6月20日〜26日のドイツのニュース



6月20日(月)

EUは新たな危機対策基金に合意

数ヶ月にわたる議論の末、EUは疲弊したオイロ使用国に対し、新たな危機対策基
金を作ることで合意した。オイロ使用国連合の会長ジャン・クロード ユンカー
が、ルクセンブルクでのEU大蔵大臣会談後にこれを発表した。いわゆる「ヨーロッ
パ安定化機構ESM」の基金は、7千億オイロの資金源を持ち、2013年に長期的な
形で設立されることになっている。8百億オイロが現金で預金されねばならない。
ドイツは220億オイロを出資する。これより前にオイロ使用国の蔵相は、ギリシア
国会が支出削減に賛成してから、120億オイロの貸付金を、2010年支援策から支
払う、と決定していた。各国蔵相は7月上旬に、これを決定する意向である。それ
までに、最大で1千2百億オイロの新たな支援計画について、判断基準を確定する
ことになっている。蔵相の決議によれば、これには銀行や保険会社など、民間のギ
リシアの債権者も、みずからの意志で参加することになっている。

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パパンドレウはファン ロンパウを訪問

EU評議会議長ファン ロンパウは、ブリュッセルでギリシア首相パ
パンドレウはと会談を行ない、さらなる支出削減を行なうように呼
びかけた。また彼は、自分はパパンドレウに信頼を寄せており、ギ
リシア経済改革に向けた努力を高く評価している、と述べた。国内
で政治的な生き残りをかけて戦っているパパンドレウは、ギリシア
をよりよい経済情勢に導くためには、必要なことを行う、と約束し
た。ギリシアがEUから巨額の資金を得られると期待できるまでに、
ギリシアは780億オイロの支出削減と民営化を可決しなければなら
ない。火曜日夜には、ギリシア国会は、パパンドレウが提出した信
任案に投票を行なう。パパンドレウが国家再建経過鵜を前進するの
に必要な、過半数を得られないのではないか、とEUは懸念してい
る。

ギリシア問題の解決が遅れ株式指数は打撃

ギリシア問題の解決が遅れたため、株式投資者は失望している模様
である。ドイツ株式指数は、わずかであるが0.2%下がって、7150
となった。

チュニジア元大統領ベン アリの裁判

チュニジアでは失脚した大統領ベン アリとその妻レイラ トラベ
ルシの最初の裁判が始まった。夫婦はサウジ・アラビアで亡命生活
を送っており、この裁判手続きは両被告が欠席のまま行なわれる。
チュニスでの裁判は、アリとその妻が国家の資金を利用して、巨額
の資産をため込んだとの容疑を中心とするものである。元大統領は
すべての容疑を否認している。ベン アリとそのとりまきに対して
は、90以上の基礎理由がある。重大な容疑は、殺人、虐待、資金洗
浄で、これはのちほど軍事裁判所で取り扱われることになってい
る。アリは1月にアラブ世界の独裁的支配者の先頭を切って、国民
の蜂起により失脚していた。74歳で重病とされる彼は、弁護士を通
じて、この裁判は「政治的な裁判である」と捕らえている、と主張
した。チュニジアの新政権はこの裁判で現在の同国の問題点から、
目をそらさせようとしている、と彼は非難した。




6月21日(火)

オバマは今年1万人の兵士をアフガニスタンから引き揚げる

放送局CNNとAP通信の情報によれば、米国は年内にも約1万人の兵士をアフガニス
タンから引き揚げる。夏じゅうに約5千人が、その後2011年の末までにさらに5千
人が引き揚げる、と国防省高官の話として伝えられている。また2012年末まで
に、部隊は合わせて3万人ほど削減されることになっている、とのことである。大
統領バラック オバマは、議会の圧力が強まる中、水曜日にヒンドゥクシからの撤
退計画の詳細を発表する方針である。その際には、安全面での責任を徐々にアフガ
ニスタン人に引き渡すことが重要であり、大統領府は発表した。オバマはその理由
として、反乱勢力タリバーンに対する戦略が、徐々にではあるがはっきりした成果
を上げており、アフガニスタン南部などに押し戻している点を指摘する意向であ
る。

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バローゾは景気刺激を支援してギリシアの要望に応える方針

EU委員会は高額の負債を抱えるギリシアに、EU組織基金から10億
オイロを前倒しして融資し、経済を活性化させる方針である。ギリ
シアの支出削減の努力は、労働市場および近代化に向けて、刺激を
与えるものでなければならない、地域振興による手段を前倒しし、
条件を緩和することでそれが可能となる、と同委員会議長バローゾ
はブリュッセルで述べた。首相パパンドレウは、労働者、職員、年
金生活者の負担を増やすだけでなく、同時に景気も停滞させてい
る、との非難を繰り返しうけている。アテネでは火曜日夜に、パパ
ンドレウに対する信任投票が行なわれることになっている。彼の社
会党は国会で、ぎりぎりの過半数を握っているに過ぎない。6月末
には、さらなる支出削減と民営化の計画に関して、決断が下され
る。オイロ使用各国の大蔵大臣は、この大規模な支出削減に議会が
賛成しなければ、ギリシアは新たな資金を手に入れることができな
くなり、倒産の危機に立つことになる。

ポルトガルは困難を前に新政権を持つ

倒産の危機に直面するオイロ使用国ポルトガルでは、首相コエーリ
ョの保守党新政権が、職務を引き継いだ。大統領シルバは、リスボ
ンで行なわれた宣誓式の後、ポルトガルは自分の置かれた境遇を越
えて生活し、収入以上に支出することは許されない、ポルトガルは
多くの犠牲を払わなければならない、と述べた。首相コエーリョ
は、最重要課題として、国家財政の安定、経済の新たな成長、雇用
の創出を挙げ、EUおよび国際通貨基金と合意した支出削減の条件を
守って行く、と述べた。縮小された内閣の新蔵相には、無所蔵の国
民経済学者ガスパールが就任したが、彼はEU委員会とポルトガル中
央銀行の顧問を務めていた。6年間首相を務めたが、6月5日に予定
を早めて行なわれた選挙では再選されなかった社会党のソクラテス
の後継首相に、コエーリョは就任した。

ドイツとポーランドは見本的な協力関係を目指す

ドイツとポーランドは、ヨーロッパの政治および経済の統一に向
け、見本となるような特質を備え、より力を結集した協力関係を持
つことで合意した。ドイツ首相メルケルとポーランド首相トゥスク
が率いる両国政府は、ワルシャワでの合同閣議で、今後数年の90以
上の構想を含む計画を可決した。その中には、担当大臣のより密接
な意見交換、経済および文化部門でのより緊密な調整が取れた協力
体制を作ることも含まれている。外国に共同して大使館を立てるこ
とも検討される。両政府は第11回ドイツ・ポーランド政府協議で、
EU拡大およびロシアとの関係改善を支持した。ポーランドは7月
1日からEU評議会議長を務めるが、ドイツはポーランドを支援す
る、と約束した。隣国条約署名から20年の記念日が近いことを受
け、メルケルはドイツとポーランドの歴史を、対立を平和的に克服
する方向を他の国々に示すものだ、として賞賛した。




6月22日(水)

専門労働力不足に関する首脳会談

連邦首相アンゲラ メルケルは、経済界と労働組合の代表と、専門家不足に関して
話し合う。ブランデンブルク州のメーゼベルク城での首脳会談には、複数の連邦政
府の閣僚も出席する。この会議では、増加する専門家の需要にどのように応える
か、という問題が議論される。メルケルは会談前に、外国人の就業希望者が参入す
るのを、さらに容易にすると予告した。これより前に内閣は、専門家に関する計画
を可決していた。それによればたとえば、外国出身の技師や医師をドイツへ受入れ
る数を増やすことになっている。こうした人のためには、今後はいわゆる「優先権
調査」を省略することになる。これにより就職斡旋所は、第三国の国民を雇いいれ
る前に、その職に対して国内あるいはEUから応募者する人がいるかどうかを、調査
する必要がなくなる。

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連邦政府は具体的な減税計画をなしくずし的に破棄

キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権の減税計画を、
政府広報ザイベルトはなしくずし的に破棄した。彼はベルリンで、
減税に関する確固とした取り決めはない、低所得者、中間層の負担
軽減は基本的には計画はされているが、日程や規模については決定
は下されていない、と述べた。減税に関する具体的な合意の報道
は、これより前に激しい抗議を引き起こしていた。複数の州首相が
連邦参議院で、これに抵抗する、と予告した。野党の代表はこの計
画は、キリスト教民主、社会同盟から自由民主党に対する単なる贈
り物である、と非難した。

中国政府を批判する艾未未が保釈金を支払って自由の身に

中国の芸術家で態勢を批判する要人艾未未(アイ ウェイウェイ)
は、2カ月半以上に渡る拘留の末、保釈金を支払って自由となっ
た。中国国営通信新華社は、彼が釈放されたのは、罪の告白を行な
い、健康状態が悪化したためである、と報じた。新華社によれば、
艾は税法違反を告白した、とのことである。彼の家族は彼に対して
起こされた脱税容疑を否定していた。北京の彼の作業場前で待ち構
えていた報道関係者に対して、艾は支援に感謝の言葉を述べた。彼
は釈放の条件にあるため、それ以上の情報を発表しようとはしなか
った。4月3日に艾は逮捕され、それ以降拘留されていたが、その場
所は発表されなかった。ドイツ外相ヴェスターヴェレは、釈放に関
する報道を聞いて、大きに安堵した、と述べた。来週初めからベル
リンでは、第1回ドイツ・中国政府協議が行なわれる。

ロシアはEU産野菜の輸入再開を約束

ヨーロッパの農家は近い未来に、生産した野菜を再びロシアに出す
ることができる模様である。EUとロシアはモスクワで、輸入停止の
撤廃に関する基本的な協定に署名した。ただしロシア側は、輸入再
開は両者が責任ある監視役の研究所の一覧表に合意が成立してから
である、との制限を科している。ロシアの要請に応えて、すべての
野菜の輸出は当面は、危険な腸管出血性大腸菌を含んでいないとの
証明書をつけて行なわれる。




6月23日(木)

ギリシア救済がEU首脳会談の中心議題に

ドイツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領ニコラ サルコジは、EU首脳会
談でギリシア救済を中心案件にする。ブリュッセルでの会議開始の直前に、彼らは
他のEU首脳と、高額の負債を抱え、倒産の危機にあり、緊急にさらなる資金を必
要とするギリシアの危機について協議した。正式にはギリシア政府の救済は、首脳
会談の議題には上がっていなかった。ただし直接の影響力を持つ決定が下されるこ
とはない、とメルケルは述べた。また彼女は、ギリシア政府がさらなる支援をあて
にできるようになるまでには、ギリシア政府みずから行動しなければならない、と
いう点を明確にした。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾは、EUの予算か
ら10億オイロを、立て直しのための基金の資金にギリシアに前貸しすることを提
案し、加盟各国はギリシア政府の責任者が、意味ある景気対策を提案するのを手助
けすべきである、と述べた。ただし外交官筋の情報によれば、各国首相はギリシア
が次回の借り入れ120億オイロを7月に得るのを期待できるよう、準備を進める意
向で、この資金がなければ、ギリシアは7月中旬に支払不能に陥る、とのことであ
る。

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ギリシアはさらなる支出削減を発表

ギリシア蔵相ヴェニゼロスは、迫り来る国家としての破産との戦い
で、一連の支出削減を提案した。それによれば、所得税がかかる下
限を今までの1万2千オイロから、8千オイロに引き下げ、燃料用油
の税金を引き上げ、自営業者にも税に支払いが求められる。さらに
収入に応じて1%から5%の連帯税が徴収される、とのことである。高
位の官職についている人や国会議員は、最高の税率が課される。さ
らにヴェニゼロスは、負債の危機解決の模索にギリシアの銀行も参
加するように求め、政府は国際通貨基金およびEUの代表と、さまざ
まな取りうる対策を協議している、と述べた。

米国経済と負債の危機に関する懸念が株式市場に悪影響

米国経済に関する不安とヨーロッパで起きている負債の危機の今後
の動向の不安定な要因が、ドイツの株式市場に悪影響を及ぼしてい
る。主要な株式指数であるドイツ株式指数は、1.8%下がって、7149
となった。

アフガニスタン危機 裁判所は国会選挙の結果を無効に

アフガニスタンの問題の国会議員選挙からほぼ9カ月、特別裁判所
はずっと以前から流れていたごまかしがあったとの疑いから、重大
な結果を引き出し、これにより内政上の危機が生じた。すべての有
効な票を集計し直し、数千の抗告の調査を行なったところ、裁判官
たちは一連の選挙結果を修正した。それによれば下院の249人の国
会議員のうち60人以上が議席を明け渡さなければならない。34の州
のうち33の州で、結果が無効とされた。国民の代表はこの決定を、
憲法違反として拒否している。政治の中断をどのようにすれば解決
できるかは不明である。多くの国会議員は、この特別裁判所は、大
統領カルザイが、意に染まぬ野党陣営を国会から追放するための組
織である、と見ている、と発表した。




6月24日(金)

EU首脳会談 ドラギが欧州中央銀行総裁に クロアチア加盟に賛成

ヨーロッパ中央銀行新総裁にイタリア人のマリオ ドラギが就任する。EU加盟各
国首脳は、ブリュッセルでの首脳会談でこれに合意した。その代わりに、ドラギと
同じイタリア人であるロレンツォ ビニ スマギは、年末までに同銀行の幹部を辞
任する意向である。これに固執したのはフランスで、そうしなければ現在の同銀行
総裁ジャン・クロード トリシェの退任後に、フランスからは首脳部に代表を送れ
なくなるためである。EU首脳会談は、クロアチアをEUの28番目の加盟国として受
入れることも決定した。クロアチア人が国民投票でこれに賛成すれば、同国は
2013年の半ばには、EUの加盟することになる。この会議と並行して、EU委員会、
国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行それぞれの専門家は、木曜日の夜遅くに、ギリ
シア国会が7月30日までに採決する支出削減計画の詳細について、ギリシア政府と
合意していた。この計画には、2014年までに780億オイロの支出を削減すること
が含まれている。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、今回のEU首脳会談では、投
票がうまくいった場合には、ギリシアに対して新たな支援計画が取られることを取
り決めた、と述べた。あわせて首相は、首脳会談の成果を肯定的に評価し、極めて
好ましく良い協議が行なえた、と述べた。

     その他のニュース

EU首脳会談は移住の自由に賛成 例外規定を設ける

ヨーロッパの国境管理の新しいあり方をめぐって、対立が生じてい
ることを受け、EU首脳会談は、EU域内での自由な移住を支持する
と表明した。首脳会談の最終宣言で、旅行の自由はヨーロッパ統合
最大の成果の一つであり、不法な移民対策などに対する最終的な措
置としてのみ、シェンゲン協定の加盟国は、例外的な事例では、時
間と場所を制限した上で国境管理を再開することができる、と謳わ
れている。EU委員会は、9月までにこの例外に関する規則を提出す
るように求めた。加盟国間では国境管理なしで旅行できることを可
能にしたシェンゲン協定には、28カ国が加盟し、その中にはEUに
加盟していないノルウェイ、アイスランド、スイスも含まれてい
る。

シリアではデモ隊に再び暴力 EUは非難を行なうように求める

人権活動家の発表によれば、シリアでは政府軍が再びデモ隊に暴力
的な行動を取った。それによれば、警察がキスワとホムスの両市
で、デモ隊に向け銃口を開き、合わせて10人が死亡、数人が負傷し
た。金曜日の祈祷の後、いつもの週と同様に、シリアでは合わせて
数千人が路上に繰り返し、政府の退陣を求めた。シリアからトルコ
に逃げ出した難民の数は、この間に1万2千人近くに増加した。米国
外相クリントンは、シリアのトルコ国境での軍事行動を目の当たり
にし、事態を悪化させないように、と警告した。ブリュッセルで開
かれているEU首脳会談は、国連安全保障理事会でシリアを非難する
ように求め、7人の資産を追加して凍結し、彼らの入国を拒否する
との決定を下したことを確認した。さらにシリア政府とつながりの
ある4つの企業の口座も封鎖される。国家元首アサドと22人の閣僚
に対して、渡航の禁止と口座の封鎖が既に実施されている。

国連はイエメンの人権情勢を調査する方針

国連はイエメンに監視団を派遣する。月曜日から国連人権高等委員
会の職員3人が、10日間に渡って、イエメンからの部分的に錯綜す
る情報を、中立の立場から調査する。1月末以来、イエメンでは数
千人が大統領サーレハに抗議活動を続けている。抗議活動が鎮圧さ
れて血が流れたが、目撃者の話によれば、その際に少なくとも2百
人が死亡した。数十年間に渡り国家元首としてイエメンを支配して
きたサーレハは、6月初めに大統領宮で襲撃を受け、負傷したが、
手当てを受けるためにサウジ・アラビアに滞在している。




6月25日(土)

緑の党党大会で政府の原発廃止を支持

緑の党は連邦政府の原発廃止を支持する。ベルリンで開かれた特別党大会で、キリ
スト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権の電力政策の変更に関する特別党大
会では、来週木曜日に開かれる連邦会議では、核に関する新法を支持するように勧
告する連邦同党の幹部の基調提案が、多数が賛成して可決された。この法律に条件
をつけるよう求める反対派の要請は、多数の支持を得られなかった。これにより党
執行部は、一般党員に自らの意向を認めさせた。党首クラオディア ロートと会派
長ユルゲン トリティンは、緊急に提案を行ない、連立与党の原発廃止法案に賛成
することに理解を求めていた。ロートは、政府の原発廃止計画は、以前の社会民主
党と緑の党政権下での核に関する同意を若干改善した内容である、と指摘した。一
方この計画にはっきり反対する声は、緑の党の青年部から出された。その広報ゲズ
ィーネ アーゲナは、原発廃止の日程のうち、受入れられるのは2017年だけであ
る、と述べた。政府の案では2022年の予定である。

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アフガニスタンの病院が襲撃を受ける 死者多数

アフガニスタン東部の病院が自殺攻撃を受け、少なくとも20人が死
亡、25人ほどが負傷した。厚生省と内務省が首都カブールで発表し
たところによれば、犠牲者の中には女性と子供も含まれている。急
進派イスラーム教徒タリバーンは、この攻撃を起こしたことを否定
し、病院を攻撃するつもりはない、と発表した。ローガル州政府の
広報は、この犯行は爆弾を積んだ四輪駆動車を使って行なわれた、
と発表した。大統領カルザイは声明の中で、この犯行を「残虐かつ
愚か」である、と非難した。ドイツ外相ヴェスターヴェレはベルリ
ンで、「この恐るべき行為」は人間性に対する敬意を一切書いてい
る、と発表した。

シリア軍は北部の別の村落にも進軍

人権法律家の発表によれば、シリア軍はトルコとの国境近くにある
別の村に攻め入った。戦車と輸送車と共に治安部隊は港町ラタキア
と反乱軍の拠点ジスル エル シュグルの間にあるエル ナジアへ
攻め入った、とシリア人権監視所所長ラフマンはAFP通信に述べ
た。抗議運動に対して、シリア軍は既に北西部のイドレブ州の複数
の村落に進軍していたが、ここからは隣国トルコへ数千人が逃げ出
していた。シリアの活動家の情報によれば、ダマスカス近郊のキス
ワでは、金曜日に治安部隊に殺害されたデモ隊4人の葬列の行く手
を遮ったため、家族は普通の葬列を出すことなく、犠牲者を埋葬せ
ざるをえなかった、とのことである。死亡したデモ隊の葬列は、シ
リアではしばしば、大統領アサド政権に抗議する行動に発展してい
た。

パキスタンとアフガニスタンはイランと反テロ連合を結成

米国と同盟関係にあるパキスタンとアフガニスタンは、国境地帯で
のテロ活動に共同で対処することで、イランと合意した。3ヶ国の
大統領は、テヘランでの反テロ会議と並行して、年末までにイスラ
マバードでテロ対策首脳会談を再び行なうことで合意した、とイラ
ンの国営放送が伝えた。アフガニスタン大統領カルザイは、さらに
テヘランでイランの上級指導者アヤトッラー ハメネイと会談し
た。ハメネイはその席上、アフガニスタンに米軍がいる間は、本当
の治安部隊は存在できないと述べた、とのことである。彼はさら
に、米国政府の米兵10万人の3分の1を年内に、ヒンドウゥクシから
撤退させる、との計画がどれほど真剣なものなのか疑っているとも
語ったとのことである。またハメネイは、アフガニスタン再建を支
援する、とも申し入れた。




6月26日(日)

サッカードイツ女子代表は世界選手権の初戦で勝利

女子サッカーのドイツ代表は、薄氷の勝利で世界選手権に突入した。代表監督シルヴ
ィア ナイト率いる代表は、カナダ相手に2対1でようやく勝利した。試合を前に、連
邦大統領クリスティアン ヴルフが、女子サッカー世界選手権の開幕を正式に宣言し
た。彼は満員のベルリンのオリンピック競技場で、首相アンゲラ メルケルと、世界
サッカー連盟会長ジョセフ ブラッターが出席する中、世界の16強を目の当たりに
し、緊迫しそして正々堂々とした試合が行われるのを楽しみにしている、と述べた。
世界選手権の第1試合は、これより前にズィンスハイムで行なわれ、フランスがナイ
ジェリアに1対0で勝利していた。。

     その他のニュース

ショイブレ「ギリシア危機ではあらゆる準備が必要」

オイロ使用国は、高額の負債を抱えたギリシアが国家として破産す
る場合に備えて、あらかじめ準備をしている。ドイツ蔵相ショイブ
レ(キリスト教民主同盟)は「ビルト紙日曜版」に、ヨーロッパの
負債の危機が厳しくなるのを避けるために、あらゆることを行なっ
ているが、同時にあらゆる事態に備えて準備ができていなければな
らない、と述べた。彼は国家として踏査した場合にも、ギリシア危
機の影響を押さえ込むことは可能である、と見ている。政界は民間
の債権者が新たな救済計画に参加するように求めているが、ドイツ
銀行連邦連合は、これには揺れている。要求を単に断念するだけで
は済まず、預金者と所有者の資金を危険にさらす銀行も出てくる、
と同連合本部長ケマーはベルリンの「ターゲスシュピーゲル」紙に
述べた。EUはギリシア支援の第2弾を実施するために、厳しい支出
削減を求めている。この支出削減は、遅くとも火曜までに国会の可
決が必要であるが、国会では与党社会党はぎりぎりの過半数を持っ
ているに過ぎない。支出削減の政策に対する抗議から、労働組合は
火曜日と水曜日に、全国でストを行なうように呼びかけた。

中国は人権活動家胡佳を釈放

首相温のドイツ訪問を翌日に控え、中国は有名な人権活動家胡を釈
放した。37歳の胡は、3年以上にわたる拘留に服した後、釈放され
た。彼は2008年の北京オリンピック直前に、「国家権力の転覆」を
謀ったとの容疑で、3年と少しの拘留を言い渡されていた。彼はこ
れより前に、ブログや電子メール、インタヴューで、繰り返し外国
人報道関係者に、中国の人権侵害を弾劾していた。彼は2008年
12月には、ヨーロッパ議会から、人権に対する活動に対する功績に
対して、意見の自由に関するサハロフ賞を受賞していた。胡の釈放
は、芸術家で政府の批判家の艾が、警察による拘留から釈放されて
から4日目のことである。胡は田の活動家同様、自宅拘留に置かれ
るものと見られている。EUを代表して外務委員アシュトンは釈放を
歓迎した。彼女の広報はブリュッセルでAFP通信に対して、今後胡
がどのように扱われるかが今後重要であり、EUは彼がすべての権利
を取り戻すことを望んでいる、と述べた。

ズマ「NATOはカッザーフィーを殺してはならない」

南アフリカ大統領ズマは、NATOのリビア攻撃を再び厳しく批判し、
権力者カッザーフィーを殺害することがないように、と警告した。
リビアに関する国連決議は、体制打倒や、暗殺を容認するものでは
ない、とズマはプレトリアでアフリカ連合のリビア委員会の会合で
述べた。国連決議の目標は、民間人の保護であり、長期的な爆撃
は、平和的な解決の努力とリビアの安定を危険にさらす、とも述べ
た。南アフリカでの会議には、モーリタニア、ウガンダ、マリの大
統領、今後の外相が出席している。一方カッザーフィーは仲裁のた
めの会談への出席を断念した。リビア委員会は、リビアに対して新
たな計画を準備し、まもなく開かれる赤道ギニアでのアフリカ連合
の総会での可決を目指している。




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