5月16日〜22日のオーストリアのニュース



5月16日(月)

     国外ニュース

拘留70年の恐れ ストロース・カーンの釈放を拒否

国際通貨基金総裁ストロース・カーンは、当面米国での拘留が続
く。強姦を行なおうとしたとの容疑での最初の審理では、ニュー 
ヨークの裁判官は月曜日、保釈金1百万ドルを支払った上での釈放
を認めなかった。次は大陪審が判断を行なう。実際に訴訟が起こさ
れれば、フランス人であるストロース・カーンには、合わせて6つ
の容疑で、極端な場合には長期にわたる拘留刑が言い渡される可能
性がある。ただしこの事件は、被告に有利な証言をする証人がお
り、多くの陰謀説が流れているため、謎が多いままである。

     国内ニュース

トライヒルの政治家批判が人々を興奮させる

(投資会社)「第一グループ」社長アンドレアス トライヒルが、
国内政治に対して全面的な攻撃を加えたことで、人々が興奮してい
る。トライヒルは、同社の事業所評議会に対する報酬を倍増させた
ことで批判を受けた。その後彼は、信用供与を行なう際の規則を強
化したことに関して、オーストリアの政治家は「あまりに馬鹿馬鹿
しく、陰険である」と述べていた。社会民主党は月曜日に、トライ
ヒルの語り口を中心意批判を行ない、経済の専門家たちは、この銀
行家に対して内容的な反論を行なった。トライヒル自身は後悔をし
た様子を見せていない。




5月17日(火)

     国外ニュース

リビアでフランス人が殺害 傭兵会社が難題を出す

イラクには米国の問題の企業ブラック・ウォーター社があったよう
に、戦争があるところに、「警備会社」がある。リビアではおそら
く、これに似た事業が始まり、あるフランス人が不幸に巻き込まれ
た。SECOREX社の創業者は、反乱勢力の拠点ベンガジで反乱勢力
に銃撃され、死亡した。フランス政府はこの事件に対して、言葉少
なである。同社の創業者で元兵士の男にとって、二つの役割を兼ね
たことが不運の元となった。

     国内ニュース

国民評議会は財政の枠組を可決

国民評議会は水曜日に、予算の枠組を可決し、2015年までの予算
の中心的な数字を決定する。4年間の計画は、最大でどれだけの資
金を政府が今後支出するかを決める。今年の予算の大枠は、国内総
生産の3.9%の赤字である。今後数年は赤字を徐々に引き下げ、
2013年には、マーストリヒト条約で定められた3%の基準を下まわ
る。昨年の枠組と比べると、まず赤字と負債の支払いが変更されて
いる。大幅に増える国家の負債に対する金利の支払いは、予定より
も高額となっている。




5月18日(水)

     国外ニュース

ストロース・カーン事件 サルコジは閣僚に箝口令

国際通貨基金総裁ストロース・カーンに対する強姦容疑で、フラン
ス大統領サルコジは、来年の大統領選挙での再選での最有力対立候
補であるストロース・カーンを失った。専門家は、ストロース・カ
ーンは、たとえこの件で身の潔白を証明しても、当選する可能性は
ほとんどない、と見ている。サルコジにとっては、誤ったことを何
もしないことが重要である。彼は自分の内閣の閣僚に、箝口令を敷
いた。報道によれば、彼は発言が他人の不幸を喜んでいると判断さ
れ、仲間うちから襲われる可能性を懸念している。ただし世論調査
によれば、この事件でサルコジが有利な立場に立ったとは、まだ言
えない。

     国内ニュース

会計検査院によれば予算は不可解

会計検査院は水曜日に、連邦、州、市町村の予算計画を厳しく批判
した。国家財政上、不透明で調整がうまく取れていない。複数の州
などでは、2009年の公共の負債と、会計検査の結果判明した財政上
の負債が、数十億オイロの規模でずれている。州と市町村の中期的
な予算計画の手段が、全く異なっていることで、この態勢が見通し
がつかなくなっている、と会計検査院は見ている。また予算の実行
可能性についても、会計検査院は批判しており、特に年金で話し合
いを行なう必要がある、と見ている。




5月19日(木)

     国外ニュース

ストロース・カーンは6百万ドルの保釈金を払って自由の身に

ニュー ヨーク検察は、辞任した国際通貨基金総裁ストロース・カ
ーンを、保釈金の見返りに釈放することに再び抵抗したが、木曜日
には裁判官は、逃亡の危険性はないとの弁護士の論証を受入れた。
1百万ドルの保釈金と、さらに5百万ドル銀行の保証の形で準備する
のと引き換えに、ストロース・カーンは自由の身となった。彼に対
する裁判の日程が調整された。ストロース・カーンが無罪を主張す
る場合には、裁判が行なわれる。

     国内ニュース

オーストリアは国連事件評議会の議席を得るべく選挙に立候補

オーストリアは明日、国連の人権評議会の一員に選ばれる見通しで
ある。国連の人権保護ための最高の期間である同評議会に、オース
トリアが立候補するのは2006年以来である。実質的に競争相手がい
ないため、当選は確実と見られている。西ヨーロッパと他の国が持
つ2つの議席には、オーストリアとイタリアだけが立候補してい
る。選挙がうまくいくためには、国連総会に出席し、投票をする国
の絶対多数の賛成が必要である。つまり、オーストリアが選出され
るためには、97カ国の賛成が必要である、との規則である。




5月20日(金)

     国外ニュース

ストロース・カーンは米国での拘留から釈放

長期にわたる駆け引きと巨額の保釈金を担保して、元国際通貨基金
総裁ドミニク ストロース・カーンは金曜日、米国での捜査のため
の拘留から釈放された。釈放は数かに渡って延期されたが、それは
おそらくニュー ヨークの高級アパートの住民たちが、強姦容疑で
訴えられた彼を新たな間借り人として受入れることを望まなかった
ためと見られる。マンハッタンの上品な北東部ではなく、ストロー
ス・カーンは警備会社のあまり上品でない建物を仮の宿とすること
に満足しなければならない。この会社が彼の警備を担当する。彼の
裁判の終わりまで、最終的な滞在場所探しは続く。

     国内ニュース

シュピンデレガーは就任演説で「国民党は中間階層の擁護者」

国民党新党首に就任する外務大臣シュピンデレガーは、就任演説の
中で、自分は「中間階層の擁護者」であり、「実績を上げる人間」
であると打ち出し、この機会を使って、連立相手の社会民主党とは
明確に異なる姿勢を打ち出した。自分は政治には特に実質的な手法
を取るのが常であり、「万人にあらゆることを約束するのを止めな
ければならない、と責任を負う彼は述べた。彼はあらゆる形の人気
取りを拒否する人物として理解されることを望んでいる。しかし自
分の政治的な特性をはっきりさせるために、彼はたくさんの言葉を
述べた。演説に続いて、彼は95.5%の賛成で新党首に選出された。




5月21日(土)

     国外ニュース

ストロース・カーンは金融地帯のまん中で自宅拘留

ストロース・カーン事件ではきびしい方向転換があった。当初の計
画ではノーベルアパートに入る計画であったが、国際通貨基金の元
総裁は、金曜日夕刻からマンハッタンの金融地帯のまん中で自宅拘
留を受けている。ストロース・カーンの新たな宿は、若干の良い点
もあるが、安全を十分に確保することが義務づけられているため、
それはほとんど利用不可能である。彼の新たな住居の5階全体に、
裁判を待つ自宅拘留中の被告たちが住んでいる。

     国内ニュース

ケルンテン州の政界は地名表示板の解決に理解を求める

地名表示板の妥協に関する市民発議が批判を行なったことを受け、
土曜日には州政治の代表が発言を行なった。「ケルンテン州の自由
党」と社会民主党が、成立した妥協を擁護した。市民発議がこれは
憲法違反であると批判したが、「ケルンテン州の自由党」のドーバ
ーニヒは、この解決は問題を生まない、と述べた。社会民主党のカ
イザーは、解決に向けて広い範囲から理解が得られた、と述べ、こ
の妥協案に反対するようにとの声を、拒絶した。




5月22日(日)

     国外ニュース

カンヌ映画祭「パルムドール」は「命の木」に

米国の映画監督テレンス マリックの謎に包まれた家族映画「命の
木」が、カンヌ映画祭で「パルムドール」を授賞した。ジェシカ 
チャステイン、ショーン ペン、ブラッド ピットが主演するこの
映画は、日曜日夜に最高の映画であると発表された。最優秀女性俳
優には、「メランコリア」の出演したハリウッドの人気女優カース
テン ダンストに与えられた。最優秀男性俳優はフランス人のジャ
ン ドゥジャルダンの白黒映画「芸術家」に与えられた。オースト
リアの期待の作品マルクス シュラインツェルの「ミヒャエル」
は、無冠に終わった。

     国内ニュース

恩給つきの退職で官庁は警察労働組合に逆襲

内務省にとっては、労働組合からの警告は、警察内部で近づいてい
る年金請求のうねりがあるため覆いつくされている。「この混乱を
想像することはできない」と内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー
(国民党)はAPA通信に述べた。彼女の会派の意見が一致していな
いとされることに対する批判も、はねつけられた。オーストリア労
働者職員同盟会長を兼務する彼女は、使用者側の代表と意見が一致
していないとの「解釈」は、内務省内部では、「注目に値し創造
的」である、と受け止められている。現在被雇用者側の代表者が、
警察官の利点が何であるか感知する力を持たなければならない、と
いうのは明白なことだ、とも述べられている。




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