1月17日〜23日のオーストリアのニュース



1月17日(月)

     国外ニュース

チュニジアに移行政府が成立 ベン アリの配下が権力を握る

チュニスでは、今まで先が見えない状況であったにもかかわらず、
情勢の正常化の期待が広まっている。首相ガンヌーシは月曜日午
後、暫定政府の人事を発表した。これはガンヌーシほか逃走した大
統領ベン アリ政権で権力を握っていた5人を含んでおり、野党各
党の代表も加わっている。移行政権は選挙の準備を進める。一方抗
議活動もあいかわらず行なわれている。デモ隊は、ベン アリの政
党の解体を求めている。

     国内ニュース

軍改革でプレルはダラボスに冷たい態度

国民党は社会民主党所属の国防大臣ダラボスと、彼が発表した国防
軍改革の7つの案に、冷たい態度を示した。国民党はkの提案を
「ちらっと見た」が、これは現在の軍と「同じぐらい高価か、もっ
と高価につく」が、「成果は上がらない」と国民党党首で副首相の
プレルは月曜日午後に述べた。彼は、兵役代替役務をどのように補
うのかなど、多くの問題が未解決である、としている。また国防軍
の今後の課題を抜本的に熟慮することが欠けている、と副首相は見
ている。




1月18日(火)

     国外ニュース

ハイチの元独裁者「ベイビー ドク」は帰国後2日で拘引

ハイチの元独裁者「ベイビー ドク」ことデュヴァリエが、ハイチ
に突然帰国してからわずか2日、火曜日にポルトープランスで警察
に連行された。検察の発表によれば、「デュヴァリエ氏は司法の監
視下にあり、自由ではない。」担当する官庁によれば、デュヴァリ
エに対しては、既に汚職および国家の資金の横領容疑で、捜査手続
きが始まっている。なぜデュヴァリエが25年ぶりにフランスでの亡
命を終え、ハイチに帰国したのかは、あいかわらず不明である。

     国内ニュース

国会議事堂の改修費用は「極めて巨額」

屋根は雨もりし、電気設備は骨董品、建物は火災のときには落とし
穴なになる。国会議事堂が早急に改修が必要であるのは、以前から
判っており、議論の余地はない。火曜日に国民評議会議長プラマー
(社会民主党)は、緊張感をもってみ守られている改修計画の費用
を発表した。2億9千5百万オイロである。これは新型喫茶店のよう
な「能率を上げるための」措置をとるために、4千万オイロ増額さ
れている。彼女はこの金額が「極めて巨額」であることをみずから
認めた。「あまりに長く放置されていたためだ」と批判する人もい
る。国民党は、会計検査院の評価を待つ方針である。




1月19日(水)

     国外ニュース

ベン アリがいなくなった後チュニジア人は何を期待するか

移行政権とチュニジア元大統領ベン アリの統一党RCDが優位を保
っていることに抗議が続いている中、脆弱な野党は改めて結集を試
みている。長年政府を批判してきたハムズキらが指導者になる可能
性があるが、このような人々が亡命生活から帰国する。彼らが、ベ
ン アリと同舟していた人たちに自分の意志を押し通し、野党陣営
を一つにまとめ上げられるかどうかは疑わしい。労働組合の代表で
すら、今まですべてを支配してきたRCDが、「選挙で勝利すること
ができる唯一の政党意」である、と見ている。

     国内ニュース

大学新入生の相談が義務化 新たな官僚主義の障害にすぎないか?

早くも秋から大学入学者は、相談所に行かなければならない。5万
人と見積もられる該当者は、自分ははっきりしている多くの問題に
取り組まなければならない、と感じている。たとえば誰が、誰に、
どのように相談するのかははっきりしていない。オーストリア大学
生組合は、大学に通うことにより、新入学生が今までは将来の専攻
分野について情報を集めていたが、そのために「正式の」大学の相
談所を利用しなければならない。大学生組合は、この新たな規則か
ら得られるものは少なく、「官僚主義の新たな障害」が出来た、と
述べている。




1月20日(木)

     国外ニュース

グーグル創設者が社長に就任

10年間に渡って背後に隠れざるをえなかったグーグルの創設者ラリ
ー ペイジが突然、世界的に主要な同社の支配権を握る。37歳のペ
イジは、これにより2001年から現社長シュミットの後任に就任す
るが、それは投資家が、非常に若い創設者であるペイジの傍らに、
経験豊富な経営の専門かをおくように求めたためである。現在ペイ
ジは、自分が経営を引き受けられるほど成長したと感じており、
「お目付役」のシュミットは身を引くが、完全にというわけではな
い。

     国内ニュース

大学の新たな障害 カールは相談の義務化を撤回

科学大臣カール(国民党)は、協議が下手なのだろうか? 新たな
大学の障害、特に新入生が来年の冬学期から、研究に関する相談を
行なうことを義務化すると予告してからわずか2日、これを撤回し
た。過去数日の話し合いの結果、「時間があまりに不足している」
とカールは木曜日午後に発表した。実際には、まだ決着がついてい
ない問題が多数ある。




1月21日(金)

     国外ニュース

マリボール司教区で資金の冒険 巨額の資金を投資で失った?

スロヴェニアの小さな司教区が現在、教皇ベネディクト16世に、
深刻な悩みの種をまいている。その理由は次のようである。ある報
道によれば、マリボールのローマ・カトリック指導部が、活発的な
営業活動を行ない、ヴァティカンの歴史上最大の破産に直面してい
る。イタリアの報道雑誌「レスプレッソ」によれば、その損失額は
約10億オイロに上る、とのことである。

     国内ニュース

市場操作容疑でのOMV社長の処罰が確定

中立の行政評議会UVSは、金曜日に金融市場監視官庁FMAが、石油
会社OMV社の総支配人ルッテンストルファーに対して、罰則を通達
したことを認めた。これによってルッテンストルファーに対する行
政罰2万オイロが確定した。ただし彼の弁護士は、行政裁判所に訴
えを起こすつもりである、早くも予告した。




1月22日(土)

     国外ニュース

米国の州は倒産直前か? 忘れられていた米国の負債の危機

負債の危機に直面しているのは、ギリシアからアイルランドを経由
して、スペインにいたるまでのヨーロッパだけではない。カリフォ
ルニア州とイリノイ州を含む米国のいくつかの州の負債の山も、一
部は財源が確保出来ないほどの高額に上った。今までは大幅な支出
削減は行なわれてこなかったが、それは金融市場がヨーロッパの借
金の危機に目をとらわれていたためである。ヨーロッパでは救済に
よって風よけが出来て、米国政府でも議論が始まった。議論になっ
た解決策は、急進的で米国的でもある。それは救済の傘を作る代わ
りに、州全体を破産させる、というもので、共和党にとっては政治
的な主流ではない考え方である。

     国内ニュース

シュトラーヒェは新年の会合で「豚小屋」を掃除すると発言

自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、毎年恒
例の新年の会合で、政府に対して全面的な攻撃を加え、さらにオー
ストリアで最高の地位につくと述べて、支持者を喜ばせた。「(与
党である)2つの政党が今までに作り上げたのは、豚小屋で、私た
ちはこれを掃除しなければならない」と彼はニーダーエスターライ
ヒ州のフェーセンドルフの満員の「ピラミッド」で、社会民主党の
元党首ブルーノ クライスキーの生誕百年の記念日に述べた。シュ
トラーヒェはその席上、自分の外交への関与を弁護する一方、イス
ラーム教とトルコ、さらに国防大臣ノルバート ダラボス(社会民
主党)をののしった。




1月23日(日)

     国外ニュース

ラス ヴェガスの不況 賭博都市の二日酔い状況

「ビバ ラス ヴェガス」とかつてエルヴィス プレスリーは歌っ
た。しかし賭博と娯楽の大都市の黄金時代は、既に過去のものであ
る。狂気のようなホテル建設、巨大カジノ、「ストリップ大通り」
のまたたく光る海で、この町は金づかいの荒い繁栄の象徴となっ
た。しかし現在ネヴァダ州の砂漠の中は、不況が蔓延している。
2008年の経済恐慌で、ラス ヴェガスのバブルも弾けた。観光客
の財布のひもは硬くなり、客足は遠のき、雇用は減り、建設は凍結
された。

     国内ニュース

兵役義務の議論でダラボスは軍の支持を失う

兵役義務の撤廃に関する対立で、国防大臣ダラボス(社会民主党)
にたいする批判の論調が強まった。彼は「民主主義の中では支えら
れない人」となった、と将校団は日曜日に発表し、ダラボスに辞任
するように求めた。ダラボスは国防軍内部の批判勢力に対して、個
人的に責任を追及すると威嚇して、「まさにスターリン的」な行動
をとっている、と彼らは述べた。ダラボスは自由党、国民党、緑の
党からだけでなく、社会民主党からの厳しい批判にもさらされてい
る。改革の試みの中で、自分が動揺することはない、とダラボスは
反論している。




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