4月18日〜24日のドイツのニュース



4月18日(月)

英国はミスラタから住民を避難させる作戦を計画

英国は、7週間前から争奪戦が繰り広げられているリビア西部のミスラタ市から、
船で約5千人を避難させる方針である。現在これについて国連代表部と話し合って
いる、と発展大臣アンドリュー ミッチェルは発表した。ミスラタ港では、アフリ
カの各国出身の外国人労働者数千人が、故国に帰ることを望んでいるが、足留めさ
れている。「国際移住機関」はすでに、約1千人を船でミスラタ市から脱出させる
ことに成功した。一方、権力者ムアマル アル・カザッフィーの部隊は、リビア西
部の蜂起勢力が占拠している唯一の町に対して、攻撃を続けている。医師の話によ
れば、ミスラタ攻防戦で過去数週間で、約1千人が死亡した。
また国連の発表によれば、国連使節2人がカザッフィー政府の代表とトリポリで会
談し、戦闘を即時中止するように要請した。

     その他のニュース

シリアでは反アサドのデモが再び行なわれる

シリアでは、大統領アル・アサドに対する大規模抗議が、途切れる
ことがない。ホムス市では、数千人が死亡したデモ隊8人の追悼行
進で、アサドに辞任を求めた。野党の支持者は日曜日夜に、体制側
の治安部隊から銃撃を受けていた。シリアでは4週間前から、アサ
ドによる独裁的な支配に対して、大規模な抗議活動が続いている。
アサドは土曜日に、あいまいな形で改革を約束し、1963年以来続
いている非常事態を解除すると予告した。「ワシントン ポスト」
紙の報道によれば、米国政府は数年前から密かにシリアの野党勢力
を、財政的に支援していた。2006年以降、外務省は反アサド陣営
に対して、6百万ドルを与えていた、とインターネット上の暴露サ
イト「ウィキリークス」を参照して、同紙は伝えている。

ハンガリー国会は反対意見もある憲法を可決

ハンガリーでは、国会が反対意見もある新憲法を可決した。首相オ
ルバン率いる右派保守派のフィデス党が、3分の2の多数で新憲法を
可決した。政府の批判側の見方によれば、新憲法は公民権を制限
し、民主主義を危機にさらすほど、オルバンの権限を拡大する。こ
の法案は、市民や他の政党が参加することなしに、フィデス党が独
断で作り上げたものである。「国民の信頼の表明」と称される序文
は、国王、王冠、歴史に対する誇り、キリスト教などの概念を、法
律の指針として掲げている。政府によれば、新憲法は共産主義から
民主主義への移行の過程を完結し、ハンガリーに確固とした経済基
盤を築くものである。

ドイツ政府はフィンランドがオイロ支持に忠実であるよう求める

ドイツ政府は、フィンランドの次期政権が、オイロ安定のための合
意を守るであろう、という見方を取っている。政府広報によれば、
今までヨーロッパで取り決められていた譲歩は、政権交代後も存続
するし、ドイツはこれがそのまま続くと考えている、と述べた。日
曜日のフィンランドの国会議員選挙では、右派大衆迎合政党「真の
フィンランド人党」が、大幅に票を伸ばし、投票の19%で、3番目
に大きな勢力となった。同党がフィンランド新政権に参加する可能
性は、ひていできない。最大勢力は、20.4%の票を獲得し、今まで
蔵相を務めていたカタイネン率いる保守派の国民党で、社会民主党
を若干上まわった。「真のフィンランド人党」は、ギリシア、アイ
ルランド、ポルトガルなど、多額の負債を抱えたオイロ使用国に対
する援助金の支払いに反対している。ポルトガルへの巨額の信用供
与は、すべてのオイロ使用国が賛成した場合にのみ、実施可能であ
る。




4月19日(火)

ナイジェリア軍は暴動に介入すると威嚇

ナイジェリアでは、大統領選挙から3日目も暴動が続いた。イスラーム教徒が多く
住む北部では、家と教会が炎上した。少なくとも6人が死亡した、とAP通信は伝
えている。数千人が暴動を逃れて脱出した。軍は暴力を目の当たりにして、介入を
行なう、と威嚇した。大統領に再選されたグッドラック ジョナサンは、慎重に行
動し、国の一体性を保つように、と国民に呼びかけた。キリスト教徒が多く住む南
部を中心に、支持者を抱えてるジョナサンが、選挙で勝利したことが明らかになっ
てきてから、この暴動が始まった。これに対して、北部では彼の最有力対立候補ブ
ハマドゥ ブハリが、有権者の多数の指示を集めている。ブハリは今回の衝突とは
距離を取っており、教会を焼き払うのは、政治に対する不満に不さわしたい処方で
はない、と述べた。約1億5千万人のナイジェリア国民のほぼ半分がイスラーム教
徒で、4割ほどがキリスト教徒である。

     その他のニュース

国連の支援輸送車団が初めてリビアとの国境を越える

リビアで暴動が起きてから始めて、国連は支援物資を陸路で、同国
西部の紛争地域に運び込んだ。ジュネーヴの世界食料計画は、5万
人のための食料を積んだ輸送車団が、チュニジアを出発し、リビア
との国境を越えた。権力者カッザーフィーの官庁は、国連が輸送で
きるように、人道的に通路を作ることに賛成したが、軍による護衛
の派遣は拒否した。一方カッザーフィー軍と反乱勢力の戦闘は続い
ている。ミスラタでは家屋をめぐる攻防戦がおこり、この戦闘では
政府軍の兵士が民間人を狙って殺害した、と言われている。英国外
相ヘイグは、英国の軍事顧問をリビアに派遣し、反乱勢力を支援す
る、と予告した。ベルリンの外務省は、北アフリカの同国に対する
支援を2百万オイロ増額し、総額で約7百万オイロに上積みする。

ヴェスターヴェレ「エジプトは方針を維持しなければならない」

外相ヴェスターヴェレ(自由民主党)は、エジプトに対して、民主
化改革のために選び取った道を今後も歩むように促した。彼はエジ
プト外相アル・アラビーとカイロで会談した後、アラブ人の春の後
に、夏が続くか、それとも冬に逆戻りするか、鍵を握るのはエジプ
トである、と述べた。ヴェスターヴェレは、ドイツ政府はEU各国と
強調して、エジプトに対して貿易の制限撤廃に向けて努力をするつ
もりだ、ただし民主主義と法治主義をより大きく確立することがそ
の条件である、と強調した。彼はこれに関連して、数日前に起きた
タフリール広場でのデモ隊に対する暴力的な対処と、インターネッ
ト上に批判的な書き込みを行なうナビルに、3年間の拘留刑を言い
渡したことを指摘した。ヴェスターヴェレは、首相シャラフとの会
談でも、これらの件について言及した。

シリアは緊急事態法を廃止

シリア政府は、1963年以来通用している緊急事態法を廃止する、
と決定した、とシリアの国営通信社サナが伝えている。これに関す
る法律が発効するには、大統領アル・アサドの署名が必要である、
とのことである。アサドは、同国の独裁的政権に対するデモが増え
ているため、数日前にこの措置を取る、と予告していた。シリアで
は数週間前から、アサドに対する大規模な抗議活動が行なわれてい
た。人権擁護団体「国際アムネスティ」の推計によれば、このデモ
で少なくとも2百人が死亡した。治安部隊は、同国北部のホムス市
などで、数千人単位で集まったデモ隊を狙って、繰り返し銃撃を行
なった。50年前から施行されている緊急事態法は、理由を述べるこ
となく逮捕することなどを、今まで治安部隊に認めていた。5人以
上が公の場で集まることは、規則で禁止されていた。今後は平和的
なデモは許可されるが、サナ通信によれば、内務省の許可が必要で
ある。




4月20日(水)

倫理委員会は発電方法の転換の重要性を協調

連邦政府の安全・安定した電力供給のための倫理委員会は、発電方法の転換計画の
意義を強調した。元環境大臣でこの委員会の議長クラオス テプファーは、ベルリ
ンでの非公開会議後に、現在は一種の産業革命の直前である、と述べた。同委員会
は原子力発電からの撤退の期日を確定はしなかった。テプファーは、発電方法の転
換は、社会福祉に基づくもので、機構への影響が少ないものでなければならない、
と強調した。
連邦首相アンゲラ メルケルは、日本の原発の大災害に衝撃を受け、倫理委員会を
召集していた。5月末までに同委員会は、報告書を提出することになっている。
一方1千2百人の科学者が、できるだけ早時点での原子力発電の廃止を求め、連邦政
府に対してこれに関する問題解決に協力する、と申し入れた。

     その他のニュース

フランスとイタリアはリビアに軍事顧問を派遣

英国に続いて、フランスとイタリアも軍事顧問を派遣して、リビア
の蜂起勢力を支援する。フランス政府は早くも、蜂起勢力の拠点で
あるベンガジに、連絡将校を置くと発表し、イタリア国防相ラ ル
ッサは、10人の将校を派遣する、と予告した。イギリス政府は既に
火曜日に、反体制派に人材面での支援を行なう、と予告していた。
NATOはあいかわらず、地上軍の派遣を行なうことはない、として
いる。軍事顧問は、蜂起勢力が軍事活動を、NATOとよりうまく協
力して行なうのに貢献することになっている。その他に軍事顧問
は、反政府勢力の軍事連絡体制を作り上げ、武器体制づくりの訓練
を行なうことになっている。フランス大統領サルコジは、リビアの
権力者アル・カッザーフィーの部隊に対して、空爆を集中的に行な
う、と反乱勢力に約束した。国連は、アル・カッザーフィー軍の集
束爆弾の使用と、民間人に対する重火器の使用は、戦争犯罪にある
可能性がある、と発表した。

ヴェスターヴェレはリビアの紛争の政治的解決に理解を求める

ドイツ外相ヴェスターヴェレは、リビア紛争の政治的解決に、改め
て理解を求めた。EU外相と湾岸協力会議の外相とのアブ ダビでの
話し合いに出席している彼は、早期に軍事的な解決が可能である、
との考えは棄てなければならない、政治的な話し合いを前進させる
ために、リビア国民を停戦によって守らなければならない、と述べ
た。ヴェスターヴェレは、外国軍の地上部隊の活動は、国連のリビ
ア決議により排除されている、と強調した。国連安保理はこの決議
を可決して、リビアの権力者アル カッザーフィーの部隊に対する
攻撃を行なえるようにしたが、ドイツはこれを留保していた。

イエメンの抗議活動で再び死者

イエメンでは32年にわたり政権の座にある大統領サーレハに対する
抗議活動が起きているが、再び死者が発生した。目撃者によれば、
港町フダイダで、1人の男がデモ隊の中に無差別に発砲し、少なく
とも1人が死亡した。首都サヌーアでは、火曜日の警察との衝突で
負傷した3人が、怪我がもとで死亡した。イエメンでは野党勢力
が、3カ月前から大統領に抗議してデモを行ない、退陣を求めてい
る。国連安保理は火曜日夜に、イエメンに対して協調して対処をす
ることに合意できず、冷静な態度を取り、政治的対話を行なうよう
に呼びかけるに留まった。




4月21日(木)

リビアの蜂起勢力はチュニジアへの国境通過地点を制圧

リビアでは蜂起勢力が、チュニジアへの重要な国境通過地点を、自らの勢力下に置
いた。ワシン近郊の国境の駅を制圧した際に、10人ほどの政府軍兵士が死亡し
た、と蜂起勢力の指揮官は発表した。2百人ほどの武装した兵士が、チュニジアへ
逃走した、とのことである。ただし権力者ムアマル アル・カザッフィーの部隊
は、ミスラタ市ではあいかわらず連続射撃を続けている。反乱軍の発表によれば、
この銃撃ではカザッフィー軍は狙撃手も動員している。7週間前から包囲されてい
る同市では、新たに1千人の難民が、反乱軍の拠点であるベンガジに船で運ばれ
た。この船には、水曜日に榴弾で死亡した報道関係者ティム ヒザリントンとクリ
ス ホンドロスの遺体も乗せられている。ロシア外務大臣セルゲイ ラフロフは、
英国、フランス、イタリアが軍事顧問を蜂起勢力に対して派遣したことを批判し、
これをきっかけに地上軍動員が行なわれる、と述べた。

     その他のニュース

シリア大統領アサドは非常事態を解除

シリアでは大統領アル・アサドが、48年前に公布された非常事態を
解除した。これにより、今週初めに政府が出した非常事態解除に関
する命令が、法的実効性を持つことになった。国営テレヴィによれ
ば、さらにアサドは、国家治安裁判所の廃止と、国民への平和的に
デモを行なう権利の承認に関する2つの指令を発表した。この2つの
命令は、内務省が承認した場合に適法となる。アサドはこれによ
り、数週間前から続く抗議行動を受け、野党勢力の要請に応じたこ
とになる。一方野党勢力は、アサドの辞任と政権交代を求めてい
る。そのために、シリアのいくつかの都市では、数千人が再びデモ
を行なった金曜日には全国各地で、大規模なデモが計画されてい
る。ドイツ外相ヴェスターヴェレはアサドに対して、さらなる措置
を講ずるように呼びかけ、シリアの政治犯をすべて釈放し、抜本的
な改革を開始しなければならない、とベルリンで述べた。

インドネシアでは教会近くで爆弾が発見

インドネシアでは、警察と軍が、カトリック教会の近くで爆弾1発
を発見し、警戒態勢を最高に引き上げた。大統領ユドヨノは、これ
に関する命令を交付した、と治安問題を担当する大臣スヤントは発
表した。爆弾が見つかったのは、首都ジャカルタ近郊のセルポン
で、これは教会近くのガス管の所に置かれていた。当局は、キリス
ト教の祝日である「聖金曜日」に、攻撃が計画されていた者とみて
いる。容疑者19人が逮捕された、とインドネシアでは報じられてい
る。

ウガンダ野党の指導者が再び逮捕される

ウガンダでは野党の指導者ベシジェが、今月に入って3度目となる
拘束を受けた。ベシジェは食料品価格の高騰に抗議して、首都カン
パラを通り抜ける抗議行進の先頭に立っていた。警察は催涙ガスを
使用して、抗議行進を解散させ、ベシジェを逮捕した。この抗議行
動は公共の安全と秩序にとって危険である、と警察広報は述べた。
この間に裁判所は、4月27日までの調査のための交流を命じてい
た。ベシジェが組織した抗議活動「働くための行進」は、こうする
間にも全国に拡大した。消費財とガソリンの価格は、3月だけで
11%以上も上昇し、さらに値上がりを続けている。ベシジェは、
2カ月前の大統領選挙では、現職のムセヴェニに、大敗していた。
ムセヴェニはベシジェに対して、抗議活動を容認するつもりはな
い、と繰り返し警告していた。




4月22日(金)

シリアでの権力争いが激化 少なくとも49人が死亡

シリアでは大統領バシャル アル・アサドと野党勢力の間の権力争いが、大きく燃
え上がった。アサドの治安部隊はダマスカス周辺、ホムス、イスラ、その他の都市
でデモ隊に向けて発砲した。目撃者および人権活動家の話によれば、少なくとも
49人が死亡した。非常事態が解除されてから1日、数万人が元首アサドの退任を求
めた。野党が、バース党による権力の独占を終え、民主的な体制を作るよう求める
共同宣言を、初めて発表した。また彼らは、政治的な理由で拘留されている人たち
の釈放も求め、治安部隊を解散し、権利と法に基づく組織に代わりを務めさせなけ
ればならない、と述べた。アサドは木曜日に、48年ぶりに非常事態を解除した。
ただし、国家治安部隊にほぼすべての権限を委ねる別の法律は、いまだに効力を持
っている。

     その他のニュース

上院議員マケインはリビア移行評議会の承認を求める

大きな影響力を持つ米国上院議員マケインはシリアを訪問し、すべ
ての国家に対して、反政府の移行評議会を同国の正当な代表として
承認するように求めた。今のところ、フランス、カタール、ガンビ
アだけが、この措置をとっている。また共和党の政治家であるマケ
インは、権力者カザッフィーの部隊との戦いで、蜂起勢力をもっと
支援するように求め、例として武器の輸送、秘密情報部の情報、空
爆を挙げた。彼はベンガジで移行評議会と会談し、反乱勢力は自分
にとっては英雄である、と述べた。これより前に米国大統領オバマ
は、カザッフィー軍に対して、武器を積んだ無人機を投入すること
を許可していた。モスクワを訪問中の国連事務総長潘は、即時停戦
を再び求めた。国連の推計によれば、先頭のために50万人以上がリ
ビアから逃げ出した。

イエメンのサーレハ大統領に対する賛否双方のデモ

イエメン大統領サーレハを支持する陣営と反対する陣営が、再び路
上でデモを行なった。数十万人のが全国で、金曜日の祈祷の後、
32年間に渡ってその地位を守っている大統領に辞任を求め、抗議の
デモを行なった。治安部隊のうち寝返ったものは、野党を支持する
デモ隊を防衛した。これに対し首都サヌーアでは、大統領指示は、
政府の建物前で集会を開き、横断幕を掲げて、和解を求めた。木曜
日には湾岸協力評議会の議長がイエメン入りし、サーレハと野党の
代表と、危機からの脱出について協議した。同評議会はサーレハに
対して、30日以内に辞任し、職務を副大統領ラボに委ね、大統領と
国会議員の選挙への道を開くよう提案した。

捜査のための元大統領ムバーラク拘留が延長される

エジプト検察は、元大統領ムバーラクの捜査のための拘留を15日間
延長した。検察広報マハムードはこの理由として、捜査が続いてい
ることを挙げた。82歳のムバーラクは、10日前からシャルム エル
 シェイクの病院で手当てを受けている。医師の話によれば、健康
状態は不安定である。ムバーラクと彼の2人の息子に対しては、今
年初めに反政府勢力に対して国軍が暴力的な行動を取ったため、捜
査が行なわれている。公式の発表によれば、この時には846人が死
亡した。ムバーラクは2月11日の抗議活動により、辞任に追い込ま
れた。木曜日にはカイロの裁判所が、エジプトにある広場、道路、
図書館、その他の組織に、今後は無バー悪の名前をつけてはならな
い、と命じていた。




4月23日(土)

リビア反乱勢力はミスラタでの戦闘で軍に対して勝利宣言

リビアの港町ミスラタの蜂起勢力は、権力者ムアマル アル カッザーフィーの部
隊に対する勝利を宣言した。7週間に渡る消耗戦の末、軍の部隊は郊外に後退し
た、と反乱勢力は発表した。彼らは市の中心部で、カッザーフィーの狙撃兵が基地
として利用していた9階建のビルを占拠した。医師の発表によれば、新たな戦闘で
は少なくとも25人が死亡、百人ほどが負傷した。金曜日には副外務大臣カレド 
カイムが、軍はミスラタから撤退し、この町のは件をめぐる戦いを、この地域の部
族に委ねる、と発表していた。トルコの支援組織IHHは、7百トンの支援物資をミ
スラタに運び込んだ、との情報もある。現在米国の無人偵察機が初めて、リビアの
攻撃に飛び立った。米国国防省は、この動員について発表していない。

     その他のニュース

シリアでは葬列に銃撃 少なくとも12人が死亡

シリアでは大統領アル アサドが、金曜日の集会で死亡した人々の
葬列を狙って発砲させた。目撃者と人権活動家の報告によれば、ダ
マスカス周辺と南部のダルアー州のアスラーで、少なくとも12人の
葬儀参加者が射殺された。そうれつにいは1万人ほどが参加してい
た、とのことである。デモ隊に対する暴力に抗議して、ダルアー選
出の国会議員2人が辞職した。現地では3月初めに抗議運動が始まっ
ていた。人権団体の最新の発表によれば、金曜日には各地で政権に
対する抗議活動が行なわれ、全国で112人のデモ隊が死亡してい
た。反政府側は、「大量虐殺」である、と発表した。流血の対処を
諸外国は非難した。野党はアサドの辞任とさらなる民主化を求めて
いる。

イエメン大統領には辞任の用意がある

32年間に渡って支配を続けてきたイエメン大統領サーレハは、数週
間に渡るデモを目の当たりにし、政治危機に決着をつけるための湾
岸協力評議会の提案に賛同した。この計画には、イエメンで国を一
つにまとめ上げる政権を作り、デモを終息させることが含まれてい
る。サーレハはその際には、権力を副大統領に譲り、30日に内に辞
職することになっている。その後60日以内に新大統領選挙が行なわ
れる。サーレハは刑事訴訟を起こされないことが保証されている。
サーレハの政権党も、湾岸諸国によるこの計画を受入れた。イエメ
ンの野党も、サーレハも参加する統一政権も含め、この仲裁の提案
に賛成した。

タイとカンボジアが再び国境で交戦

タイとカンボジアの国境をめぐる紛争は、弱まりそうになり。土曜
日には、争奪戦が続いている寺院の地域で、数時間に渡って銃撃戦
が行なわれ、カンボジア兵3人とタイ兵1名が死亡した。これによ
り、金曜日以降の軍の死者の数は10人に増えた。負傷者は30人を
越えた。極めて激しい戦闘行為が行なわれているため、タイ側の住
民数千人は、2月に交戦が始まってから、安全な場所に逃れざるを
えなかった。ほぼ8百キロに渡る国境の大部分が、確定していない。
そのため数十年前から、繰り返し緊張が高まっている。主な対立点
は、デン ハーグの国際法廷が1962年にカンボジアのものとした
寺院の廃墟プレア ヴィヒアである。




4月24日(日)

リビアのミスラタ市はあいかわらず同盟軍の銃撃下に

リビア軍が撤退すると発表があったが、ミスラタ市をめぐる戦いは新しい段階に入
っている。権力を握るムアマル アル・カッザーフィーの部隊は、市の中心部に榴
弾とミサイルを打ち込んだ。医師の話によれば、その際に少なくとも3人が死亡し
た。以前の発表とは異なり、副外務大臣カレド カイムは、軍は撤退せず、作戦行
動を中止しただけだ、と述べた。NATO軍機は、トリポリとカッザーフィーの故郷
の町シルテの木曜地点を爆撃した。無人偵察機がトリポリ市およびミスラタ市近郊
を攻撃した後、NATOは国民に向けてカッザーフィー軍および武器に地からよらな
いように、と呼びかけた。ロシア外務大臣セルゲイ ラフロフは、リビア政府に対
して、国連決議を実行に移し、民間人に対する攻撃を中止するように呼びかけた。
カタールの船舶が、ミスラタでの負傷者90人をチュニジアの港町スースに運ん
だ。

     その他のニュース

英国は国民に対してシリアを退去するように呼びかける

英国政府はシリアで暴動が起きているため、すべての英国人に対し
て、同国を速やかに退去するように求めた。外務省は、滞在する十
分な理由のない人は、出国するように求め、定期便はまだ利用可能
である、と発表した。外相ヘイグはシリア政府に対して、「国民の
正当な要求」に応ずるように呼びかけた。デモが鎮圧されて流血の
事態となったのに加えて、シリア治安部隊はいくつかの都市で十数
人を逮捕した、との情報もある。金曜日の祈祷の後、治安部隊と狙
撃隊は、全国でおよそ120人を殺害した、と野党陣営は発表した。
土曜日には犠牲者の葬儀に参加者のうち、少なくとも14人が殺害さ
れた。木曜日には元首アル・アサドが1963年に出された非常事態
を解除したばかりであった。

イエメンでの抗議活動は続く

イエメンでは大統領サーレハが辞任する方針だとの発表があったに
もかかわらず、首都サヌーアでの抗議活動は続いている。数千人の
反政府派が、中央にある広場に留まっている。彼らのこの行動は、
サーレハの即時辞任要求が実施されていない、と見ていると強調す
るためのものである。土曜日の国営放送の報道によれば、サーレハ
は湾岸協力評議会の提案を受入れる、とのことである。その報道に
よれば、彼は無罪を得る代わりに、権限を30日以内に副大統領に譲
る用意がある、とのことである。反体制派の発表によれば、南部の
アル・バイダ州では、サーレハの共和国親衛隊と武装した近隣住民
の間で、銃撃戦が行なわれ、親衛隊から6人、市民3人が死亡した。

数千人のモロッコ人がさらなる民主化を求めてデモ

モロッコでは数千人が、さらなる民主主義と社会の公正を求めてデ
モを行なった。カサブランカではおよそ1万人のデモ隊が、公平を
増し、汚職を減らすように訴えた。ラバト、タンジェ、マラケシュ
でも、多くの人がデモに参加した。「2月20日青年運動」は、デモ
参加への呼びかけが行なわれていた。モロッコ国王モハメド6世
は、政府に批判的な抗議行動が起きた後、大幅な改革を約束し、政
治犯の釈放を行なっていた。さらに6月中旬までに、あるい委員会
が国王に対して、憲法改革のための提案を呈示することになってい
る。「2月20日青年運動」は、王宮の決定を不十分だ、と評価して
いる。




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