7月11日〜17日のオーストリアのニュース



7月11日(月)ス

     国外ニュース

「黒い日曜日」 イタリアの市場は再び圧迫を受ける

イタリアの財政危機が巨大化するとの不安で、月曜日にはヨーロッ
パ全土の金融市場は、下向きの渦に引き込まれた。特に影響を受け
たのは、ミラノの株式市場で、個々では金曜日の短時間の暴落に続
いて、「暗黒の日曜日」となった。イタリアの専門家は、投機筋か
らの攻撃である、と述べたが、ヨーロッパ第三の経済大国であるイ
タリアの情勢が、ブリュセルで開かれたオイロ使用国の会議の議題
ともなった。この会議はイタリアを強く支持する姿勢を示している
が、同時に約束した支出削減策を早急に実施するように呼びかけて
もいる。

     国内ニュース

7月も暑いまま

6月には多くの人が、暑い週日と週末の気温下降の天候に苦しめら
れた、と感じている。7月も同じような経験がかえってくる見通し
である。オーストリア国営放送の天気局によれば、まだ引き続き暑
さが残る。ただし統計によれば、きわめて暑い月は、降水量もきわ
めて多い、とのことである。




7月12日(火)

     国外ニュース

1千万人が干ばつの影響 アフリカの角では「衝撃的な死亡率」

(アフリカ大陸東端の)アフリカの角では干ばつにより、情勢が悪
化している。約1千万人がこの影響を受けている。ソマリアから隣
国ケニアへ、難民の大量流入が続いている。数千人が数週間かけて
歩いて、衰弱しきった状態で、人であふれかえっている難民収容所
に到達する。特に子供たちは、手当のかいなく亡くなっていく。死
亡率は恐ろしいほどだ、と支援組織米国国際開発庁USAIDは発表し
た。国連によれば、今回の干ばつは既に現在、最大の人道面での週
末的状況となっている。国連は、支援が時間遅れになる、と懸念し
ている。

     国内ニュース

労働組合はシュミートの学校改革案に反対

教育大臣シュミート(社会民主党)は、新たな統合上級学校の案を
提出したが、早くもたくさんの埃を舞い上げた。今までは「不可」
の評点を引き上げる議論を中心に議論が行われていたが、今回は一
般高等学校教員も、議論に加わっている。彼らはこの提案をこき下
ろしており、まずい思考法で、「出口のない袋小路」に生徒を導く
ものだ、と述べている。その他に学校はこれを実施している最中
に、「想定可能な最大規模の組織に関する事故」が起きる可能性が
ある、とも主張している。




7月13日(水)

     国外ニュース

負債の危機 ヨーロッパで協調して賃上げ交渉

EU大蔵大臣が、全力を挙げて、現在の負債の危機を押さえ込もうと
している一方、今後のヨーロッパの金融態勢に関する検討がずっと
以前から行われている。大きなうねりを生むかもしれない提案が、
ウィーンの大蔵省から出されている。オイロ使用地域では今後、
「内部の平価切り下げ」を行えるようにする、というものである。
幹部公務員が、オイロ使用国が行動不能に陥った場合に支払う大量
の税を目の当たりにした場合に、賃金交渉をヨーロッパ全体で協調
して行うことに理解を求めている。

     国内ニュース

連邦国歌に「姉妹」の言葉が入る

今回は確定した。オーストリア連邦国歌の歌詞の中にある「偉大な
る息子たち」を、オーストリアの「娘たち」が横へ追いやった。社
会民主党、国民党、緑の党の女性問題の専門家が昨日、共同記者会
見を開き、これを発表した。未来同盟もこれに加わる、とのことで
ある。今までは国民党を中心として反対意見もあった。新たな歌詞
がはっきりどのようになるかは、今のところ決定していない。




7月14日(木)

     国外ニュース

イタリアは7百億オイロの支出削減で市場を安心させる方針

イタリアは、オイロ使用地域渦巻きの中に巻き込まれるのに抵抗し
ている。7百オイロの支出削減策を出して、市場の信頼を取り戻す
方針である。木曜日午後にこの支出削減策は、上院の投票で、与党
会派から示された。支出削減策は、450億オイロを削減する2014年
までに、段階的に増額されて、実施されることになっている。健康
保険、年金などの社会福祉分野を中心に、抜本的な策が取られる。
民営化も行われ、国庫に資金が入ることになっている

     国内ニュース

教員養成でオーストリアの歩みは遅々としている

教員養成と幼稚園教育の改革は、上級学年の一体化と並んで、最も
需要な教育政策上の措置の一つである。幼稚園教育と国民学校の教
員は、今後は大学で要請されることになる。6月末に、専門家計画
が提示され、これは教員養成を全く新しい土台の上に据えるもので
あるが、これも抵抗に合っている。オーストリアの遅れを取り戻す
必要がどれほど大きいかは、ヨーロッパの他の国々との比較で、結
局は明らかになる。




7月15日(金)

     国外ニュース

米国の負債に関する対立 合意か「全国民に対する増税」

米国大統領オバマが、負債を巡る対立で、議会に最後通牒を突きつ
けてから、彼は残忍な手段で責め立てている。合意をしないのであ
れば、それは米国国民すべてに対する強制的な増税を意味する、と
金曜日午後に彼は述べた。自分は大規模な支出削減と、金持ちに対
する増税を含む「大規模な措置」を通過させる方を好むが、もっと
小さい解決でも満足する、とオバマは妥協の姿勢を示した。彼は共
和党に対して、最後には真剣な提案を行うように要請した。

     国内ニュース

「健全性試験」に不合格 国が国民銀行株式会社を支援か

オーストリア国民銀行株式会社OeVAGは、負荷をかけて銀行の健全
性を調査する試験で、不合格であった。子会社の売却などの資本増
強の措置をとるつもりである。オーストリア金融市場監視局によれ
ば、この健全性試験は、欠点をはっきりさせた。オーストリア国民
銀行株式会社が、自力でそれができないのであれば、国が介入する
ことが可能であり、それには一部国有化も含まれる、とも述べた。
既に現在同行は国から強力な支援を受けている。




7月16日(土)

     国外ニュース

木曜日の負債首脳会談 EU各国政府は切羽詰まった状況

オイロ使用地域の各国大蔵大臣は、ギリシア支援の第2弾の詳細に
ついて合意ができていない。市場はこれに対応して神経質な反応を
している。ギリシア、スペインなどの負債国は、早い措置を求めて
いる。各国首脳が集まる特別首脳会談が大急ぎで招集されるが、そ
の期日はドイツが最後の最後まで決定を先延ばしにした。EU評議会
議長ファン ロンパウは、首脳会談の期日を来週木曜日に設定し、
オイロ使用地域各国政府は、何らかの決定を下さなければならない
状況である。首脳会談までにロンパウは決定を見通したい、と考え
ている。

     国内ニュース

カプツィーナー納骨堂での埋葬式 ハプスブルクが最後の眠りに

オットー ハプスブルクが土曜日午後、近親者の中で、妻レギーナ
とともにカプツィーナー納骨堂に埋葬された。それに先立って伝統
に則り、納骨堂前で「扉を叩く式典」が行なわれた。これは死者を
迎え入れることを求める式典である。1万人が午後にウィーン中心
部で、ハプスブルクに対する鎮魂ミサが行なわれたシュテファン大
聖堂から、納骨堂まで葬列を作った。貴族、聖職者、政治家、騎士
団、軍人が、最期の眠りの地まで彼に付き従った。




7月17日(日)

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ギリシアの負債を減免か? 欧州中央銀はオイロ使用国に警告

ギリシアを国家としての破産から救い出すにはどのようにすればよ
いか、民間の債権者の参加から、負債の減免措置に至るまで、意見
は大きく隔たっている。木曜日に開かれる特別首脳会議までに、合
意を得るまでの猶予がある。ますます多くのオイロ使用国が、ギリ
シアの負債の減免を求めているが、ヨーロッパ中央銀行総裁トリシ
ェは、「ドイツ版フィナンシャル タイムズ」のインタヴューで、
はっきりした言葉を述べた。支払い不能になれば、政府に支払いの
義務を負わせなければならない、そうしなければ、ギリシアの銀行
制度が破綻する危険があり、どんな結果をももたらしかねない。

     国内ニュース

「早期退職金」に満額の課税か? 野党はフェクター案を拒否

企業および被雇用者の両者に対して、より高い税金を負担させるこ
とで、大蔵大臣フェクター(国民党)は、「早期退職者」の数を制
限する方針である。彼らは現在、税制面で優遇を受けている。フェ
クターは日曜日にこの方針について、野党各党からの批判を受け
た。自由党と未来同盟は、国に近い企業での年金の特権を廃止する
ように求めたが、フェクターのこの方針は、小さな民間企業を「生
存の危機の状態」に落とし込むかもしれない、と自由党は述べた。
緑の党は、「未完成な」提案である、と見ている。




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