5月30日〜6月5日のドイツのニュース



5月30日(月)

連邦政府はさらなる腸管出血性大腸菌の発生を予想

連邦政府は、腸管出血性大腸菌の感染の状況は深刻である、と再び評価している。
厚生大臣ダニエル バールはベルリンでの首脳会談後に、感染源がまだ活動中であ
ることを示す兆しがあり、市民は慎重に行動するように、と述べた。ローベルト・
コッホ研究所所長ラインハルト ブルガーも、同様の発言を行なった。ドイツの腸
管出血性大腸菌による死者数は、この間に14人に増えた。ドイツに続いて、ノルウ
ェイ当局も、スペインから輸入されたキュウリの中に、腸管出血性大腸菌を発見し
た。ただしノルウェイでは検出された感染例は、まだない、とのことである。隣国
スウェーデンとデンマークでは、およそ40人の患者が、深刻な事例を含め感染者
として手当てを受けている。すべての感染者は以前にドイツを旅行していた。英国
では厚生省が今まで、ドイツ国籍を持つ人の中から、腸管出血性大腸菌の感染者
3人を把握している。フランスでも危険なこの病原菌を、3人から検出した。厚生
省によれば、患者は全員今までにドイツにいた、とのことである。

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メルケルは原発廃止の可能性があると見る

連邦首相メルケルは、原発廃止計画は、来るべき世代に取って大き
な好機である、とみている。ドイツは再利用可能な電力の時代への
転換点に、先駆者として立っている、と彼女はベルリンで述べた。
連立政府の幹部はこれに先立ち、遅くとも2022年までに国内のす
べての原子力発電所を廃止することで合意していた。既に停止して
いる7箇所の古い原発は、今後は電力供給網には接続されない。電
力転換に対する批判は、野党と環境団体の他、産業界からも出てい
る。RWE社は訴訟を検討している。ドイツ産業連邦連合は、対策な
しのご都合主義で原発を廃止することがないように警告した。社会
民主党は、再利用可能な電力法案を修正し、最後の原発を2022年
以前に廃止することを中心とする要求を出した。緑の党は、まだ未
解決の問題が多いと見ており、まだ決断を下していない。環境団体
グリーンピースは、発電の方式転換は2015年までに可能であり、
電力供給の安全性を犠牲にすることはない、と発表した。

アフガニスタン西部で2回の襲撃 複数の死傷者発生

アフガニスタン西部の都市ヘラートで2回の攻撃が行なわれ、少な
くとも4人が死亡、30人ほどが負傷した。警察の発表によれば、爆
弾を積んだ自動車で自殺攻撃犯が、イタリアの軍事基地への入り口
のところで爆死した。2度目の爆発は、市の中心部の人通りの多い
交差点で起きた。NATO事務長ラスムセンは、先週ヘラート市を訪
問し、この地域は既にこの地域の治安部隊に任されている、と発表
したばかりであった。一方国際保護部隊ISAFは、暫定調査結果を
発表し、土曜日に北アフガニスタンのタロカンでの攻撃を行なった
のは自殺攻撃犯ではない、との見方を示した。この攻撃ではドイツ
人将軍1名が負傷、兵士2名が死亡していた。ドイツ国防省の発表に
よれば、アフガニスタン保護部隊の将軍クナイプは、治療のために
ドイツへ運ばれた、とのことである。

イエメンの権力争い 軍がアル カーイダを攻撃

イエメンの権力をめぐる争いで、大統領サーレハの部隊は、再びテ
ロ組織網アル カーイダの戦闘員に狙いを定めた。イエメン空軍
は、数日前にイスラーム教徒であるアル カーイダが占領した港町
シンジバルを、爆撃した。近くでは以前、数人の兵士が待ち伏せを
受けて、殺害されていた。南部の都市タイスでは、日曜夜に兵士が
また野党勢力に暴力的な措置を取った。医師の話によれば、この際
に少なくとも25人のデモ隊が死亡、120人が負傷した。




5月31日(火)

ムラジッチはデン ハーグの国連戦争犯罪法廷に引き渡される

戦争犯罪者と目されるセルビアのラトコ ムラジッチは、デン ハーグの国連裁判
所に引き渡された、とセルビア法務大臣スネザナ マロヴィッチがベオグラードで
発表した。ボスニアのセルビア人元軍事指導者であるムラジッチは、現在オランダ
行きの飛行機に載っている、とのことである。その直前に裁判所は、デン ハーグ
への移送に対する69歳の彼に対する申請を却下していた。ムラジッチの弁護士
は、この申請を行なう利用として、ムラジッチは肉体的、精神的に、裁判をやりぬ
く状態にはない、と述べた。ヨーロッパで最も力を上げて行方を追及されていた戦
争犯罪者である彼は、16年間にわたる逃亡の末、先週逮捕されていた。ムラジッ
チは民衆殺戮および人間性に対する犯罪を犯した容疑が持たれている。彼は中で
も、ボスニアのスレブレニッツァで1995年、8千人ほどのイスラーム教徒を殺害
した大量殺戮に責任がある、とされている。

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シリアでは政治犯に対する全面的な恩赦

シリア大統領アサドは、政治的な理由で拘留されている人すべて
に、恩赦を与えた。国営のサナ通信によれば、この恩赦はイスラー
ム教徒兄弟団の拘留された団員にも適用される。イスラーム教徒兄
弟団は、シリア政府に対する抵抗運動では、中心的な働きをしてい
る。人権活動組織の発表によれば、同国での政府を批判する抗議活
動が始まってから、1千人以上が殺害され、1万人ほどが逮捕され
た。反政府勢力の代表はこの間に、この全面的な恩赦は、情勢の緊
張緩和には十分ではないと発表し、11年にわたるアサド体制を終了
し、民主的な改革を求めた。

電力会社Eonは原発燃料税に反対する訴えを起こす方針

ドイツ最大の原子力発電所運転会社Eon社は、燃料棒税に反対する
法的措置を起こす方針である、とデュッセルドルフで発表した。そ
の理由として、原子力発電を早期に廃止することによって発生する
資産に対する損害が、巨額なものに上ることを挙げた。株式に関す
る法的な理由と、50万を越える小規模な株主保護のために、Eon社
はこのような資産に対する損害を甘受できない、とも述べた。連立
政権は日曜夜に、2022年に前倒しして原子力発電を廃止するにも
かかわらず、この税金は存続させる、との決定を下した。この税金
は2016年まで23億オイロの税収をもたらすことになっていた。予
定通り8基の原発が閉鎖されるのであれば、税収の減少は年額で
13億オイロ強になる。

メルケルはインドとの関係が質的に新たなものになると見る

第1回ドイツ・インド政府間協議を行ない、両国の関係は新たな段
階に入った。ドイツ首相メルケルはニュー デリーで、戦略的協力
関係のあり方が質的に新たなものになる、と述べた。インドはイス
ラエルについで、ヨーロッパ以外の国として、ドイツとこのような
協議を行なう2番目の国となる。首相シンは、インドは原子力発電
拡大の積極的な計画を修正しない、と強調した。メルケルは、
126機の軍用機をインドに販売したいとのEADS社の意向を、はっ
きりし支持した。また彼女はニュー デリーで、国際理解に関する
ネルー賞を授賞した。彼女の到着は2時間遅れたが、添えはイラン
が首相機の上空通過を禁止したためであった。外相ヴェスターヴェ
レは、イランのこの措置に抗議した。イラン外務省は、意図的な侮
辱の疑いを晴らそうとし、「技術的な問題」である、と述べた。




6月1日(水)

NATOはリビアをめぐる戦いを9月まで続行

NATOはリビアでの軍事活動を、当面9月末まで続行する。NATOと協力各国は、現
地の民間人支援のために、90日間の活動延長を決定した、と事務長アナス フォ
ー ラスムセンはブリュッセルで発表した。国際軍事同盟であるNATOは、リビア
軍を3月末以来、国連決議をもとに攻撃している。この決議では本来、リビア上空
の飛行禁止および武器輸出の禁止が実施されることになっていた。40年前から支
配を続ける権力者ムアマル カザッフィーを追い落とすことを求めるリビアの蜂起
勢力を、NATOは実質的に支援している。カザッフィーは今まで、辞任に応ずる姿
勢を示していない。食料品と医薬品の貯蔵が減少するとともに、彼の権力基盤が揺
らぐものと、国連は期待している。貯蔵量はわずか数週間しか持たない、と国連は
発表した。

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メルケルはシンガポールで金融市場の規則強化に理解を求める

ドイツ首相メルケルはシンガポールを訪問し、東南アジアの都市国
家であるシンガポールの金融市場の規制を強化するように促した。
再び金融恐慌が起きる危険を減らすために、財政全体が結集する場
所を作らないよう、共通の規則を作ることが重要である、と首相リ
ーとのシンガポールでの会談後にメルケルは述べた。背景にあるの
は、課税回避地をなくし、不正な資金の支払いが起きないように、
大規模な金融制裁をより透明なものにするべく、国際的に努力が払
われていることが、この発言の背景にある。EUはそれに向けて、ス
イスに圧力をかけていた。しかしより多額の資産と不正資金がシン
ガポールに流れこんでいる、との訴えが出ていた。首相リーは、同
国は国際的な基準に十分に拘束されていると考えている、と述べ
た。

腸管出血性大腸菌感染者の数は急速に増加

腸管出血性大腸菌により生命の危険がある下痢をもたらす病気にか
かった人の数は、ドイツでは飛躍的に増加した。ローベルト・コッ
ホ研究所は、感染が深刻な健康上の合併症を引き起こす事例が470
ある、と報告した。これは前日と比べて、百例ほど増加している。
今までこの感染症で15人が死亡した。ドイツ北部を中心に発生して
いる腸管出血性大腸菌のうち多くの感染源は、あいかわらず発表さ
れていない。スペイン産のキュウリが原因ではないと発表された
後、スペインは法的措置を好悪慮している。ハンブルクの衛生局は
警告を出して、スペイン産の作物の品質を疑問視していた、とスペ
イン副首相ルバルカバはスペインのラジオで述べた。ドイツ厚生省
はベルリンで、衛生当局の発表は完全に正当なものである、と強調
した。

ドレースデンで「プロテスタント教会の日」が始まる

屋外で複数の礼拝を行ない、第33回「ドイツ プロテスタント教会
の日」が、ドレースデンで始まった。エルプヴァイゼンでの中央礼
拝で、ザクセン地区監督ボールが、絶えることのない拝金と「貪欲
は素敵だ」との精神的気質に陥らないように、と警告した。ハンガ
リー監督ファビニーは、現世の富と価値観を結びつけることがない
ように、呼びかけた。「教会の日」は「ここにもあなたの心があ
る」という標語を掲げて、12万人ほどの参加者があった、と報じら
れている。日曜日までに2千以上の行事が行なわれ、信仰の問題か
ら現在の政治的な問題についてまでが、議事に挙げられている。発
電方法の転換を中心として、抗議の集会が行なわれるのが、今年の
特徴である。原発廃止と再利用可能な電力拡大が、この集会の重点
である、と教会の日会長ゲーリング・エッカルトは述べた。




6月2日(木)

研究者は危険な腸管出血性大腸菌を解明

ドイツと中国の科学者たちは、いわゆる腸管出血性大腸菌の遺伝的形質を特定し
た。研究者たちは場合によっては生命を危険にさらす大腸菌の分析を行ない、さま
ざま今までは知られていない構成要素を発見した、とハンブルク・エッペンドルフ
の大学病院は発表した。この研究は北京の遺伝子研究所と共同で行なわれた、との
ことである。新型の腸管出血性大腸菌は、特に長の中で長い間固着し、さらに抗生
物質に対する強い抵抗性を示している、とも発表された。ドイツでの犠牲者の数は
この間に17人に増加し、感染した人およびその疑いのある事例は2千に上った。一
方ロシアは、EU全体からの野菜の輸入禁止措置を科した。EUはロシア政府のこの
措置は、極端であると批判した。

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アフガニスタンで国防軍兵士がまた死亡

アフガニスタン北部では攻撃が行なわれ、ドイツ兵1人が再び殺害
された。ポツダムの派遣部隊司令部の発表によれば、この他に5人
が負傷し、うち2名は重傷である、この犯行はクンドゥズの南約40
キロで起きたもので、ここでは国防軍が野営していたが、爆発物が
護衛用戦車の下で爆発した。アフガニスタン北部では数日前に、急
進派イスラーム教徒タリバーンの攻撃を受けて、ドイツ兵2名が死
亡したばかりであった。今回の事件で、アフガニスタンで活動する
国防軍兵士のうち、今までに52名が死亡し、うち34人は交戦中あ
るいは襲撃を受けて死亡したことになる。

トリシェはヨーロッパ各国の大蔵省に理解を求める

ヨーロッパ中央銀行総裁トリシェは、オイロを使用する通貨連合が
新たな負債の危機に陥ることがないように、ヨーロッパ全体を対象
とする大蔵省を創設するよう提案した。彼はアーヘンで行なわれた
国際カール賞の授賞式で自分の考えを発表し、これは「長期的な展
望に立ったもの」である、と述べた。トリシェは、困難な状況に陥
った国々から、その主権の一部を奪い、ヨーロッパの組織にそれを
委ねさせる方針である。68歳のフランス人であるトリシェに、オイ
ロ通貨連合とヨーロッパ域内市場に関する功績に対して、カール章
が授与された。EU委員会議長バローゾは賛辞を述べ、トリシェはオ
イロの価格の安定と信頼性の番人である、と賞賛した。

ギリシアの抗議活動が暴力的に 国債の信頼性は「がらくた」に

1週間以上続けてギリシアの支出削減政策に対する抗議は、暴力的
なものに変わった。コルフ島では、怒り狂った市民が数人の国会議
員に投石を行なった。警察は攻撃された者たちを、湾岸警備隊の支
援を得て、安全な場所に移さなければならなかった。前夜にはアテ
ネのデモ隊は、国会を立ち去ろうとした国会議員たちにつばとのの
しりの言葉をはきかけた。木曜日夕刻には、数万人が首都アテネで
路上に繰り出し、汚職と支出削減に抗議を行なった。非公式の報道
によれば、ギリシア政府は支出削減と国有財産の民間への売却の努
力を強め、国際通貨基金とオイロ使用国から、さらなる支援を確実
に得ようとしている。巨額の負債があるため、格付け会社ムーディ
ズは、破産の際にある同国の国債の信頼性を「がらくた状態」に引
き下げた。




6月3日(金)

ギリシアは次の資金援助を得る

オイロ使用国連合の代表ジャン・クロード ユンカーの発表によれば、国家として
の破産の瀬戸際にあるギリシアは、緊急に必要とする次回の資金援助120億オイロ
の支払いを受けられる。彼はとギリシア首相ギオルゴス パパンドレウとルクセン
ブルクで会談した後、さならる金融支援もありうるが、それはギリシアの民間部門
がみずからの意志で、協力するとの前提がある場合である、と述べた。これより前
にギリシア政府は、EU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行からなるいわゆる三
極が、ギリシアの支出削減の努力を、肯定的に評価した、と発表していた。今回の
再調査は、間もなく行なわれる次回返済分の借款を支払うために、決定的な前提条
件となる、と見られていた。ヨーロッパ各国と国際通貨基金は、ギリシアに対して
既に1千1百オイロの支援を、既に約束していた。ギリシアでは、政府の支出削減
策に対して、抵抗運動が再び起きた。アテネでは労働組合が、新たな支出削減策に
対する怒りから、大蔵省を占拠した。

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メルケル「原発は段階的に発電網からはずれる」

ドイツに残った17の原子力発電所は、遅くとも2022年までに段階
的に廃止される。連邦首相メルケルは各州首相飛べる燐で協議した
後、すべての原発に廃止の日を設定すると述べた。彼女はザクセン
・アンハルト州州首相ハーゼロフ(キリスト教民主同盟)と共に、
既に停止した8箇所の原発の他、廃止するのは2015年、17年、
19年、21ないし22年になる、と発表した。最新技術に基づく3つ
の原発は、最後に運転を停止する、とのことである。電力不足が起
きる場合に備え、いわゆる休眠電力備蓄として、原発は各州が懸念
しているにもかかわらず、維持されることになっている。ノルトラ
イン・ヴェストファーレン州州首相クラフト(社会民主党)は会議
後に、原発廃止に関する政党の枠組を越えた合意が成立可能であ
る、との見方を示し、この過程を逆行不可能なものにし、裏道を設
けないことが決定的に重要である、と述べた。

国防軍はアフガニスタンでの死者に別れを告げる

先日アフガニスタンでなくなった兵士3人の追悼式が行なわれ、国
防相デ メズィエールはハノーファーで、急進派イスラーム教徒タ
リバーン民兵の暴力に屈しないように、と改めて警告した。連邦首
相メルケルと外相ヴェスターヴェレも、アフガニスタン政策の方針
を転換することを拒否した。それにもかかわらず、最近攻撃を受け
て死者が出る件が頻発しているため、戦略と兵士の装備に対する疑
いの声が強まっている。国防軍連帯は、ヒンドゥクシでの行動を、
根本的に再検討するように求め、アフガニスタンの現状に対するド
イツ政界からの解答は、不十分である、と述べた。国防委員ケーニ
ヒスハオスは、偽装爆弾が仕掛けられている地域に向けて、保護さ
れた車両を調達するのに時間がかかりすぎている、と批判した。

イエメン大統領は邸宅が銃撃を受けて負傷

イエメンでは、長年にわたって大統領を務めるサーレハの支持者と
反対派が権力争いを続け、血を流し続けている。サヌアの大統領の
邸宅が蜂起勢力からの銃撃を受け、大統領は軽傷を負ったことを与
党側は確認した。サーレハは攻撃で死亡した、との反政府勢力側の
発表は、国営テレヴィが否定し、大統領派数時間後に記者会見に出
席する、と報じた。榴弾が大統領邱に打ち込まれ、大統領護衛隊の
兵士4人が死亡した。首相、国会議長、その他の政治家数人も負傷
した。彼らは攻撃を受けた時、サーレハとともに邸宅のモスクの中
にいた、とのことである。サヌアの各所からは、部族の戦闘員と軍
の特殊部隊が、激しい銃撃戦が行なわれている、との報告がある。
野党各派は、治安部隊は今週だけで、少なくとも50人の反政府勢力
を殺害した、と発表した。




6月4日(土)

腸管出血性大腸菌蔓延で初めて厚生当局に対する批判

危険な腸管出血性大腸菌が流行し始めてからほぼ1カ月、初めてドイツの厚生当局
の危機管理に対する批判が起きている。ベルリン施療院の医療監督官ウルリヒ フ
ライは、「ターゲスシュピーゲル」紙に、今なお感染源がわかっていないのは心配
だ、自分の病院が患者の調査用紙を受けとったのは、今週になってからだ、と述べ
た。また彼は、情報に関する対策は不十分である、と述べた。生命に危険を及ぼす
可能性のある大腸の感染病であるこの病気の感染源の特定では、当局はリューベッ
クのある食堂も調査している。この食堂を訪れた人のうち、17人が感染してい
る。この病気の発生はおそらく、5月上旬のハンブルクの開港記念日と関係があ
る、との観測が流れているが、当局はこれを否定した。今のところドイツでは、
1千7百人が腸管出血性大腸菌に感染者として登録され、18人の患者が死亡した。

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メルケルはチュニジア難民の国外追放を擁護

連邦首相メルケルは、北アフリカから難民が押し寄せたことを受
け、国外追放を行なったことを擁護した。ドイツは人道的な理由か
ら、政治的に迫害を受けた人を、たとえばシリア、リビア、イエメ
ンなどから受入れているが、チュニジア国民は独裁を廃しており、
同国の人々は経済的な理由でやってきている、とキリスト教民主同
盟の党首でもある彼女は、ドレースデンのプロテスタント教会で述
べた。また彼女は、何院が押し寄せるとの懸念から、自由な国境通
過を制限しているEUの国を、間接的に批判した。一方彼女は、アフ
リカ諸国と環境団体が批判しているアフリカ沿岸での漁業をにらん
で、漁業政策ではEUは模範にはなっていない、ヨーロッパの艦船に
よる違法な漁業が問題である、と述べた。

ゲイツはアフガニスタンの米兵と別れを告げる

米国国防相ゲイツは、退任にあたってアフガニスタンを訪問し、現
地政府がより強く努力するように促した。国際社会の関与が必要な
のは疑いがないが、それには時間的にも手段や費用の面で制約があ
る、と大統領カルザイとともに臨んだカブールでの記者会見で強調
した。彼はアフガニスタンの前線の最後の訪問で、国防相として数
万人の米兵に別れを告げる意向である。間もなくゲイツの後任とし
て、元中央情報局腸管パネッタが国防相に就任するが、米国国会か
ら、高額の経費がかかるため、部隊の撤退を早期に行なうように、
との要請が強まっている。

急進派指導者カシュミリのパキスタンでの死が確認される

ビン ラーディンの後継者になる可能性があると見られていたアル
 カーイダのテロリストが、米国の無人偵察機の攻撃で、パキスタ
ンで死亡した。カシュミリの死が、イスラーム教徒反乱勢力組織と
パキスタン秘密情報部の双方から確認された。カシュミリは、
2010年8月から、国連が最も力を上げて行方を追及している急進
派の一覧表に載っている。未確認情報によれば、47歳のカシュミリ
は、南ワジリスタンの部族の地域にある村に滞在していたが、複数
のミサイルがここに向けて発射された。アフガニスタンとの国境近
くでのこの攻撃では、金曜日には戦闘員8人も死亡していた、と軍
部は発表した。アル カーイダの首領ビン ラーディンが5月上旬
に米軍に射殺された後、カシュミリがアル カーイダの最高指導評
議員に指名された、と言われている。




6月5日(日)

大豆モヤシが腸管出血性大腸菌の原因の可能性

深刻な病気を引き起こす腸管出血性大腸菌の原因は、大豆モヤシの可能性がある、
とニーダーザクセン州農業大臣ゲルト リンデマンはハノーファーで発表した。疫
学上の評価では、この病気とニーダーザクセン州で清算されたモヤシの関連が立証
され、複数の州の食堂と社員食堂に、モヤシは直接あるいは仲介業者を通じて納入
されていた、とのことである。ただし今のところ、腸管出血性大腸菌は、実験室で
はモヤシの中からは検出されていない。結果は月曜日に出る予定であるが、間接証
拠ははっきりしており、購買者はモヤシを食べるのは即時止めるべきである、とリ
ンデマンは述べた。ニーダーザクセン州の事業所は、当面封鎖され、関係する製品
は取引が停止された。この間にドイツでは、腸管出血性大腸菌で死亡したと見られ
る事例は21となった。

     その他のニュース

多額の負債を抱えるポルトガルで国会議員選挙を早期に実施

高額の負債を抱えるオイロ使用国ポルトガルでは、国会議員選挙が
時期を早めて行なわれる。コエリョを筆頭候補とする保守的な傾向
の社会民主党が、有力と見られている。これに対して、現在首相の
職務を執行しているだけのソクラテスが率いる社会党は、厳しい敗
北を喫せざるを得ないとの見通しである。960万人の有権者は、国
会議員230人を選ぶことになる。緊張感をもって見守られているこ
の選挙が行なわれるのは、ソクラテスが3月に、ポルトガルの金融
および経済恐慌を背景に辞任したためである。彼の少数政権は、支
出削減計画を実施することができなかった。次期ポルトガル政権
は、780億オイロのEUおよび国際通貨基金の支援を受けるために
義務づけられている支出削減の条件を、7月に実施しなければなら
ない。

連邦政府はギリシアのために銀行に支払いを求める方針との報道

報道雑誌「シュピーゲル」誌によれば、ギリシア救済計画の第2弾
として、納税者の他に、銀行にも支払いを求める方針である。連邦
蔵相ショイブレは、民間の債権者が大きな分担金を支払うように主
張している、とのことである。救済措置の第2弾が必要なのは、ギ
リシアが2012年春に資本市場に復帰できるようにするとの今まで
の計画が、維持できないためである。同誌によれば、連邦大蔵省
は、数億オイロ規模の第2期支援計画が可能である、と見ている。
支援の精確な規模は不明である。1年以上前から続く信用供与計画
は、1千1百オイロに上っている。ドイツは244億オイロを提供し
ている。ただしショイブレは、銀行が参加しないままで、これ以上
の負担を納税者に押しつけるつもりはない、と述べている。

ゴラン高原での抗議行動に死傷者多数

1967年の6日間戦争の記念日に、ゴラン高原のシリアとの国境近
くで抗議行動が行なわれ、イスラエル軍の銃撃で少なくとも13人
が死亡した。デモ隊が国境の施設を乗り越えようとしたもので、他
に2百人以上の負傷者が出た、とシリア国営放送は報じている。数
百人のパレスチナ人デモ隊は、国境地帯で抗議活動を行ない、
1967年6月5日の6日間戦争勃発の記憶を新たにするつもりであっ
た。この戦争の終わりでは、イスラエルはゴラン高原、西ヨルダン
ランド、東エルサレム、ガザ帯状地帯、シナイ半島を制圧した。当
時アラブがイスラエルに敗北したことを記憶にとどめる活動は、西
ヨルダンランドでも行なわれた。こちらでは、ラマラ近郊で軍が封
鎖を行なったところで、パレスチナ人デモ隊とイスラエル兵が衝突
し、血が流れ、少なくとも40人が負傷した。




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