6月27日〜7月3日のドイツのニュース



6月27日(月)

ギリシア議会は政府の支出削減策について協議

ギリシアは今週にも、1974年の民主主義回復以来、最も重要な国の方針転換を行な
う。国会は、懸案となっている首相ゲオルギオス パパンドレウ政権の 支出削減計画
について、数日間の議論を開始した。この支出削減策に関する投票は、水曜日に行な
われることになっている。今回の支出削減策は2015年までに、280億オイロの支出削
減を含んでいる。その他に国営企業の民営化によって、5百億オイロを手に入れること
になっている。EUと国際通貨基金は、120億オイロを越える更なる貸付金支払いの条
件として、この措置を受け入れることをあげている。その他に厳しい支出削減が、最大
で1千2百億オイロ新たな支援策をとり、ギリシアを倒産させないための前提である。
与党社会党は、国会ではぎりぎりの多数派であるに過ぎない。保守派の野党は、今まで
に支出削減の決定に反対している。労働組合は火曜日と水曜日の全面ストに参加するよ
う呼びかけた。

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ドイツ株式指数は若干の下落

神経質な投資家の行動が、ドイツ株式指数を若干引き下げた。ギリ
シア国会が政府の支出削減策に関する投票を行なうのを前に、ドイ
ツの機軸株式指数は0.2%下がって、7107となった。

カッザーフィーに対する逮捕命令

デン ハーグの国際刑事裁判所は、リビアの権力者カッザーフィー
と、彼の腹心2人に対する逮捕命令を出した。カッザーフィーとそ
の息子アル・イスラームおよび義兄弟で秘密情報部の部長セヌシ
は、人間性に対する犯罪を犯した容疑が持たれている。彼らには数
百人の民間人殺害、虐待、民間人に対して軍による暴力行使、国民
を威嚇するための大規模強姦の組織化の容疑がもたれている。刑法
上の観点からすれば、カッザーフィーと息子、義兄弟には、リビア
で起きた民衆蜂起を鎮圧するために取った犯罪を自ら引き起こし
た、と首席告訴人モレノ・オカンポは主張した。彼は1千2百を越え
る文書を含め、70ページを超える網羅的な起訴状を提出した。

カッザーフィー逮捕命令に諸外国も賛成

ドイツ外相ヴェスターヴェレは、国際刑事裁判所が、リビアの権力
者カッザーフィーに対する逮捕命令を出したことを歓迎した。彼は
ベルリンで、この決定は、独裁者とその支援者が、法の適用外にい
ないことをはっきりと示すものである、と述べた。NATO事務長ラス
ムセンはブリュッセルで、カッザーフィー政権がますます孤立して
いる、と述べた。英国外相ヘイグは、カッザーフィーの腹心に対し
て、カッザーフィーとともに滅びるか、釈明をするかどちらかだ、
と呼びかけた。リビアの反乱勢力の拠点であるベンガジでは、刑事
裁判所の決定が歓声と喜びの銃撃で受け止められた




6月28日(火)

ラギャルドがIMFの新総裁に

フランス大蔵大臣クリスティーネ ラギャルドが女性として初めて、国際通貨
基金の頂点に立つ。同基金の管理委員会はワシントンで会議を開き、55歳の彼
女を総裁に決定した、と同基金は発表した。ラギャルドは、同じフランス人の
ドミニク ストロース・カーンの後継者となる。ストロース・カーンは、性的
暴行容疑で、5月に刑事訴訟を起こされたため辞任していた。

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ドイツと中国は親密の度を増す

ドイツと中国は、広範な協力関係を作るべく努力する。ドイツ首相
メルケルと中国首相温は、第1回ドイツ・中国政府協議をベルリン
で行ない、その最後に、両国は政治的、経済的、文化的な関係を拡
大する、と発表した。これにより貿易は2015年までに2千億オイロ
に増加し、相互の投資をより容易に行なえるようにする。ただし首
相府での会談では、メルケルは中国の人権が危機的な状況にあるこ
とを議題とし、芸術家艾と政府の批判家胡に「透明な裁判」を行な
うように求めた。さらに外国人報道関係者が、中国で仕事をできる
環境をより整えなければならない、とも述べた。温は記者会見で、
さまざまな意見の相違はあるが、両国が協力する大きな見通しが生
まれた、その証拠が自分の訪問中に結ばれた総額150億ドルの契約
である、と述べた。ベルリンでは両国関係拡大のために、さまざま
な協定と合意に署名が行なわれ、これにはドイツの企業にとって巨
額の受注を含まれている。

中国財務当局は艾未未に130万オイロを要求

中国の芸術家で政府に批判的な艾は、税金と罰金をオイロに換算し
て総額130万オイロを支払うよう命じられた。彼の弁護士劉が、こ
れを発表した。中国の財務当局によれば、艾は総額54万オイロを越
える未払いの税があり、さらに77万5千オイロの罰金が加わる、抗
告をするために3日間の猶予がある、艾自身は、この件については
見解を表明するつもりはない、とのことである。艾は先週水曜日
に、3ヶ月にわたる警察での拘留を解かれ、突然釈放されていた。
彼はインタヴューに応じないよう義務づけられている、との情報も
ある。

ギリシアは全面ストで麻痺

ギリシアでは政府の支出削減政策に抗議して、全面ストが改めて行
なわれ、交響生活が広く麻痺した。首都アテネでは、地下鉄を除い
て、公共の近距離交通が停止した。ピレウスでは、港湾労働者がフ
ェリーの運航を阻止しており、官庁、国営企業、多くの銀行がスト
を行ない、病院は緊急診療だけを行なっている。航空管制官も、一
時的にストに参加した。今年全面ストが行なわれるのは4回目であ
る。アテネでは2万人が路上を国会まで平和的に行進した。デモと
並行して、警察と自治主義者の間で、暴力的な衝突が発生した。新
たな支出削減策は、水曜日に議決される。これには2015年までに、
総額280億オイロの支出を削減することが含まれている。EU通貨委
員レーンは、この措置を受け入れなければ、120億オイロを越える
次回の貸付は支払われない、この資金がなければ、ギリシアは支払
い不能に陥る、と今一度明言した。




6月29日(水)

ギリシア国会は支出削減策を可決

ギリシア国会は、首相ゲオルギオス パパンドレウ率いる社会党政権の大規模
な支出削減策を可決し、これにより、国家としての倒産の危機は当面回避され
た。この計画には、総額280億オイロの支出削減と、500億オイロの民営化が含
まれている。国会では記名投票が行なわれ、155人が賛成、138人が反対であっ
た。この法律を可決するには、151票が必要であった。国民の間では不人気の
この支出削減策は、EUと国際通貨基金が1千1百億オイロのギリシア支援基金の
内、次回の支援金の支払いを行なうために必要な前提であった。この支援がな
ければ、ギリシアは7月忠順に支払い不能に陥るところであった。国会前では
改めて数千人が、支出削減計画に抗議活動を行なった。暴徒は警察と市街戦を
行なったが、警察は催涙ガスを使って、国会議事堂前からデモ隊を押し返し
た。

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ドイツ政界はギリシアの支出削減可決に安堵

ドイツ首相メルケルは、ギリシア国会が新たな支出削減策を可決し
たことを歓迎した。彼女はベルリンの首相府で、ギリシアは困難な
道を歩む意志があることを示した、と述べた。またメルケルは、負
債を返済し、経済成長への道に戻るのは、支出削減によってのみ可
能であり、EUはギリシアを積極的に支援する側に立つつもりであ
る、と述べた。蔵相ショイブレは、ギリシア議会は、同国およびオ
イロ使用地域に対する責任を自覚していることを証明した、今度は
一連の措置に賛成し、今後の数週間、数ヶ月、数年かけてこれを実
施していくことが重要だ、と述べた。外相ヴェスターヴェレは、こ
れは正しいそして回避できない決断であった、と述べた。

ドイツ反テロ法は4年延長

数ヶ月にわたる対立を経て、キリスト教民主、社会同盟と自由民主
党の連立は、反テロ法をさらに4年間延長することで合意した。内
相フリードリヒと法相ロイトホイサー・シュナレンベルガーは、今
後も秘密情報部は、飛行に関する情報を中央予約所に問い合わせる
ことができる、と発表した。その他秘密情報部は、口座の所有者の
情報、たとえば容疑者が土の銀行にどの口座を持っているかといっ
た情報を手に入れることもできる。そのためには今までは、航空会
社と銀行各社に個別に情報を出すよう求めなければならなかった。
一方、郵便による通信と郵便私書箱の照会、小規模の盗聴、最長の
情報保存期間の15年間への延長は中止となった。その他政府委員会
は、2001年9月11日の攻撃以降の治安のための立法を、再検討する
ことになっている。与党3党は今回合意に達したことに、満足の意
を表した。これに対して、野党は誤った妥協である、と述べた。

フランスはリビア反乱勢力に武器を輸出

フランスは西側の国として初めて、リビアの権力者カッザーフィー
と敵対する勢力に武器を供給することを初めて認めた。「フィガ
ロ」紙は自動小銃、ロケット砲、対戦車ミサイルを、6月上旬から
落下傘でトリポリの南西部の山岳地帯上空で投下した、と報じた
が、パリの軍参謀本部は、これを確認した。およそ40トンの軍需品
も、このようにしてリビアの反乱勢力に渡していた、とのことであ
る。今までは湾岸の首長国カタールだけが、リビアの蜂起勢力に軍
需品を提供していることを認めていた。




6月30日(木)

連邦議会は原子力発電からの離脱を可決

連邦議会は賛成多数で、ドイツが原子力発電の利用を2022年までにやめること
を確定した。513人の国会議員が、電力政策の歴史的な転換に賛成票を投じ
た。反対は79票、棄権は8票であった。社会民主党と緑の党の野党各会派は、
キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権の提案を支持した。この提
案では、現在停止している8基の原子力発電は、送電網には再び接続されるこ
とはなく、その他の9箇所の発電所は、今後11年間で徐々に停止する。連立与
党が賛成するだけでも、連邦議会は電力政策のこの転換実施のための法律を可
決することはできた。
2010年秋にはキリスト教民主、社会同盟と自由民主党は、原子力発電の運転期
間の延長を押し通していた。3月の日本の福島での原子力事故が、連立政権の
抜本的な方針転換を生んでいた

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ドイツの各銀行はギリシア支援に自らの意志で参加

ドイツの銀行と保険会社は、高額の負債を抱えるギリシアに対する
諸外国の支援に関する新たな計画に、自らの意志で32億オイロを支
払って参加する。連邦蔵相ショイブレが、金融部門の有力者とベル
リンで話しあった後に、これについて発表した。2014年までに返還
期限を迎えるギリシアの国債の資金は、再びギリシアに投資される
ことになる。アテネでは国会が、政府の支出削減および民営化計画
に原則的に賛成してから1日、詳細に関する規則を可決した。これ
により新たなギリシア支援の条件が整った、とEU委員会議長バロー
ゾとEU評議会議長ロンパウはブリュッセルで述べた。

英国で年金改革に反対するスト

英国では校勤務に従事する職員が、ストとデモを行なって、保守党
と自由党の連立政権の年金改革計画に反対した。多くの学校、裁判
所、行政機関が閉鎖された。飛行機の乗客は遅れにみまわれた。労
働組合は24時間のストに75万人ほどの従業員が参加する、と予想し
ていた。政府は、参加者はそれを置き櫛賜った、と発表した。厳し
い財政事情のため、政府は年金受給開始年齢を引き上げ、年金の払
い込み額を引き上げる方針である。首相キャメロンは、このストは
無責任であり、年金改革に関する話し合いは、まだ終了していな
い、と述べた。

ベルルスコーニ政権は巨額の支出削減を議論

ローマでは首相ベルルスコーニ率いる内閣が、巨額の支出削減に関
する協議を開始した。他のヨーロッパ諸国のように負債の危機に巻
き込まれないように、イタリア政府は2014年までにおよそ470億オ
イロの支出削減を行なう計画である、と報じられている。閣議では
木曜日に、支出削減を可決する予定であるが、さらに国会の賛成も
必要である。イタリアはスペインと並んで、アイルランド、ポルト
ガル、ギリシアに次いで、金融支援を必要とする国の1つである。
イタリアはギリシアに次いで、オイロ使用国の中で、2番目に高額
の負債を抱えている。




7月1日(金)

ニュー ヨークの裁判官はストロース・カーンを釈放

国際通貨基金元総裁ドミニク ストロース・カーンは、ニュー ヨークのホテ
ル従業員に性的暴行をしたとされてから7週間、再び自由の身となった。強姦
の犠牲者とされる人に対する検察側の信頼性が大きく揺らいだためである。検
察の代表は裁判の聴聞で、ストロース・カーンの弁護士団の被告の釈放要請を
聞き入れた。ストロース・カーンは、5月に自分が泊まっていた続き部屋で、
ホテル従業員に性交を強要したとの告発を、ずっと否定していた。彼の申し立
てによれば、この性交は合意の上であった。この容疑で彼は国際通貨基金総裁
を辞任していた。彼は2012年のフランス大統領選挙の、社会党の有力候補と目
されていた。

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シリアでは大規模デモで再び死者発生

シリアでは独裁的な大統領に対して、大規模な抗議活動が再び起こ
り、野党の発表によれば、少なくとも9人のデモ隊が、警察と軍に
よって殺害された。同国のいくつかの都市では、数十万人がアサド
に対して「消えろ!」との言葉を述べて路上に繰り出した。ハマ市
だけで、50万人がデモに参加した。とロンドンに本部を持つシリア
人権監視団は発表した。シリア情勢に関する中立の報道は、政府が
認めていない。軍は数週間前から、抗議活動を極めて大規模な動員
で、押さえ込もうとしていた。人権活動家によれば、3月中旬から
後、約1千7百人が死亡した。

ヴェスターヴェレは国連安保理にシリア非難を迫る

ドイツは国連安全保障理事会の7月の議長を、交代で担当する。ド
イツはこの機会を利用して、シリア大統領アサドが自国民に対して
振るっている暴力を非難するシリア決議を押し通す方針である。諸
外国はシリアでの弾圧に共通した声を上げる必要がある、とドイツ
外相ヴェスターヴェレはベルリンで述べた。今まではシリア決議
は、ロシアと中国の抵抗を受け、失敗に終わっていた。ドイツ政府
は国連安保理の議長を務める間に、気候変動の安保政策上の影響、
たとえば難民の大量発生の危険性や、資源をめぐる暴力的な争いに
ついて議論する方針である。

フリードリヒは暴力をいとわない急進派が増加していると警告

連邦内相フリードリヒ(キリスト教社会同盟)は、2010年憲法擁
護報告書を提出し、イスラーム教徒テロ組織による脅威が続いてい
る、と警告し、アル カーイダ首領ビン ラーディンの死は、急進
派の終わりを意味しない、と述べた。過去数年と同様、憲法擁護庁
は、ドイツにあるイスラーム教徒の組織を29と見積もった。ただし
積極的に活動している者と、その支持者の数は、昨年かなり増加し
て、3万7千人となった。さらにフリードリヒは、憲法擁護庁は暴力
をいとわない極左および極右の数が増加しているが、2010年には彼
らによる犯罪行為の数はかなり減少した、と発表した。政治的な動
機による犯罪は、昨年合わせて27,810件起きたが、そのうち
15,905件は右派によるもの、3,747件が左派の政治的な意図での犯
罪であった。




7月2日(土)

ショイブレはギリシア倒産に向けても準備を進める

連邦大蔵大臣ヴォルフガング ショイブレは、「シュピーゲル」誌とのインタ
ヴューで、ドイツ政府は高額の負債を抱えるオイロ使用国ギリシアが、破綻し
た場合に備えて準備を進めていることを認めた。ギリシアの負債の返済が滞る
ことはありそうにはないとは思うが、その場合に備えて連邦政府は事態が押さ
え込めない方向に発展しないように、準備を進めている、とショイブレは述べ
た。また彼は、ドイツの銀行と保険会社が、ギリシアに対する支援の第2弾に
関する交渉で妥協したと認め、銀行と保険会社がこれを行っても、ヨーロッパ
の同業他社と比べて、不利な立場になるようなことはあってはならないのは自
分には当たり前のことである、と述べた。金融業界はショイブレに対して、ギ
リシア救済への貢献として、およそ32億オイロを支出して参加する、と約束
した。本来は民間部門から、およそ300億オイロの資金提供を得るのが目標で
あった。

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国防機関によれば国防軍は非効率で金がかかる

ヨーロッパ防衛機関EDAの計算によれば、国防軍は他の西ヨーロッ
パの軍隊と比べて、かなり非効率的である。「経済週報」紙は、同
機関が発表した数字を引用して、ドイツは一時に7千人しか兵士を
外国に派遣できないが、英国は2万2千人、フランスは3万人を派遣
できる。派遣可能な兵力と軍全体の規模の割合でも、国防軍は悪い
数字である。派遣中のドイツの兵士と、国内にいる兵士と民間の協
力者の比率は、1対50である。フランスでは1対10、英国では1対
13である。派遣されている兵士1人あたりの支出は、国防軍の場
合、EU平均の3倍にあたる5百万オイロである。

ストロース・カーンの政界復帰に関するフランスでの観測

ストロース・カーンの事件が予想外の展開を見せたため、フランス
社会党では、2012年の大統領選挙の元有力候補である彼に、もう一
度機会を与えようという声が強まっている。ストロース・カーンが
10月の予備選挙に立候補するのを妨げるものは何もない、と自分も
立候補する元党首オランドは「リベラシオン」紙に述べた。間接的
に彼は、社会党の大統領候補への立候補期間の延長に賛成した。立
候補期間は7月13日までである。元文化相ラングは、国際通貨基金
元総裁のストロース・カーンをフランスに帰国させ、立候補させる
ように求めた。ストロース・カーンは、米国での強姦容疑の裁判を
受けなければならない。犠牲者と称するものの信頼性に、大きな疑
惑が生じたため、彼は金曜日には自宅拘留を解かれた。

アサドは大規模抗議活動の後にさらに知事を解任

シリアの都市ハマで金曜日に大規模な抗議活動が起きたことを受
け、ハマ州の知事が解任された。知事アブデル・アジス解任の理由
は、国営放送局の報道では伝えられていない。ハマは蜂起勢力の重
要な中心地と目されている。大統領アサドはダラーおよびホムスで
の大規模抗議活動の後にも、蜂起を停止させることができずに、知
事を解任した。前日にはハマでは、30万人が反アサドのデモに参加
した、との集計もある。野党は一つの抗議活動としては、3月以来
最大のものである、と述べた。金曜日の礼拝の後には、複数の都市
で反政府勢力が路上に溢れ出た。人権団体は、一部は軍と暴力的な
衝突を起こし、民間人28人ほどが死亡した。




7月3日(日)

与党各党の党首は2013年の減税で合意

キリスト教民主同盟、キリスト教社会同盟、自由民主党の党首は、2013年1月
1日に減税を行うことに合意した。ベルリンでの発表によれば、キリスト教民
主同盟党首アンゲラ メルケル、キリスト教社会同盟党首ホルスト ゼーホー
ファー、自由民主党党首フィリップ レースラーは、次回連邦議会選挙が行わ
れるこの年に、低額所得者、中間所得者の負担を軽減する方針である。これよ
りいわゆる「冷たい累進」を回避しよう、というわけである。賃上げは税率の
引き上げでほとんど吸収されるのを、「冷たい累進」が起こる、と言う。その
他社会福祉の払込金が引き下げられる。具体的な金額は発表されなかった。一
方連邦大蔵大臣ヴォルフガング ショイブレは、慎重になるように勧告した。
2012年の国家財政は、新たな借り入れが300億オイロ以下になる可能性もあ
るが、連邦は今なお1兆3千億オイロの負債を抱えていて、あらゆる支出削減
の効果が出ているにもかかわらず、2016年に始まる借金の歯止めをかける規
則を守るために、更なる策が必要である、と述べた。

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ユンカー「ギリシアの主権は制限される」

オイロ使用国の代表ユンカーの見通しによれば、諸外国による救済
措置がとられている間は、ギリシアはその主権の一部を喪失する。
これが必要なのは、同国の負債の危機は、すべての勢力とともに取
り除かなければならないからである、と彼は「フォークス」誌に述
べた。ルクセンブルク首相でもあるユンカーは、ギリシアの徴税の
体制が、完全には機能していない、と批判した。またギリシアは、
国家の財産を引き続き民営化するために、ドイツの信託公社を模範
として、解決する必要がある。ドイツの信託公社は、消滅した旧東
ドイツの人民所有(国営)の企業を民営化していた。ただしユンカ
ーは原則的には、ギリシアに対してとられた支援が成果をあげるこ
とに自信をのぞかせた。オイロ使用各国の蔵相は土曜日に、120億
オイロの新たな貸し付けを行い、これによってギリシアの国家とし
ての破綻を当面回避していた。

連邦政府はアフガニスタン派兵の削減を検討

連邦政府は、国防軍のアフガニスタン派兵を、今年末までに約5百
人減らすことを検討している。国防軍統合幕僚長ヴィーカーはドイ
ツラジオで、これは正しい判断を下せる枠組みである、と述べた。
これにより国防軍は参加する兵士の数を、昨年アフガニスタンへ追
加派兵した数から、元に戻すことになる。米国は来年夏までにヒン
ドゥクシから3万3千人の兵士を引き上げると予告したが、ヴィーカ
ーはこれに不満を表明し、さらに先の期日になると期待していた、
と述べた。国防軍の派兵の削減も、米国が北部から何を撤退させ、
国防軍がこの地域でともに活動する協力国がどのように行動するか
に左右される、とも語った。国際アフガニスタン保護部隊の発表に
よれば、現在約4千8百人の国防軍兵士が、アフガニスタン北部に駐
留している。

メルケル「目標は拘束力を持つ気候協定であるの変わらない」

諸外国との交渉が行き詰まっているにもかかわらず、連邦首相メル
ケルは、拘束力を持つ世界共通の気候に関する協定を作る方針を変
えていない。ベルリンで開かれた気候会議の基調演説の中でメルケ
ルは、世界の温暖化に歯止めをかけるために、程度は様々であれ、
世界共通の責任がある、そのためすべての工業国と中進国は、これ
に参加しなければならない、と述べた。いわゆる「ペテルスベルク
気候対話」の会議には、35カ国の代表が参加している。この会議
は、年末に南アフリカのダーバンで開かれる国連気候首脳会談の準
備を行っている。拘束力のある機構保護に関する協定を結ぶため
に、妥協の可能性をさぐるのが、この会議の核心である。この協定
はできれば米国など、気候に害を及ぼす二酸化炭素の排出削減のた
めの京都議定書では、拘束されなかった国々も、できれば含めるこ
とを狙っている。




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