6月6日〜6月12日のドイツのニュース



6月6日(月)

内閣は2022年までの原発廃止を決定

連邦政府は、2022年までに原発を廃止し、再利用可能な電力による発電への転換
を加速することを可決した。内閣はベルリンで特別会議を開き、それに向けた法律
案と枠組についての合意に達した。連邦環境大臣ノルバート ダラボス(キリスト
教民主同盟)は、ドイツの経済および社会の発展に向けた「一里塚」である、原発
廃止は「留保と修正なし」に行なわれる、と述べた。原発廃止と再利用可能な電力
への転換という目標を確定することによって、投資家たちは自分たちが置かれてい
る状況を知ることができる、とも語った。
最も古い原発8箇所は即時停止し、その他の9つの原発には、それぞれの原子炉の
停止の期日を含め段階的な計画も立てられる。電力供給網の拡大を加速し、原子力
発電の一部を肩代わりするガスおよび石炭による発電に向け、建設計画の手続きを
簡素化することも決議された。
連邦議会はこの法律を夏休み前に可決する方針である。連邦各州の州首相は、金曜
日にはこの方針について基本的に合意をしていた。

     その他のニュース

ボンでの国連気候会議に3千5百人

190を越える国からの代議員3千5百人が、ボンで開かれる国連の
気候会議に参加する。2週間にわたる協議の間、南アフリカのダー
バンで今年の終わりに開かれる次期気候首脳会談に向け、準備を進
めることになっている。日程は厳しい。今まで拘束力を持つ唯一の
国際機構協定であった京都議定書は、2012年に失効する。国連気
候事務局局長フィゲレスはボンで、国連はこの間に京都議定書の後
継となる協定を、早期に準備できるとは思っていないと明言し、今
年終わりまでに合意が成立できたとしても、いくつかの国では批准
の手続きを、時間内に完了することはもはや不可能だ、と述べた。
この会談のEU代表ルンゲ・メッツガーは、現実的な木曜は今となっ
ては2014年か15年である、と語った。

腸管出血性大腸菌は大豆モヤシからは検出されず

ニーダーザクセン州の種子工場で取れた大豆モヤシの最初の実験室
での調査では、生命に危険を及ぼす腸管出血性大腸菌が含まれてい
る証拠は得られなかった。ただしこの調査は完了していない、とハ
ノーファーの農業省は発表した。研究所に送られた40の見本は、今
のところ23の調査が終わった、とのことである。この工場で取れた
大豆モヤシは、輸送経路の調査を受けた後、この大腸菌の感染源で
ある可能性がある、との疑いを持たれていた。このモヤシは、ハン
ブルク、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン、メクレンブルク・フ
ォアポメルン、ヘッセン、ニーダーザクセンの各州にある外食産業
に、直接あるいは仲買業者を通じて輸送され、そこで何度も感染を
引き起こしていた。月曜日にシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州
でさらに1人が死亡したことを受け、ドイツ全体では今までに少な
くとも22人が、腸管出血性大腸菌により死亡していた。ローベルト
・コッホ兼っ救助によれば、今までに2千2百人以上が感染してい
る。ただしベルリンの同研究所は、新たな感染が若干減少する徴候
がある、と発表した。

ポルトガル社会民主党は組閣をまかされる

ポルトガルでは社会民主党が選挙で勝利したことを受け、同党主コ
エーリョが、大統領シルバから組閣をまかされた。じき首相である
彼は、負債の危機のさなかに、国家財政を清算するという巨大な課
題を引き受ける。リスボンではコエーリョは、EUおよび国際通貨基
金と合意した支出削減策の実施を約束した。金融市場の信頼を得る
ためにあらゆることを行うつもりである、と彼は述べた。また彼
は、厳しい時代が来るのに備え、国民に心構えをさせた。社会民主
党は日曜日に国会議員選挙で、投票の39%を獲得した。同党は、保
守的で12%を獲得した「民主社会中道・人民党CDS」とともに、政
府を結成する意向である。現在政権をになうソクラテスの社会党は、
明確な敗者となった。




6月7日(火)

オバマはドイツとの関係は不可欠な柱

米国大統領バラック オバマは、米独関係を国際関係に於いて「欠かすことのでき
ない柱」である、と述べた。この関係はより公正でより豊かな世界を築くために重
大な寄与をなす、とドイツ首相とのワシントンでの共同記者会見で述べた。中でも
かれは、メルケルに対して、アフガニスタンなどの国際部隊の活動に、ドイツが参
加する用意をしていることに感謝した。メルケルと彼は、近東および北アフリカ情
勢を中心に、リビア情勢など、多くの議題を協議した。二人はリビアの権力者ムア
マル アル・カッザーフィーが、権力を放棄しなければならない、との立場を強調
した。また彼らは、世界的な経済恐慌を押え込まなければならないし、オイロ使用
地域の問題が、世界の経済の回復を危機に陥れてはならない、という点でも意見が
一致した。
火曜日にはメルケルは、国主催の宴席の中で、オバマから、民間人としては米国最
高の表彰である平和メダルを与えられた。彼女は元ドイツ首相ヘルムート コール
に続いて、ドイツ人としてこのメダルを授与される2人目の人物である。

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NATOはトリポリの空爆を昼間も行なう

NATOは、リビアの首都トリポリに対する空爆を、はっきりと強化
し、昼間にも拡大した。住民の話によれば、その中心部で激しい爆
発音が聞こえた。政府の発表によれば、軍と民間の施設ともに被害
を受け、バブ アル・アシシヤにある権力者カッザーフィーの居所
の近くや、近くにある兵舎にも、爆弾が命中した。NATOは、カッ
ザーフィーが、民間人を脅迫する限り、彼に対する圧力を行使す
る、と発表した。蜂起勢力はインターネット上で、彼らが手中に収
めたミスラタ市をめぐり、激しい戦闘が再び起きている、と発表し
た。EUはリビアに対する制裁を強化した。

シリア軍に反乱が起きた徴候

シリアでは、治安部隊内部で反乱が起きたことを示す証拠が増えて
いる。通信社アラビヤは、不安に陥った軍の第4旅団が、ジスル 
アル・ショグル市へ進軍しており、同市では公式発表によれば、月
曜日に治安部隊の120人が殺害された、と伝えている。シリア政府
は、武装した急進派がこの殺害を行なった、と発表した。一方国外
にいる野党勢力と人権活動家は、兵士たちは非武装の民間人を銃殺
することを拒否したため、軍人により射殺された、と述べている。
第4旅団は大統領アル・アサドの兄弟マヘル アル・アサドの指揮
下にある。この地域の住民の中では、報復を恐れる声が強まってい
る。多くの人々が自分の村に逃げ込んだ。40人以上が、国境を越え
て安全な隣国トルコへ逃げ込んだ。

イエメンの暴力は続く

大統領サーレハが医師の手当てをサウディ アラビアで受けるため
に出国した後も、イエメンの暴力は続いていている。この地方での
報道によレア、タイス市では反政府勢力と軍の間で、新たな交戦が
起きた。部族の指導者の発表によれば、反政府勢力が同国南部の同
市を管轄下に置いた。インターネット上の「ニューズ イエメン」
の情報によれば、首都サヌアでは、10人の遺体が見つかった。死亡
したのが民間人なのか、部族の戦闘員なのか、大統領サーレハの支
持者なのかは不明なのままである。BBCによれば、緊急時に英国国
民を同国から脱出させるために、英国の軍艦がイエメンの沿岸に配
備された。現在米国とドイツは、イエメンの政治指導部に対して、
民主的な改革と、権力の即時交代を呼びかけている。西側は、同国
が長期の紛争により、湾岸地域での安全をますます犠牲にするので
はないか、と懸念している。




6月8日(水)

財政三極がギリシア支援の新たな計画を策定する方針

高額の負債を抱えたギリシアを、破産から最終的に救い出すためには、さらなる巨
額の支援が必要である、と諸外国の専門家は見ている。オイロを使用する同国は、
自ら金融市場で再び資金を得られる状況にはなく、今までの1千1百億オイロの信
用供与では不十分である、とEU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行の検証報告
書には記されている。報道機関が一致して伝えているところによれば、いわゆる
「三極」は、7月初めにさらに120億オイロがギリシアに提供されるまでに、まず
この財源不足を解決しなければならない、と主張した。これより前にドイツ大蔵大
臣ヴォルフガング ショイブレは、民間の債権者が参加する中、救済計画の第二弾
を実施することに賛成した。もしそうしなければ、無秩序に破産する危険性があ
る、と彼はヨーロッパ中央銀行総裁、国際通貨基金総裁、オイロ使用国のすべての
大蔵大臣に宛てた書簡の中で述べた。

     その他のニュース

ドイツでは今までに腸管出血性大腸菌で死亡

連邦厚生相バールの発表によれば、危険な腸管出血性大腸菌によ
り、ドイツでは今までに25人が死亡した。さらに死亡の件数が増
え、新たな感染も発生する可能性はひていできない、と自由民主党
の政治家である彼は、連邦と各州の厚生大臣および購買者保護大
臣、EU構成員ダリとベルリンで会談した後発表した。ただしバール
は新たな感染者は減少している、とも指摘した。一方専門家たち
は、腸管出血性大腸菌を新たに検出した。マグデブルクの生ゴミ回
収容器のキュウリの食べ残しから、突然変異した腸管出血性大腸菌
が検出された。このキュウリの食べ残しは、すでに1週間半前から
他のゴミと一緒に、この容器の中に入っていたことから、この菌が
実際にキュウリの中に潜んでいた、と結論することはできない、と
のことである。EU委員会は野菜農家に、腸管出血性大腸菌のために
生じた被害を、今までの計画よりも大きく保証する方針である。売
り上げの減少を補うため、今まで予定されていた1億5千万オイロで
はなく、2億1千万オイロを、ヨーロッパの農家は受け取る。

法相「原発廃止は法的に攻撃を受けることはない」

連邦法相ロイトホイサー・シュナレンベルガー(自由民主党)は、
原発廃止の閣議決定が法的に維持できないのではないか、との疑い
に反対した。残りの電力供給量をそれぞれの施設に柔軟に振り分け
ることで、発電業者の財産権は守られている、と彼女は「ミュンヒ
ェン メルクール」紙に述べた。これより前に自由民主党事務長リ
ントナーは、電力会社が賠償請求を行なう可能性がある、と警告し
ていた。ハレで発行されている「中部ドイツ新聞」の情報によれ
ば、原子力発電の廃止で、連邦だけでも2015年までに70億オイロ
の経費が必要で、これはキリスト教民主、社会同盟の予算の専門家
バルトレの計算である。

トルコはシリア難民に国境を開くと約束

トルコ首相エルドアンは、隣国シリアからの難民に、国境を開いて
おくと約束した。また彼は、大統領アサドに、早期にそして信頼で
きるやり方で政治を変えるよう、改めて求めた。シリアからの難民
の波は、途切れることがない。トルコ外務省の発表によれば、3月
に抗議行動が始まって以来、4百人以上のシリア人が安全を求めて
トルコにやってきた。国境近くの小都市ジスル アル・ショグルの
人を含め、住民の多くは政府軍の報復攻撃を恐れている。彼らが住
む村落では、治安部隊の120人ほどが遺体で発見された。英国とフ
ランスは、この間に国連安全保障理事会で、決議を行なう、と予告
した。国連はシリア政府をデモを残酷な仕方で弾圧した、と非難す
ることになる。




6月9日(木)

社民党と緑の党は原発の転換に賛成すると発表

連邦議会で社会民須藤と緑の党は、連邦政府の原子力発電を廃止する法律に賛成す
る方針である。ただし野党側の演説者は、首相アンゲラ メルケルの方針転換は遅
く、更新可能な電力拡大には熱心ではない、と非難した。これに対してメルケル
は、原子力政策を転換したことを擁護し、野党および国民に支援を求め、新たな電
力計画は大きな課題であって、ドイツにとっては好機でもある、と述べた。またキ
リスト教民主同盟の政治家である彼女は、自分の原子力技術に対する態度は、日本
の福島の原発事故の後に変化したことも認めた。
一方ドイツ最大の電力会社EONは、イーザル第一およびウンターヴェーザーの原子
力発電所は、運転中止期間が終了した後、法的な指示がなくても、運転を再開しな
い、と発表した。

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リビア連絡組織は反乱勢力に対する財政支援を協議

湾岸の首長国アブ ダビでは、いわゆるリビア連絡組織が、リビア
元首カッザーフィーに対する抵抗運動に対する財政支援を協議して
いる。この話し合いにはNATOが指揮するリビアでの郡の活動に参
加している国すべてを含め、40カ国ほどが参加している。ベンガジ
の移行政府の代表は、食料品と医薬品の国民の需要を満たすために、
まず凍結されたリビアの資金の返還を求めた。会議の参加者は基本
的には、反乱勢力支援のために基金を創設することで、既に合意し
ている、との情報もある。どれだけの資金があれば足りるのかは、
まだ不明である。ドイツ政府は既に、再建を支援すると約束してお
り、カッザーフィー失脚後には、ドイツ兵を国連の指揮下でリビア
に派遣する可能性を、完全に否定してはいない。

国連で拒否権を持つロシアはシリア決議を阻止

国連安全保障理事会で拒否権を持つロシアは、現在議論されている
シリア政府に対する決議を拒否した。この決議では、シリアの緊迫
した情勢をさらに悪化させる可能性があり、国際社会は元首アサド
の政権に、発表した改革を実施するための時間を与えるべきだ、と
ロシア外務省は発表した。ドイツ、英国、フランス、ポルトガルが
呈示した決議案の文言では、シリア野党に対する暴力の即時中止
と、軍による都市の包囲の中止を求めている。さらに政治改革、武
器の禁輸も科されている。一方トルコでの報道によれば、トルコは
隣国シリアから百万人ほどの難民の波が押し寄せるのに準備を進め
ており、今のところ2千人をはるかに越える人々が、国境を越えて
脱出した。

ヨーロッパ中央銀行は基準金利は変えない

ヨーロッパ中央銀行は、物価上昇の懸念があるにもかかかわらず、
金利を変更しない。フランクフルト アム マインでの発券銀行協
議の決定によれば、オイロ使用圏での基準金利は、1.25%のままで
ある。オイロ使用地域の物価は、今年は今までの予想よりも、はる
かに大きく上昇する、と同銀行は見積もっている。電力、燃料価格
の高騰で、物価の値上がりは2.6%へと上昇する、と同銀行総裁トリ
シェは述べた。彼は先に、いくつかのオイロ使用国の経済状態が悪
いことに配慮する故はできない、と繰り返し強調したばかりであっ
た。しかし専門家の見方によれば、ギリシアなどの負債を抱えた国
々の情勢のため、極端な安い貸付を行なうとの政策で、為替相場で
の調整措置の速度が遅くなっている。




6月10日(金)

腸管出血性大腸菌がようやくモヤシから検出

生命に危険を及ぼす腸管出血性大腸菌が、数日前から疑いを持たれていたニーダー
ザクセン州のオーガニック農園産のモヤシから、ようやく検出された。ノルトライ
ン・ヴェストファーレン州農業省の発表によれば、ボン近郊のある家族のゴミ容器
に入っていたモヤシから見つかったが、この家族のうち2人が5月に腸管出血性大
腸菌に感染していた。キュウリ、トマト、サラダを食べないようにとの警告が、
2週間以上前から出されていたが、これは解除され、モヤシを食べないようにとの
警告だけが維持されている。今までのところ、この農園に対する容疑は、間接証拠
によるものである。このオーガニック農園から得られた数百の試料のうち、生産品
からも、機械からも、水の中からも菌は検出されなかった。連邦全体では今までに
少なくとも30人が、攻撃性の強いこの菌に感染して、死亡していた。この腸管出
血性大腸菌に感染した人は、合わせて2千人を越えた。

     その他のニュース

ロシアはEU産の野菜に安全の証明を求める方針

ロシアはEUからの野菜の輸入中止を、安全の証明がある場合に限っ
て、中止する方針である。1週間前に腸管出血性大腸菌が原因で科
された野菜輸入禁止は、納入ごとに実験室での証明が得られる場合
には、中止する、とEU委員会議長バローゾと、ロシア大統領メドヴ
ェージェフは、ニジニ・ノヴゴロドで開かれたEU・ロシア首脳会談
の後で発表した。この首脳会談では、その他の議題については解決
策は見いだされなかった。ロシアの世界貿易機関WTOへの加盟は、
いくつかのも問題の解決が必要であるが、年末までに行なわれる予
定である。メドヴェージェフの見方によれば、入国にあたって査証
を取る義務を免除する交渉は、「正しい道」を進んでいる。

連邦議会はギリシアに対する金融支援を可決

キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の与党会派の賛成多数で、
連邦議会は国家としての倒産の危機にあるギリシアに対する新たな
金融支援を、原則的に承認した。ただし可決された政府の動議は、
民間の債権者の参加、国会の事前承認、ギリシア政府側が厳しい改
革を進めることを条件としている。連邦蔵相ショイブレはこれより
前に、ヨーロッパ全体および世界の経済成長のために、オイロ使用
国の支払能力を損なわないようにと警告した。連邦首相メルケルは
この投票で、間もなく行なわれるEU全体での交渉を支援するつもり
である、と政府広報は述べた。これに民間の債権者が参加するかど
うかは、まだ不明である。倒産を回避するために、ギリシアはさら
に9百億オイロの金融支援を必要とする、とEUの外交官は発表し
た。すでに1年前にギリシアには、諸外国は総額1千1百億オイロの
緊急融資を約束していた。

シリアは反体制派に軍事攻勢 死者発生

シリア軍は同国北西部のイドリブ州で、予告していた反体制派に対
する攻勢を開始した。戦車を投入して、ジスル アル ショグル近
郊のいくつかの村落を、砲撃した。人権活動家の話によれば、少な
くとも21人が死亡した。また金曜日の祈祷の後にはいくつかの都市
で、再び数千人が路上に繰り出し、体制の打倒を呼びかけた。アラ
ブ系のテレヴィ局のほうどうによれば、少なくともデモ隊の5人が
射殺され、その中には子供1人も含まれている。国連安全保障理事
会は、この金曜日に、大統領アサド政権がデモ隊に対して、厳しい
措置を取っていることを非難する国連決議について、調整を行なう
模様である。軍事攻勢が強まる恐れから、今週初めから数千人がト
ルコに逃げ込んでいた。




6月11日(土)

東アフリカのアル カーイダ首領の死を米国が確認

テロ組織網アル カーイダの東アフリカでの首領と見られるファズル アブダラ 
モハンメドが死亡したことを、米国は確認した。米国外務大臣ヒラリー クリント
ンは、訪問先のタンザニアの大都市ダルエスサラームで、これはアル カーイダの
テロに対して、最も大きな打撃である、と述べた。ソマリア移行政権の発表によれ
ば、アブダラは、首都モガディシュ近郊の道路監視所で、治安部隊に射殺された。
コモロ生まれのアブダラは、ダルエスサラームとケニアの首都ナイロビの米国大使
館を、1998年8月に襲撃し、合わせて224人の死者を出したテロ攻撃の、黒幕と
目されている。米国は、この最重要テロリストと目される人物の居所の情報に
5百万ドルの報酬を出していた。アル カーイダの首領ウサマ ビン ラーディン
が、米国の特殊部隊に殺されてから、アブダラはその後継者の1人と見られてい
た。

     その他のニュース

イエメンでアル カーイダと戦闘

イエメン国防省の発表によれば、同国南部で、テロ組織網アル カ
ーイダに属する者と、政府軍の間で激しい交戦が行なわれた。この
戦いでアル カーイダから21人戦闘員と兵士10人が死亡し、アビ
ヤン州の最重要都市でありシンジバル市内部とその周辺で起きた、
と同省は発表した。シンジバルは2週間前に、アル カーイダの戦
闘員に占領されていた。一方AFP通信は、イエメン大統領サーレハ
の状況はあいかわらず悪い、と伝えている。サーレハはサウディ・
アラビアの病院で手当てを受けている。彼は6月上旬に、自分の居
所が榴弾の攻撃を受けた際に、負傷していた。数ヶ月前からイエメ
ンでは野党がサーレハの辞任を求めていた。

シリア軍は野党の拠点に迫る

シリアでは軍は再び、大統領アサドに反対する勢力に、極めて厳し
い対処をしている。人権活動家の情報によれば、政府軍は再びシリ
ア北西部のジスル アル・ショグルに押し寄せた。ここは、政府と
野党が対立する中心地である。通信社の報道によれば、多くの住人
はこの小都市から逃げ出しており、トルコにいるシリアからの難民
の数は、4千3百人に増えた。野党勢力の発表によれば、金曜日には
反アサドのデモが全国各地で行なわれ、36人が死亡した。ジスル 
アル・ショグル近郊では、兵士がヘリコプターからデモ隊を砲撃し
た。

シリア大統領は国連を軽視

シリア大統領アサドは、デモ隊に対して武装した兵力を投入して、
流血の事態を招いたため、批判にさらされているが、国連を無視し
た。国連の広報の発表によれば、アサドは国連事務総長潘との電話
会談を拒否した。シリア側は潘に対して、アサドは潘の思いのまま
にはならない、と伝えてきた、とのことである。国連はその他に、
潘はアサドに対して、自国民に対する暴力行使を止めるように求め
るつもりであった、とも述べた。




6月12日(日)

トルコ与党公正発展党は国会議員選挙で勝利

トルコでは国会議員選挙が終わり、首相レジェップ タイップ エルドアンの政党
が、明確な勝利を収めた模様である。最新の最終得票予想によれば、彼のイスラー
ム教に基づく保守派の政党公正発展党AKPが投票のほぼ51%を獲得した。野党共和
人民党CHPは、これに次いで26%ほどとなった。民族主義行動党MHPは、約13%の
得票で、国会議員を出す。クルド人政党平和民主党BDPは、トルコの選挙法に定め
られた10%の制約をを下まわったが、同党の候補者は正式には無所属の候補者とし
て立候補しているので、うち数人が国会に議席を得る。エルドアンの公正発展党の
選挙での目標は、国民投票を行なわないで憲法修正計画を実現するために、合わせ
て550議席のうち3分の2を獲得することであった。最新の数字によいれば、この
計画は失敗に終わった。首相の政敵は、エルドアンは新たな憲法を作り、権力を守
るつもりである、と考えている。

     その他のニュース

ヴェスターヴェレはシリアでの軍の活動中止を求める

ドイツ外相ヴェスターヴェレはシリア軍の野党に対する措置を非難
した。暴力と重火器の使用によって、同国北部には人道上の危機が
迫っている、と彼はベルリンで述べた。ヴェスターヴェレはシリア
政府に対して、体制を批判する人たちに対する攻撃を止め、この地
域へ支援隊が立ち入れるように求めた。また彼は、シリアの情勢が
危機をはらんでいるため、国連安保理ははっきりした対策を取るこ
とが緊急に必要である、ドイツも共同提案した決議案を、できるだ
け早く可決しなければならない、と強調した。この決議案の文言に
は、暴力の非難と武器の禁輸が含まれているが、ロシアと中国は、
これに反対している。シリア軍はこの間に、北西部の小都市ジスル
 アル・ショグルを数日に渡って包囲した後、攻略を開始した。国
営放送によれば、この作戦には約2百台の戦車が参加し、政府の批
判家たちが殺害された、とのことである。

リビア西部で再び激しい戦闘

リビア西部では、蜂起勢力と権力者カッザーフィーの軍が、再び激
しい戦闘を行なっている。通信社の報道によれば、政府軍は首都ト
リポリの南西1百キロ少しのシンタンの郊外を砲撃した。犠牲者が
でたかどうかについては、発表がない。シンタンは反乱勢力が押さ
えている。カッザーフィーに忠実な兵士たちがこの地域の村落の包
囲しているが、反乱勢力は数日前からこれを終了させようとしてい
る。土曜日には既に、西リビアの都市サウィヤでは、新たに戦闘が
勃発した。野党の発表によれば、この戦闘で数人が死亡した。デン
 ハーグの国際刑事裁判所の主席検事オカンポは、カッザーフィー
がその支持者によって早くも逮捕されるとの期待を表明し、そうな
らない場合には、反乱勢力の国民移行評議会が、それを行なわなけ
ればならない、とスペインの新聞「エル ムンド」に述べた。

イラン「再び反体制派がハンガーストで死亡」

イランでは逮捕された体制批判家が、ハンガーストライキを行なっ
た末、死亡した。ISNA通信の発表によれば、記者サベルは心筋梗
塞で死亡した。54歳の彼は、大統領アフマディネジャドの疑惑の再
選に対して抗議をしたため、2年前に拘留されていた。彼はテヘラ
ンの悪名の高いエヴィン収容所で、10日前からハンガーストライキ
を行ない、反体制派のサヘビの死が解明されていないことに抗議し
ていた。反政府勢力によれば、彼女は父親の埋葬のときに、警官に
よって殴られ、その後死亡した、とのことである。




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