5月9日〜15日のオーストリアのニュース



5月9日(月)

     国外ニュース

ビン ラーディンの潜伏でパキスタンは共犯の疑いを否認

ビン ラーディンが殺害されたことで、パキスタン政府は困難な状
況に陥っている。一方で米国からは、ビン ラーディンがパキスタ
ンで支援を得ていたに違いない、との圧力が強まっている。また他
方、同国政府には国家の主権を十分に守れなかった、との非難が出
ている。月曜日には首相ギラニは、パキスタンの役割を擁護し、当
局が共犯であっただとか無能であったとの疑いは「馬鹿げている」
と述べた。彼は調査委員会を設置する方針である。ただしビン ラ
ーディンの未亡人と話したいとの米国の要請に、ギラニは受入れな
かった。

     国内ニュース

検察「サナデルの口座の封鎖は続ける」

汚職検察が、イーヴォ サナデルの封鎖された口座の資金の一部の
凍結を解除したにもかかわらず、インスブルック検察はこれの封鎖
を続けている。クロアチア当局との法的な協力のために、この口座
の閉鎖を中止できない。一方ザルツブルクで拘留されているサナデ
ルは、クロアチアへ移送される可能性が高まっている。昨日裁判所
が拘留の検討で、この決定を下したためである。




5月10日(火)

     国外ニュース

ビン ラーディンの副官は「憎まれる」 

アル カーイダで権力争い イエメンが新たなテロの中心地か?

テロ組織アル カーイダ内部で、殺害されたテロの生みの親ウサー
マ ビン ラーディンの後継者の座をめぐり、権力争いが起きてい
る、と専門か食みている。首領の座をめぐる戦いが起きるのは確実
である、ビン ラーディンの副官サワヒリは人気がないからだ、と
テロの専門家アフメド ラシドは述べた。また作戦本部がパキスタ
ンから北アフリカ、あるいはとくにイエメンに移る可能性もある、
と語った。憎しみをあおる説教師アウラキの指揮下にあるアル カ
ーイダは、ここ数年イエメンを逃亡先としている。アウラキは米国
の旅券を持つ幹部テロリストで、ビン ラーディンの後継者となる
可能性がある、と見られており、いくつかの攻撃の黒幕と目されて
いる。アル カーイダに対する影響力もある、と予想されている。

     国内ニュース

国民党の鉄道の早期年金に関する呼びかけが混乱を呼ぶ

国民党の交通問題の専門家フェルディナント マイアーは、株式法
上の規定に基づいて、オーストリア鉄道に対して、年金つきの早期
退職を強制的に実施するように求めたが、社会民主党と緑の党は理
解できないとの声をあげ、驚きを表明した。自由党側からは、鉄道
でのより長い期間の雇用を行なう方が望ましい、との声が出てい
る。社会民主党の連邦執行部長ギュンター クロイターは昨日、国
会のオーストリア鉄道会計検査委員会の席上で、マイアーの発言は
「不合理」であり、「誰にもこれは理解不能」であり、国民党側か
らは、鉄道に年金受給年齢は今まではずっと、ほとんど批判されて
きていない、と述べた。




5月11日(水)

     国外ニュース

スペインで2回の地震 死者多数

スペイン南部では水曜日、5.3の強さのものを含む2回の地震が起
き、大きな被害を引き起こした。被害を受けたのは9万人の住民の
いるムルシア地域のロルカ市であった。多くの建物が破壊され、十
数人が負傷した。公式の発表によれば、今までにロルカでは少なく
とも10人が死亡した。さらに犠牲者が増えることが懸念されてい
る。

     国内ニュース

政府は不一致 新たな支出削減に粘り強く取り組む

2013年の次回の国民評議会選挙までは、まだ次官がある。しかし税
制問題では、連立与党社会民主党と国民党は、すでに立場を定めた
ようである。火曜日には社会民主党は、シュタイアーマルク州首相
フォーフェストザルツブルク州首相ブルクシュタラーが銀行に対す
る課税を引き上げることに理解を求めたことを受け、これを検討し
ている。一方大蔵大臣マリーア フェクター(国民党)はこれを関
知せず、代わりに家族および中間層の税負担の軽減を行なう方針で
ある。一方社会民主党によれば、そのための余地はない。




5月12日(木)

     国外ニュース

リビアでNATOはミスラタ攻撃を阻止

NATOの艦船は木曜日に、港町ミスラタ攻防戦で、リビアの権力者ム
アマル アル カッザーフィー部隊の攻撃を、失敗に終わらせた。
NATOのブリュッセルでの発表によれば、NATO指揮下の2隻の船が、
高速艇が攻撃を阻止した時に、銃撃を受けた。英国およびカナダの
国旗を掲げたNATO側の艦船は、反撃した。NATO側には負傷者も物
的損害も出なかった。2週間前にはNATOの艦船は、ミスラタ港に機
雷を敷設するのを阻止していた。NATOは国連決議に基づき、カッザ
ーフィー軍の攻撃から国民を守るという任務についている。

     国内ニュース

ミクル・ライトナー「国防軍による国境監視は可能」

シェンゲン協定の改革をmぐる議論で、内務大臣ヨハナ ミクル・
ライトナー(国民党)は、オーストリアの国境は場合によっては、
国防軍の監視に戻すことに賛成した。「難民の波がさらに高まった
場合には、オーストリア警察を動員を強化することになる。そのあ
とで私たちは国防軍の投入を求めることになる」と「クリール」紙
に述べた。




5月13日(金)

     国外ニュース

米国特使ミッチェルはタオルを投入

「解決できない紛争は存在しない、このように私は確信してい
る。」米国近東特使に就任する際に、危機調査にあたった元上院議
員ミッチェルはこのように述べ、まだ楽観的であった。2年に渡っ
て近東和平実現に向け、成果をあげられず彼はタオルを投入した。
米国大統領オバマは、金曜日の夜に辞任を認めるとともに、米国は
今後も近東紛争解決に積極的に協力する、と強調した。

     国内ニュース

物価上昇は続く オーストリア人にとってEUの予想は暗い

EUは、オーストリアが景気の状態の点では良いとの予想を出した
が、失業と物価上昇の点では別である、と見ている。とくに物価上
昇の問題では、EUの春の予想では、秋の予想を上方修正した。現在
約2.9%の物価上昇が見込まれている。その理由は、秋の時点で考え
られていたよりも、物価上昇が激しいことである。




5月14日(土)

     国外ニュース

東京では放射線に汚染された灰が建設資材の中で発見

日本の福島の核の廃墟からは、大被害が出てから絶え間なく、放射
線物質が流れ出している。既に発表されたところによれば、3月の
時点で高濃度の放射線に汚染された灰が、日本の首都東京の複数の
下水処理場で検出されていた。放射性のゴミは既に、セメントなど
の建築資材に加工されている、と土曜日に報じられた。発電を行な
う東京電力が、予定通りに原子力発電所を管理できるかどうかは、
ますます疑問となっている。労働者は今も核溶融と戦っている。

     国内ニュース

シュトラーヒェは亡命に関する住民投票のEU全体での実施に賛成

オイロの危機と北アフリカからの難民に関する議論で、ヨーロッパ
全土の右派大衆迎合勢力が、活気づいている。ハインツ・クリステ
ィアン シュトラーヒェ率いる自由党も、これを利して、世論調査
で良い結果を出している。シュトラーヒェは追い風を利用として、
ヨーロッパ各地の右派と連携して、EU全体で亡命の乱用に反対する
住民投票を開始する意向である、とテレヴィ番組で述べた。




5月15日(日)

     国外ニュース

近東の緊張が高まる イスラエル国境に人が押し寄せ死者発生

日曜日にはイスラエルの国境に人が押し寄せ、多くのパレスチナ人
が死亡、あるいは負傷した。イスラエル建国の次の日に、過去十数
年で初めて数千人の一般市民が、シリアから厳重に監視された国境
を、イスラエルが占領するゴラン高原へと、突破した。その近くの
レバノンとの国境地帯からも、死者が報告されている。ガザ帯状地
帯と西ヨルダンランドで軍が封鎖している地点の近く、東エルサレ
ムでも、激しい衝突が起きた。

     国内ニュース

イスラーム教徒の選挙 トルコ系が多数を占める

オーストリアにおけるイスラーム教の信徒共同体IGGiOeの選挙が、
ウィーンで昨日最終日を迎えた。トルコ系のイスラーム教徒が、今
後はこの信徒共同体で多数派を握る。暫定集計結果によれば、トル
コ系が209議席のうち154を押さえた。第2位はアラブ連合、バルカ
ン連合がそれに続いている。オーストリアのイスラーム教徒のうち
1万人ほど、つまり45%がウィーンで選挙を行なった。投票所は77
箇所設置された。




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