8月8日〜14日のオーストリアのニュース



8月8日(月)

     国外ニュース

欧州中央銀はオイロ危機の消火作業でジレンマ

1年以上前から始まっていた巨額の負債を抱える国の国債の大量購
入計画を、ヨーロッパ中央銀行はイタリアおよびスペイン国債にも
拡大した。これにより国債の利回りは下げることができ、危機にあ
る両国の支出削減に対する信頼が強められることはできた。ただし
批判的な声はとどまっていない。彼らは、ヨーロッパ中央銀行の政
治的独立性が失われる、と懸念している。さらにこの「消火作業」
は問題を解決しない、とも述べている。

     国内ニュース

ショイヒ事件でケルンテン州憲法が間もなく修正

法の前での公務員と政治家の不平等を、ケルンテン州の国民党と社
会民主党は廃止する方針である。州首相代理ウーウェ ショイヒ
(「ケルンテン州の自由党」)を巡り第一審では、法律の規定での
相違が明らかになっていた。




8月9日(火)

     国外ニュース

危機が再発する危険が増加 政界に対し緊急の訴え

オイロ使用国の負債の危機がさらに増すとの観測が流れたため、悲
観的な見方が戻ってきた。発券銀行が現在とっている措置では、こ
れは代わらない。逆で発券銀行が活発に活動すればするほど、悪い
兆候であると理解されている。ヨーロッパ中央銀行総裁トリシェと
オーストリア国立銀行総裁ノウォトニーは、2008年のリーマン・シ
ョック後の状況と並ぶ状況だ、と見ている。トリシェは火曜日に、
「第二次世界大戦以降最悪の危機」である、と述べていた。両者は
政界に対して、きわめて緊急に対策をとるように求めている。

     国内ニュース

輸血問題でシュテーガーは自由意志を基本方針に

標準的な治療を行ない場合に外科医の出寿にとって、保存血液を利
用する上での今後の基本方針が立てられることになっている、と厚
生大臣アロイス シュテーガー(社会民主党)は予告した。この基
本方針に従って、医師はできるだけ血液を節約して手術するよう心
がけることになる。患者の弁護士が求めているような資金面での圧
力があった、ということをシュテーガーは否定した。




8月10日(水)

     国外ニュース

我慢の限界 トルコはアサドに最終通告

トルコは隣国シリアに対する忍耐を、目に見えて失ないつつある。
水曜日にはトルコ首相エルドアンは、シリア大統領アサドに、国民
に対する暴力行使をやめ、改革を認めるまでに、「10日から15日」
という期限を設定した。トルコは以前アサドと同盟関係にあった国
のうち、最後まで残った国の一つであるが、これらの国もアサドと
は距離をとりつつある。シリア政府はいままで、これについて意に
関していないよう、暴力はまだ続いている。

     国内ニュース

汚職検察官を新たに任命

2009年から汚職検察官が活動している。9月からは新たに官庁が
設置される。15人の検察官が、大規模な経済犯罪でも、活動を行
なうことになる。最初の3年間ではおよそ5千5百の事件がこの部局
に持ち込まれた。140件ほどが裁判になり、その多くで有罪判決が
出ている。この総括を行なったのは、検察部長ワルター ガイアー
である。




8月11日(木)

     国外ニュース

ベルリンの壁建設50年

1961年8月13日は、多くのベルリン市民の生活の劇的な境目となっ
ている。夜間にベルリン市は分割され、西側は東側から封鎖され
た。壁の建設開始は、刷毛のひと塗りで始まった。東ドイツ指導部
は数ヶ月にわたり事細かな計画を立てていた。しかし国家評議会議
長ヴァルター ウルブリヒトは、ソ連首相ニキータ フルシチョフ
が、壁建設を認めるまで、長期間ソ連詣でを行なわなければならな
かった。しかしその後はすべてが迅速に行なわれ、以前は人々が横
断していた場所に、数日後には仮の壁が立ち、数年後には死の帯へ
と拡大されていた。

     国内ニュース

児童養育 資金が残る

2009年から子供の世話の費用は税金で負担することが可能になって
いるが、ごくわずかの家族だけがこれを利用している。同様に多く
の資金が、児童扶養控除に残っている。女性大臣ガブリエレ ハイ
ニシュ・ホーセク(社会民主党)は、この資金を新たに配分し直す
意向であるが、国民党ではさらに時期を待つ方針である。




8月12日(金)

     国外ニュース

中国の石油流出は増加 当初発表は「1から2リットル」

中国での石油流出はますます増加している。海底にさらに穴が見つ
かった、と金曜日に国の海洋管理局が発表した。渤海湾の汚染の規
模は、今まで考えられていたよりも大きい。およそ2千5百バレルの
石油を含んだ汚泥が流出し、その量は大幅に上方修正された。石油
会社は災害の規模をびくびくしながら白状した。新たな穴が見つか
ったと発表されるまでは、同社側からは「1、2リットル」の石油が
流出した、と述べていた。流出が始まって以来、本当の流出量を積
極的に隠そうとしていた。

     国内ニュース

フィッシャーの批判を受け自由党は連邦大統領を叱責

自由党は連邦大統領フィッシャーを厳しく叱責した。フィッシャー
は、自由党党首ショイヒに対する法的効力を持たない判決に対し
て、自由党とその反応を批判したが、それは「政党政治に基づくも
のである」と自由党事務長ヴィリムスキは昨日のテレヴィ番組で述
べた。ある反悦に対する論評は許されねばならない、とも彼は述べ
た。自由党はショイヒ事件を、「政治裁判」であり「極端な誤審」
である、と述べていた。フィッシャーは批判して、政治文化と法治
国家の性質の限界を、自由党は越えてしまった、と述べていた。




8月13日(土)

     国外ニュース

シリア情勢がみるみる激化 諸外国が訴え

シリア政府が抗議する国民に対して残虐な行為をますます強めてい
ることを受け、米国大統領オバマ、サウジ・アラビア国王アブドゥ
ッラー、英国首相キャメロンは、改めて大統領アサドに対して緊急
の訴えを行なった。その中で、アサドは暴力行使を速やかに中止す
べきである、と求めている。人権団体によれば、抗議活動が始まっ
てから既に1千8百人の民間人と、治安部隊4百人が死亡した。土曜
日には戦車が初めて港町ラタキアに侵攻した。

     国内ニュース

財源不足で大学学長たちが立ち上がる

学生は多すぎるのに資金はあまりに足りない。大学は慢性的に財源
不足の状態にある。今回は大学学長は立ち上がる。ウィーン大学次
期学長ハインツ エングルは、今週間接的ながら、研究施設の一時
使用停止を行なうと発表し、他の大学学長にもより多くの資金を出
すように求めた。大学の運営は現在の財政的な枠組みの中では、長
期的に維持することは出来ない、と声をそろえて訴えている。学長
の計算は様々であるが、10億オイロほどの資金が不足している。




8月14日(日)

     国外ニュース

ノルウェイの攻撃犯ブレイヴィクが犯行現場の検証

右派急進派の攻撃犯ブレイヴィクは、金曜日にウトヤ島で8時間過
ごした。警察とともに7月22日の犯行の経過を再現した。当局の代
表は、ブレイヴィクはこの際、いかなる後悔も示さなかったが、
警察には協力的であった、と発表した。弁護士は、ブレイヴィクは
犯行の詳細まで思い出すことが出来る、と述べた。ある新聞は犯行
の映像をインターネット上で公開した。一方ノルウェイ政府は、調
査委員会を設置した。

     国内ニュース

国民評議会の避難用の階段も安全ではない

会議場の上部のガラス張りの屋根が、国会の唯一の危険な場所では
ない。避難用の階段も火事の場合は使わない方がよい。エレベータ
ーも全面的に交換しなければならない。「鉄が火事の際には堪えら
れない。別の脱出路を作らなければならない」と国会議事堂の状況
の鑑定を行なった1人が述べた。さらに30台のエレベーターも、ひ
どく損傷しているので、使用禁止にしなければならない。




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