1月24日〜30日のオーストリアのニュース



1月24日(月)

     国外ニュース

攻撃で死者30人以上 モスクワの空港で恐るべき光景

モスクワは、地下鉄が襲撃を受けてからわずか10カ月、再び流血の
凶行の現場となった。モスクワのドモジェドヴォ空港の到着階で、
自殺攻撃犯が爆薬に点火し、30人を越える人を殺害し、130人以上
を負傷させた。負傷者の中には危篤の人もいる。当局は即刻、北カ
フカス出身のイスラーム教徒反乱勢力がこの事件を起こした、と発
表した。犯人の遺体も発見された、とのことである。救助隊の前に
は、怪奇映画のような光景が広がっていた。

     国内ニュース

ダラボスは批判を受け参謀長を解任

国防大臣ダラボス(社会民主党)の兵役義務改革に関する批判と、
兵役義務を維持することに賛成する発言が、統合幕僚長エントアッ
ハーから、その地位を奪った。ダラボスはエントアッハーの発言
は、「自分の狙いからかけ離れている戸しか解釈できない」と述
べ、幕僚長の解任の理由として、「職務上の重要性」を挙げた。エ
ントアッハーは、国防相との午後の話し合いを、「友好的な協議」
であった、と述べていた。




1月25日(火)

     国外ニュース

エジプトでは流血の抗議活動 3人が死亡

エジプト政府に対する抗議活動が全土で行なわれ、火曜日には少な
くとも3人が死亡した。救援隊と治安部隊の発表によれば、デモ隊
の2人と警官1名が死亡し、その他60人ほどが負傷したが、それは
警察がデモ隊に対して催涙ガスを使用した時のことであった。チュ
ニジアでの抗議活動が飛び火をして、火曜日には数千人のエジプト
人が、大統領ホスニ ムバーラクの辞任を求めて、路上に繰り出し
た。

     国内ニュース

ダラボスはエントアッハーの解任を擁護

兵役義務の議論の中で、激しい批判がなされ、辞任を求める声がま
すます大きくなっているにもかかわらず、国防大臣ダラボス(社会
民主党)は、辞任する理由はないと考えている。彼は「誰からも」
改革を中断させない、とテレヴィ番組で述べ、統合幕僚長エントア
ッハーの解任を擁護した。連邦大統領フィッシャーの予想外に明確
な言葉を、彼は「叱責」とは理解していない、と主張した。一方憲
法の専門家マイアーは、エントアッハーには、憲法裁判所に解任の
取り消しを求める十分な可能性がある、と認めている。




1月26日(水)

     国外ニュース

エジプトでの抗議活動は世代間の闘争の様相

エジプト大統領ホスニ ムバーラクは、30年前に権力を手に入れて
から最大の抗議活動を、弾圧している。水曜日にも激怒した人々多
数が、デモ禁止令を無視し、ムバーラクの政策に反対して路上に繰
り出した。大統領に抗議している者の多くは若者である。チュニジ
アの先例から勇気をもらい、彼らはインターネット上の会議を通じ
て、組織を作り、人々を動員している。それを困難にするために、
政府はトウィッターにつづいて、水曜日にはフェイスブックへの接
続を切断した。

     国内ニュース

国防軍改革でダラボスが新たな方式の計画の経費計算に介入

国防軍改革をめぐる対立が拡大した。先に発表されたように、国防
大臣ダラボス(社会民主党)は、参謀本部が作成した国防軍のあり
方に関する7つの案にかかる経費を、改めて計算させた。その結
果、ダラボスが支持している民兵組織は、兵役義務のある現在のや
り方と全く同じ費用が必要である。もともとの案と比べると50億オ
イロ高くかかることになる。高額の経費のかかる部署の経費増加で
は、一部は大幅に削減して、支出を削減するのは実現された。自由
党はダラボスに改めて辞任を働きかけた。




1月27日(木)

     国外ニュース

アラブの抗議「ブッシュの計画は米国の悪夢である」

チュニジアで起きた抗議活動の波が、エジプトとイエメン、さらに
アルジェリアとレバノンの一部に広がり、ますます多くのアラブ諸
国に波紋が広がっている。特に米国にとっては、蜂起は諸刃の刃で
あり、長年にわたる極めて密接な同盟関係が、圧迫を受けている。
元大統領ブッシュと彼の政権の「タカ派」は、イラク戦争で民主主
義をアラブ世界にもたらしたいとの「将棋倒し戦略」は厳しく批判
され、冷笑されたが、これは予想外に現実となる可能性がある。

     国内ニュース

エントアッハーは解任と戦う ダラボスは窮地に

国防大臣ダラボス(社会民主党)は、兵役義務の議論で、ますます
強い圧力にさらされている。彼が厳しい批判に抵抗しなければなら
ないのは、新たな兵役義務の案で必要な費用が、初期の提案と比べ
て、「粉飾」されている模様であるためである。さらに統合幕僚長
エントアッハーの解任も、困難な進展を見せる可能性が高い。「ク
リール」紙によれば、エントアッハーは自分の解任に対して、法的
措置を取り始める、とのことである。




1月28日(金)

     国外ニュース

ダラボスはすべてを述べていない

国防大臣ダラボス(社会民主党)は、兵役義務に関する議論で批判
を受けている。「ティロール新聞」によれば、国防軍のありかにつ
いての参謀本部の最終報告の前文で、ダラボスが発表していない条
件が記されている。それによれば、この報告書は「独立した計画の
作業」ではなく、単なる「例となる仮定」と理解できる、とのこと
である。国防相の事務所はこの混乱は理解できていない、ダラボス
が「何も隠していなかった。」一方統合幕僚長エントアッハーは、
ダラボスによる解任に対して、法的措置を取り始めた。

     国内ニュース

ムバーラクは内閣が辞任すると発表

政府に対して暴力的な抗議が行なわれたことを受け、エジプト大統
領ホスニ ムバーラクは、夕方遅くにようやく人前に現われた。国
営放送が中継した演説の中で彼は、今までの政府に辞任をするよう
に命じた、と述べた。週末にも新政府が指名される。ムバーラクは
政府の批判勢力が、火曜日以降、国内のいくつかの都市で自分およ
び政権に対して抗議していた人々の要求に理解を示した。彼はエジ
プト人により多くの民主主義と若者の高い失業対策で、さらに努力
すると約束した。アラブ系の放送局ジャジーラでも中継されたこの
演説は、緊張感をもって見守られていたが、ムバーラクはこの紛争
の罪のない犠牲者に悔やみの言葉を述べ、抗議活動を終えるように
呼びかけた。




1月29日(土)

     国外ニュース

エジプトでは略奪が平和的な反乱に暗い影を落とす

エジプトで長期間に渡って独裁政治を続けたムバーラクに対する反
乱は続いている。大統領ムバーラクは、火曜日に、内閣人事の変更
を行ない、30年間で始めて、自分の代理人を置いたが、抗議活動の
帆から風を奪うことは出来なかった。国際原発機構の元総裁エル 
バラダイを含め数十万人が再び、ムバーラクの退任を求めた。抗議
活動のほとんどは平和的に行なわれており、軍も冷静に対処してい
る。ただし略奪行為がこの反乱にくらい影を投げかけている。治安
部隊がその後ろで糸を引いている、との噂もある。

     国内ニュース

国防軍に関する議論で国民党は「社民党の案は失敗に終わった」

兵役義務の廃止に関する議論で窮地に追い込まれた国防大臣ダラボ
スと、社会民主党は、ますます強い逆風にさらされている。週末に
は連立相手の国民党が「失敗」と評したのは、ダラボスが提出した
案の計算に留まらなかった。社会福祉大臣フンツトルファー(社会
民主党)が呈示した、有給の「(兵役代替役務の代わりに導入しよ
うとしている)社会福祉期間」の計算も、「数字が一致しない」と
され、この書類には「土台がない」とされた。社会民主党側は、話
し合いは始まったばかりである、と指摘している。一方解任された
軍の長エントアッハーは、再び自らを擁護した。




1月30日(日)

     国外ニュース

エジプトではエル バラダイが指導部入りを要求

ノーベル平和賞受賞者モハメド エル バラダイは、エジプトで、
指導部入りを要求した。カイロで開かれたデモに加わった彼は、長
年にわたって権力を持っているホスニ ムバーラクに辞任を求め、
野党の強い影響力を持つ勢力に対し、国を一つにまとめ上げる政権
を作るように求めた。日曜夜も、外出金氏が出されているにもかか
わらず、数千人がムバーラクの退任を求めて抗議活動を行なった。
一方多くの都市が、略奪に悩まされている。警察は再び路上の巡回
を開始した。

     国内ニュース

兵役義務をめぐる政府の議論

兵役義務の廃止をめぐる議論は、日曜日も意見がまとまることなく
続いている。朝には国防大臣ノルバート ダラボス(社会民主党)
と政務次官ヨーセフ オストマイアー(社会民主党)が、外務大臣
ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)と内務大臣マリーア フ
ェクター(国民党)と、この問題について話し合った。週末には国
民党は、社会民主党が発表したすべての案は失敗であった、と発表
し、この議論を新たにやり直すように働きかけた。一方社会民主党
は、国防軍をめぐる連立内部の対立を沈静化させようとした。国民
党は閣議で、ダラボスが成立を目指している新たな国防軍の案につ
いてではなく、新たな安全保障の原則について、最初から今一度話
すことを求めている。




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