
の大統領候補ワタラの支持者が衝突し、目撃者の話によれば、アビ
ジャンでは少なくとも6人が死亡した。野党は死者の数は18人であ
る、と述べている。同国の他の都市でも、暴力的な衝突が発生し
た。治安部隊は、元大統領バグボに忠誠を誓っている。国連事務総
長潘は、両者に平静を保つように予備か賭け、内戦時代に立ち戻る
ことがないように、と警告した。11月28人の選挙の結果、票の
54%を獲得したワタラが、選挙の勝者であることが明らかになっ
た。ただし憲法評議会は、この結果を無効とし、バグボが勝利し
た、と認めた。両者はそれ以来、それぞれが大統領としての宣誓を
行ない、独自に閣僚を指名した。

ウィキリークス創設者アサンジは刑務所から釈放

(ロンドン)問題のインターネット上の暴露サイト「ウィキリーク
ス」の創設者アサンジは、保釈金20万ポンドを支払い、刑務所から
釈放された。英国の最高民事裁判所は、第2審で彼の釈放を命じて
いた。ただしアサンジは英国内にとどまらなければならない。彼は
友人の田舎の別荘に引き続き滞在することができるが、足首には監
視装置をつけなければならない。39歳のオーストラリア人は、性
的暴行容疑で、スウェーデンから出されていたEU全土での逮捕命
令に基づき、1週間以上に渡って未決勾留となっていた。アサンジ
はさらに、米国政府の怒りを買っていたが、それはウィキリークス
では、米国外交官の秘密文書が公表されたためであった。「ニュー
 ヨーク タイムズ」紙の報道によれば、米国検察は、ウィキリー
クスの情報源マニングとアサンジの間に、直接の連絡があったかど
うか調査している、とのことである。これが裏づけられれば、アサ
ンジに対して反乱容疑での訴訟が考えられる、とのことである。




12月17日(金)

国際通貨基金はアイルランドが国家財政を健全化できるか疑問視

(ワシントン)国際通貨基金は、アイルランドが期限を守って、巨額の負債を押え
込むかどうか、大きな疑問を持っている。同基金は報告書の中で、回復の速度はゆ
っくりで、景気が後退する危機もかなりある、と記している。同基金はアイルラン
ド政府が2015年には国家財政の赤字が4.8%になる、と予想している。もしそうな
れば、もしさらなる努力をしなければ、本来であれば2015年には守らなければな
らないとされていた赤字の上限で、EUが設定した国内総生産の3%の赤字を越える
ことになる、とのことである。EUとの間で取り決めた850億オイロのアイルラン
ド支援策には、国際通貨基金は225億オイロを提供することになっている。
格付け会社ムーディーズは、アイルランドの信用力は大幅に引き下げた判断をし、
5段階引き下げてBaa1とした。この引き下げにより、金融市場で新たな負債を行な
う場合の金利は大幅に引き上げられる可能性が高い。

     その他のニュース

メルケルは経済政府にむけ加速するように圧力をかける

(ブリュッセル)ドイツ首相メルケルは、オイロ危機では、オイロ
使用国連合の経済政策が密接にかみ合うように力を注ぐ。早くも来
年にはそのために、オイロ使用国同士で具体的な取り決めを行な
う、とEU首脳会談の後彼女はブリュッセルで予告した。密接な意見
調整を行なう例として彼女は、国家予算の安定と、同等の社会福祉
制度を挙げた。現在合意に至っている長期的な救済の傘についてメ
ルケルは、EU加盟国葬後の「連帯の表現」であり、これは経済政府
結成の方向性の一部である、と述べた。破産の危機に瀕している国
家を救済するための対策について、具体的な約束をすることをメル
ケルは改めて拒否し、2013年に作られる常設の救済の傘は、オイ
ロの安定性を確保するためのものである、と述べた。

EUと国連はバグボに権力をあきらめるように求める

(ブリュッセル)EUは西アフリカのコートジボワールの大統領選挙
で敗れたバグボに対して最終通告を行ない、週末までに大統領の座
をゆずり渡すように求めた。同様のことを米国と、国連事務総長潘
も表明した。もしそうしなければ、彼のヨーロッパの銀行講座を凍
結し、入国禁止および国際刑事裁判所への訴訟を検討する、とフラ
ンス大統領サルコズィはブリュッセルでのEU首脳会談の終了後に述
べた。11月末の投票で、対立候補のワタラが選挙委員会から当選者
として発表されたにもかかわらず、バグボは大統領に再選されたと
して宣誓を行なっていた。木曜日にはバグボを支援する治安部隊
が、デモ隊に向けて発砲し、少なくとも30人の民間人が死亡してい
た。

中国とパキスタンの間で巨額の条約

(イスラマバード)5年ぶりに中国首相温は隣国パキスタンを訪問
した。パキスタン首相ギラニとの会談後、防衛、道路建設、発電、
農業分野での条約に署名が行なわれた。報道によれば、同盟国中国
の手によるパキスタンにさらに1基の原発建設に関する合意にも署
名が行なわれた。温の3日間の訪問の間に、合わせて140億ドルの
条約に署名が行なわれた。両国の企業は、さらに100億ドルの契約
を結ぶ予定だ、と広報は述べた。




12月18日(土)

首相はアフガニスタンでは「戦争」が起きていると発言

(カブール)連邦首相アンゲラ メルケルは、事前の予告なく北アフガニスタンの
ドイツ軍を訪問し、以前にはなかったような「戦争」が同国では起きている、とは
っきり発言した。彼女はマザリ シャリフの国防軍の野営地を訪問し、クンドゥズ
地域では、国防軍の兵士が「正真正銘の危険」に巻き込まれており、それは戦争の
ときに兵士に降り懸かるのと同じような危険である、と述べた。メルケルが現地入
りする直前に、兵士1名が事故で出来た銃創が原因で死亡したため、今回の短期訪
問は暗い影が落ちていた。兵士たちが任務から帰還して、銃の手入れを行なってい
た際に、弾丸が発射された、とのことである。
部隊訪問を開始するにあたってメルケルは、アフガニスタン派兵の死亡者を追悼し
た。彼女には国防大臣カール・テオドール ツ グッテンベルクが同行して、クン
ドゥズの国防軍の戦死者の森を訪問した。
メルケルは出発前に、アフガニスタン大統領ハミド カルザイおよびNATOの国際
保護部隊ISAFの司令官デイヴィッド ペトレイアスと会談していた。

     その他のニュース

イラクでは国内の和解に向け一歩前進

(バグダード)イラク議会は、3月の選挙から締め出されていたス
ンナ派の3人の有力政治家に対する活動禁止措置を解除した。これ
により、国会議員たちは、統一政府結成の障害をまた一つ乗り越え
たことになる。選挙で最大勢力となったイラキーヤ連合の広報は、
国内の和解に向けさらに一歩進んだことになる、と述べた。関係す
る3人の中には、元国会議員のアル ムトラクが含まれており、彼
は入閣するものと見られている。彼はシーア派の大統領アル マリ
キを厳しく批判する人として知られている。アル マリキは月曜日
に、新内閣を提案する方針である。

オバマは軍縮条約に速やかに批准する方針

(ワシントン)米国大統領オバマは、野党共和党に対して、ロシア
との軍縮条約新SATRTを破綻させることがない用に、と警告した。
ある政党あるいはある政権が勝利を手にすることが重要なのではな
く、米国が指導的な役割を果たすことが問題視されないのが重要で
ある、と述べた。そのためにオバマは戦略的核兵器の上限に関する
合意を、できるだけ早く上院で批准するように呼びかけた。上院で
の議決のためには、3分の2の賛成が必要であるが、オバマの民主党
はここでは単純な過半数しか持っていない。オバマとロシア大統領
メドヴェージェフは、4月にこの条約に署名していた。この条約
は、戦略核弾頭の保有数の上限を現在の2,200から1,550に引き下
げる。

ベラルーシ野党「ルカシェンコは選挙開始前に勝利を確実に」

(ミンスク)ベラルーシの大統領選挙を翌日に控え、野党は選挙で
は不正が行なわれる、と厳しく非難した。記者会見で野党の候補者
ネクリャエフとサンニコフは、独裁的な統治を行なう大統領ルカシ
ェンコが、日曜日の選挙を前にすでに票を確保した、と非難した。
同国の選挙の方法では、有権者が投票の前の時点でに既に、自分の
選択を記入することが認められる。投票所は監視されていない。野
党は現職のルカシェンコが、選挙での勝利を守るために、公式の集
計前に、投じられた票を取り替えさせる、と責めている。選挙委員
会の発表によれば、既にほぼ2割の有権者が投票を終えている。ル
カシェンコは16年間にわたり政権を握っている。




12月19日(日)

ベラルーシ野党は大統領選挙後に抗議を呼びかける

(ミンスク)ベラルーシでは現職に有利になるように安全が保たれる形で、大統領
選挙が終わった。アレクサンダー ルカシェンコは、元ソ連の共和国であるベラル
ーシで、1994年以来独裁的な支配を続けており、投票の前の時点で、9人の対立
候補の誰に対しても当選する可能性を与えなかった。投票所の閉鎖時間を前に公表
された当初の予想によれば、56歳のルカシェンコは投票の約74%を獲得してい
た。野党は政府が大規模な不正を行なったと非難し、夜にミンスクで開かれる抗議
活動に参加するように呼びかけた。選挙法が投票時間開始の数日前から票を投じる
ことを認めており、途中の段階で集計の客観的な監視をするのは不可能である、と
野党は批判した。投票箱の中身は、夜間は監視されていない投票所で、操作された
可能性がある、とも述べた。

     その他のニュース

朝鮮半島は緊迫の度を増す

(ソウル、ニュー ヨーク)11月末から緊迫の度を増している北朝
鮮と韓国の対立は、さらに先鋭化している。報道によれば、韓国の
実弾を用いた軍事演習計画をめぐる対立で、北朝鮮は部隊を警戒の
高まっている半島西岸に移動させ、湾岸地域での軍の配備を強化し
た。戦闘機数機がいつでも出発できる体制になっている、と韓国の
通信社「連合」は報じている。韓国はこれより前に、厳しい北朝鮮
からの批判を前に、国境に近い延坪島沖でのこの演習は、天候が回
復ししだい計画通りに行なう、と強調した。ニュー ヨークの国連
安保理では、ロシアの要望を受けて、朝鮮半島の情勢に関する特別
会議が行なわれた。延坪島は11月には、北朝鮮部隊によって、榴弾
による砲撃が行なわれ、韓国人4人が死亡した。

国連はコートジボワールからの国連軍の撤退を拒否

(ニュー ヨーク)国連はコートジボワール共和国から、国連軍の
兵士を撤退させない方針である。選挙で敗北した大統領バグボの退
去要請があったにもかかわらず、平和部隊はその任務をまっとうす
る、と国連の広報はニュー ヨークで発表した。バグボ時ねいは、
約1万人の国連兵が、大統領選挙の選挙戦の中で野党を支持した、
と非難した。11月末の大統領選挙以来、バグボと野党の候補者ワタ
ラが、選挙で勝利したのは自分である、と発表していた。選挙委員
会はワタラの勝利を発表した。ワタラは現在、バグボに忠実な同国
軍の襲撃に備えて、アビジャンのホテルで国連平和部隊により身柄
を守られている。国連と世界諸国は、ワタラが正当な新大統領であ
る、と見ており、バグボに対してそれを認めないのであれば、制裁
を科すと威嚇している。

クンドゥズとカブールで攻撃 死者発生

(カブール)連邦首相メルケルがアフガニスタン北部の部隊を訪問
してから1日、自殺攻撃隊がクンドゥズとカブールのアフガニスタ
ン軍を攻撃した。治安部隊の隊員少なくとも11人と、攻撃犯5人が
死亡した。タリバーンは、この2件の攻撃を行なったことを認め
た。クンドゥズではアフガニスタン軍の新兵募集所が、急進派イス
ラーム教徒であるタリバーンの攻撃目標となった。首都カブールで
は、自殺攻撃犯2名が軍のバスを襲撃した。メルケルは土曜日に、
クンドゥズの野営地にドイツ兵を訪問した。ここで彼女は、以前に
はなかったほどはっきりと、国防軍が戦闘に巻き込まれている、と
明言した。




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