８月８日〜１４日のドイツのニュース
８月８日（月）
労働裁判所は航空管制官のストを認める
ドイツの飛行機利用者は、火曜日に大いなる不便に備えなければならない。航
空管制官労働組合は組合員に対して、中部ヨーロッパの夏時間で６時から12時
の間、ドイツ全土でストに参加するように呼びかけた。フランクフルト労働裁
判所は、このストを許可する、と発表した。使用者側であるドイツ航空安全局
DFSは、今後は法的な手段をとって、休暇期間のさなかのこのストをやめさせる
方針であった。ルフトハンザやベルリン航空など複数の飛行機会社は、既に若
干の飛行機を時間を早めて出発させ始めている。その他管制塔を担当する官庁
とは、夜間飛行禁止を解除できないか、検討する。このストで、連邦全土で2千
5百便が欠航する可能性がある、とのことである。管制官労働組合は、給与の
6.5%引き上げを求めている他、配置転換と5千人を超える航空管制官の労働条
件に対する影響力を強めることを求めている。
その他のニュース
株式市場は再び下落
世界各国の株式市場の値下がりは、さらに続いている。ニュー ヨ
ーク市場では、ダウ・ジョーンズ指数は取引開始時点で、ほぼ3%下
落し、技術分野の指標Nasdaqは5%以上下落した。しかし恐れられて
いた株価の崩壊は起こらないままであった。フランクフルトのドイ
ツ株式指数は、5%値下がりし、5,923で今年の最低に下がった。先
行したアジアの株式市場同様に、ヨーロッパの他の株式市場も、2%
から5%の値下がりを記録した。一方ヨーロッパ中央銀行の国債の市
場への介入は、期待通りの効果を発揮した。同銀行がイタリアやス
ペインなどの高額の負債を抱える国々の国債を買い集めると発表し
たため、これらの国債の利回りはほぼ1%下がった。先週には、これ
らの国債の利回りは、危険な水準の5%にまであがっていた。オイロ
救済の傘のもとでなんとか事態を打開したギリシア、アイルラン
ド、ポルトガルが、資金調達をするための費用も、大幅に下がっ
た。崩壊を押しとどめることが、ドイツ政府にとって、EU、G7、
G20諸国と共同の行動をとる条件である。アラブ諸国はシリアから大使を引き上げる
シリアのアサド政権は、デモ隊と一般市民に対して厳しい措置をと
り、引き続き流血の事態となっていることを受け、ますます強い圧
力にさらされている。5箇月前から続く紛争で、先週最も多くの血
が流れたことを受け、サウジ・アラビア、クウェート、バーレーン
は大使を引き上げた。当面サウジ・アラビア国王アブドゥッラは、
殺戮機械と大量流血の停止を求めた。クェーと外相サバフは、軍事
的な行動は直ちに停止しなければならないと述べ、さらに数日後の
予定で湾岸協力評議会の会議をもう一度行なう、と予告した。アラ
ブ連盟は真剣な対話を行ない、紛争調停に向けて平和的な手段をと
るように、と促した。ドイツ政府はアサドに対して、改革を行なう
か辞任するかを求めた。アサドはこの間に国防相を交代させた。国
防相ハビブは将軍ラジュハと交代する、と国営テレヴィは報じた。
一方活動家の話によれば、同国東部のデイル アル・ゾルは周囲を
包囲されているが、再び銃撃にさらされており、50人が死亡した、
とのことである。リビアの反乱勢力はトリポリ近郊の領地拡大を発表
リビアの反乱勢力は、権力者カッザーフィーの部隊との戦いが停滞
していたが、再び勝利を収めた、と発表した。ロイター通信の発表
によれば、ビル アル・ガナムしは、週末の戦闘で、蜂起勢力の支
配下にある。この場所は、首都トリポリの南80キロほどのところに
ある。6箇月前から続く内戦で、反政府勢力はNATOの支援があるに
もかかわらず、つい最近までほとんど領地を拡大できていなかっ
た。英国の日刊紙「タイムズ」の情報によれば、反乱勢力は、自力
でカッザーフィーを退任させることができるとは思っていない、と
のことである。内部の戦略文書によれば、むしろ彼の腹心がクーデ
タを起こすよう働きかけている、と同紙は書いている。。
８月９日（火）
ロンドンの暴徒に警察が大量動員
英国の首都ロンドンでは、放火と略奪が行なわれる暴動の夜が3日続いたことを
受け、警察は大量動員を行なって、衝突発生を阻止する方針である。首相デイ
ヴィッド キャメロンは、現在1万6千人の警官が投入されており、これは今ま
でと比べて3倍である、今回の暴動では、「単なる犯罪」が起きており、これを
押さえ込まなければならない、と述べた。今までにロンドンでは、525人の暴徒
が逮捕された。
また今回の衝突で、初めての死者が出た。警察の発表によれば、26歳の男性が、
銃弾による重傷が原因で病院で死亡した。彼はロンドンのクロイドンクで、他
の暴徒と争いになっていた、とのことである。主として若者が参加する衝突は、
月曜夜にはリヴァプール、バーミンガム、ブリクストンに波及した。この暴動
は、29歳の男が警察に射殺されたことをうけ、ロンドンのトテナム地区で土曜
日夜に始まった。
ベルリンの外務省はロンドンを訪問する際には、特段の注意をするように呼び
かけた。
その他のニュース
株式市場の動きに神経質 ドイツ株式指数は損失を取り戻す
ヨーロッパの株式市場では、神経質な値上がりと値下がりが取引の
基調となっている。フランクフルト アム マイン市場では、ドイ
ツ株式指数は、一時7%値を下げたが、その後値上がりに転じ、取引
終了時点では0.1%の値下がりであった。ロンドン、パリ、ミラノ、
マドリードでも、株価は乱高下した。ニュー ヨークのウォール・
ストリートの株式市場は、若干の値上がりで取引を始めた。金融市
場安定に、ヨーロッパ中央銀行は乗り出し、取引人の情報によれ
ば、同銀行はイタリアとスペインの国債を購入した。ドイツ政府はオイロ使用地域の安定に向けた提案を行なう
ヨーロッパの負債の危機に直面して、連邦政府は安定化評議会の設
立を提案した。この評議会は、EU各国とは独立に、ある国が競争力
を失った場合には、制裁を科すことになる、と連邦経財相レスラー
（自由民主党）はベルリンで述べた。制裁を科す前には、これに関
する競争力試験が行われ、この新評議会は、オイロ使用地域の制裁
を行なうかどうかを判断する権限を持ち、例えば、危機にある国に
どのような手段をヨーロッパはとるかを決定する、とも彼は述べ
た。この評議会は、財政的に危機に陥っている州を守るドイツの安
定評議会に倣うものである。ドイツの輸出はわずかに3.1%増加
ドイツの輸出企業は6月に、国債市場では若干の好景気の形跡を残
した。輸出はわずか3.1%増え、総額883億オイロである、と連邦統
計局は発表した。5月には前年同月と比較して、20%の増加を他制し
ていた。卸売・貿易業連邦連合の広報によれば、米国の景気の先行
きが暗いことが、今後数ヶ月で判明するだろう、と述べた。
８月１０日（水）
株式市場で再び価格下落
ヨーロッパ各地の株式市場は、短期間の持ち直しの局面を経て、再び大きく値
下がりした。フランクフルト アム マインの、ドイツ株式指数は5.1%下がっ
て、市場終了時には5613となった。パリ、ロンドン、ミラノ、窓リートでも、
同様の規模の値下がりをした。きっかけになったのは、フランスの大銀行ソシ
エテ ジェネラルの苦境に関する観測と、フランスの信用力の評価が引き下げ
られる可能性があるとの噂である。フランス政府と主要格付け会社は、こうし
た観測を強い調子で否定した。フランスはドイツ同様、信用力の評価は最高の
AAAである。
米国では値下がりの傾向が続いている。ニュー ヨークのウォール街では、ダ
ウ・ジョーンズ指数は値下がりを続けている。
その他のニュース
ベルルスコーニは支出削減を急ぐ サルコジは支出削減を予告
イタリアは負債の危機が切迫していることを受け、支出削減を急
ぎ、そのために労働組合と使用者側ともに協力するように求める方
針である。第1回の交渉を終えた後の発表によれば、首相ベルルス
コーニは、8月18日までに追加の措置を含む指示を提案するつもり
である、と発表した。彼が率いる中道右派政権は、2013年までに、
つまり予定を1年はやめて、収支の均衡がとれた国家予算を提案す
る、と予告していた。そのためには、既に決定された480億オイロ
の支出削減に加えて、総額200億オイロの追加支出削減策が必要で
ある。フランス政府も8月中旬までに、新たな支出削減を提案する
方針である、と大統領サルコジは閣議後に予告した。当初の計画で
は、フランスの国家財政の赤字を、2013年までに国内総生産の
3%に押さえ込むことになっていた。キャメロンは暴徒を刑務所に入れると威嚇
英国首相キャメロンは、4回目の暴動の夜の後、暴徒に対して厳し
い措置をとる、と威嚇した。暴力行為に及んだものはすべて、刑務
所に送り込む、と閣議後に述べた。首相は初めて、警察が放水車を
投入する可能性を否定するのをやめた。放水車は今までは、北アイ
ルランド紛争のときにしか用いられなかった。これより前、4夜続
けて暴動と略奪が起きていた。今回最も大きな事態となったのは、
バーミンガム、マンチェスター、リヴァプールであった。夜間の暴
動では合わせて、若者を中心に4百人ほどの暴徒が逮捕された。警
察はによれば、いくつかの組織の好戦性が異例なほど高まってい
た。バーミンガムでは、衝突が起きているさなかに、自動車が3人
をひき殺した。警察は殺人容疑で捜査を開始した。首都ロンドンで
は、大量の警官が動員されているため、おおむね平穏を保ってい
た。シリア軍はハマから部隊を引き上げる
ハマ侵攻から10日、シリア軍は多数の兵士を同国の中心都市である
同市から撤退させた。これは駐シリアのトルコ大使が、反乱勢力の
拠点である同市を訪問した後に報告したことである。トルコ首相エ
ルドアンは、この撤兵は自分の提案の成果である、と述べた。彼は
大統領アサドが否定的な反応をしたにもかかわらず、シリアは10日
から15日の間に、改革を開始すると期待していた。アサドは木曜日
に、トルコ外相ダヴァトグルと話し合いをした後、デモ隊に対する
暴力行使を中止するのを拒否していた。他の都市では治安部多義
が、相変わらず反政府の抗議行動に、暴力的に対処している。人権
活動家の発表によれば、トルコとの国境近くでは、2つの町に戦車
が押し寄せた。デイル エソル市は、4日間にわたる包囲戦の末、
完全に軍に占領された。諸外国は現在、アサドに対する圧力を強め
ている。サナ通信の報道によれば、インド、ブラジル、南アフリカ
合同の代表団が、政治交渉のためにダマスカス入りした。
８月１１日（木）
キャメロンは個別的代理権を警察に与える
数日にわたって英国で続く暴動対策として、首相デイヴィッド キャメロンは
警察に個別的代理権を与えた。ゴム弾および放水車の使用に加えて、今後は暴
徒はかぶっている覆面をとるよう強制されることになる、とキャエロンはロン
ドンの国会で述べた。また彼は、軍の投入と外出禁止を科す可能性も否定しな
かった。若者を中心とする暴徒は、政治的抗議ではなくて、単なる強盗である、
とキャメロンは語った。深刻な社会問題をどのように処理するか、対策を彼は
確定しようとはせず、適切な解答はない、と述べた。キャメロンは野党からも
支持を得た。国会は協力し合って、破壊行為と暴力に抵抗する、と労働党党首
エド ミリバンドは述べた。一方裁判所は、1千5百人を超える逮捕者のできる
だけ多くに有罪判決を言い渡すために、全力をあげて作業を進めている。これ
以上の暴動が起きないように、ロンドンでは週末まで1万6千人の警官の投入を
続ける。
その他のニュース
メルケルはサルコジとオイロ危機について協議
金融市場の混乱が起きているため、フランスとドイツはオイロ使用
地域の安定を前進させる方針である。ドイツ首相メルケルとフラン
ス大統領サルコジは、来週火曜日にパリで会合を持ち、まだ続いて
いるオイロの負債危機について協議する。この協議では、オイロ使
用地域の経済政策の同行を強化するための共同提案を練り上げる、
とベルリンの首相府は発表した。メルケルとサルコジは7月21日の
ギリシア支援首脳会談で、これを既に予告していた。オイロ使用地
域の危機管理体制を強化するために、EU評議会議長ファン ロンパ
ウの作業班が策定する見解に、この提案は取り入れられることにな
っている。メルケルとサルコジは近東情勢とその他の国際問題につ
いても、話し合いをすることになっている。ヨーロッパの株式市場は値上がり
フランスの銀行の安定性に関する噂と米国の景気に関する情報のた
め、ヨーロッパの株式価格は乱高下を続けている。ドイツ株式指数
は火曜日には、悪い流れで終わった。11営業日連続の値下がりの
後、3.3%上げて5798で取引を終えた。ドイツ株式指数は午前に値
上がりした後、しばらくは再び値下がりをした。他のヨーロッパ市
場でも、同様の流れ出合った。若干の値上がりで始まり、その後一
時的に値下がりに転じ、その後3%ほどの値上がりとなった。ニュー
ヨーク市場では、ダウ・ジョーンズ指数は、約2%の値上がりであ
った。公社債市場では、ヨーロッパ中央銀行が買い支えを行なうこ
とで、スペインとイタリアの償還期間10年の国債の利回りを、5%
以下に押さえ込んだ。金価格はさらに上昇し、初めて1オンスあた
り1,800ドルの水準を超えた。トレモンティはイタリア人に大規模な支出削減の準備を促す
イタリア大蔵・経済大臣トレモンティは、負債および経済危機との
戦いで、抜本的な支出削減と改革に向けて、国内の準備を促した。
公務員の給与引き下げ、年金受給年齢の引き上げ、地方自治体の活
動の民営化などが、議論の中心である、と休暇中に呼び戻された国
会の緊急会議でトレモンティは述べた。ただし彼は、金融市場で動
きがある間は、具体的に詳細を述べることはできない、と述べた。
最終的な指示は来週火曜日に提案されることになっている。首相ベ
ルルスコーニ政府は、ヨーロッパ中央銀行と他のオイロ使用国の圧
力を受け、当初の予定を1年早めて、2013年にも収支の均衡のと
れた予算案を提案する、と予告していた。
８月１２日（金）
イタリアは2年で450億オイロの支出を削減する方針
イタリアは2年間で450億オイロの国家の負債を減らす意向である。うち200億オ
イロは来年に削減する、と首相シルヴィオ ベルルスコーニは、各日の政治家
との会議を行った際に発表した、とその会議の参加者は述べた。2013年にはさ
らに250億オイロの支出削減が予定されている。高額所得者に対するいわゆる
連帯課税が、この計画の中心である。経済大臣ジュリオ トレモンティによれ
ば、地方政府と市の閣僚の数を、今後減らすことになっている。さらに公共の
役務がさらに民営化される。
その他のニュース
EUと国際通貨基金はポルトガルが支出削減が前進したと証す
高額の負債を抱えるポルトガルは、国家財政の再建に向けて、最初
の段階の目標を達成した。国際通貨基金とEU委員会は、支出削減の
方針を検討し、780億オイロの救済策のうち、第2回分の支払いを行
なうよう勧告した。ただし首相コエーリョ率いる中道右派政権は、
さらに支出削減を行ない、さらなる努力を払わなければならない、
ともされている。ポルトガルはオイロ使用国としては、ギリシアと
アイルランドに次いで3番目に、EUと国際通貨基金により、破産を
免れていた。国際通貨基金は、同国政府が赤字の目標削減額を今年
中に、最大で国内総生産の5.9%に押さえ込むことが出来る、との見
方をとっている。蔵相ガスパールは、財政赤字を埋めるために、本
来来年に予定されていた電力とガスに対する付加価値税の増税を、
2011年末に前倒しして行なう、と予告した。ドイツ株式指数はさらに回復
投資家は勇気を取り戻し、ドイツの株式市場に勢いを与えた。ドイ
ツ株式指数は金曜日に、再び低調な出発をきったものの、すぐに前
日から続いて回復し、取引終了までにおよそ3.5%上昇し、5998と
なった。これにより6000の大台をわずかに切ることになた。木曜
日にはドイツの最重要株式指数は、11日連続の値下がりから、よう
やく値上がりを記録したばかりであった。ドイツ株式指数は州を通
してみると、3.8%の値下がりであった。その他の主要なヨーロッ
パの株式市場も、価格を大きく回復した。アサドはシリアのデモ隊に向けて再び発砲させる
シリアの治安部隊は、野党に対して厳しく対処し、再び血が流れ
た。活動家の発表によれば、各地でデモ隊に対して新たな暴力が行
使され、10人以上が死亡した。複数の都市では数万人が路上に出
て、大統領アサドが率いる政権に抗議を行なった。デイル エソ
ル、イドリブ、ダラーでは、軍が抗議活動の参加者に発砲した、と
アラブの通信社は伝えている。目撃者の話によれば、デイル エソ
ルでは、金曜日の祈祷の後に信者たちが、モスクを出ようとしたと
ころ、銃撃され、少なくとも1名が死亡した。ラタキアとホムスで
は、大規模な集会が開かれた。米国はヨーロッパに対して、軍の暴
力が続いているため、シリアに対する強力な制裁を科す用意をする
ように求めた。ドイツ政府は、同国の石油およびガス産業に対し
て、制裁を科す可能性を否定していない。
８月１３日（土）
ベルリンの壁建設50周年記念日
ベルリンの壁が建設されてから50年、主要な政治家たちは、旧東ドイツの歴史
により前向きに取り組むように呼びかけた。ベルナウアー通りで行なわれた記
念式典で、連邦大統領クリスティアン ヴルフは、旧東ドイツの権力の執行の
手段が、犯罪的であったことを知らないドイツ人が多い、と述べた。そのため
彼は、民主主義と人権を支持するように、全世界に呼びかけた。壁という不正
を記憶にとどめることで、自由と市民権のために戦った人々を孤立させないこ
とにつながる、とも語った。1961年8月13日に旧東ドイツ政府は、西独への難
民の流入を停止させるために、東西ベルリンの間に壁の建設を開始していた。
連邦大統領ヴルフは、1989年11月9日の壁の崩壊も思い起こさせ、この事件は
自由が打ち負かされることはないことを示している、と語った。この記念式典
には、旧東ドイツの反体制派、犠牲者の家族、主要政治家が集まった。
その他のニュース
英国警察労組はキャメロンを批判
英国政府と警察は、イングランドの数都市で新たな暴動が起きない
ようにするための措置をめぐって対立しているが、それがさらに激
しさを増した。首相キャメロンはロス アンジェルスとニュー ヨ
ークの元警察署長ブラクストンを、顧問として参加させる決定を下
したが、警察労働組合はこの決定を批判した。労組の代表は、英国
警察は首相と協議する能力に関して、はるかに上である、と述べ
た。ロンドン警視庁の職員の利益代表部は、保守党と自由党の連立
政府が計画している警察の人員削減を批判した。蔵相オズボーン
は、計画中の人員削減は、高額の国家財政の赤字に鑑みて、変更不
可能である、と擁護した。ロンドンおよびその他の都市では、金曜
日夜にも平静を保った。シリアでは反政府勢力に対して新たな攻撃
シリア軍は、同国の複数の場所で起きている抗議活動に、攻撃を続
行している。多くの戦車と兵士が、港町ラタキアに侵入し、市街戦
で2人が死亡した、と野党運動の現地調整委員会は発表した。また
別の作戦で、大統領アル・アサド政府の治安部隊はデイル アル・
ゾルしで、野党勢力に手入れを行なった、とシリアの活動家は発表
した。軍事活動は、クサイル市近郊の複数の村落からも報告されて
おり、少なくとも1人が死亡した、とのことである。ラタキアとそ
の他の都市では金曜日に、数千人が反アサドのデモを行なった。兵
士と民兵が、少なくとも23人を殺害した、と人権活動家は発表し
た。リビアの反政府勢力が戦果を発表
リビアの反政府勢力は、権力者アル・カッザーフィーの部隊との戦
いで、戦果を記録した。BBCの記者によれば、蜂起勢力の部隊が、
反乱軍が支配するミスラタ市の南50キロにある村落タウルガを制圧
した。現地からはカッザーフィー軍が、ミスラタを再びミサイルで
攻撃した、とも伝えられていた。トリポリの西では、反乱勢力がサ
ウィヤ市に再び進軍した、と発表した。石油都市ブレガ周辺および
首都トリポリの南80キロにある戦略上の要衝ハルヤンでも、激しい
戦闘が起きた、と報じられている。
８月１４日（日）
リビア反乱勢力は戦略的に重要な都市いくつかを押さえる
リビアの反乱勢力は、同国西部の戦略的に重要な複数の都市に迫っている。蜂
起勢力は、トリポリの南西部にあるサウィジャの大部分を既に管理下に置いた、
と発表した。しかし目撃者の話によれば、銃撃戦はまだ続いている。蜂起勢力
はサウィジャを奪取するとともに、首都トリポリからチュニジア国境に通じる
主要道路を勢力下に置いた、とのことである。また蜂起勢力の発表によれば、
南部のガルヤン市にも侵攻した。権力者ムアマル アル・カッザーフィーの広
報は、これを否定している。
NATOのリビア派兵上級司令官シャルル ブシャールは、カッザーフィー軍はこ
の間、大領動員して軍事行動に出られる状態にはないと推定しており、軍の規
模と戦闘準備はますます低下している、とAFP通信に述べた。
その他のニュース
シリアの軍艦が港町ラタキアを砲撃
シリアでは大統領アル・アサド政権が、野党の活動を攻撃している
が、今度は海軍も投入した。人権活動家の発表によれば、軍艦は港
町ラタキアの住宅街2箇所を砲撃した。同時に軍はラタキアを戦車
と大砲で攻撃した。ロンドンに本拠地があるシリア人権監視所は、
少なくとも23人が死亡した。軍事攻勢にもかかわらず、反アサドの
抗議活動はさらに広がっている模様である。活動家が日曜日にイン
ターネット上で公開した映像には、大規模なデモが、ダマスカスの
郊外などで、行なわれているのが映っている。政府は中立の報道機
関の立ち入りを認めていないため、この報道は検証が出来ていな
い。アフガニスタンではタリバーンの攻撃で20人ほどが死亡
アフガニスタン東部のパルワン州で、政府の建物が自殺攻撃を受
け、少なくとも19人が死亡、多数が負傷した。警察の発表によれ
ば、急進派イスラーム教徒のタリバーンが、チャリカルの州知事の
本部を襲った。その時にその建物では、アフガニスタン秘密情報部
と米軍の代表と、安全をめぐる会議が行なわれていた。最初自殺攻
撃犯は建物の入り口前に、爆薬を積んだ自動車で爆死し、その後に
別の戦闘員が建物の内部に入り込んだものの、会議場には到達する
ことが出来なかった。アフガニスタン大統領カルザイは、首都カブ
ールの北西にあるチャリカルの攻撃を非難した。北東部の州カピサ
では、蜂起勢力との戦闘で、フランス兵1名が射殺された、とフラ
ンス大統領府は発表した。スー チーはビルマ人に団結を呼びかける
ビルマの野党の指導者スー チーは、国民に対して、国を一つにま
とめあげるように呼びかけた。自宅拘留から釈放されてから初め
て、彼女は政治的演説旅行をしているさなかに、ノーベル平和賞受
賞者である彼女は、バゴ地域で、ビルマの人々が団結した場合にの
み、国を前進させることが出来る、と述べた。支持者数千人がスー
チーに歓声を上げた。彼女はビルマ政府の警告にもかかわらず、
演説旅行を続けている。2003年に行なわれた前回の演説旅行では、
彼女が乗った車は政府に忠実な群集に襲われ、彼女は逮捕された。
スー チーは過去20年間の多くの時間を、自宅拘留で過ごした。昨
年11月にようやく、自宅拘留は解除されたが、それは20年ぶりの選
挙の後で、これは自由選挙ではないと批判され、スー チーの政党
「国民民主連盟」はこれに参加しなかった。1990年にすでに国民民
主連盟は、選挙で勝利を収めていたが、軍事独裁政権は、当時これ
を認めなかった。