12月20日〜26日のオーストリアのニュース



12月20日(月)

     国外ニュース

コートジボワールでの権力争いは続く

コートジボワールでの選挙は、ますます加熱している。敗北したが
再び大統領就任の宣誓を行なったバグボの支持者は死ぬまで戦うつ
もりである、と彼の組織「青年愛国主義者」の代表は予告した。一
方合法的に選ばれダ大統領ワタラは、諸外国からの支援を得るべく
努力している。彼は国連軍の兵士が、分断された同国に残ることを
求めている。週末の集計によれば、暴動では既に50人が死亡、数百
人が負傷した。

     国内ニュース

大学入学許可をめぐる対立 ドイツの学生が押し寄せる不安

時期は迫っている。2011年秋にも、兵役義務が亡くなり、高校卒
業資格を取る人が倍増することで、ドイツで大学に通うことを求め
る人が増加する見込みである。オーストリアは入学制限を科して、
これに備えなければならないし、大学の学長たちにこれを求め、急
いで対処するように迫らなければならない。異論も出ている科学大
臣カール(国民党)の大学入学の上限設定の提案が合意を得られる
かどうかは、まだ不明である。連邦首相ファイマン(社会民主党)
は、既に新たな提案を議論に持ち込んだ。




12月21日(火)

     国外ニュース

アフガニスタンのNATO軍の死者は記録的多数に

アフガニスタンで死亡したNATO軍の兵士の数は、2010年に新た
な記録となった。7百人を越える兵士が死亡したが、その内の多く
は米国兵であった。アフガニスタン治安部隊の死者の数も、大幅に
上昇した。民間人の犠牲者の数も再び増加した。この悲しむべき統
計にもかかわらず、長年にわたる反撃の結果、ヒンドゥクシでは初
めてとなる成果が記録された。西側は2011年には傾向が変動する
と期待しているが、そうなるかどうかは不確実である。

     国内ニュース

BUWOG社疑惑で関係者は潔白を主張

元蔵相グラサーは、連邦住宅供給会社BUWOG社に関する容疑で再
び、「自分は全くの潔癖な」良心の持ち主である、と述べた。それ
に対し彼の友人マイシュベルガーは、間近に迫った法定での尋問で
は、建設会社から受けとった手数料についてどのように弁護する
か、との質問に対して「何も隠していない」と述べた。「ファルタ
ー」紙が火曜日に報じたさまざまな発言は、司法の試問記録に基づ
くものである。その報道によれば、グラサー同様不動産仲介業者プ
レッヒは、マイシュベルガーから助言を受けただけで、同社との関
連は、「私のなした仕事はどこにあるのか」という問いで解明され
うる、とのことである。




12月22日(水)

     国外ニュース

オバマの勝利 米国上院は軍縮条約を批准

クリスマス直前に米国大統領オバマは、重要な外交、内政上の成果
を挙げた。彼が数ヶ月前に、ロシア大統領メドヴェージェフと取り
まとめた核軍縮条約STARTを、米国上院は批准した。これによりオ
バマは重要な選挙公約をもう一つ果たしたことになり、ブッシュ時
代に冷え込んだロシアとの関係を新たな土台の上に移すことになっ
た。オバマが巧みな戦術で、共和党員数人の賛成を勝ち得たおかげ
で、この批准はようやく可能になった。

     国内ニュース

労働と経済銀行の判決が下されるか? エルスナー社の運命の日

労働と経済銀行事件の緊迫度が高まっている。最高裁判所は木曜日
に、元同銀行頭取のエルスナー、その後継者のツウェットラー、エ
ルスナーの右腕ナーコウィッツに対する判決を訂正するかどうか、
決定を下す。最高裁は、数ヶ月前に判決を下していた。判決(の一
部)が修正されれば、当時の裁判官で現在法務大臣をつとめるバン
ディオン・オルトナーに取っては手痛い打撃となりうる。この判決
が下された時には、エルスナーが最高裁の聴聞では正面攻撃を受け
ていた。彼はバンディオン・オルトナーを非難して、「嘘を言うよ
うに圧力を受けていた」と述べた。




12月23日(木)

     国外ニュース

ローマの郵便爆弾 無政府主義者が犯行声明

ローマの2つの大使館で爆発が起きたことを受け、イタリアのテロ
捜査局は熱心に犯人の行方を追及している。スイスとチリの大使館
あての同じ爆弾は、大使館員2名に重傷を負わせた。再発防止のた
めにイタリアの専門家が、他の大使館の多くもくまなく捜査を行な
った。夕方には無政府主義者の組織が犯行声明を発表した。クリス
マス直前のローマでは、緊張感が高まっている。

     国内ニュース

収入に関する報告 労働者の賃金は実際に減少

23,602オイロ。会計検査院の報告によれば、2009年にオースト
リアで自営業者以外の仕事をしている人は、平均でこの金額を稼い
だ。ただしもちろん大きな差がある。女性は明らかに男性より収入
が少ないが、それは女性が短時間の労働をしている人が多い、とい
うだけの理由ではない。分野によっても収入の大きな違いがある。
公務員と労働者の間の違いは明確である。公務員はほぼ3倍の賃金
であり、彼らの給与は過去数年も上がり続けたが、労働者の少ない
収入は、物価上昇を勘案した場合には減少した。




12月24日(金)

     国外ニュース

パリの空港の混乱 出発棟が空に

激しい降雪で、パリのシャルル・ドゴール空港が大混乱している。
一つの出発棟から人が出されたが、それは大量の雪の重みで、屋根
が崩落する危険があるためである。ヨーロッパで3番目に大きな同
空港では、欠航のため数千人の動きが取れていない。運行会社に
は、飛行機を飛ばすために氷を取り去る方法が亡くなっていた。西
ヨーロッパの他の地域でも、冬の悪天候で交通が一時麻痺した。特
に影響が大きいのはドイツ、ベルギー、オランダである。

     国内ニュース

バンディオン・オルトナーに「厳しい叱責」

労働と経済銀行の判決の大部分が破棄されたことを受け、法務大臣
バンディオン・オルトナーは、ますます強い圧力にさらされてい
る。専門家シュワイクホーファーは最高裁の判断が、彼女にとって
「厳しい叱責」と「印象の悪化」を生む、と見ている。この判決の
中では、判断の理由が不足しており、法的な誤りがある、とされて
おり、バンディオン・オルトナーは、この裁判のおかげで、法務大
臣に就任したのだから、この裁判で彼女の能力は測られる、と彼は
見ている。シュワイクホーファーは、エルスナーに対する最高刑は
やりすぎであった、と見ている。野党各党はバンディオン・オルト
ナーの辞任を求めているが、社会民主党も彼女とは距離を取ってい
る。




12月25日(土)

     国外ニュース

コートジボワール 隣国との紛争の恐れ

コートジボワールでは大統領選挙後の紛争で、現職バグボは敗北し
たのにもかかわらず、それを認めていないが、さらにこの地域全体
に紛争が拡大する恐れがある。西アフリカ諸国経済共同体ECOWAS
に結集しているコートジボワールの隣国は、「正当な強制的手段」
を用いる、と威嚇したことを受け、バグボ政権は強硬姿勢を強め、
同共同体の発言は「受けいられない」と述べた。また広報は、コー
トジボワールで働く隣国の国民に対して、厳しく対処する、とも威
嚇した。

     国内ニュース

国会議員に対する不逮捕特権の規則を新たなものにする

国会議員に対する不逮捕特権の規則が、新たに定められる。国会議
員を出す5つの政党すべてが、国会外での、つまり政治とかかわり
のない事例での不逮捕特権の廃止に賛成している。その代わりに政
治的発言および活動での不逮捕特権は、さらに強化されることにな
る。新年にはこれに関する法案が呈示される予定である。




12月26日(日)

     国外ニュース

ハイチのコレラ キューバの医師が「目立たぬ援助者」

ハイチではコレラが10月半ばに流行し始めて以来、2千6百人が死
亡した。この疫病は毎日50人の新たな犠牲者を生んでいる。今年初
めの巨大地震の後に、西側諸国が約束した支援があっても、情勢は
ほんのわずかだけ改善しただけであった。ただし比較的世間の注目
を集めていないが、他のものと比べるとこれらとの戦いでもっとも
成果を収めている人たちがいる。キューバからの約1千2百人規模の
医療部隊が、コレラ患者の4割ほどの世話をしており、なかでも島
の交通が途絶した地域においてである。

     国内ニュース

安保の基本原則 ダラボスが社民党の案を呈示

国民党が秋に安全保障の新たな基本原則を提出したのに続き、社会
民主党の文書も完成し、国防大臣ノルベルト ダラボスはこれを既
に連立相手の国民党に伝達した。「クリール」紙によれば、この文
書の中では、兵役義務については取り上げられていない。兵役義務
の議論では、来年始めにさまざまな方式を呈示するが、最終的には
国民の決断が下される、とダラボスは予告した。既に明らかになっ
ている通り、NAT0への加入を求める立場は削除されている。また
社会民主党と国民党は、安全保障の原則を練り上げることで合意し
ている。一方国民党は兵役義務を堅持する方針である。




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