１月３１日〜２月６日のオーストリアのニュース
１月３１日（月）のオーストリアのニュース
国外ニュース
スエズ運河封鎖のおそれ エジプト紛争が石油価格を押し上げる
エジプト危機の中、石油価格は月曜日に2年半ぶりに1バレルあたり
1百ドルの指標を突破した。供給側は、エジプトの危機が近東全体
を不安な情勢に陥らせ、それによって戦略上重要なスエズ運河を通
じた石油の輸出が出来なくなる可能性がある、と懸念している。紛
争により水路が閉鎖された場合、世界の海運の1割が影響を受け、
その中には石油輸出のかなりの部分が含まれる。
国内ニュース
兵役義務で社民党と国民党はしばらく時間を置く
連立与党両党は、兵役義務をめぐる極めて激しい対立をしてきた
が、しばらく時間をおく。外務大臣ミヒャエル シュピンデレガー
（国民党）、国防大臣ノルバート ダラボス（社会民主党）、内務
大臣マリーア フェクター（国民党）と政務次官ヨーセフ オスタ
ーマイアー（社会民主党）は昨日、新たな安全保障の原則の草案を
2月末までに提出することで合意した。兵役義務の問題は、当面棚
上げとなり、いつ決着がつくかは未定である。また今年半ばの国民
投票の期日決定は、合意した日程表には含まれていない、とシュピ
ンデレガーは述べた。ダラボスはこれを求めていた。
２月１日（火）
国外ニュース
ムバラクは再選は断念するもの権力の座には執着
大規模抗議活動が盛り上がったことを受け、大統領ムバーラクはよ
うやく退任の姿勢を示した。火曜日にはカイロだけで2百万人ほど
が、彼に対して辞任を求めた後、30年間に渡って独裁的な政権を率
いてきたムバーラクは、次の任期を目指さない、と発表した。しか
しそれまでは彼はあいかわらず権力の座に留まる意向である、とも
述べた。カイロ中心部で群集は、ムバーラクの演説に対して「消え
去れ、消え去れ」との声をあげた。野党の政治家エル バラダイも
これより前に、金曜日までに辞任をするように求め、米国代表とそ
の後の日程の予定を協議した。
国内ニュース
ハイニッシュ・ホーセク「女性の進出をしきたりに」
EU委員会が月曜日に、指導的な役割にもっと多くの女性をつけるよ
うに求めたことを受け、オーストリアでも議論が沸き起こってい
る。女性問題担当の大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセク（社会
民主党）は、株式市場に上場している会社に、より女生の割合を高
めることを「しきたり」として定める方針である。「ヨーロッパの
列車はずっと前に出発したが、オーストリアはまだ駅に停車中であ
る」と彼女は述べた。連立相手の国民党は、法的に定めることには
不満であるが、自由意志で自ら義務とするのであれば交渉に応じる
姿勢を示している。
２月２日（水）
国外ニュース
ムバーラクの国外資産は巨額に上る
ホスニ ムバーラクがエジプト大統領になってから30年近くにな
る。だが82歳の彼にとって、この年月はわずかな期間である。彼の
息子ガマルが予定通り、後継大統領になる可能性はなくなった、と
見られている。しかし家族はそれほどお置きな不安を持つ必要はな
い。彼らは長年にわたって巨額の資産を確保したからである。チュ
ニジアのベン アリ一族とは異なり、汚職とムバーラクの資産はあ
まり明らかになっていない。彼らがどれぐらい裕福であるかは、誰
も知らない。ただし噂される金額はびっくりするほどの額である。
国内ニュース
国内安保評議会が兵役義務について協議
兵役義務の議論で激しい非難を受けている国防大臣ノルバート ダ
ラボス（社会民主党）は、自分を批判する野党および連立相手の国
民党の人々と、木曜日に対決しなければならない。非公開の形で国
民評議会の国防委員会と、午後に行なわれる国民安全保障評議会
が、その場となる。国民評議会の特別会議では、おそらく激しい応
酬が行なわれ、数日内に2度目の不信任動議が提出される可能性が
ある。ダラボスが志願兵による軍をつくるとの今までの方針を撤回
するかどうかは疑問で、予定を前に改めて態度を表明していた。連
立相手の国民党は不快感を表明し、月曜日にようやく取りまとめた
安全保障の新たな原則を練り上げるとの合意が反故にされた、と感
じている。国民党党首ヨーセフ プレルは、同党所属の国会議員
に、ダラボスに対する不信任動議でどのような投票を行なわなけれ
ばならないか、指示をしないつもりだ、と述べた。
２月３日（木）
国外ニュース
オーストラリアの荒天の被害の一部は人災
まず「聖書にでて来るような洪水」が起き、その後暴風雨「ヤシ」
によって荒廃した。オーストラリアでは今年最初の2カ月で、既に
災害の被害の決算は巨大なもののなっている。北東部だけで、洪水
の被害だけで20億オイロを越える。「ヤシ」は水曜日夜には時速
3百キロの風速で、オーストラリアの広い地域を破壊した。専門家
や環境保護団体の言うことを信ずるなら、この種の災害は、少なく
ともその一部は、人間が引き起こしたものである。巨大な大規模農
場の開墾や鉱山の開発が行なわれると、鉱山および農業会社の指示
によって、自然と人間の安全が犠牲になりかねない。
国内ニュース
グラサーの新たな会話の記録「国内は汚職にあふれている」
元大蔵大臣グラサーは、注目から逃れられない。木曜日には緑の党
が国会で、彼とその友人マイシュベルガーの会話の電話記録を公開
した。その中では、国家警察官が金と引き換えに、労働と経済銀行
BUWOG事件に関する情報を手に入れる、との提案が述べられてい
る。ただしグラサーはこの電話での会話で、「この国は汚職にあふ
れている」と怒りを表わしていた。緑の党は「ずば抜けてきれいな
チョッキ」には大きなしみがある、と述べている。同党は「職権乱
用の相手である重大な疑い」がある、と見ている。
２月４日（金）
国外ニュース
メルケルはEUを信頼 オイロ使用地域の経済政府を樹立する意向
枢軸国ドイツとフランスは、EUで再び自分の意向を押し通した。ド
イツ首相メルケルはオイロ使用地域の経済政府を将来作るように求
めたが、金曜日に行なわれた首脳会談で、これに合意が成立した。
共通通貨オイロを強くするために、加盟国が、賃金、年金、税金な
どについて共通の目標を立てることになっている。内容的には、当
面まだ何も決まっていないが、それはオーストリアを含むいくつか
の国が、この構想の論拠に納得が行かないとしているためである。
国内ニュース
全員がダラボスに反対 国民議会では混乱の会議
国民評議会の特別会議では、兵役義務について話し合いが行なわれ
ているが、野党は激しい砲撃を行なって、国防大臣ダラボス（社会
民主党）と衝突した。緑の党は金曜日に、彼の国防軍改革案は「乳
しぼりの娘の計算（とらぬ狸の皮算用）」である、と述べた。自由
党と未来同盟も同様に彼に攻撃をおｋなった。ダラボスは自分の計
画を改めて擁護したが、彼は連立相手の国民党からの側面攻撃も甘
受しなければならない。さまざまな批判がある中、国民党はダラボ
スに対する不信任動議には、賛成しない方針であった。
２月５日（土）
国外ニュース
ムバーラクの今後についてさまざまな観測 舞台裏で複数の交渉
米国、エジプトの野党および新政府は、エジプト大統領ムバーラク
の栄誉ある早期退陣を、実現する方針である。報道によれば、82歳
のムバーラク退任に向けた複数の筋書きが密かに作られている。長
期に渡って健康上の問題のためドイツの滞在する、などがその案の
一つである。しかしムバーラクはエジプトに残り、保養地シャルム
アル シャイクに隠遁する可能性もある。ムバーラクを大統領に
留任させる、という別の可能性も議論されている模様である。
国内ニュース
「最後の機会」プレルはダラボスを窓際に追い込む
国防大臣ダラボス（社会民主党）に、厳しい逆風が吹きつけている
が、それは連立与党内部からの風もある。金曜日に国民評議会で、
ダラボスに対する不信任動議が提出された際に、国民党はダラボス
をまだ支援していたが、土曜日には国民党党首プレルは、明確な言
葉で警告を突きつけた。これは「ダラボスの最後の機会」であり、
彼は国防軍の構成についての案で「広い層を欺いた」とプレルはテ
レヴィ番組で述べた。彼の仕事の進め方に関する批判は、自らの党
のシュタイアーマルク州首相フォーフェスからも受けることとなっ
た。
２月６日（日）
国外ニュース
未来に対する不安 エジプト経済はどのような影響を受けるか
エジプト経済は抗議の波が起こる前、力強い成長をしており、直前
には6%の成長であった。これはもはや維持できなくなる、と中央銀
行は警告している。投資家は資金を引き揚げ、輸出は落ち込み、観
光は打撃を受けるが、どれほどの影響を受けるかはまだ予想がつか
ない。株式市場はいずれにせよ、しばらくは閉鎖されたままで、通
貨も「動揺」が予想される。政府は「通常の生活」を再びおくれる
ように、努力をしているところである。
国内ニュース
エリーサベト ブラーニクがリンツの新市長に
リンツ新市長（東ティロール）には、エリーサベト プラーニク
（社会民主党）が就任する。日曜日の決選投票で彼女は、得票率
5.3%の713票差で現市長ヨハネス ヒープラー（国民党）に勝利
した。投票率は64.9%から68%であった。前年の両者の差は14票
であった。ヒープラーは、自分は政界から引退する、敗北の責任を
取らなければならない、と述べた。ブラーニクは市民の要求に耳を
開くと予告し、国民党とは建設的な協力を行ないたい、とも述べ
た。