4月11日〜17日のドイツのニュース



4月11日(月)

元大統領バグボが防空壕の中で逮捕

1週間の激しい戦闘の末、選挙で敗れたコートジボワールの大統領ローラン バグ
ボは、防空壕の中で逮捕された、とフランスおよび国連が一致して発表した。フラ
ンスと国連はここ数日間、大規模な軍事的な行動を取っていた。発表によれば、バ
グボとその妻は、対立していたアラサン ワタラの本部があるアビジャンのホテル
 ゴルフにおり、国連の監視下にある。それより前には、フランスの特殊部隊が、
約30台の装甲車で、バグボが数日前から潜伏していた居所を封鎖していた。ただ
しフランス政府は、逮捕を行なったのはワタラに忠実な部隊である、と強調してい
た。
バグボと対立していたワタラは、11月の大統領選挙の決選投票で勝利を収め、諸
外国は新大統領として承認していた。
ドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレはベルリンで、内戦が早期に終了し、民
主主義が誕生する期待が出てきている、と述べた。

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アフリカ連合の提案は反乱勢力に受入れられず

アフリカ連合AUは、権力者カッザーフィーの部隊との停戦を提案し
たが、リビアの反乱勢力は、これを拒否した。反乱勢力の指導者ジ
ャリルは、アフリカ連合の代表団とベンガジで会談した後、、リビ
ア国民が主として求めているのは、カッザーフィーとその体制から
権力を全面的に奪うことであり、これは今回の提案には含まれてい
ない、と述べた。国民移行評議会は、カッザーフィーの即時辞任を
求めており、これを西側のいくつかの政府が支持している。アフリ
カ連合代表団は日曜日にトリポリで、カッザーフィーは北アフリカ
の同国の和平計画に賛成しており、この計画には、停戦、支援物資
の安全な輸送路確保、野党との対話を行なうことが含まれている、
と発表していた。港町ミスラタでは、再び激しい交戦が行なわれ
た。反乱勢力は、政府軍により激しい銃撃が行なわれた、と発表し
た。

シリア軍は港町バニヤースを封鎖

流血の暴動の末、シリア治安部隊は港町バニヤースを封鎖した、と
目撃者は述べている。部隊はトラックとジープで同市に入り込み、
大きな建物のの前や、交差点に陣地を構えた、との証言をAP通信社
は得た。抗議活動の参加者は、町につながる道路が戦車に封鎖され
た、と述べている。日曜日には兵士がデモ隊の少なくとも4人を殺
害、多くを負傷させた、とのことである。国営放送は、バニヤース
近郊でのこの攻撃で、警官9人が待ち伏せを受けて射殺された、と
報じた。ドイツ政府は、デモ隊に対するこの暴力を非難し、シリア
政府に、改革を行なうとの約束に基づいた行動を取るように求め
た。

EUは北アフリカからの難民問題で対立

EUは北アフリカからの難民の扱いについて、激しい議論を続けてい
る。イタリア政府は、国内に上陸した難民たちに、期限つきの滞在
許可を与え、それをもって他のEU各国に入国できるようにしようと
しているが、ルクセンブルクで開かれたEU内相会談では、これは厳
しい拒否にあっている。特にドイツとフランスは、これに厳しく反
対しており、法的に彼らにはなんの根拠も持っていない、としてい
る。ドイツ内相フリードリッヒは、イタリアの行動は受入れられな
い、と述べた。フランスとオーストリアは既に、国境の監視を強化
し、ドイツも「情勢に合わせて」国境監視を拡大する、とも語っ
た。イタリアはこの会談で、ランペドゥサ島を経由するなどして入
国する数千人の難民の受入れは、イタリアにとって過大なものであ
ると感じている、と強調した。EU加盟各国の内相は、外庁フロンテ
ックスの国境警備職員を増やして、イタリアを支援する点でだけ合
意した。EU委員会はそのほか、チュニジアとの間で、帰国協定を取
りまとめる方針である、とのことである。




4月12日(火)

EUはカッザーフィーに対する制裁を強化

EUはリビアの権力者ムアマル アル・カッザーフィーに対する制裁を強化した。
EU加盟各国外相はルクセンブルクで、EU内の口座を凍結し、EUの企業との取引を
禁止する24件のリビア企業を追加する決定を下した。ドイツ外務大臣グイド ヴ
ェスターヴェレは、これにより実質的に石油およびガスの禁輸が科されたことにな
る、と説明した。また彼はドイツは、リビアでの人道支援のために、軍事的な援護
活動に参加する、と約束した。もし国連がその必要性を連絡してくれば、ドイツは
それを回避しない、ともヴェスターヴェレは述べた。フランスと英国は、NATOに
は、リビア戦争の降着状況を引き起こした責任がある、とした。フランス外務大臣
アラン ジュペは、反乱勢力と民間人に対する攻撃をやめさせるため、カッザーフ
ィー軍の拠点に対する攻撃を強化することが必要だ、と述べた。NATOの司令官マ
ルク ファン ウフムは、この批判は当たらない、と述べた。
反乱勢力の広報は、カッザーフィー軍の攻撃による死者の数を1万人、さらに2万
人の行方不明者はカッザーフィーの収容所でにいれられていると推定される、と発
表した。

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EUは権力争いを終えたコートジボワールを支援する方針

西アフリカのコートジボワールでは、流血の権力争いが終結したた
め、EUは1億8千万オイロを投入して、同国の再建を支援する方針
である。この支援策では、健康状態に配慮し、水の供給や衛生面で
の確保の改善がはかられる、とEU発展委員ピエバルグスはブリュッ
セルで述べた。その他に農業振興が行なわれ、コートジボワールが、
ヨーロッパ投資銀行の負債から解放されることが目標である、とも
ピエバルグスは述べた。大統領ワタラは、対立していたバグボの逮
捕を受け、暴力行使を止め、和解するように呼びかけた。また彼
は、数ヶ月にわたる紛争期間中の政略的な暴力を、司法的に検討し
直す、と予告した。同国では転換が起きたものの、大都市アビジャ
ンでは交戦が若干行なわれた。フランスは、コートジボワールにい
る兵士の数を、現在の1千7百人から数百人に大幅に削減する方針で
ある。国連の集計によれば、権力争いの期間中、過去数日だけでお
よそ540人が死亡した。また港町アビジャンの住民を中心に、百万
人以上が暴力を逃れて国を去った。

福島の危険性の度合は最高に 日本では再び余震

日本政府は福島の原発事故を、チェルノブイリの炉心事故と全く同
じほど困難である、と公式に判断した。一方再び激しい余震が被災
地に起きた。今回の余震は6.3の強度で、目撃者の話によれば、首
都東京の家屋も揺れた。崩壊した福島原発では、労働者と技師が再
び作業を中止しなければならなかった。大きな被害を受けた原発の
敷地では、火が燃えあがった。運転する会社の発表によれば、この
火事はすぐに消しとめられた。原子力保安院の発表によれば、この
事故は国際的な評価基準で、最悪の7に分類された。今までは5と分
類されていた。この評価は基本的には、広い範囲の人々の環境と健
康に影響を与えるもの、とされている。原発を運転する東京電力
は、あわせてどれほどの放射性物質が流出する可能性があるか、さ
らに検証する、と発表した。日本の科学者たちは、最大の放射線が
漏れ出たのは、事故が始まった時点であり、最悪の評価基準に分類
されたことは、環境に極めて多くの放射性物質が今後も流出するこ
とを意味しない、と指摘している。

中国は芸術家艾に対する捜査を続ける EUは批判

諸外国からの批判にもかかわらず、中国当局は態勢に批判的な芸術
家艾(アイ ウェイウェイ)に対する捜査を拡大した。共同制作者
と帳簿係が逮捕された。税務当局は彼の妻に出頭を命じた。ヨーロ
ッパ最高の外交官であるアシュトンは、艾に対するこの措置を、中
国における人権の状況の後退と位置づけた。彼女は声明の中で、過
去数週間に、「数多くの」弁護士、作家、報道関係者、請願者、芸
術家、ネット上で意見を述べた人が逮捕され、姿を消し、苦境に立
っており、さらに反体制派に対して厳しい拘留刑が科されてもい
る、と述べている。それだけでなく外国人報道関係者の作業も、新
たな規則で縛られている、とも述べて、中国当局に対して、最近姿
を消したすべての人々の居場所をはっきりさせるように求めた。




4月13日(水)

リビアとの交渉団はカッザーフィーに辞任を求める

いわゆるリビア交渉団の団員は、権力者ムアマル アル・カッザーフィーに対し
て、北アフリカの同国の紛争解決のために、即時辞任と停戦を行なって、政治対話
に向けた道を開くように求めた。約20の国と国際組織の代表は、カタールの首都
ドーハで開かれた交渉団の会議を終えるにあたって、カッザーフィーはあらゆる正
当性を失った、彼が権力の座に固執するのであれば、危機がどのような形で解決さ
れるにせよ、それにとって脅威である、と述べた。会議の参加者は、カッザーフィ
ー体制の凍結された資金を、蜂起勢力に渡すことが可能かどうか、検討するつもり
である、と予告した。ドーハにいるドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、
交渉団のこの要請によって、リビア問題は政治的にのみ解決可能である、との自分
の考えが支持された、と感じた。
ドイツ政府は、カッザーフィー政権の外交官5人をドイツから退去させた。彼らは
ドイツに暮らすリビア人に、圧力をかけていた、と外務省公報は発表した。

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米軍機がリビアを再び空爆

リビアの民間人を守るために、国連が正当と認めたNATOの空爆に、
米軍機が参加する。ワシントンの国防省は、米国の戦闘機が、リビ
アの権力者カッザーフィーの部隊の対空施設に対して空爆を加え
る、と発表した。4月初めにNATOがリビアでの作戦を引き継いだ後
、米国は当面攻撃には参加しないつもりだ、と説明していた。リビ
ア紛争の今後の対処について、NATO加盟各国の国防省は、木曜日に
ベルリンで協議を行なう。フランスと英国は、空爆を強化する方針
である。ドイツはこの動員には参加しない。

ムバーラクとその息子に対する未決勾留の指示が出される

エジプトでは検察が、2カ月前に失脚した大統領ムバーラクと、そ
の2人の息子ガマルとアラーに対する15日間の未決勾留をようやく
命じた。82歳のムバーラクは、健康状態が悪化しているため、収容
所には入れられない。元大統領は心臓発作のため、保養地シャルム
・エル・シェイクの病院に入院している。彼の病状は安定してい
る、と当局の通信社メナは報じた。ガマルとアラー ムバラクは逮
捕された。検察によれば、ムバーラクとその息子に対しては、デモ
参加者の殺害と汚職、権力乱用容疑で捜査が行なわれる。大規模デ
モの圧力を受け、エジプト軍部は独裁的な政治を行なうムバーラク
を、2月11日に辞職させていた。

福島原発の放射線に汚染された水が排水される

破壊された日本の福島原子力発電所では、投入された部隊が、破壊
された第2号炉から、高い放射性の水の排水を開始した。原発を運
転する東京電力は、合わせて7百トンの水を気化容器に送り込む、
と発表した。放射線に汚染された水が、今まで反応炉の冷却装置を
再び動かす飢えで障害となっていた。日本の首相菅の特別顧問の見
解では、福島周辺の退去地帯は、今後20年間住むことができないで
あろう。時事通信社の報道によれば、顧問の松本は、日本の東北地
方に、10万人の避難民のために、環境を損なわない都市を建設する
よう提案し、ドイツの田園都市がその見本になるかもしれない、と
語った。




4月14日(木)

NATOは空爆の続行を予告

NATO加盟各国は、リビアの体制側が民間人に対するすべての攻撃と威嚇を止める
までは、同国の権力者ムアマル アル・カッザーフィーの部隊に対する空爆を続行
することで合意した。NATO事務長アンダース フォー ラスムセンは、加盟各国
の外相とベルリンで協議を行ない、評価を下げた体制が、自国の国民を攻撃してい
る様を、何もせず傍観するつもりはない、と述べた。また彼はカッザーフィーに対
して、戦闘が繰り広げられている都市から、自分の部隊を引き上げ、人道支援が都
市に入るのを妨げないように求めた。ドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレ
は、NATO会議が伝えたいことははっきりしており、それはカッザーフィーが退陣
しなければならない、ということである、と述べた。

     その他のニュース

リビアの首都トリポリで爆発

NATOの軍用機が、首都トリポリの目標地点を攻撃した。通信社の
記者は、4回の爆発音が聞こえた、そのうち1回は、カッザーフィー
の住まいの近くであった、と伝えている。国営リビア テレヴィに
よれば、この攻撃では、民間人の死者も出た。同国西部で覇権をめ
ぐって戦いがづいているミスラタ市では、NATOが空爆を強化しな
ければ、カッザーフィー軍が大量殺戮を起こす可能性がある、と蜂
起勢力が述べた。体制側の部隊は、ミサイルの榴弾で同市を砲撃し
ている。さまざまな発表によれば、13人ないし23人が死亡した。
東側にあるアジュダビヤでも、再び戦闘が起きた。

モロッコ国王は逮捕者に恩赦

モロッコでは国王モハメッド6世は、政治犯を含め合わせて190人
の受刑者に恩赦を与えた。95人はただちに自由の身となり、その他
は刑期が短縮された。国王はこれにより、民主的な改革を求めるデ
モが行なわれた後設置された「国民人権評議会」の提案に応えたこ
とになる。シリア大統領アル・アサドも、野党に妥協すべく努力し
ている。国営放送によれば、アサドは先日の抗議活動で逮捕された
市民すべてを、重大犯罪を起こしたものを除いて、釈放すると予告
した。さらにアサドは新政権の人事を提案し、南シリアの紛争地帯
ダラーの使節とも会談した。ダラーでは3月にデモ隊が民主的改革
が始まっていた。

食料品価格の高騰に警告

国際通貨基金と世界銀行は、世界化kっクに対して、経済および金
融危機がすでに克服されたと見なさないように警告した。国際通貨
基金総裁ドミニク・カーンはワシントンで、オイロ使用国の負債の
危機と爆発的な食料品価格の高騰が生じている、と指摘した。世界
銀行総裁ゼーリックは、食料品価格の上昇は、世界的な貧困問題を
さらに悪化させる危険がある、と述べた。世界銀行の報告書によれ
ば、食料品は世界的な平均で、現在1年前より36%上昇している。




4月15日(金)

メルケルは脱原発に向け新たな法律を制定すると予告

連邦首相アンゲラ メルケルとドイツの各州の州首相は、電力に関する計画を変更
するための日程に合意した。6月半ばには、連邦議会と連邦参議院が、新たな原発
をめぐる法律を可決し、その中では個々の原子力発電所の今後の運転期間をささめ
る、とメルケルは発表した。また再利用可能な発電拡大のための法律も可決する、
原子力発電所を廃止することだけでなく、「電力供給を確実なものにする」ことが
重要だ、とキリスト教民主同盟党首でもある彼女は述べた。社会民主党が政権を持
つ各州を代表して、メクレンブルク・フォアポメルン州州首相エルウィン ゼレリ
ングは、再利用可能な発電で電力を供給するための発電施設拡大は、各方面の協力
が得られた場合にのみ解決可能な「国民的な社会基盤の問題」である、とくに現在
運転停止している古い原子力発電所から、二度と送電することは許されないし、連
邦各地で核のゴミの最終格納施設を作る場所を探さなければならない、と述べた。

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NATOとロシアはアフガニスタンで協力

NATOとロシアは、アフガニスタン情勢の安定化のために、協力を
強化する。ベルリンで開かれたNATO・ロシア評議会で両者は、ア
フガニスタン軍のヘリコプター用の訓練、整備を経堂で行なう計画
に合意した。ドイツはこの計画全体に責任を負っている。アフガニ
スタン軍のヘリコプター乗組員は、米国がロシアで購入し、アフガ
ニスタンに提供した機体を主として利用する。計画が進んでいるミ
サイル迎撃体制問題では、NATOとロシアの立場がさらに接近した
が、ミサイル迎撃網をどのように、そしてどのようなやり方で建設
するかには、合意が得られなかったものの、NATOとロシア双方の
器材を設置するのが共通の目標である、NATO事務長ラスムセンは
述べた。

西側はカッザーフィーの引退を要求

西側諸国は圧力をさらに強め、リビアの権力者カッザーフィーの引
退が、北アフリカの同国での紛争解決のための条件である、と要求
した。米国大統領オバマ、フランス大統領サルコジ、英国首相キャ
メロンは、リビアにとってカッザーフィーが存在する未来は想像で
きない、との声明を発表したが、ドイツ外相ヴェスターヴェレと
NATO事務長ラスムセンはこれに賛同した。NATOとその同盟国は、
民間人を保護し、体制に対する圧力を強めるために、カッザーフィ
ー軍に対する空爆を続行する、と3人の首脳は諸国の新聞に宛てた
文章の中で記している。ロシア外相ラフロフはNATOに対し、国連
安保理の委託を越えて、リビアに対する軍事活動を行なわないよう
に、と警告した。

国連はリビア支援活動に軍は派遣しない方針

国連は現在、リビアの人道支援を軍を派遣して防護する必要はな
い、と見ている。国連人道支援事務局OCHAの広報はジュネーヴ
で、情勢は徐々に改善しており、リビアの支援活動はだんだん成果
をあげている、と述べた。EUは国連に対し、人道支援隊を守るため
に、兵士を派遣するように申し入れた。そのような作戦活動が行な
われる場合には、おそらくドイツ国防軍も参加する可能性がある。




4月16日(土)

シリアは非常事態法の廃止を約束

シリア国家元首バシル アサドは、ほぼ50年前から適用されていた非常事態法を、
数日中に廃止する、と約束した。彼は新政府がこれを行なうだろう、内閣の就任の
宣誓式が行なわれた後に、国営テレヴィが中継した演説の中で述べた。緊急事態法
はシリア治安部隊に、理由を伝えることなく逮捕することを認めている。この廃止
は、数週間前から政府に抗議して行なわれているデモ隊の核となる要請である。同
国北西部のバニアス市と南部のダルアー市では、再び数千人が路上に繰り出し、自
由と民主主義の拡大を求めた。

     その他のニュース

リビアのミスラタとブレガをめぐって激しい戦闘

リビアのミスラタ市は、6週間以上前から権力者カッザーフィーの
軍の砲兵隊と戦車の攻撃にさらされている。蜂起勢力と人権団体
「人権監視団」は、同国政府が、国際的に弾劾されている集束爆弾
を使用したと非難し、少なくとも3発が住宅地に発射された、と発
表した。政府軍は、この非難を否定した。反乱勢力が支配している
東部のアジュダビヤ周辺は、再び激しい爆発に揺れた。NATOは過
去数日、この地域の空爆を強化していた。前線からの最新の報告に
よれば、蜂起勢力は石油都市ブレガの方向へ、支配地域を拡大して
いる。現地からの報告によれば、カッザーフィーの故郷シルテも、
ふたたびNATOの爆撃を受けた。

ドイツ政府はカッザーフィーの資金を人道支援に使う方針

連邦政府は、ドイツ国内で凍結されているリビアの権力者カッザー
フィーの資産を、北アフリカの同国の人道支援のために使う計画で
ある。応酬された60億ドルを、国連の信託口座へ振り込むことを検
討していることを、経済相ブリューデルレの広報は認めた。また彼
は、国連はこの資金を、リビアの国民の窮状を軽減するための物資
の購入にあてることができる、とも述べた。このような措置のため
の計画は、EUの法的な根拠に持とうぢて行なわれなければならな
い、と「シュピーゲル」誌はブリューデルレの覚え書きを引用して
伝えている。リビアでの暴力に対抗して、EUはカッザーフィーとそ
の腹心たちに、一連の制裁措置を科していた。

裁判所はエジプト与党を解散

エジプト最高行政裁判所は、元政権党の解散を命じた。カイロで発
表された判決で明らかにされのは、国民民主党は、その資産、事務
所を、同市に引き渡さなければならない、ということである。この
決定で裁判所は、2月に大統領ムバーラクを失脚させたエジプトで
の抗議運動の重要な要求に、応えたことになる。党役員の多くは政
権崩壊後、自分が汚職捜査の対象になると考えていたり、また既に
逮捕されたりしている。ムバーラク政権下では、同党は30年にわた
り権力の座にあった。82歳のムバーラク自身は、治安部隊によるデ
モ隊への暴力的な対処の捜査で、15日間に渡って未決勾留されてい
た。




4月17日(日)

フランスはチュニジア難民を乗せた列車を停止させる

チュニジアからの難民の扱いをめぐって、EU内部での対立が先鋭化している。イ
タリアの情報によれば、フランス当局は、北アフリカからの移住者が乗車していた
ことを理由に、ヴェンティミーリア近郊の国境で列車を停止させた。イタリアは、
国内の政変を受け、地中海を経由してやってきた難民数千人に、滞在許可を発行し
た。イタリア政府の見解によれば、この滞在許可のおかげで、ヨーロッパ各国に入
国することが可能になる。フランスは、生活費を負担できる者だけを受入れる、と
予告した。ドイツ政府は、チュニジア難民の受け入れを拒否した。

     その他のニュース

米紙「米国はカッザーフィーの亡命先を探している」

「ニュー ヨーク タイムズ」紙の報道によれば、米国はリビアの
権力者カッザーフィーの亡命先探しに、全力を上げている。ただし
カッザーフィーは、リビアを出国することを拒否している。同紙の
インターネット版の報道によれば、同盟国と協力して、慎重に意向
の打診を行なっており、デン ハーグの国際刑法裁判所の承認を入
国の要件としない受入国を探している、とのことである。面目を失
うことなく、カッザーフィーが裁判にかけられる危険が生じないよ
うにして、解決することによって、米国は独裁者カッザーフィーに
辞任を受入れさせることができる、と同紙は報じている。リビアで
はあいかわらず戦闘が起きている。反乱勢力は石油都市ブレガに入
り込もうとしたが、失敗に終わった。アジュダビヤ市とミスラタ市
は、カッザーフィー軍の砲兵隊の大規模な攻撃にさらされている。

閣僚「リビアで国防軍の人道活動は行なわれない模様」

ドイツ国防軍が参加してリビアで人道的な活動を行なう可能性は、
現時点では低い、と国防相デ メズィエール(キリスト教民主同
盟)は述べた。彼はドイツ ラジオで、国連のこれに関する照会が
現時点では行なわれていない、と述べた。国連は、人道活動には平
和な環境、停戦あるいは両者の協調が必要であるが、現在の情勢は
このような選択肢を取るには、あまりに危険をはらんでいる、と述
べた。また彼はこのインタヴューで、国防軍について、社会が議論
するように求め、社会が国防軍に「冷ややかな連帯」を示すのであ
れば、計画中の国防軍改革は行なえない、とも述べた。デ メズィ
エールは、兵役義務の廃止後に、自発的な兵役従事者の募集を行な
うのが、主要な課題である、とした。国防軍が兵士として任務を果
たすための「理論的な根拠」を示すことが、広報活動や良い給料と
同じぐらい重要である、とも語った。

東京電力「福島原発の安定化には9カ月かかる」

日本の原子力発電所を運転する東京電力は、福島の大破した反応炉
を、9カ月以内に押え込むつもりである。同社会長勝俣は東京での
記者会見で、放射線の流出を止めるために、3カ月ほどで裂け目を
徐々に埋めて行くことが可能であると期待しており、反応炉を最終
的に冷却し、ほぼ管理下に置くために、さらに3カ月から6カ月かか
る、とも述べた。副社長武藤は、原発に覆いをかけるほか、放射線
を浴びた周辺の汚染を除去する計画である、と述べた。政府は同社
に対して、この大事故を最終的に克服するための日程表を出すよう
に指示していた。日本と米国は、地震および津波災害後の再建のた
めに、共同計画を用意し、民間企業もこれには参加することにな
る、と外相松本とヒラリー クリントンは東京で発表した。共同の
対策を前進させるために、クリントンは米国貿易会議議長ドナヒュ
ーと共に、東京を訪れていた。




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