7月18日〜24日のドイツのニュース



7月18日(月)

EUはシリアにさらなる制裁を科すと威嚇

EU加盟各国の外務大臣は、シリアに対して、国家元首バシャール アル アサ
ド政府が、暴力行使の方針を変えないのであれば、さらなる制裁を科す、と威
嚇した。共同声明の中で、各国の外務大臣は、シリア政府に対して、実質的な
改革を緊急に求め、アラブ圏の国である同国では人権侵害が行なわれている、
と非難した。ドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレはブリュッセルで、ニ
ュー ヨークの国連安全保障理事会でが、シリア決議を起草するように全力を
挙げる、と述べた。田野外相たちは、シリアの情勢がこの地域全体の安定性を
脅かしている、と警告した。閣僚評議会はリビア情勢にも取り組んでおり、蜂
起勢力の国民移行評議会を、EUの正当な政治的な交渉相手である、と評価した。
また外務大臣たちは、反乱勢力がその支配地域での責任を引き受けられるよう
に、さらに支援を行なうと約束した。

     その他のニュース

リビア反乱勢力は石油都市ブレガ占拠を発表

リビアの蜂起勢力は、戦略的に重要な港町ブレガを、おおむね管理
下に置いた、との情報がある。権力者カッザーフィーの部隊は、
2百人ほどを撤退させて、ラス ラヌフの西百キロほどの拠点に移
った、と反乱勢力の広報は発砲した。カッザーフィーの戦闘員が残
した地雷がたくさんあるため、ブレガで石油生産設備を再び正常に
稼働できるようになるまでには、まだ時間が必要である。カッザー
フィーの民兵は、4月にブレガを占領していた。この情報が正しい
と確認されれば、これは蜂起勢力に取って、戦略的に重要な成果で
ある。一方NATOの戦闘機は、首都トリポリ最大の空港のレーダー施
設を破壊した。NATO広報はブリュッセルで、カッザーフィー軍は、
NATO機の探索のために、このレーダーを使用していた、と発表し
た。

ロンドン警察職員がさらに辞任

報道王マードックをめぐる盗聴および買収疑惑に関連して、ロンド
ン警察の高官がさらに1人辞任した。それはイエイツで、2009年に
新たな状況証拠と容疑があったにもかかわらず、この事件に新たな
捜査を行なわないことを決定していた。日曜夜にはロンドン警察長
官スティーヴンソンが、辞職していた。彼が療養のための滞在を行
なったときに、一部の費用を負担させていたことが明らかになっ
て、彼は集中砲火を浴びた。保養会社の広報室長は、先に逮捕され
た醜聞を取り上げる「世界のニュース」紙の元記者ウォリスであっ
た。日曜日にはマードック腹心ブルックスも一時逮捕された。火曜
日には、マードック、その息子ジェイムズ、ブルックス、スティー
ヴンソンが国会の調査委員会で質問を受ける。

米国の予算を巡る対立は解決できる見通し

「ワシントン ポスト」紙の報道によれば、米国の予算を巡る危機
は、解決される見通しである。この報道によれば、上院では共和党
と民主党の会派長マコーネルとリードが、段階的に負債の上限を引
き上げることを含む妥協案を練り上げている。負債の上限は、共和
党の支持は得られないが、3段階で2兆5千億ドル引き上げられる、
と同紙は報じている。またこの計画には、今後10年かけて、1兆5千
億ドルの支出削減も含まれており、さらに議会では両党が参加する
委員会が設置され、年末までに国家財政の再建に向け、大掛かりな
計画を練り上げることになっている。同紙の報道によれば、委員会
の計画であれば、単純な過半数が必要なだけで、上院では阻止する
ことも修正することもできない。法律で定められた負債の上限は現
在14兆3千億ドルで、この金額には5月中旬に達していたが、決算上
の手法により、政府は8月2日までの猶予を得ていた。




7月19日(火)

ドイツとロシアは協力関係を拡大する方針

ハノーファーで開かれたドイツ・ロシア政府協議は、両国間の15の条約に署名
して終了した。両国の企業は、ロシアに置けるエネルギーの効率化を中心とし
て、協力を強化する方針である。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、時期を早
めて行なわれる原子力発電の廃止のため、ロシアのガスに対する関心が増大し
ている、と強調したが、過度な期待を持たないように警告した。ガス価格がよ
りやすくなれば、需要が増えるだろう、と彼女は述べた。会談では、重要な議
題は回避されなかった、とのことである。ドイツ首相アンゲラ メルケルとロ
シア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、シリア問題、ロシアとベラルー
シの人権、経済関係に関して意見を交換した。ロシアが求めた入国査証発行の
手続き簡素化も問題となり、メルケルはこれを約束した。

     その他のニュース

首相はオイロ首脳会談に期待を持たないように述べる

連邦首相メルケルは、木曜日に行なわれるオイロ使用国の首脳会談
に、過度の期待を持たないように、と述べた。メルケルはロシア大
統領メドヴェージェフとハノーファーで会談した後、高額の負債を
抱えるギリシアを巡る危機は、投機的な大規模な個々の決断で解決
されることはあり得ない、と述べた。オイロ債券を導入し、大規模
な負債を別の負債での借り換えし、外国為替連合を作るなどの提案
が行なわれる、とメルケルは強調した。重要なのは、その後の段階
と成り行きを管理し、制御することである、とも語った。オイロ使
用国の首脳会談では、ギリシアに対する支援の第2弾が可決される
見通しである。

マードックは盗聴の手法については何も知らなかったと主張

報道会社主マードックは、自ら保有する英国の新聞社の盗聴問題に
は、一切の責任がない、と述べた。80歳の彼はロンドンの下院の委
員会で、自分は信頼していた人々に欺かれた、と述べた。またマー
ドックとその息子ジェイムズは、「世界のニュース」紙の記者の行
動を謝罪した。大衆向け新聞の記者たちは、おそらく要人数千人の
ほか犯罪の犠牲者の電話を盗聴し、情報を得るために警察官を買収
していた、と見られる。マードックはこの間に、この新聞を発行停
止にした。公聴会は、聴衆の1人が報道機関の帝王に泡状のものを
吹き付けようとしたため、一時中断された。マードックは負傷しな
かった。班員は逮捕された。ロンドンの新聞の情報によれば、この
事件を起こしたのは英国の喜劇俳優であった。

イスラエル海軍がガザ支援船を停戦させる

イスラエル海軍は地中海で、親パレスチナの活動家を乗せたフラン
スの船を、封鎖されたガザ帯状地帯を前に迎え撃った。軍広報は、
兵士は船上で捜査を行なったが、捜査は平和的で、突発事件はなか
った、と述べた。この船は、乗組員のほかに16人の活動家を乗せ
て、イスラエルのアシュドッドに向かっていた。このフランスのヨ
ットは、ガザ支援艦隊計画で、今までに出港していた唯一の船であ
る。ほかの船はギリシアの港に停泊している。イスラエルは、急進
派イスラーム教徒はマースが支配するパレスチナ人居住地域に対し
て、海上封鎖を科している。2010年にはイスラエル兵は初めて支援
船を停止させて、トルコの活動家9人を殺害していた。




7月20日(水)

主席検事「ハジッチは間もなくデンハーグに移送」

ユーゴスラヴィアの裁判所から、行方を追及されている戦争犯罪容疑者のうち、
最後の一人が数日中に、デン ハーグの裁判所に移される。クロアチアのセル
ビア人少数派の元大統領ゴラン ハジッチの移送の準備を、全力で進めている、
と裁判所の主席検事セルジュ ブラメルツは述べた。52歳のハジッチは、水曜
日にセルビアで拘束されていた。ブラメルツは、自分が以前は批判したセルビ
ア政府を明確に評価し、ボスニアのセルビア人の将軍ラトコ ムラジッチが逮
捕されてから、2ヶ月も経たないうちにハジッチが逮捕された、と述べた。また
セルビアはこれにより、国際裁判所との協力を本当のものとし、単なる空約束
にはしなかった、とブラメルツは述べた。ユーゴスラヴィア裁判所が行方を追
及していた戦争犯罪の容疑者のうち、最後まで残っていた2人の逮捕は、セルビ
アのEU入りに向けた前提条件であった。
2004年にはハジッチに対して、戦争犯罪および人間性に対する告訴が起こされ
ていた。彼は1991年から95年のクロアチア戦争の間中に、数百人のクロアチア
の民間人の殺害と、セルビア軍によるほぼ3万人のクロアチア人の国外追放を引
き起こした、とされている。

     その他のニュース

英国首相キャメロンは間接的な手抜かりを認める

マードックが持つ報道機関の大企業を巡る盗聴および汚職容疑で、
英国首相キャメロンは、間接的ながら手抜かりがあったことを認め
た。下院の特別会議では、キャメロンは元大衆向け新聞「世界のニ
ュース」紙の元編集長クールソンを、自分の広報に据えたのを後悔
している、この事件の規模は、そのときには見通せていなかった、
と述べた。しかし彼は謝罪は拒否し、彼の協力者に誤った行為があ
ったことも否定した。また野党は、キャメロンがマードックの会社
ニューズ コーポレイション社の経営陣や記者と何度も接触して、
国会の行動規範に違反した、と非難しているが、キャメロンはこれ
を否定した。野党は、首相の国会での発言をおざなりのもの、と批
判した。80歳のニューズ コーポレイション社社長マードックとそ
の息子ジェイムズは火曜日に、国会の報道機関委員会で、この間に
休刊した「世界のニュース」紙の記者の犯罪的な陰謀については、
一切知らなかった、と述べていた。しかし彼らは、数千人の携帯電
話の盗聴、警官に対する賄賂の支払いについては驚いているが、彼
らはそれにも責任がない、と述べた。

国連はソマリアの飢餓を強調

ソマリアでは干ばつが続いているため、国連は同国の2つの地域の
状況は飢饉であると正式に発表した。危機の深刻さから言って、措
置が必要であった、と国連ソマリア人道支援調整官バウデンはナイ
ロビで述べた。子供の3割以上が諸苦労不足になり、数万人のうち
食料不足で、毎日2人が死亡する場合に、飢饉である、と宣言され
ることになっている。バコールおよび下シャベレの両地域では、死
亡率が既に3倍に増加した。国連事務総長潘は、ソマリア支援に必
要な金額を160万ドル(110万オイロ)と見積もった。ソマリアの住
民の半分は飢餓状態にあり、これはソマリアとその隣国に対して
「深刻な結果」を持つことになる、と潘はニュー ヨークの記者会
見で述べた。アフリカ東部のアフリカの角では、1千万人以上が、
過去60年で最悪の干ばつから被害を受けている。ソマリアのほか、
ケニア、ウガンダ、エチオピア、ジブチにも被害は広がっている。

メルケルとサルコジはオイロ首脳会談の準備を進める

ドイツ首相メルケルとフランス大統領サルコジは、夕刻にベルリン
で会談を行ない、ブリュッセルで開かれるオイロ首脳会談の準備を
進めている。この会合は短期的には、ギリシアの救済策の第2弾を
めぐる対立が行き詰まりを打開するためのものである。両者は、妥
協が可能であるかどうか、相手の意向をはかっている。政府公報ザ
イベルトは、解決は可能であると確信している、と述べた。特に問
題なのは民間の銀行や保険会社が、この救済策に参加することが重
要である。ドイツ英府は、これを主張している。フランス人トリシ
ェが指揮を執るヨーロッパ中央銀行は、これを拒否しているが、そ
れは市場を震撼させ、さらにいくつかの国を負債の混乱に引き込む
可能性がある支払い不能を部分的には生む可能性がある、と見てい
るためである。サルコジはこの見解を今のところ共有している。オ
イロ使用各国の首脳は、木曜日のベルギーの首都ブリュッセルで会
談を行い、負債の危機の中で次にとる措置を確定することになって
いる。ギリシアに対する新救済策が、議題の中心である。




7月21日(木)

オイロ首脳会談はギリシア支援第2弾をめぐって議論

オイロ使用17国の首脳はブリュッセルに集まり、ギリシア支援策の第2弾につい
ての協議を開始した。外交官筋の情報によれば、議題の中心は、ドイツとフラ
ンスの妥協案である。複数の報道機関が一致して報じているところによれば、
ドイツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領ニコラ サルコジが提案した
計画には、銀行と基金がギリシアの国債を、返済期間を30年とし、より低い金
利の新たな国債に借り換えし、この新たな国債をオイロ使用各国の新たな国債
を防衛することが含まれている。ヨーロッパ中央銀行も、この措置に抵抗する
ことを断念した、とのことである。ただしオランダとフィンランドは、資金を
出す金額について具体的な金額を提示するように主張し、代わりに国債を売却
するために、危ない状態にあるオイロ使用国救済のための危機基金を利用する
ように求めた。メルケルは会議の冒頭で、楽観的な姿勢を示し、この首脳会談
では、新たなギリシア救済計画を可決できると見ている、と述べた。

     その他のニュース

ヴェスターヴェレ「ドイツはアフガニスタンを見捨てない」

外相ヴェスターヴェレ(自由民主党)は、ドイツ政府はアフガニス
タンとの長期点な協力関係を築くべく努力する、と述べた。彼は首
都カブールを訪問し、アフガニスタン外相ラスルに対して、アフガ
ニスタン政府はドイツの信頼してよい、諸外国も2014年末に、すべ
ての戦闘部隊が撤兵した後も、アフガニスタンを見殺しにすること
はない、と述べた。ヴェスターヴェレはラスルと大統領カルザイ
と、治安の責任を現地部隊に徐々に委ねることと、12月にボンで計
画されているアフガニスタン会議の詳細について話し合いを行なっ
た。この会議にはおよそ90の外務大臣が出席する予定である。カブ
ールの短期滞在の冒頭で、ヴェスターヴェレは国防軍のアフガニス
タンからの撤兵の具体的な日程を示すことを拒否し、もしこれを発
表すれば、蜂起勢力の暴力行為を招くことに直結する、と述べた。

アル カーイダの徴兵係と見られる男がカッセル地域で逮捕

テロ組織網アル カーイダを賞賛した疑いで、連邦検察はカッセル
地域で、若いアフガニスタン人を拘留させた。捜査陣の発表によれ
ば、21歳のこの男は、関連するインターネット上のサイトを訪れた
人に、急進的な考えを押し付け、政治的な動機による暴力行為を行
なうようにそそのかした、とされている。この男は多くの挑発的な
書き込みを行なって、アル カーイダのテロ的なジハードと、「ウ
ズベキスタン イスラーム教運動」に参加するように、意図的に宣
伝を行なった、とカールスルーエ検察は発表した。また検察はノル
トライン・ヴェストファーレンで、別の容疑者の家宅を捜査させ
た。

シリア軍はホムス市民に対する措置を強化

シリアの都市ホムスでは、軍と警察が現地住民に対して、大規模な
攻撃を開始した、と人権活動家は発表した。住宅地域バブ アル・
シェバーが銃撃を受け、戦車が数カ所に配備され、死者と多くの犠
牲者が出た、治安部隊は家屋に浸入し、住民を逮捕した、とのこと
である。目撃者の話では、週末から少なくとも33人が死亡した。死
亡したのは、治安部隊によってなのか、様々な宗教組織の間の衝突
でなのかは、はっきりしない。ホムスは、大統領アル・アサド政権
に対する抗議活動の中心地の一つである。シリア第三の都市である
同市では、最近住民の多数を占めるスンナ派と、少数派のアラウィ
派の間で、紛争が起きていた。アサドはアラウィ派に属している。




7月22日(金)

ノルウェイで爆弾攻撃と襲撃事件 死者発生

ノルウェイの首都オスロの政府の中枢部が、激しい爆弾攻撃で廃墟となった。
当局の発表によれば、現在までに死者は少なくとも7人、15人ほどが負傷した。
同時にオスロ近郊の社会民主党の青年部の休暇宿泊施設で、警官の制服を着た
男が、周囲に向け発砲し、未確認の報道によれば、4人を殺害した、とのことで
ある。警察の当初の判断では、複数の官庁の建物の中あるいはその前で、複数
の爆発が起きた。犯人とその背景については、推測することしかできない。路
上に数人が血まみれで倒れていた。被害を受けた建物の中には、さらに犠牲者
が閉じ込められている可能性もある。首相イェンス ストルテンベルグの官邸
が被害の中心であったが、彼はその場にいなかった。炎上した自動車の残骸が
あるため、自動車爆弾による攻撃であることを示唆している。
テレヴィの報道によれば、青年部の施設で銃撃した男は逮捕された。フィヨル
ドのウトヤ島にあるこの宿泊施設は、爆発物の捜索が行なわれた。

     その他のニュース

メルケルはオイロ首脳会談を肯定的に総括

連邦首相メルケルは、木曜日のオイロ首脳会談の成果に満足であ
る、と表明した。これにより参加各国は、重要な一歩を進めること
ができた、とベルリンでの記者会見で述べた。オイロ危機の回避
は、オイロのないヨーロッパがもはや考えられない現在、歴史的な
課題である、とも語った。また彼女は、ギリシアは自ら支出削減お
よび改革の措置を実行に移す、と確信しており、これはポルトガル
とアイルランドにも当てはまる、と述べた。ギリシアの借金を借金
で支払うなど、自動で財政調整を行なう措置を、彼女は相変わらず
拒否し、これはどの通過しよう地域でも試したことがない冒険であ
る、と語った。またメルケルは国内政治についても、肯定的な評価
を下した。経済成長は昨年とほぼ同じ、3.6%ほどであり、失業者は
年平均で3百万人以下に減少したので、これにより2013年1月1日に
大規模な減税を行なえる可能性が高まった。野党が非難している連
立の行動の遅れについて意見を求められた彼女は、これからは「決
断を下すだけ」だ、と述べた。

ギリシア救済の第2弾が決まり大いなる安堵

ギリシアに対する新たな救済策が合意に至ったことは、大いなる安
堵で受け止める向きが多かった。ヨーロッパ各国政府のうちには、
ブリュッセルでの危機対策首脳会談は、オイロ安定に向けた重要な
方向性の提示である、と評価した国もある。金融市場もひとまず、
前向きに反応した。しかし、ギリシアに対する緊急支援の第2弾に
よって、どれぐらいの経費が必要になる可能性があるかは不明であ
る。オイロ使用17カ国の首脳は、木曜日に共通の戦略をとることで
合意した。それによれば、ギリシア政府はさらに1,090億オイロを
手に入れる。銀行と保険会社も初めて、自らの意志で、負債の危機
克服に協力することになる。そのために各国は禁じてとされていた
ことを行なう。彼らはギリシアが一時、支払い不能に陥る危険を冒
している。米国の格付け会社フィッチ社は、予想通り、銀行が換金
できなくなることを理由として、少なくとも短期的に、ギリシア国
債を「支払い停止」と評価した。

セルビア戦争犯罪容疑者ハジッチは引き渡される

セルビアは戦争犯罪容疑者ハジッチを、デン ハーグの国連裁判所
に引き渡した。52歳の元将軍で、ユーゴスラヴィア戦争の間に数千
人のクロアチア人の殺害と、国外追放に責任があるとされるハジッ
チは、飛行機でオランダに移された。クロアチアのセルビア人少数
派の元指導者は、水曜日に長年にわたる逃亡の末、逮捕された。彼
は国連戦争犯罪裁判所が追っている逃走中の被告の最後の一人であ
った。数週間前にようやく、悪名高いセルビア人の将軍ムラジッチ
が逮捕され、国連裁判所に引き渡されたばかりであった。





7月23日(土)

ノルウェイでの襲撃事件の死者は92人 犯人は自白

金曜日に2件の襲撃事件が起きた後、ノルウェイ司法は逮捕済みの32歳の男を、
少なくとも92人の死を引き起こした、と発表した。このノルウェイ人の男は、
暫定的にテロ行為を実行した、とされた。彼は極右運動とつながりがある、と
されている。オスロ当局は、キリスト教原理主義の背景を持ち、イスラーム教
を敵視する心性の持ち主である、と発表した。警察広報によれば、この犯人は
様々なことを自白しているが、共犯者がいるかどうかについては不明である。
新聞報道によれば、この男は数週間前に、爆弾製造に使える化学肥料数トンを
注文していた、とのことである。政府の建物のある一角で、自動車爆弾が激し
く爆発したが、この件では7人が死亡した。瓦礫の中にはさらに遺体が埋まって
いる、と見られている。その後、警察の制服を着た犯人は、政権与党社会民主
党の、若者向けの施設で、1時間半にわたって大虐殺を引き起こし、少なくとも
85人を射殺した。捜査陣は全力を挙げて、第二の狙撃犯がいたかどうかを捜査
している。

     その他のニュース

メルケル「共に憎しみと外国人敵視と戦う」

連邦首相メルケルは、ノルウェイ公民に、ドイツ人の同情を伝え
た。「私たちはノルウェイの人々同様、衝撃を感じています」とメ
ルケルはベルリンで述べた。キリスト教民主同盟党首である彼女
は、当初の情報によれば、外国人に対する敵意と、自分とは異なる
存在に対する憎しみが、この恐るべき犯行の動機であったが、平和
的に共存することができると信ずる人々はすべて協力し合って、こ
のようなものに反対する行動をとらなければならない、と語った。
連邦外相ヴェスターヴェレは、ノルウェイの各所に、犯行の解明の
技術や、犠牲者の看護など、全面的な支援を申し入れた、と述べ
た。ベルリンの北欧の大使館前には、半旗が掲げられた。多くの人
が大使館の敷地の入り口に、ろうそくを置いて火をつけ、花を手向
けた。

アフガニスタンはマザリシャリフの指揮権を引き継ぐ

国防軍が駐留するアフガニスタン北部のマザリシャリフで、国際保
護部隊ISAFは治安の責任を、アフガニスタン警察と軍に、正式に委
ねた。この州の州都である同市は、現在アフガニスタンの部隊が
NATOから治安の責任を引き継いだ7つの地域のうちの一つである。
この引き継ぎは、2014年までにに全土で完了することになってい
る。それまでにNATOはヒンドゥクシでの戦闘活動を終え、14万人
の兵士の多くを引き上げる方針である。ドイツ外相ヴェスターヴェ
レは前日、マザリシャリフを訪問した際に、ドイツは2014年以降
もアフガニスタンを支援する、と強調した。国防軍はマザリシャリ
フに、最大の野営地を持っている。

米国の負債を巡る騒ぎのあと新たな危機対策会議

米国の負債の危機を解決するための話し合いで、民主党と野党共和
党の間の対立は、負債の上限の引き上げをめぐって高まりを見せて
いる。返済期限まで11日となり、多数派である共和党の下院の指導
者ベイナーは、大統領オバマとの話し合いをまず、怒りに燃えて中
断していた。オバマは記者を前に、共和党はそもそも何らかの提案
に賛成するつもりがあるのか、と質問した。彼は下院幹部との危機
対策会議の予定をすぐに設定したが、これは1時間で終了した。こ
れ以上の負債を認めるかどうかに関して、主たる対立点は、富裕者
層に対する増税と、社会福祉の切り捨ての要求である。8月2日まで
に、負債の上限を現在の14兆3千億ドルから引き上げることに合意
できなければ、世界で最大の国民経済国家が、支払い不能に陥る危
険がある。




7月24日(日)

狙撃殺害犯はノルウェイでの殺戮が「必要」と述べる

ノルウェイは、同国の最近の歴史の中では、最も大規模な殺戮の犠牲者93人を
追悼する。国王ハラルトと首相イエンス ストルテンベリは、破壊された官庁
街からほど近くにあるオスロ大聖堂で開かれた追悼の礼拝に参加した最も重要
な人物であった。32歳のノルウェイ人で、極右のアンネシュ ベーリング ブ
レイヴィクは、市の中心部で自動車爆弾攻撃を行なったことを認め、労働党の
若者向けの施設で大量殺戮を行なったことを自白した。これは「残虐」ではあ
るが、「必要」なことであった、と彼は述べている、と弁護士がテレヴィで伝
えた。警察によれば、狙撃殺害犯による単独での犯行であるのは確実で、彼の
強硬派おそらく長い時間をかけて計画されたものである。民族主義的狂信者
で、キリスト教原理主義者であるブレイヴィクは、金曜日の攻撃の直前には、
1千5百ページにわたる大規模な反イスラーム教徒の文書を、インターネット上
で公開していた。その中で彼は、「文化ボルシェヴィキ」に対する憎しみを公
言し、イスラーム教に対して「十字軍遠征」を行なうよう呼びかけていた。

     その他のニュース

レースラーはインターネット管理強化に反論

ノルウェイでの襲撃事件を受け、自由民主党党首レスラーは、イン
ターネットの管理強化に反対した。自由な社会は、自由権を捨てな
い場合にのみ、存立可能である、と連邦経財相である彼はテレヴィ
番組で述べた。自由な社会は必ず、急進的な勢力の危険にさらさ
れ、そのような場合には自分の強さを証明しなければならない、と
も語った。また同党とキリスト教民主、社会同盟の連立政権は、反
テロ法を作り、一方で自由と、他方では必要な安全の間で均衡を見
いだした、とも述べた

米国政界要人は月曜日に外国為替相場の暴落を阻止する意向

米国政界要人は、アジアの金融市場が再び開く前に、行き詰まって
いる負債をめぐる対立で、少なくとも意見を近づけようと努力して
いる。共和党の下院議長ベイナーも、大統領オバマと数回にわたっ
て会合を行ったものの、成果を上げることがなかったが、週初めの
為替取引開始前に、暴落を阻止するために前進があったことを示さ
なければならない、と発表した。蔵相ガイトナーはワシントンで、
議会の政治家は、8月2日前に米国が支払い不能に陥るのを回避すべ
く、負債の上限を引き上げるための中心項目を練り上げている、と
発表した。しかし大統領は相変わらず、2012年選挙以降の合意を
主張している。共和党と民主党の交渉担当者は土曜日に、若干の支
出削減をした上で、負債の上限を即時1兆ドル引き上げることを議
論した。2013年までに国家財政を確実にするためには、さらに
1兆4千億ドル不足している。

クリントンは北朝鮮の幹部外交官を米国に招待

米国は北朝鮮の核計画について議論するために、同国を代表する高
官を招いた。副外相キム ゲグァンが今週、ニューヨークする予定
である、と米国外相クリントンは、インドネシアでのASEAN首脳会
談訪問の冒頭で発表した。北朝鮮の交渉役は、米国の代表と、核を
めぐる話し合いを広い範囲で再び活発に行なうために、次の措置に
ついて抗議することになっている、とも語った。東南アジア諸国連
合の地域会議がバリ島で行なわれていた金曜日には、それと並行し
て急遽南北挑戦の首脳会談が、2年半ぶりに行なわれたばかりであ
った。現在中断されている問題の核計画に関する6カ国の話し合い
には、中国、ロシア、日本も参加している

ソマリアのイスラーム教徒居住地域で飢えている人に再び支援

イスラーム教徒急進派が威嚇をし、また禁止しているにもかかわら
ず、国際赤十字はナイロビでAFP通信に対して、ケニアとの国境近
くのソマリアのゲド州で、4百トンの食料品を2万4千人に配ること
に成功した、と発表した。この種の目的を持った行動が、急進派の
シャバーブ民兵が支配する地域で行なわれたのは、数ヶ月ぶりであ
り、食料品をこのような形で配分するのをこれからも続ける方針で
ある、と述べた。世界食料計画監督官のシェーランはこの前に、
2百万人以上のソマリア人が、イスラーム教徒急進派によって、支
援を受けるのが禁じられていると訴え、できれば食料を空から投下
しなければならない、と述べた。ケニアとエチオピアの収容所へ流
れ込む難民は、相変わらず途切れていない。エチオピアのドロ ア
ドには、4つめの収容所が建設されており、ここには飢えた人6万人
を受け入れられることになっている。




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