6月13日〜19日のオーストリアのニュース



6月13日(月)

     国外ニュース

バーレーンの抗議活動 政府は医師に対する裁判を開始

バーレーン王国では月曜日、医師と看護婦合わせて48人に対し、特
別裁判所での反対意見もある裁判が始まった。独裁的な政府は、サ
ルマニヤ病院の職員に対して、国家を敵対視する陰謀を企み、弾圧
された親民主化運動の期間中に、中心的な役割を果たした、と非難
している。人権団体は、この措置を厳しく非難し、医療関係者を犯
罪に問うことは、病院に攻め込んだことを後から正当化しようとす
る試みに過ぎない、と述べている。自白は拷問によって無理強いさ
れたものである、との非難も出ている。

     国内ニュース

米国の調査は外国人差別を批判

「世界司法計画」が66カ国の法治国家の状態に関して比較調査を行
なったが、スウェーデンとノルウェイが他を大きく引き離して1位
であった。この判断でオーストリアは、「基本的な権限の保護」の
部門では、第5位であった。月曜日にワシントンで発表されたこの
調査では、警察による外国人差別が非難されていた。米国は上位
3分の1に甘んじなければならず、ヨーロッパの後塵を拝した。基本
的な権利の擁護では、米国は19位、民事部門では21位であった。
ドイツの法治主義には大きな賞賛が送られた。




6月14日(火)

     国外ニュース

ギリシア救済で銀行が参加の方向が見える

倒産に直面しているギリシアが、火曜日にオイロ使用国の大蔵大臣
による特別会議の中心議題となった。たとえさらなる支援措置が可
決されなくても、民間の債権者が救済に参加する兆しがますます強
まっている。オーストリアを含めオイロ使用国の多数には、ギリシ
ア救済には銀行などを参加させる用意がある模様である。2008年
の金融恐慌の期間中に早くも、ウィーン処理として、東ヨーロッパ
ではこのような事件が懸念されていたことを、大蔵大臣フェクター
(国民党)は指摘した。

     国内ニュース

学校の新制度 上級学年では今後は留年は行なわない

がっ国制度改革で、政府は次期の計画に合意した。上級学年では留
年は実質的に過去のものになる。これを教育大臣シュミート(社会
民主党)と国民党の教育問題の専門家アモンが火曜日に発表した。
落第しそうな生徒は、学習家庭教師と補習授業で支援する。悪い成
績を取った場合には、すべての授業ではなくて、4課目あるいはそ
れ以上が悪い成績だった場合を除いて、一部分だけを再履修とす
る、というものである。




6月15日(水)

     国外ニュース

パパンドレウは辞任ではなく内閣改造

ギリシア首相パパンドレウは野党に対して、「国を一つにまとめ上
げる」政府を樹立するために、自分の席を空けると「提案」した
が、これは短時間しか続かなかった。水曜日にこれに関する報道が
あった数時間後には早くも、自分は辞任するのではなく、木曜日に
内閣を改造する、と発表した。「私は自らの政党とギリシア国民と
ともに、今までの道を歩みつづける」とギリシアのテレヴィでパパ
ンドレウは述べた。これより前には、政府の支出削減の断固たる方
針に反対する集会がアテネで開かれ、デモ隊と治安部隊が衝突して
いた。パパンドレウの公用車には、大量のオレンジが投げつけられ
た。

     国内ニュース

雇用に関する法律 オーストリア人はむしろ悲観的に

オーストリアの被雇用者は、自分の権利が問題に関しては、未来に
対してはむしろ不安視している。労働会議の委託で行なわれた世論
調査では、被雇用者の多数が雇用に関する自分の法的な状況が、こ
の数年で悪化したと受け止めている。この調査によれば、労働法は
被雇用者の多数にとっては、比較的知られていない分野である。使
用者側はこれを自分たちに都合よく利用している、と被雇用者の多
くは推測している。この調査の結果、一般的な疑惑には理由がな
く、被雇用者の不安には根拠がないことが示された。




6月16日(木)

     国外ニュース

ギリシア倒産は世界的財政危機の危険 長期的な解決を求める

最近の財政危機の後、世界各地の金融市場は努力の末、安定を取り
戻している。いまや主要な銀行家は、倒産の危機にあるギリシア
が、悪い方向への回転をもたらすことがないように、と警告してい
る。EUが支援の支払いに関して対立し、ギリシアでの政府内部で争
い起きているのをまのあたりにして、専門家たちは緊急に、長期的
な真の解決を求めている。

     国内ニュース

シュトラサー事件を受け陳情活動法に社民党と国民党が合意

数週間にわたる対立を終え、とっくに成立しているべき汚職対策法
に関する話し合いが、行き詰まり状態から動きが出ている。社会民
主党は、両議会が計画している陳情活動家の登録に反対するのを止
める。ただし陳情活動を行なうものにとってより、両議会にとっ
て、この法律ははるかに厳しくないものとなる。陳情活動家と利益
受給者代表を明確に区別することになるためである。国民党は引き
換えに、政治家が副収入をどこから得るかだけではなく、その額も
公表することが考えられる、としている。




6月17日(金)

     国外ニュース

非優良顧客向け融資の失敗 格付け会社が訴えられる

「ウォール ストリート ジャーナル」紙によれば、米国の主要な
格付け会社には、困難な状態が突然訪れる。同紙によれば、米国証
券監視所SECは、米国の2007年の不動産の高騰が値崩れする前に、
有価証券の格付けを誤った件で、訴訟を検討している。投資が大幅
に打撃を受けて無価値になる原因となった非優良顧客向け融資の失
敗が、世界的な財政および金融恐慌を引き起こした。実際に訴訟が
行なわれ、判決がでれば、格付け会社は、いくつかのウォール ス
トリートの銀行同様に支払いを求められる可能性がある。

     国内ニュース

自由党は影の内閣を含めた新たな計画を呈示

次回の国民評議会選挙をにらんで、自由党は自分たちの政権担当能
力に対する疑いを晴らす方針である。土曜日にグラーツで開かれる
党大会で、党首シュトラーヘは、新たな計画を提出するだけでな
く、「未来の内閣」も提出する方針である。党の新綱領の中には、
移民政策のいつもの強硬な方針と、「ドイツ文化共同体」の価値を
認めるもとが含まれている。自由党は今までより多く場所を、経済
政策に割いており、ここでは明確に反EUの方針が中心となってい
る。




6月18日(土)

     国外ニュース

ユンカーはEUの資金で更にギリシアを支援するのに賛成

オイロ使用国の代表ユンカーは、ギリシア危機に直面して、これが
他国に影響を及ぼす危険性があり、そのため既に調達した貸付金の
他に、EUの財源から追加の支援を行なうように提案した。ヨーロッ
パは、ギリシアの協調融資の義務に関連する「硬直した態度」を捨
て、打撃を受けたギリシアの協調融資を義務づけるよう拒否し、ギ
リシアに再び希望を与えなければならない、と彼は述べた。日曜日
午後から、オイロ使用国の大蔵大臣が、2日間の危機対策会議をル
クセンブルクで開き、ギリシアに対する次回の支援金の支払いを決
定し、その後の支払いについても話し合いを行なうことになってい
る。

     国内ニュース

自由党党大会 シュトラーヘは首相就任を目指す

自由党党首シュトラーヘは、次回の選挙後に、連邦首相として政府
の先頭に立つ意向である。「その通り、私はその要求を立てる」、
なぜなら自分のほうが「ウェルナー ファイマン氏よりも良い首相
であるからだ、と土曜日にグラーツで開かれた党大会でシュトラー
ヒェは述べた。「社会民主党と国民党の期待はずれの政治家たち」
は、この国に対立をもたらしたが、自由党は逆に現在、最も強い勢
力となる状況にある、との述べた。また彼は、「未来の内閣」と党
の新綱領を発表した。その後、彼は94.36%の支持で、党首に再選さ
れた。




6月19日(日)

     国外ニュース

チュニスでの裁判を前にベン アリはすべての容疑を否認

チュニスの裁判所の刑事部門で、月曜日には失脚した大統領ベン 
アリとその妻レイラ トラベルシに対する裁判が始まる。元大統領
に対しては、93の訴訟理由が挙げられている。事前に弁護士を通じ
てすべての容疑が否認している夫妻の巨額な不当利得が、問題とさ
れている。両被告は法廷には姿を表わさない。夫妻が現在滞在して
いるサウディ アラビアに対する引渡申請には、まだ解答がない。

     国内ニュース

オーストリア人は政治家をほとんど信頼せず

オーストリア人の自国の政治家に対する信頼は、最低の水準に下が
った。政治家たちが、未来に向けてオーストリアによい準備をさせ
ている、と考えるオーストリア人は、10人に1人もいない。この調
査を行ったのはザルツブルク専門大学の未来研究所本部である。オ
ーストリアの政治家がオーストリアを良い方向に導いている、と考
える人は8.5%であった。




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