2月21日〜27日のオーストリアのニュース



2月21日(月)

     国外ニュース

トリポリのデモ隊に空爆 トリポリは暴力に沈む

リビア当局は、首都トリポリの路上で抗議をするデモ隊多数を、ま
すます激しく攻撃している。アラブ系の放送局ジャジーラは、月曜
日午後には軍用機が群集を空から攻撃した、と報じた。何人が死亡
したかは不明である。目撃者は、これは「大量殺戮」である、と述
べている。また数人のエジプト人が逃げるさなかに、エジプトとの
国境近くで銃殺された、とのことである。国家元首ムアマル アル
 カダフィが、国内にまだいるかどうかは今のところ不明である。

     国内ニュース

社民党と国民党は外国人法強化で合意

事前に激しい批判を受けたが、与党両党は月曜日午後、外国人新法
に合意した。内務大臣フェクター(国民党)が提出した原案から
は、若干柔軟化されたとはいえ、亡命希望者に適用されるこの法律
改正は、強制退去者の収容所を中心に明確な規則の強化が行なわれ
る。特に論争となったのは、収容所に入れられた両親が、自分の子
供たちを収容所に一緒につれて行くかどうかを自ら決める点である
のは変わらない。このような子供たちは、自動的に父親あるいは母
親の元に残され、「ふさわしい子供の施設」に収容されることにな
っている。火曜日にはこの規定も含めて、「赤白赤カード」も閣議
で取り上げられる。




2月22日(火)

     国外ニュース

「罰は死」カッザーフィーは内戦の危険を冒す

リビアの革命指導者アル・カッザーフィーは、あらゆる手段を講じ
て、権力の座に居座る方針で、そのために内戦をいとわない。当初
はそうなると思われてたように「改革」を発表する代わりに、68歳
の彼は、火曜日にテレヴィ演説で、反対派を「ネズミ」として打ち
のめし、「挑発者に代償を支払わせた。」彼は断固として、自分に
対する抗議活動を弾圧する、と表明した。「処罰は死である」と敵
対者に対して再び威嚇し、自分は「時代の終わりまで革命の指導
者」であり、辞職するぐらいなら「殉教者として死ぬ」つもりだ、
と述べた。彼の扇動演説は諸外国では、警鐘として受け止められて
いる。

     国内ニュース

外国人法に批判が残る

数週間前から外国人に関する新法が議論され、批判が繰り広げられ
ている。火曜日には閣議で新たな規則が決定された。政府はこれに
満足している。首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は今日
は「良い日」であった、と述べ、副首相ヨーセフ プレル(国民
党)は「重要な方向性が示された」と述べた。人権組織の批判はま
だ残っており、野党は怒りを表明した。緑の党は中でも、亡命希望
者の条件を強化するのに賛成した社会民主党を攻撃した。ウィーン
市長ミヒャエル ホイプル(社会民主党)も、緑の党を支持し、自
分の党がこれに賛成したのは「悲しい」と述べた。




2月23日(水)

     国外ニュース

米国とEUはリビアに対して制裁ではなく呼びかけ

アラブ世界で劇的な大変動が始まったばかりのとき、米国とEUはそ
の成り行きに驚くばかりであった。そして今や国家元首アル・カッ
ザーフィー政権が、リビアでの抗議活動を弾圧し、流血の事態とな
っているため、この暴力を「極めて厳しく」批判する他にできるこ
とはあまりない。米国大統領オバマは声明の中で、この流血の惨事
は受け入れられない、と述べた。しかしアル・カッザーフィーに対
する辞任の要請や、具体的な対策はほとんど出ていない。EUも制裁
に合意を取りつけることはできなかった。

     国内ニュース

極右的な文書を発表した自由党員の退任を求める

ティロール州選出の国民評議会議員ウェルナー ケーニヒスホーフ
ァー(自由党)は、急進右派の文書を自分のウェッブサイト上に公
表した。緑の党は彼の辞任を求めている。しかし緑の党の議員カー
ル エリンガーが懸念をいだいているのは、ケーニヒスホーファー
だけではない。「これは自由党の問題であり、それも残念ながら現
在の問題であり、個々の事例の問題ではない」とエリンガーは述べ
た。自由党はこの非難について言及していない。




2月24日(木)

     国外ニュース

カッザーフィーの資産の調査 オーストリアにも隠匿か?

リビアでは貧困がはびこっているが、支配層は長年にわたってぜい
たくな暮らしをしている。北アフリカの同国は、巨額の石油収入が
あり、そのためアル・カッザーフィーとその家族は、膨大な富を得
ている。この資金は、基金、出資そして秘密口座を通じて大部分が
国外に置かれている。現在この資産の調査が静かに始まっている。
普通は有利な隠し場所とされている国でさえも、今回は安全とはい
えない。スイスからはアル・カッザーフィーの一族が、争いの末、
数十億オイロを既に引き出した。オーストリアももう一つの候補地
として扱われている。

     国内ニュース

国会議事堂改築は延期 議会は会計検査院の監視を受ける

国会議事堂の改築は、開始を前に早くも、ますます長い歴史を持
つ。木曜日にも各党は、数時間に渡って駆け引きを行なったが、内
部の改築の規模で合意できなかった。一方、会計検査院は、事後的
にではなく開始時点から改築を監視することになる。ただしそのた
めには、新たな法律が必要である。そのため、この問題と国会をど
こに移すかの決定は、少なくとも来年まで延期された。




2月25日(金)

     国外ニュース

カッザーフィーはトリポリで戦いの継続を訴える

リビアの国家元首アル・カッザーフィーは金曜日の午後、トリポリ
の中心部の緑の広場で、集まった支持者に同国を守るように誓わせ
た。彼は国営放送で中継されたこの演説の中で、的に勝利する、と
述べた。これより前にトリポリと同国その他の都市での情勢は、再
び激化していた。報道によれば、「トリポリ攻防戦」が既に始まっ
ており、目撃者の話によれば、同市の各所を蜂起勢力が掌握してい
る。

     国内ニュース

ショイヒに対する汚職疑惑の訴訟が起こされる

「ケルンテン州の自由党」党首ウーウェ ショイヒは、「ゲームの
一部」疑惑で法廷に立たなければならない。「クリール」紙の報道
によれば、法務省は汚職検察の起訴状の一部に同意した。それによ
ればショイヒには不当利得の疑いが持たれており、拘留機関は最大
で5年である。汚職検察は今後の予定の報告書の中で、今回同時に
持たれた賄賂の容疑は断念され、無罪の推定が適用される。




2月26日(土

     国外ニュース

政府は罰を受ける アイルランドの政界の激震は方向転換を伴わず

日曜日にようやく公式の成果が発表されるが、アイルランドの選挙
の結果は既にはっきりしている。首相カウエン率いる与党フィアナ
 フォイル(「運命の兵士たち」)が、大幅に議席を減らし、予想
によれば25%減で、第3党になる。36%を獲得する保守派のフィナ 
ゲールが、最大勢力となり、労働党とともに内閣を結成する可能性
がある。他の勢力地図には一石は投ぜられず、政府の政策はあまり
変わらない。保守派の政党が、現与党を引き継ぐことになる。次期
首相エンダ ケニーは、財政問題があるため、あまり行動の余地が
ない。

     国内ニュース

党献金法でヨーロッパからの批判にもかかわらず議会は方針を貫く

国民に取っての「透明な情報蓄積」とはいいながら、政党はその透
明性確保を急いでいない。数年前から政党献金問題では、躊躇なく
口先だけでない新たなことは、あまり行なわれていない。国会議員
を出しているすべての政党は、少なくとも政治汚職を抑えるための
新たな基準を作ることでは一致している。ヨーロッパ議会はこれは
不十分である、と見ている。オーストリアは2003年から、ヨーロッ
パ統一の措置を無視しているためである。6月6日は専門家がオース
トリアにやって来る。




2月27日(日)

     国外ニュース

アル・カッザーフィーは国際的に孤立 国連制裁を批判

リビアの国家元首アル・カッザーフィーに対する圧力は、ますます
強まっている。彼はトリポリに戻る一方、野党は同国東部を支配し
ている。諸外国は彼の政権に、制裁を科した。これは国連が全会一
致で可決したものである。資産の凍結を開始した国も出はじめた。
アル・カッザーフィーはセルビアの民間放送とのインタヴューで、
この制裁は「有効性がない」し、安保理はこの情勢に介入できな
い、「リビアは完全に平静である」と述べた。

     国内ニュース

フェクターは自らの外国人法案を擁護

内務大臣フェクター(国民党)は日曜日のテレヴィ番組で、新たな
外国人法の法案に含まれている移住者に対するドイツ語習得義務
を、「外国人の社会への融合にとって一里塚」であり、「差別撤廃
の手始めの一つ」である、として擁護した。外国人政策における最
大の課題は、既にオーストリアで暮らしている人々に、雇用を得る
ために十分な能力を身につけさせることである、とも語った。また
彼女は、政府の新たな安全保障の基本政策に同意する、と予告し、
国民党の兵役義務維持の首長を支持し、国民投票にかけることも考
慮できる、とも述べた。




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