7月11日〜17日のドイツのニュース



7月11日(月)

キプロスの海軍基地が激しい爆発で揺れる

キプロス南部の海軍基地エヴァンゲロス フロラキスで激しい爆発が起こり、
少なくとも12人が死亡した。政府公報ステファノス ステファノウはニコシア
で、さらに60人が負傷した、と発表した。国防大臣コスタス パパコスタス
と、国民親衛隊の指揮官ペトロス タスリクリデスが辞任した。国防省の発表
によれば、茂みで発生した火事が、押収したイラン製弾薬が入った大型の容器
に燃え移った。この貯蔵容器の地上での保管は、数回にわたって軍の代表が厳
しく批判していた。捜査陣は、破壊行為が事故の原因である可能性を否定し
た。2009年に地中海で、キプロスの旗を掲げ、シリアに向けて運行中の船の上
で、イランの救済物資が押収されていた。この爆発によって、キプロス島最大
の発電所が被害を受けた。この発電所はキプロスの発電量の半分を生み出して
いるため、地中海の島国である同国のあちこちで、停電が起きた。大統領ディ
ミトリス クリストフィアスは、事故現場を訪問し、聖書に出てくるほどの大
規模な災害である、と述べた。

     その他のニュース

メルケルはアフリカ入り 対等な立場での協力

ドイツ首相メルケルは、3日間にわたるアフリカ訪問を開始した。
彼女に同行しているのは、経済代表団、農相アイクナーとすべての
会派に属する国会議員である。滞在するのはケニア、アンゴラ、ナ
イジェリアである。メルケルの発表によれば、訪問中にはエネルギ
ー問題が重要であり、彼女は対等な立場での協力関係を成立させる
ために、土台を作るつもりである。ただし各国での汚職についても
言及される。アイクナーは農業部門での協力、と飢餓との戦いでの
支援について言及した。アフリカ3カ国は、サハラの南では経済的
に重要な国であり、南アフリカに次いで、ドイツの生産品を最もた
くさん購入する国である。

オイロ使用国蔵相はESM危機基金に署名

不安定な状態にあるオイロ使用国を救済する新たな持続的基金ESM
は、公式にも成立した。ブリュッセルでオイロ使用国17カ国の蔵相
が、これに関する条約に署名した。同基金は2013年7月1日に、現在
の消防的な危機基金EFSFの跡を継ぐ基金となる。新基金は7億オイ
ロのの資金を持つことになっている。この条約は今後、オイロ使用
国17カ国で批准を受ける必要がある。閣僚会議の本来の議題は、ギ
リシア救済の第2弾である。銀行を中心とする民間の債権者が、こ
の救済策参加するかどうかは、まだ不明である。会議前には各大臣
は、イタリアの財政事情を理由として、救済の傘であるESMに必要
な増額についての観測を述べるのを拒否し、金額は議論されない、
としていた。ドイツ蔵相ショイブレは、イタリアはオイロ救済の傘
に入る次の国とならざるを得ないとは思っていない、と述べた

米国の予算を巡る対立が最終局面に

米国大統領オバマは、米国の予算を巡る政策上の対立で、短期的に
負債の上限を引き上げることを拒否した。彼は、最長で3ヶ月のつ
なぎのための期間には署名しない、議会では力を合わせて解決が見
いだされうると確信している、と述べた。オバマは支払い不能に陥
る可能性対策で、野党共和党との間で妥協案を見いだすために、月
曜日には新たな準備を開始するつもりである。最後の会談は日曜日
に失敗していた。交渉の対立の中心点は、富裕層に対する税の引き
上げが、共和党に拒否されていることである。共和党は代わりに支
出削減を求めている。米国は8月初めまでに、現在の負債の上限
14兆3千億オイロを、さらに引き上げなければならない。もしそう
しなければ国家として破産する可能性がある。




7月12日(火)

EUは負債の危機についての首脳会談を検討

EUはオイロ使用地域で負債が危機的な状況になっているため、関係各国の首脳
の首脳会談を招集を検討している。EU評議会議長へルマン ファン ロンパウ
は、この金曜日にこの会議の招集を検討する、と発表した。イタリアは1兆
8千億オイロの巨額の負債があるため、新たな国債をなんとか発行した。67億
5千万オイロが、かなり高い金利で引き受けられた。一方ブリュッセルではオ
イロ使用国の大蔵大臣も、ギリシアに対する負債の軽減措置をこれ以上する可
能性を否定した。民間の債権者が、倒産の危機に直面しているギリシアの支援
に参加するためには、同国が一時的に支払い不能に分類されることを甘受する
ことになる、とオランダ大蔵大臣ヤン キース デ ヤーヘルは述べた。ドイ
ツ大蔵大臣ヴォルフガング ショイブレは、これについて9月までに決断を下
すように求めた。

     その他のニュース

EU委員会は倒産の危機にあるHSH銀行に2度目の機会を与える

EUと危機に揺れるハンブルク州立銀行の所有者たちは、この金融機
関の再建について合意した。EU委員アルムニアは、ドイツ蔵相ショ
イブレ、ハンブルク市長ショルツ、シュレースヴィヒ・ホルシュタ
イン州首相カルステンセンとブリュッセルで話し合った後、このよ
うに発表した。それによればEUはハンブルク・シュレースヴィヒ・
ホルシュタイン銀行に、金融恐慌の際の国からの支援金130億オイ
ロの穴埋めのために、当初懸念されていたよりは少ない支出削減を
行うように命じた。ハンブルクとシュレースヴィヒ・ホルシュタイ
ン州は、監査する過半数を保持し、同行はいわゆる船舶融資会社を
保持することになる。

メルケルはケニアにドイツの投資の条件を提示

ドイツは政治的および経済的に、東アフリカに対する関与を強めて
いく方針であるが、ただしそれには条件がある。そのためには官僚
主義からの脱却、市場への自由な参入、汚職のない透明な受注契約
が必要である、とドイツ首相メルケルはナイロビで、ケニア大統領
キバキと会談した後に述べた。同国の指導部はドイツの投資家が、
ラム港の拡張計画および高速道路建設、エチオピアへの油送管建設
に参加するように要請した。両国は、ナイロビにドイツ経済代表団
の事務所を常設することで合意した。ドイツ政府はケニアに対し
て、ダダーブの難民収容所に対して、さらに1百万オイロを提供す
る、と約束した。この収容所では、30万人を超えるソマリアからの
難民の面倒を見ている。メルケルのアフリカ訪問は、この後アンゴ
ラ、ナイジェリアへと続く。

子供保護のために国連の新決議

国連安全保障理事会は、ドイツが指揮監督をとって、児童保護のた
めに練り上げた新たな決議を、全会一致で可決した。ドイツ外相ヴ
ェスターヴェレを議長とし、国連の最高の権限を持つ委員会は、学
校および病院に対する攻撃を今後は非難する決議を作ることに賛成
した。これに違反するものは、渡航禁止や銀行口座封鎖などの国連
の制裁を覚悟しなければならない。この決議の文言は、最後まで議
論となったが、それはこの決議が国内の案件に対する介入と見なす
国があったためである。




7月13日(水)

メルケルはアンゴラで経済協力を訴える

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、訪問中のアンゴラで、アフリカの同国との
政治的、経済的協力を拡大するのに賛成である、と述べた。メルケルは大統領
ジョゼ エドゥアルド ドス サントスとルアンダで会議を行った後、ドイツ
は基盤整備、工業化、教育の各分野での投資に関心を持っており、さらに原材
料の鉱脈の調査でも、密接に協力することができると思っている、と述べた。
また彼女はその条件として、政治的な枠組みを作る条件が安定したものになる
ことが必要だ、と述べた。またメルケルはアンゴラに対して、武器の提供を申
し入れたが、具体的には、国境監視の巡視船の輸出のことである。ドス サン
トスは、同行しているドイツの大規模な経済代表団に、総額10億オイロの受注
をする、と約束した。
アンゴラはメルケルのアフリカ訪問の2つめの滞在地であり、彼女はケニアに
続いて同国を訪問し、ナイジェリア訪問で旅を締めくくる。

     その他のニュース

ムンバイで爆発 死者17人と当局発表

インドの金融の大都市ムンバイで3発の爆弾が破裂し、当局は犠牲
者の数が増大したことを確認した。警察は17人が死亡したと発表し
た、とマハーラーシュトラ州首相シャヴァンが、放送局「タイムズ
 ナウ」に述べた。また80人以上が負傷した、とのことである。政
府はテロ攻撃である、と見ている。報道によれば、同市南部で爆薬
2発が、西部で別の1発が破裂した。狙われたのは、人の多い住宅地
および商業地で、爆発の時点では多くの人が路上に出ていた。
2008年11月にはムンバイでは数日にわたり、連続テロ攻撃が行わ
れ、170人以上が死亡していた。インド政府はこの犯行を起こした
のは、パキスタンのテロ組織である、と発表していた。

マードックはBスカイB合併計画を撤回

大衆向け新聞「世界のニュース」紙の盗聴疑惑で、批判が強まって
いることを受け、マードックの報道大企業は、英国の放送局Bスカ
イBの買収の申し入れを撤回した。「ニューズ コーポレイショ
ン」社は、スカイニューズ社のこれに関する報道が正しい、と確認
した。首相キャメロンの広報は、マードックの撤回宣言を歓迎し
た。一方「ウォール ストリート ジャーナル」紙は、マードック
は自分の報道関係各社に対する批判が強まっていることを受け、彼
が所有する英国の新聞社の完全な分割を検討している、と報じた。
「世界のニュース」の記者が、要人を盗聴し、政治家に賄賂を贈っ
ただけでなく、死亡した兵士の家族や、誘拐された少女の家族の携
帯電話のメールを、密かに盗み見たことが発覚した後、マードック
は同紙の廃刊が強いられたものである、と見ていた。

格付け会社は今度はアイルランドも「投げ売り水準」と判断

ヨーロッパの負債の危機では、新たな悲報が流れた。格付け会社ム
ーディーズは、ギリシアとポルトガルに続いて、アイルランドも
「投げ売り水準」に格付けした。ムーディーズはこれにより、アイ
ルランドの国債の信用性を疑っており、投資家に投資の危険をおか
さないように、と警告したことになる。高額の負債を抱えるアイル
ランドが、新たな資金を調達するには、以前よりはるかに困難とな
り、また高い金利を支払うことになる。この報道は、ただでさえ不
安定な金融市場に、新たな打撃を加えた。アイルランド政府は、こ
の格付けが理解できない、と表明した。一方格付け会社フィッチ社
は、ギリシア国債の信頼性を、再び大きく引き下げた。同社がギリ
シアにCCCの評点をつけた。これは今までの評価を数段階引き下げ
たもので、支払い不能の前段階の最低の評点である。この引き下げ
は、EUと国際通貨基金が、今までのところ、新しく完全な融資およ
び信頼性に関する経済計画を提示していないことの結果である、と
フィッチ社は発表した。また同社は、ギリシアの経済見通しが悪化
し続けており、民間の債権者が第2弾の救済策に参加するか不確実
なことにも原因がある、とも述べた。




7月14日(木)

イタリア上院は支出削減に賛成

イタリア上院は政府の支出削減策に賛成した。オイロ使用地域第3位の経済大国
であるイタリアは、480億オイロの規模の支出削減を行い、負債による危機が伝
染するのを防ぐ方針である。下院での投票は金曜日に予定されている。下院で
は、政府が信任投票も受けることになっている。市場とEUの圧力を受けて、経
済大臣ジュリオ トレモンティは、ほぼ2週間前に提出した支出削減策は、最後
の最後まで強化した。当初の400億オイロではなく、ほぼ480億オイロの支出削
減策が含まれている。
イタリアは、国内総生産との割合で同国は、ヨーロッパで最も多くの負債にさ
らされているため、支出削減をするように圧力を受けている

     その他のニュース

ギリシアは迅速な支援を求める

格付け会社フィッチ社が、ギリシアの信用性に新たな評価を下した
ことを受け、ギリシアは他のオイロ使用国に対して、迅速な支援を
決定するように迫っている。首相パパンドレウは「ドイツ金融新
聞」紙のインタヴューの中で、ギリシアがオイロ救済基金EFSFの資
金と、追加の資金で国債を買い戻競るようにする、との提案に理解
を表明し、この考え方はギリシアの負債の負担も、国債の元利未払
金も減らすことができる、と述べた。パパンドレウはアテネでの閣
議で、今後数日がギリシアにとって重要であり、ギリシア救済の第
2段階計画を早期に成立させるよう要請し、未来に関する不透明性
が、投資家をうろたえさせている、と述べた。この間にEU委員会
は、ギリシアの信用状態がCCCの評価に引き下げ、支払い不能の危
機が確実に訪れることにした格付け会社フィッチ社の決断を批判し
た。EU、オイロ使用各国、国際通貨基金は、ギリシアに対する貸し
付けを認めており、ギリシアは支援を受けるための条件を満たし
た、とEU委員会広報は述べた

中国の格付け会社も米国の格付けを引き下げる方針

米国の格付け会社ムーディーズ社に続いて、中国の主要格付け会社
「大公」は、米国の信頼性を引き下げる、と威嚇した。米国政府が
国家財政の赤字削減に向けて、効果ある政策を持っていないという
理由で、米国議会と大統領府が、負債の上限の引き上げに合意した
場合には、引き下げがおそらく行われる、と大公の文書には記され
ている。中国は米国最大の債権国で、米国大蔵省が4月1日に発表し
たところでは、15兆ドルを米国長期債券を保有している。ムーディ
ーズ社は水曜日に、国家予算に関する他律を理由として、最高の格
付けAAAを引き下げる、と威嚇していた。大公はずっと以前から、
米国の信用力を、はるかに弱いと分類しており、11にはそれまでの
AAからA+に引き下げていた。水曜日には米国大統領オバマと共和党
が、負債の上限の引き下げに関して話し合いを行ったが、成果を上
げることはなかった。

ドイツとナイジェリアは関係を強化

ドイツ首相メルケルはナイジェリアに、同国のさらなる再建で支援
する、と約束した。ドイツはナイジェリアが、より豊かになり、ま
た権利がより守られるようになる道を歩む上で、協力国となるつも
りである、とメルケルはアフリカ訪問の最後に、首都アブジャで述
べた。両国は2008年に成立したエネルギー協力を中心に、申し合わ
せを行った。その他両国は、共同で委員会を設立する方針である、
と大統領ジョナサンと会談を行った後に発表した。またメルケルは
ナイジェリアに対して、人権と少数派の権利を守るように求めた。
これより前に彼女は宗教団体の代表と面会した。人口はイスラーム
教徒とキリスト教徒がほぼ拮抗している。同国の政治と文化が、主
としてイスラーム教徒からなる北部と、キリスト教徒からなるスー
ダンの間で、緊迫している。




7月15日(金)

ヨーロッパの健全性試験に不合格の銀行は8つだけ

ヨーロッパ各地の銀行で、負荷をかけて健全性を調査する試験で、予想外に少
ない金融機関だけが不合格であった。この試験では、90行のうち8行が、要求さ
れている資本総額に到達しなかった、とヨーロッパ銀行監視局EBAがロンドンで
発表した。この試験に不合格であったのは、スペインの銀行5行と、ギリシアの
2行、オーストリアの1行であった。ただし不合格の銀行のほかに、核となる自
己資本の割合の分野では、このほかに16の銀行が、わずか5ないし6%の範囲でし
か上下していなかったので、最低限必要とされる5%をかろうじて超えていたに
すぎなかった。試験されたドイツの銀行のうち、ヘッセン・テューリンゲン州
立銀行(ヘラバ銀行)だけが、EBAの基準に達しなかったが、同行は監視局と対
立し、最後の最後でこの調査から除外され、別の基準に基づいて独自の結果を
公表した。この健全性試験の目標は、投資家たちに、経済恐慌が起きても、ヨ
ーロッパの銀行の態勢が抵抗力を持っていることを示すことであった。
貯蓄銀行頭取のハインリッヒ ハージスは、EBAはドイツの州立銀行に対して不
公正な党派的な態度を取っている、と非難した。彼はヘッセン・テューリンゲ
ン州立銀行に対する同局の対応に関して、おそらく金融市場の安定性と称する
するものを隠れ蓑に、銀行の構造的経済政策を作り出している、と述べた。

イタリアでは大規模な支出削減が可決

イタリア上院が可決して1日、下院も大規模な支出削減策を認め
た。首相ベルルスコーニ率いる政権は、決定された措置で、480億
オイロの支出を削減し、それで市場の巨額の負債を抱えるイタリア
の国債に関する信頼を得られる、と期待している。ベルルスコーニ
は、この支出削減策と自分の信任投票を抱き合わせにしていた。イ
タリアが支出削減を迫られているのは、国内総生産に比べて、抱え
る負債の規模がヨーロッパ最高水準であるためである。

EU評議会議長は特別首脳会談を招聘

EU評議会議長ファン ロンパウは、負債の危機を議論するために、
来週木曜日にオイロ使用17カ国の首脳会談を開く。この会議では、
オイロの安定性と、ギリシアに対する新たな支援が話し合われる。
本来危機対策会議は、今週金曜日に行われることになっていた。し
かしドイツ首相メルケルが、これを阻止していた。連邦政府公報ザ
イベルトは、ギリシアに対する第2弾の支援措置が可決できてか
ら、メルケルはこの首脳会談に出発するつもりだ、と述べていた。
民間銀行がギリシア支援に参加させようとする交渉の中では、今ま
でのところ突破口は見いだせていない。

オバマは予算を巡る対立で早期合意を促す

米国の負債の上限に関して激しい対立が続いているが、大統領オバ
マは国会で議員に対して、合意を発表するように訴えた。間近に迫
った支払い期限を考えると、米国民は民主党と野党共和党の妥協を
期待しており、行動するべき時が来ている、と彼は述べた。記者会
見でオバマは、国民のすべての階層を支出削減の態勢に組み入れる
ことに理解を求めた。5日間続いた会議の後、オバマは議会の両党
幹部に、土曜日の委員会との協議後に、合意を発表するように、と
の最終的な要求を突きつけていた。1週間前から停滞している対立
は、現在14兆3千億ドルの負債の上限を引き上げることを巡るもの
で、これが実現しなければ米国は8月2日に支払い不能に陥る危険が
ある。議会の共和党は、オバマと民主党が、大幅な支出削減予算に
道を開くなら、これに賛成する方針である。民主党は社会福祉、健
康保険の削減は、富裕層に対する増税を条件であるとしている。




7月16日(土)

オバマは中国の批判にもかかわらずダライ ラマと面会

中国の批判にもかかわらず、米国大統領バラック オバマは、チベットの宗教
上の指導者ダライ ラマと、大統領府で会談した。大統領府の発表によれば、
この会談では、チベットの宗教、文化、言語の一体性を守るのを、米国が支持
することが強調された。中国政府はオバマに対して、この会談を中止するよう
に求めていた。中国外務省は、米国は中国との関係を不必要に侵害するべきで
はない、と警告した。中国はダライ ラマがチベットの独立運動を加速してい
る、と非難していた。オバマは76歳のダライラマを、大統領執務室ではなく、
大統領府の地図の間に出迎えた。これはこの会談から公的な性格を取り除こう
というオバマの努力である、と専門家は見ている。

オバマは米国各政党に負債を巡る対立で妥協を呼びかける

米国の国歌の負債の上限に関する対立が激しさを増しているが、大
統領オバマは改めて、民主党と共和党に対して妥協するように呼び
かけた。彼は毎週恒例のラジオ演説で、犠牲を払い、人気のない決
断をするのが両党には必要であり、そのために国防予算が削減さ
れ、特にきわめて裕福な米国人のための減税を廃止しなければなら
ない、と述べた。米国議会は数ヶ月前から、法律で定めた負債の上
限を、現在の14兆3千億ドルから引き上げる方針を巡って対立を続
けている。野党共和党は、負債の上限の引き上げの代わりに、大幅
な支出削減を行なうように求め、オバマが求めている高額所得者に
対する増税を拒否している。合意に達することができなければ、
8月2日ニア米国は支払い不能に陥る。

プーチンにはクヴァードリガ賞は授与されず

プーチンを受賞者とすることに対立が生じたことを受け、クヴァド
リーガ賞は今年は受賞者なしとなる。ベルリンにある組織「ドイツ
工房」が、これを発表した。ロシア首相プーチンは、ドイツ統一の
日である10月3日に、「ドイツとロシアの関係の信頼性と安定性」
を築いたことに対する功績に対して、賞が贈られることになってい
た。過去の同賞受賞者の中には、ロシアの人権情勢に鑑みて、この
決定を批判する人ろい、同組織の事務局の何人かも抗議して辞任し
ていた。モスクワ政府はこの中止に冷静な反応をしていた。

シリア野党はアサドの退陣と未来に関して協議

シリアの野党陣営約350人が、トルコで会談を行い、大統領アサド
の退陣に向けた戦略を協議した。現在移行政府を結成するかどうか
を中心として、激しい議論が行なわれている。イスタンブルでの会
議の参加者は目標として、すべてのシリア人が同じ権利を持つ民主
的な国家の建国を挙げている。シリア野党は、自由主義陣営とイス
ラーム教徒陣営に分断されている。ただし両陣営の代表は、アサド
体制の終焉までに、政治的な立場の違いを撤回する、と約束した。
米国やヨーロッパ各国からの活動家も、野党陣営には含まれてい
る。人権活動家の発表によれば、シリアの大規模デモでは、金曜日
から少なくとも41人が死亡した。治安部隊は金曜日の祈祷の後、国
内の数都市でデモ隊に対して発砲していた。




7月17日(日)

アフガニスタン軍がNATOから治安の責任を引き継ぐ

アフガニスタンの治安の責任の、国際保護部隊ISAFから、現地治安部隊への引き継ぎが、正
式に始まった。バーミヤーン州では、アフガニスタン軍と警察が、住民の安全の責任を引き
継いだ。今までにはこの地域では、米国、ニュー ジーランド、シンガポールからの小規模
な部隊が駐留していた。NATOが指揮する部隊は今月、7つの州で治安の責任をアフガニスタ
ン側にゆだねるが、バーミヤーンはその一つ目である。2014年末までにこの作業を終え、そ
の後ヒンドゥクシに駐留する外国兵15万人全員を撤退させることが可能になる。
一方NATOはアフガニスタン東部で、タリバーンの戦闘員とされる者たちの集会を攻撃し、少
なくとも13人を殺害した。NATOの広報によれば、急進派たちはナンガルハール州の学校で集
会を開いており、夏休みのためにこの建物には生徒は一人もいなかった。

     その他のニュース

マードックの腹心ブルックスが盗聴疑惑で逮捕

英国警察は、出版社ニューズ インターナショナル社の前社長ブル
ックスを逮捕した、と放送局BBCとスカイ ニューズが一致して報
じた。43歳の彼は、ニューズ インターナショナル社が属するマー
ドックの報道帝国の盗聴疑惑の中心にいる人物である。ブルックス
はマードックスの信頼厚い人物と目され、英国首相キャメロンと密
接なつながりも持っている。2003年まで彼女は、マードックの醜聞
を報道する「世界のニュース」紙の編集長であった。この新聞の記
者が、何年にもわたって数千人の携帯電話に保管されているメール
を開き見低他が、その中には犯罪の犠牲者や要人が含まれていた。

メルケル「オイロは危機の中にはない」

連邦首相メルケルは、共通通貨としてのオイロは、いくつかの使用
国が財政的に問題を抱えても、脅かされることはないと見ている。
オイロは危機の中にはなく、いくつかの国が負債の危機にあり、ヨ
ーロッパ各国の競争力に違いがあるということだ、共通通貨を必要
としているのはドイツの方である、とキリスト教民主同盟党首であ
る彼女は放送局のインタヴューに答えた。メルケルはヨーロッパの
格付け会社を作る可能性について、基本的には肯定的な意見を述べ
た。彼女の構想によれば、このような格付け会社は政府ではなく、
ヨーロッパの経済界が作り出すべきものである。格付け会社は弱点
を指摘することはできるが、現在のような負債の危機など、繊細な
対処が必要な時でも、市場の反応を悪い方に導くことがある、とメ
ルケルは認めた。

連邦銀行総裁はギリシアの借金を借金で返すのには反対

連邦銀行総裁ヴァイトマンは、高額の負債を抱え、国家としての倒
産に直面しているギリシア救済に関する議論で、発言する意志を示
した。彼は負債に対してヨーロッパ全体が債務履行の義務を持つこ
とがないよう、また借金を借金で返すことがないようにと警告し
た。またオイロ使用各国が国家の負債に対して共同で責任を取るこ
とほど、信頼性の高い予算政策を作る上で刺激をより簡単にそして
長期的に破壊するものはない、とヴァイトマンは「ビルト」紙日曜
版に述べた。そのようなことをすれば、ドイツが正当にも拒否して
いた外国為替連合への道を歩むことになる、とも語った。また彼の
分析によれば、負債の減免措置は、ギリシアの問題を解決せず、ギ
リシアは得たものをはるかに超えるものを消費し、国家予算は高額
の赤字を呈している、これを変えない限り、負債の減額は実際に改
善することはない。




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