8月1日〜7日のオーストリアのニュース



8月1日(月)

     国外ニュース

米国の負債をめぐる駆け引き 米国の威信が傷つく

米国の負債をめぐる妥協で、米国の倒産は回避されたが、大国とし
ての印象は大きく損なわれた、と「ニュー ヨーク タイムズ」紙
は書いた。同紙によれば、米国大統領オバマは、今回の話し合いを
通じて、さらに威信を失った、米国の諸外国に対する影響力は、
「アラブの春」に関する対処が遅れたことにより、既に少し損なわ
れていたが、今回さらに傷が拡大した。米国人のノーベル賞受賞者
で、経済の専門家であるクルーグマンは、オバマと米国の新しいの
政治文化を激しく非難した。

     国内ニュース

自転車警官隊に関する議論

ウィーン国民党が、自転車警官隊を求めているが、緑の党は月曜日
に、自転車警官隊の設立は「全く不必要」である、として、この案
を拒絶した。野党国民党のウォルフガング ゲルストルは記者会見
で、「われわれは警察と、今後数ヶ月でこれを設立する方向に向け
て、交渉を行なっている」と自信を示した。既に警察職員の中に、
自転車で活動するものもおり、この案を新たに練り上げて、ザルツ
ブルクの先例に従い、軌道に乗せなければならない、とゲルストル
は述べた。




8月2日(火)

     国外ニュース

失脚から半年 ムバーラクの裁判がカイロで開始

アラブ革命の中で2番目に失脚した国家元首が、水曜日から自らの
所行について責任を問われる。長年にわたってエジプトの指導者で
あったホスニ ムバーラクは、汚職、権限乱用、カイロでのデモ隊
に対する流血の暴力行為容疑で、裁判を受ける。850人近くが、2月
に行なわれた反政府の抗議活動では死亡した。彼自身が実際に裁判
所に現れるかどうかは、今まではっきりしていなかった。彼に対し
ては最悪の場合、死刑が言い渡される可能性もある。

     国内ニュース

ショイヒ裁判で自由党は司法を攻撃 ショイヒは辞任の考えなし

自由党党首ショイヒは「ゲームの一部」裁判で有罪判決を受けた
が、自由党はこれをきっかけに、司法に対して正面攻撃をかけた。
彼らはこれは「醜い判決」であり「最悪の種類の政治的裁判」であ
る、自由党は電子メールで、「あくまでがんばり通す」との言葉を
送り、夕方にはショイヒを党首兼副州首相とすることを全会一致で
確認した。その他の政党は、ショイヒの辞任を求めている。ショイ
ヒは、連立相手の国民党に対して、ケルンテン州での連立を当面保
ち続ける条件としている辞任を、断固拒否した。ショイヒに対する
判決には、法的効力がない。




8月3日(水)

     国外ニュース

ソマリアの死亡率は「驚くべき高さ」 40万人が難民収容所に

ソマリアの飢饉のため、家族は群れのようになって、ケニアの難民
収容所に押し寄せている。国連の発表によれば、この施設での子供
たちの死亡率は「驚くべき高さ」である。世界最大の難民収容所で
あるダバーブでは、現在ほぼ40万人が暮らしている。故郷および徒
歩でケニアに向かっているソマリア人のうち、何人が死亡したかは
ほとんど見積もることもできない。アフリカ東部での飢饉の災害
は、さらに拡大する可能性もある。国際組織は、特にウガンダとエ
チオピアの情勢を懸念している。

     国内ニュース

ショイヒ事件 控訴審の判決には時間がかかる

ケルンテン州州首相代理で、自由党党首のウーウェ ショイヒは、
火曜日の法的効力を持たない判決が修正されることを望んでいる
が、18ヶ月ほど待たなければならないかもしれない。この判決で彼
は18ヶ月の拘留、うち6ヶ月は執行猶予なしとする、との刑を言い
渡されていた。つまりグラーツ上級州裁判所が判決を出すまで、待
つ可能性があるということである。同裁判所は、第一審の判決を確
定したり、修正したりする可能性から、この事件を改めて究明し直
す可能性まで含めて、多くの可能性を持つ。ショイヒの今後の政治
活動がどうなるかは、修正にかかっている。




8月4日(木)

     国外ニュース

市場の緊張は解けず 恐慌的な売りの後は真っ赤な数字

ヨーロッパと米国の負債の危機が拡大する恐れが、木曜日には株式
市場の推移の基調となった。ヨーロッパの中心的な市場で不安に駆
られて売りが行なわれたのを受け、ニュー ヨーク市場も値下がり
で引けた。特に大きな打撃があったのは、ミラノ市場で、その基準
指数は5%を超えるもので、過去28ヶ月で最低を記録した。EU委員
会はこの間に、イタリアの情勢を不安を増しながら注視しているこ
とを認めたが、イタリア司法は今度は、格付け会社ムーディース社
とS&P社の捜査を行ない、注目を集めている。

     国内ニュース

シリアの新札はウィーンからか?

大統領アサド率いるシリア政府は、数週間前から蜂起勢力に流血の
対処をしている治安部隊に、給料を支払うために、緊急に現金を必
要としている。これはシリア出身の蜂起勢力支援調整役がウィーン
で、オーストリア放送に話した内容である。この男の情報によれ
ば、8月にもオーストリア国立銀行から、シリア政府の委託で、印
刷したてのシリアの銀行券が国内に運び込まれた。国立銀行は、
3年前から契約があることを認めたが、現在調査中である。「近い
将来」には、運び込む予定はない、とのことである。




8月5日(金)

     国外ニュース

難民の窮状をNATOは無視か? 死者は百人を超えるか?

地中海のランペドゥサ島での新たな難民の劇的状況が、イタリアを
震撼させている。月曜日に難民船上で、25人の遺体が発見されたば
かりであるが、百人以上がリビアからの逃走の代金を、命で支払っ
た可能性がある。目撃者の話によれば、一週間以上前にリビアから
海に乗り出した船に乗り、数日にわたる大航海の末、劇的な状況が
起きていた。窮状を訴える声が伝えられていたが、近くにいたNATO
の艦船はこれを無視した、とされている。そのためイタリア外務大
臣フラティニは、正式に捜索を要請した。EU内務委員マルムシュト
レムからも、理解できない、という発言が聞かれた。

     国内ニュース

ショイヒ裁判で裁判官に脅迫

クラーゲンフルト州裁判所は昨日、ケルンテン州州首相代理ウーウ
ェ ショイヒの裁判の後に、「ケルンテン州の自由党」幹部によ
る、司法および裁判官クリスティアン リーブハオサーに対して行
なわれた攻撃をはねつけた。殺人の脅迫すら行なわれていた、との
ことである。ショイヒの有罪判決以降、自由党はオーストリア司法
を激しく攻撃していた。現在法務大臣ベアトリクス カール(国民
党)が反撃しており、「ケルンテン州の自由党」および自由党は、
「現実感覚を失っている」とした。法治国家では汚職は微罪ではな
い、と彼女は述べた。




8月6日(土)

     国外ニュース

民兵は撤退か? ソマリアの期待に弱い光

ソマリアの首都モガディシオの軍事情勢は、ずっと以前から行き詰
まっていたように見えた。飢餓による大災害のさなか、政府はイス
ラーム教徒の戦闘員を慎重に打ち破った、と報告した。彼らは首都
から撤退した、とのことである。反乱勢力自身は、これをもちろん
敗北ではなく、単なる戦略の転換である、と見なしている。政治的
に不安定で、極端な飢餓に悩むソマリアにとって、この撤退は場合
によっては、小さな希望の光となるかもしれない。

     国内ニュース

シュピンデレガー「シリアには新札は送らない」

国立銀行は、シリア政府との銀行券取引が批判を受けたため、子会
社の契約を調査する方針である。国立銀行副総裁ミヒャエル シュ
ピンデレガー(国民党)がこれを約束した、と外務省公報ペーター
 ラオンスキ・ティーフェンタールが「プレッセ紙日曜版」に述べ
た。今年12月に次回納入分を油送するまで、時間の猶予があるの
で、法的政治的な疑念に配慮する、と同銀行広報クリスティアン 
グートレーデラーは述べた。子会社である「オーストリア銀行券お
よび証券印刷」は、2009年からシリア政府に代わって銀行券を印
刷している。




8月7日(日)

     国外ニュース

負債の危機で欧州中央銀行は国債を購入すると予告

ヨーロッパでは、恐るべき負債の危機が渦巻いており、同時に高額
の負債を抱える米国も、最高度の信用を失った。これは金融市場に
とって、恐るべき複合事態である。緊急に呼びかけられた映像によ
る会議では、ヨーロッパ中央銀行が日曜日午後に協議を行ない、い
らだちを持って見守られていた月曜日の株式市場の取引開始を前
に、国債の購入計画を「積極的に実施する」つもりである、と発表
した。ただしこの計画では同銀行が月曜日からイタリアとスペイン
の国債も購入するかどうかは、発表されていない。

     国内ニュース

自由党幹部はケーニヒスホーファー事件のグラーフの意見を却下

国民評議会第三議長マルティン グラーフは、ケーニヒスホーファ
ー事件で、さらに議論をする必要があるとの考えを持っていたが、
自由党幹部は彼のこの見解を拒絶した。「これは我々にとっては内
容的に言って、もはや議題ではない」と党首代理ノルバート ホー
ファーは昨日述べた。これは事前にすべての幹部に伝えられてお
り、幹部会による党からの除名の商人は確定したものと見ている、
ともホーファーは述べた。ケーニヒスホーファーが不適切な言動を
繰り返しているため、党および自由党国会議員団からの除名の決定
が、幹部会から下された、とも彼は述べた。




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