5月16日〜22日のドイツのニュース



5月16日(月)

IMF総裁ストロース・カーンは捜査のための拘留が続く

強姦しようとした容疑で訴えられた国際通貨基金総裁ドミニク ストロース・カー
ンは、捜査のための拘留が続いている。ニュー ヨークの判事は逃亡の恐れがある
として、フランス人であるストロース・カーンを保釈金と引き換えに釈放すること
を拒否した。ストロース・カーンの弁護士は、総額百万ドルの保釈金を申し入れて
いた。62歳の彼は事情聴取を受けて、犯行の容疑を否定していた。次の公判は5月
20日に設定された。ストロース・カーンには、強姦未遂、性的虐待および脅迫の
容疑が持たれている。彼が有罪となれば、25年ほどの拘留が言い渡される可能性
がある。その後彼のアリバイに関する報告が注目を集めている。フランスの報道機
関によれば、ストロース・カーンは犯行時刻とされる時には、彼が客室係に成功を
強要しようとしたホテルには、そもそも滞在していなかった。一方この間国際通貨
基金では、ストロース・カーンの代理ジョン リスプキーが職務を代行する。

     その他のニュース

オイロ使用国蔵相はポルトガルへの巨額の支援を可決

ひどい苦境に陥っているポルトガルに対する巨額の支援計画が、確
定した。オイロ使用国の蔵相はブリュッセルで、総額780億オイロ
の緊急支援の許可を出した、と外交官は発表した。これによりヨー
ロッパと国際通貨基金は、ギリシアとアイルランドに続いて、国家
としての倒産の危機にある国に対するこの1年で3度めとなる救済措
置を取ったことになる。次期ポルトガル政府は、6月5日の国会議員
選挙で選ばれるが、信用供与の約束を受ける見返りとして、厳しい
支出削減計画を実行しなければならない。2013年にはポルトガルは
金融市場に復帰することになっている。これより前に、ヨーロッパ
委員会は、ギリシアが借金を新たな借金で返す措置を認めなかっ
た。

国連主席検事はカッザーフィーに対する逮捕命令を請求

リビアで戦闘が始まってから3カ月、国際刑事裁判所の主席検事
は、リビアの権力者カッザーフィーに対する逮捕命令を請求した。
カッザーフィーは、人間性に対する犯罪で、責任を問われなければ
ならない、とモレノ・オカンポはデン ハーグで述べた。彼はカッ
ザーフィーの長男エル イスラームとリビア秘密情報部部長に対し
ても逮捕命令を請求した。モレノ・オカンポは、カッザーフィーが
犯罪行為を命じ、彼の息子は傭兵を集める責任者であったことを示
す証拠がある、と述べた。また秘密情報部部長は、デモ隊に対する
攻撃を組織して、流血の事態に至らせた、とも語った。ドイツ外相
ヴェスターヴェレは、この請求を歓迎した。3人の裁判官が、今後
逮捕命令の発行に関して決断を下すことになる。リビア副外相カイ
ムは、逮捕命令を無視する、と予告し、刑事裁判所は、「アフリカ
の指導者を追い詰めるために、EUの赤ん坊」になっている、と述べ
た。

外相ヴェスターヴェレはモロッコに対するさらなる支援を約束

外相ヴェスターヴェレ(自由民主党)は、モロッコにさらなる改革
を行なうよう鼓舞し、ドイツは支援を行なうと約束した。国王モハ
メド6世とマラケシュの王宮で会談したヴェスターヴェレは、北ア
フリカの同国はテロ攻撃を受けたからといって、自らの方針をねじ
曲げてはならない、と強調した。また彼はモロッコはドイツの開発
支援の重点国の一つである、と指摘した。また彼は、観光客が訪れ
るマラケシュの喫茶店に対する4月末の攻撃で、犠牲となった人々
を追悼した。ヨーロッパからの観光客を中心に16人が死亡したこと
を追悼し、彼は花輪を供えた。他のアラブ諸国同様モロッコでも、
自由の拡大を求める集会が、多数開かれていた。デモ隊の多くは平
和的な行動を取っている。11年前に国王ととなったモハメドは、さ
らなる改革を約束した。




5月17日(火)

レットゲン「ドイツの原発が事故を起こさないとは限らない」

連邦環境大臣ノルバート レットゲン(キリスト教民主同盟)は、ドイツの原子力
発電所には、かなりの大災害が起きた場合に、安全性が確保できてないと認めた。
これはドイツにある原子力発電所17箇所すべてを、日本の福島での原子炉事故の
後に検証した原子炉安全委員会が、試験に関して発表した報告書で判ったことであ
る。レットゲンはその例として、大型旅客機が墜落した場合に、ドイツのどの原子
炉も持ちこたえることはできない、と述べた。彼はどのような具体的な対策を取る
かについては、さしあたり発表しなかった。これに対して、緑の党の会派長ユルゲ
ン トリティンは、速やかに実行可能な目標を示すように求め、8箇所の原発の即
時停止を求めた。左翼党とさまざまな反原発組織は、この試験報告書は内容に乏し
い、と述べた。

     その他のニュース

ギリシアの負債が生んだ危機をめぐり手詰まり状態

ギリシアの負債が生んだ深刻な危機は、EU内部に激しい対立を生
み、ますます手詰まり状態となっている。ギリシアの危機はアイル
ランドやポルトガルなどの危機とは比べられないほど解決が困難で
ある、とオイロ使用国の蔵相会議議長を務めるルクセンブルクのユ
ンカーはブリュッセルで事態をの概要を述べた。ドイツはギリシア
政府に対する広い範囲からの批判を支持し、破産を回避するため
に、国家の財産を売却して「1オイロも得て」いない、と指摘し
た。大蔵政務次官アスムセンは補足して、ギリシアの国家財政の情
勢を、諸外国が検討するのには、少なくともさらに1週間はかか
る、と述べた。ギリシアに更なる緊急支援を行なう場合にそなえ
て、EU蔵相筋では、「小規模の借金を借金で返す」ことが検討さ
れ、ここでは民間の投資者がみずからの意志で、その貸付金の返済
期間を延長することになる、とのことである。ユンカーはこれは
「一種の再評価」である、と述べた。またポルトガルに対する
780億オイロ以上の支援策は、閣僚会議で最終的に承認された。

国連報告書「北朝鮮は核ミサイルをイランに輸出」

国連の発表によれば、北朝鮮はイランおよびその他の危機地域に対
して、核爆弾を装備できるミサイルを輸出している。北朝鮮政府
は、近東、中東および南アジアの数多くの顧客に対して、「完成し
たミサイル危機、部品、技術の輸出に積極的に関与」している、と
国連安保理に提出された専門家の報告書では記されている。それに
よれば、北朝鮮の外貨需要は極めて大きいので、国連および多くの
条約で禁止されている貿易にひるんではおらず、武器は国営高麗航
空とイラン航空の定期便で輸出されていたが、その際中国が中継国
の役割を果たしていた、とのことである。

ストロース・カーンの弁護士「性交を強要していない」

米国で強姦をしようとした容疑で訴えられた国際通貨基金総裁スト
ロース・カーンは、捜査のために拘留され続けている。彼はニュー
 ヨークのイースト リヴァーにある島の収容所に運ばれた。彼は
次の公判日である金曜日まで、ここに滞在しなければならない。裁
判官が、1百万ドルの保釈金を支払った上での釈放を認めなかっ
た。法に基づく捜査に立ち会ったストロース・カーンの弁護士は、
依頼者はホテルの従業員に性交を強要しなかった、ストロース・カ
ーンの嫌疑は最後には晴らされる、と述べた。現地ニュー ヨーク
の新聞によれば、容疑者である彼は、客室係の女性と「合意の上で
の性交」をしたことを認めた。舞台裏では既に、ストロース・カー
ンの同基金総裁の後継者選びで、戦いが始まっている。中国、イン
ド、ブラジルなどの世界への影響力が増大し、役割が強まっている
国があるにもかかわらず、中進国のどれも強力な金融組織である同
基金の総裁に就任するかどうか、議論もされていない。




5月18日(水)

デ メズィエール「国防軍縮小にむけかなりの難題」

抜本的な組織改革を行なって、規模が縮小されたドイツ国防軍は、今後の課題に向
け準備することになる。組織を簡素化し、官僚主義を減らすことによって、兵力を
国境を越えた戦闘力を持つようにすることが目標である、と国防大臣トーマス デ
 メズィエール(キリスト教民主同盟)は、新たな骨子をベルリンで説明した。
7月1日に兵役義務が中止となった後、国防軍は志願兵による軍となり、約17万人
の職業軍人と正規兵の他、少なくとも5千人の自由意志に基づく兵役従事者から構
成されることになる。国外での活動には、1万人の兵士が従事する。現在は7千人
ほどが、外国での作戦に参加している。デ メズィエールは、直接的なドイツの利
益にはつながらないものであっても、部隊派遣を増強するように、国連はドイツに
求めており、他の民主的な国家にとって、国際的な責任の一部として、部隊の派遣
は自明のことである、と述べた。

     その他のニュース

国防軍のアフガニスタンの基地前で抗議行動 血が流される

アフガニスタンの外国部隊に対する抗議行動が、同国北部のタロカ
ン市で行なわれ、少なくとも12人が死亡し、80人以上が負傷した。
現地当局の発表によれば、地元警察が約3千人の激怒したデモ隊に
発砲した。デモ隊はNATO兵による夜間の手入れに抗議していた。
この抗議行動で、国防軍の前哨も、手榴弾と火炎瓶の攻撃にさらさ
れ、兵士3名が負傷した。この騒乱のきっかけになったのは、国際
保護部隊とアフガニスタン軍が、蜂起勢力と思われる者たちに対し
て、合同で出動したことであった。これを受けてアフガニスタン大
統領カルザイは、無実の民間人4人が死亡したことを批判したが、
外国部隊の指揮部は、射殺したのは蜂起勢力の4名である、と主張
した。

タリバーンはアフガニスタンとパキスタンで警官を攻撃

アフガニスタン東部では、警察のバスに対して自殺攻撃が行なわ
れ、少なくとも13人が死亡した。当局の発表によれば、犯人はジャ
ララバード市の郊外で、爆薬を積んだ自動車をバスに衝突させた。
急進派イスラーム教徒のタリバーンは、この攻撃の他、パキスタン
北西部のペシャワールの国境を越えた場所で、急襲を行なったこと
を認めた。こちらでは数十人のタリバーンの戦闘員が、交番を襲
い、少なくとも17人を殺害した。

米国はシリア大統領アサドに制裁を科す

政府を批判するデモ隊に対して、警察と軍が暴力を行使し続けてい
ることを受け、米国はシリア大統領アサドとその他6人の同国の要
人に制裁を科した。EUも来週にさらなる制裁を科す、と予告した。
米国大蔵省が発表した措置には、これらの人々の米国内の資産の凍
結が含まれ、米国市民に対しては彼らと商売することを禁じた。大
統領アサドの他、彼の副官スカラ、首相サファル、内相、国防相、
軍秘密情報部長、国家治安部がこれに含まれている。この間にシリ
アの戦車が4日続けてレバノンとの国境にあるテル カラチの目標
を砲撃した。同市はアサド体制に対する抵抗の本拠地と目されてい
る。




5月19日(木)

ストロース・カーンの後継者をめぐりIMF内部の議論が沸騰

国際通貨基金総裁ドミニク ストロース・カーンが辞任したことを受け、彼の後継
者をめぐる議論に火がついた。伝統的に同基金総裁には、ヨーロッパ人が就任して
いる。ただし、中進国の重要性が高まっているため、ヨーロッパ以外の国からの候
補者が、取りざたされている。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、現在オイロに問
題が生じていることから、ヨーロッパ陣の候補者を立てることに賛成である、と再
び述べた。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾも、ヨーロッパ人を国際通貨
基金の総裁に据えることに理解を求め、その理由として、EUは同基金に対して、最
も多く資金を供給していることを挙げた。一方中国とブラジルは、中進国と発展途
上国が今後、同基金の畝異に参加すべきである、と主張した。トルコの大蔵大臣メ
フメト シムシェクは、 同基金総裁の座には、機械的にヨーロッパ人が座るのに
反対した。
ストロース・カーンは、ニュー ヨークで、ホテルの従業員に対して強姦を試みた
容疑で、訴訟を起こされ、捜査のために拘留されている。彼は辞任の理由として、
家族を、そして国際通貨基金の体面を守りたい、と述べた。

     その他のニュース

タリバーンはアフガニスタンで建設作業員35人を殺害

急進派イスラーム教徒タリバーンは、アフガニスタン南東部で、少
なくとも35人の建設作業員を殺害した。さらに道路建設会社の従業
員約20人が負傷した、と当局は発表した。同社の警備員とタリバー
ンの間で銃撃戦となり、タリバーン側にも8人の死者が出た。この
労働者がパクティア州で攻撃を受けた理由は、まだ不明である。一
方北アフガニスタンのタロカン市では、国際保護部隊ISAFに対する
抗議活動が行なわれた。水曜日には80人の負傷者が出ていた。きっ
かけになったのは、同部隊とアフガニスタンの兵士が、4人を殺害
した作戦活動であった。国際保護部隊によれば、この作戦活動で死
亡したのは、反乱勢力であるが、当局は一般市民である、と述べ
た。アフガニスタン北部では、ドイツ国防軍の兵士を中心に、国際
保護部隊として活動中である。

キルクークで連続攻撃 少なくとも27人が死亡

北イラクの州都キルクークで、連続攻撃が発生し、少なくとも27人
が死亡、90人近くが負傷した。キルクークの警察本部のある公園広
場で、2発の爆弾が前後して爆発し、3発目の自動車爆弾は刑事警察
の輸送車団を狙った。今までのところ、この暴力行為の犯行声明は
出ていない。石油産出都市キルクークは、伝統的にさまざまな民族
集団の間で、緊張が見られる場所である。この地域には、現地政府
と治安部隊の大部分を掌握するクルド人の他、アラブ人とトルコ人
少数派も暮らしている。クルド人は、石油を産出するキルクーク州
を分割し、自治区とするよう迫っている。首相エル マリキを指導
者とするアラブ系のスンナ派は、これを断固拒否している。

EUはイラン制裁を拡大

EUは核計画を問題視して、イランに対する制裁を拡大する方針であ
る。多くの企業が銀行残高を凍結され、影響を受ける、とEUの外交
官はブリュッセルで発表した。その中にはハンブルクに拠点を置く
ヨーロッパ・イラン貿易銀行も含まれ、この銀行が既に科されてい
る制裁に違反して、イラン企業に資金を提供していたことを示す十
分な証拠がある、とのことである。イランには、核計画の一環とし
て、核兵器の製造を行なっているとの疑いが持たれている。




5月20日(金)

シリア全土で抗議行動 死者発生

シリア全土で抗議行動が起こり、治安部隊と政府に批判的なデモ隊の間で、再び衝
突が起きた。民主化運動の支持者の話によれば、30人が死亡した。大統領バシャ
ル アル アサドに抗議する勢力の拠点の一つ、国土の中心部にあるホムス市だけ
で、兵士の発砲により11人が死亡したが、その中には子供1人も含まれていた。バ
ニアス、ハマ、ラタキアの各市でも、数千人が政府に対する抗議のため路上に繰り
出した。抗議運動はインターネットを通じて、金曜日に再び行なわれる集会への参
加を呼びかけていた。一般住民に対する暴力的な措置を取ったことで、シリア政府
は諸外国からの批判にますますさらされている。ただしアサドおよび他の高官に科
された制裁措置は、大きな反響を呼ばなかった。

     その他のニュース

イエメン大統領サーレハは大統領選の早期実施に賛成

イエメンの権力者サーレハは、大統領選挙を早期に実施することに
賛成した。これにより、さらなる流血の事態を回避する、と数千人
の支持者を前に彼はサヌーアで述べた。ただし彼は期日については
言及しなかった。サーレハは、野党および外国からの退陣を求める
圧力に、ますます強くさらされている。水曜日にはここ数週間で
2度目となる権力委譲に関する合意形成が、失敗に終わったばかり
であった。3カ月前からイエメンでは、ますます多くの反サーレハ
の暴力的デモが時折、繰り返し起きている。サーレハは同国を30年
以上にわたり独裁的に支配している。金曜日にも、多くの場所で再
び数万人が路上に出て、抗議活動を行なった。

NATOがリビアの軍艦を撃沈

NATOは木曜日夜に、リビアの複数の港を広く空爆し、首都トリポリ
に対する絨毯爆撃を続行した。その際リビアの軍艦8隻を破壊した、
とNATOは発表した。権力者カッザーフィーが、ミスラタ港に機雷を
敷設するべく、軍艦を投入した、とNATOは非難した。NATOはブリ
ュッセルで、リビアの民間人と自分の海軍を守るためには、断固た
る行動を取る以外の選択肢はなかった、と発表した。3カ月前からカ
ッザーフィーの部隊は、反政府勢力に強硬な態度で臨み、NATOは反
政府勢力を空爆で支援している。米国大統領オバマはアラブ世界に
関する基本方針の演説の中で、カッザーフィーの退任のみが、北アフ
リカの同国に民主化をもたらす、と述べた。

オバマはネタニヤフを出迎える

近東和平交渉に関して、注目を集める発言をしてから1日、米国大
統領オバマはワシントンでイスラエル大統領ネタニヤフと会談し
た。オバマは基本方針演説の中ではじめて、イスラエルとパレスチ
ナ人の間の和平交渉は、1967年の6日間戦争前の国境を土台として
始めることができる、と正式に提案し、ネタニヤフの怒りをかって
いた。ネタニヤフはこの提案に抗議し、この国境の内部ではイスラ
エルはもはや自衛ができない、と述べた。この時にはイスラエルは
西ヨルダンランド、ガザ帯状地帯、エルサレムの東側などを制圧し
た。一方ドイツ政府は、この提案を歓迎した。首相メルケルは、領
土の交換を含むこの提案は、実行可能な道であり、両者が検討すべ
きである、と述べた。また彼女は以前の外相ヴェスターヴェレの発
言同様、交渉によって2カ国並立による解決を実現しなければなら
ないし、近東と和平交渉とアラブ世界の今後の推移は、密接に関連
していると見ている、と力説した。




5月21日(土)

パレスチナ人はオバマの呼びかけを無視し建国を宣言へ

米国大統領バラック オバマの緊急の警告を無視し、パレスチナ人は、国連に独立
国家としての承認を求める申し入れを行なう意向を固めている。パレスチナ大統領
マハムード アッバスに近い顧問ナビル シャースは、ロイター通信に、国連に赴
くのは当たり前であり、イスラエル首相ベンヤミン ネタニヤフが、ワシントンを
訪問し、イスラエルが1967年の6日間戦争以前と同じ国境線を守ろうとしない
「古くからの言い訳」を、通用させた現時点では、これはますます重要である、と
述べた。ネタニヤフは、イスラエルとの和平と急進派イスラーム教徒ハマースとの
和平のどちらかを選ばなければならない、と要求したが、パレスチナ大統領の広報
は、この要求を拒否した。

     その他のニュース

スペインでは禁止されたにもかかわらず抗議活動が続く

スペインでは大量の失業と支出削減策に対する若者の抗議が、日曜
日の市町村および地域議会選挙後も続くことになる。国内の既存の
政党への信頼は基本的に失われ、社会福祉の緊急状態を甘受できな
い、とこの運動の鼓峰はマドリードで述べた。禁止が出ているにも
かかわらず、各地で集会が引き続き行なわれている。金曜日夜には
約6万人が、首都マドリードだけでも2万5千人がデモに参加した、
とのことである。首相サパテーロ率いる社会党政権は、予告通り、
事態の激化を回避するために、デモの禁止を実施することを断念し
た。デモ隊側も譲歩を行ない、投票日前には各政党を批判する発言
を止め、「みんなで思慮する日」にすることを呼びかけた。

プラハでも支出削減に抗議して数万人がデモ

4万人以上がチェコの首都プラハで路上に繰り出し、政府の支出削
減策に抗議した。中道右派連立政権が、年金、税制、病気の支給金
を改革する計画を立てたことで、怒りがあおられた。労働組合連合
が大規模集会への参加を呼びかけ、全面ストを行なうと威嚇した。
首相ネチャスは6月に議会に支出削減策を提案し、これで彼は国家
財政の負担を軽減しss、同国の負債の増加を回避する意向であ
る。

メルケルは原発の2022年までの廃止に賛成

キリスト教社会同盟に続いて、連邦首相メルケルも、原発廃止の具
体的な年を確定する方針である。姉妹正当であるキリスト教社会同
盟ができるだけ遅い時期、つまり2022年を設定するべく努力してい
るが、キリスト教民主同盟党首の彼女は、これを「適切な時間的な
余裕」である、と評した。彼女はバイエルン州のアンデクスでのキ
リスト教社会同盟の幹部の非公開会議に出席し、政府が設置した倫
理委員会の最終報告書を待って、時期を決定するつもりである、と
述べた。金曜日夜には、キリスト教社会同盟の幹部は、長く込み入
った議論の末、新たな電力計画を可決した。それには、バイエルン
州では遅くとも2022年までに原発を廃止することが含まれている。
その他にガス発電所の拡大により、電力供給を確保することも含ま
れている。早期に原発を廃止することに批判的な人々は、電力価格
の上昇と経済の競争力の低下を、その論拠として上げている。




5月22日(日)

ブレーメンの社民・緑の党連立政権は基盤強化 緑の党がCDUを上まわる

ドイツの連邦州のうち最少のブレーメン市では、社会民主党と緑の党の連立政権
が、州議会選挙で勝利し、テレヴィの第1回得票予想では優勢をさらに強めた。緑
の党は連続した勝利をさらに続け、大幅な得票減を記録したキリスト教民主同盟
を、州議会選挙では初めて上まわった。社会民主党と緑の党の幹部政治家は、ベル
リン市議会および連邦議会選挙に向けた明確な意志表示である、と述べた。ブレー
メンでは、市長イエンス ベルンゼンの社会民主党が、2007年の選挙の36.7%を
上まわり、38%の票を獲得した、と予想されている。また緑の党は6%増やして
22.5%に伸ばした、との予想である。キリスト教民主同盟はわずか20%で、5.6%
の減少である。左翼党は再び市議会に議員を送ったが、自由民主党はそこに達しな
かった。選挙法が新しくなったため、公式の最終結果は水曜日か木曜日にようやく
発表される。

     その他のニュース

ショイブレとレスラーは税制面で合意を発表

キリスト教民主同盟と自由民主党の減税をめぐる対立は、数ヶ月に
わたってくすぶっていたが、連邦蔵相ショイブレの見方によれば、
これに決着がついた。自由民主党の新党首で経済相のレスラーとの
長時間にわたる会談で、両者は今週のうちに意見を一致させた、と
「ビルト紙日曜版」にショイブレは述べた。予算を確定することが
優先であり、これの他に減税を行なう余裕が生じれば、その機会を
利用するつもりである、とショイブレは述べた。レスラーは「はっ
きりした予定」今できるのは良いことで、より大きな余裕を作るた
めに、支出全体を厳しく制限するつもりである、とショイブレに賛
成の言葉を述べた。

カルテル庁はドイツのガソリン市場の「寡占状態」を警告

ドイツの購買者は、若干の企業が市場を支配している状態であるた
め、ガソリンに必要以上の金を支払わざるを得ない。連邦カルテル
庁の所見はこのような結果に達している、といくつかの報道機関が
伝えている。報道雑誌「シュピーゲル」によれば、この調査はドイ
ツのガソリンスタンド業界では、市場に蔓延する寡占状態に巻き込
まれている疑いがあることを示している。ごく小数の業者が、多数
の購入者に供給しており、アラル社とシェル社を筆頭に、わずか5
つの会社がガソリンの販売の7割ほどを支配している、とのことで
ある。同誌の報道によれば、カルテル庁長官ムントは、これ以上の
寡占を許すつもりはない、と述べている。「ビルト紙日曜版」によ
れば、各企業はドイツ全土で、競争相手を観察し報告する態勢を持
っており、「価格協定は禁止されているが、価格をまねるのは禁止
されていない」との石油会社経営者の言葉を引用している。

倒産の危機にあるギリシアにマーシャル計画 あるいは信託計画

保険会社アリアンツ社の社長ディークマンは、高額の負債を抱える
ギリシアに対して、米国が第二次世界対戦後に西ヨーロッパに対し
て行なった支援に倣って、大規模な立て直し計画を実施するように
求めた。ディークマンは「ビルト」紙に、借金をさらなる借金で返
すだけでは十分ではない、資金だけではこの問題は解決できない、
ギリシアに対して工業化計画、「一種のマーシャル計画」を実施
し、全ヨーロッパから仕事と生産を、東ヨーロッパやアジアにでは
なく、ギリシアに移す必要があるがある、と述べた。アリアンツ社
はヨーロッパ最大の保険会社で、世界的に見ても最も重要な投資会
社の一つである。オイロ使用国の代表ユンカーは、破産の危機にあ
るギリシアに対して、ドイツの信託計画に倣って、国有財産の民間
への売却を行なうよう提案している。「シュピーゲル」誌のインタ
ヴューの中で彼は、500億オイロを越える収益がアルとみている、
と述べた。




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