８月１５日〜２１日のドイツのニュース
８月１５日（月）
リビア紛争解決の交渉に関する報道
5ヶ月間以上にわたってリビアでは先頭が続いているが、対立する両者が交渉の
席に着き、解決を模索する兆しが生まれている。通信員は、チュニジアで権力
者ムアマル アル・カッザーフィーと反乱勢力の代表の間で、秘密交渉が行な
われている、と伝えている。国連リビア特使アブドゥル イラ エル シャテ
ィブはチュニス入りし、AFP通信の報道によれば、彼は交渉に合流する意向であ
る。
反乱勢力が最近軍事的な成果を上げたことを受け、カッザーフィーは支持者に
対して国営テレヴィで、NATOとより積極的に戦うよう呼びかけた。蜂起勢力は
過去数日間、湾岸の重要な都市を制圧し、それにより首都でカッザーフィーの
拠点であるトリポリに対する圧力を強めた。
カッザーフィー政権の内務大臣ナスル マブルク アブダッラーは、おそらく
解任された模様である。彼は家族9人とともに、エジプトの首都の首都カイロ入
りした。
その他のニュース
チュニジアの移行政権に対する抗議活動
数百人のチュニジア人が、首都チュニスの中心で、エセブシを首相
とする移行政権に抗議を行なった。この時、蜂起勢力に対して催涙
ガスを使用した軍との間で衝突が起きた。内務省前では戦車が戦列
に加わった。デモ隊は町のあちこちで、「新たな革命」を起こし、
失脚した大統領ベン アリの家来全員を、公職から追放するよう
に、との声を上げた。ベン アリは政権に対して数週間にわたって
大規模な抗議活動を受け、1月半ばにサウジ・アラビアに逃亡して
いた。ムバーラク裁判は9月まで延期
カイロではエジプト元大統領ムバーラクに対する裁判が、公判が始
まって2時間で、9月5日まで延期された。これにより追加の証拠を
提出するための時間的余裕ができた、と主席裁判官リファーとは述
べた。また彼は、これ以上裁判の公判をテレヴィで生中継すること
を禁止した。83歳のムバーラクは、2週間ほど前に行われた裁判の
初日のとき同様、法廷に病院用のベッドに乗って運ばれてきた。長
年にわたって国家元首を務め、数週間にわたる抗議活動を受けて
2月に辞任したムバーラクは、今年初めの民衆蜂起の際に、デモ隊
の殺害を幇助した容疑で訴えられている。この抗議活動では、
850人ほどが死亡した。ムバーラクの息子たちガマルとアラーも、
違法な利得を得た容疑で、裁判を受けている。裁判の冒頭でムバー
ラクとその息子たちは、無罪を主張した。連邦政府はオイロ債券に相変わらず反対
連邦政府は、負債の危機を押さえ込む手段としてオイロ使用国共同
の国債を作ることに反対である、と強調した。政府公報ザイベルト
はベルリンで、連邦政府はこのようなオイロ債券を過去に有意義だ
と見なしたことはなく、現在も適切な手段であるとは見ていない、
と述べた。連邦首相メルケルは、フランス大統領サルコジと火曜日
にパリで会談するが、その際にもこの議題は取り上げられない、と
も彼は述べた。これはフランス側も認めている。ドイツの野党各党
と、複数のオイロ使用国は、オイロ債券の導入に賛成しており、共
同国債により、高額の負債を抱える国々の金利負担を引き下げるこ
とができ、ドイツは代わりにより多くの利息を支払わねばならな
い、と述べた。
８月１６日（火）
メルケルとサルコジはオイロ経済圏政府を提案
ヨーロッパの負債の危機に対処するため、ドイツ首相アンゲラ メルケルとフ
ランス大統領ニコラ サルコジは、オイロ使用地域に共同の経済政府を作るよ
う提案した。「オイロ使用地域の正真正銘の政府」の長の椅子には、EU評議会
議長ヘルマン ファン ロンパウが座ることになる、と2人はパリでの会談後に
発表した。金融機関の大きな業務行為に対する課税と、すべてのオイロ使用国
の負債減少を、2012年夏から開始することがこの共同提案に含まれており、こ
れにより市場のオイロに対する信頼感を作り出すことになっている。メルケル
とサルコジは、オイロ使用国共同の債券の発行を拒否する、と強調した。いわ
ゆる「オイロ債券」を発行するように求める声は、過去数日間でますます強く
なっていた。ただし負債を抱える国々に対する圧力が弱まる一方、安定的な国
家予算を執行している国々は、これで罰せられる、と批判する人たちもいる。
その他のニュース
ドイツ経済界は第2四半期には停滞
負債の危機のまっただ中でドイツの経済成長の原動力は、再び強さ
を失った。今年の初めにはまだ力に満ちあふれていたドイツ経済
は、4月から6月にかけて、貧弱な成長しか遂げられなかった。連邦
統計局の発表によれば、国内総生産、つまりドイツで生み出された
非製造業および製造業すべての合計は、第1四半期と比べてわずか
0.1%の増加であった。これによりドイツ経済の成長は、オイロ使用
地域全体の半分であったことになる。ドイツの輸入は輸出より急速
に増加しているため、外国貿易からもマイナスの影響を受けた。国
内経済は景気の冷え込みが覚悟されていたが、より大きな増加も予
想される。経済成長がさらにはっきりと弱くなれば、雇用情勢が良
好で、賃金が上昇しているにもかかわらず、個人消費を押し下げる
ことになる。「フィッチ」社は米国国債の格付けをAAAであると確認
米国の格付け会社フィッチ社は、米国の国債の信頼性を、相変わら
ず最高水準のAAAと評価している。同社はその理由として、米国経
済が活発で、広がりを持っていることと、世界経済で中心的な役割
を果たしていることを挙げた。米国経済は、為替相場での柔軟性を
持っているので、市場の混乱に適応できる、という点も上げた。同
社は米国国債の信頼性に対する長期的な展望を、「安定している」
と見ているが、負債の縮小を進める上で前進するかどうか注視し、
緊急の場合には新たな格付けを行なう、とも発表した。格付け会社
「スタンダード＆プアーズ」社は先週、米国の信用状態を引き下
げ、それにより金融市場で大きな混乱が生まれていた。3番目に大
きな格付け会社ムーディーズ社は、米国の信用状態に最高の数字を
つけているが、その今後の見通しは「否定的」としている。イスラエル国会は社会福祉を求める抗議運動に関して議論
イスラエル国会は、高額の生活費に対する大規模な抗議活動が起き
ていることから、特別会議を開いた。野党のカディマ党党首リヴニ
は、議論の中で、経済および社会福祉の優先順位を抜本的に修正す
るよう求めた。デモ隊は、あきらめて国外に出て行くよう強いられ
るのではなく、イスラエルで尊厳を持って生活する権利をもってい
る、と彼女は述べた。連立政府の国会議員の多数と首相ネタニヤフ
は、この会議には出席しなかった。しかしネタニヤフは、社会福祉
および経済の改革を検討する、と予告していた。また彼は経済が縮
小していることを背景に、国家予算の拡大を行なわないように、と
も警告していた。イスラエルでは7月半ばから、週末を中心に数十
万人が、家賃、生活に必要な費用、税金が高い、と抗議し、健康維
持に関する給付および教育制度の拡充を求めて、抗議活動を行って
いる。
８月１７日（水）
メルケルとサルコジの計画に留保の声
ドイツとフランスがオイロ危機克服のために行なった提案は、金融市場、他の
ヨーロッパ諸国、さらには両国内でも、留保や批判の声に直面している。ドイ
ツ首相アンゲラ メルケルとフランス大統領ニコラ サルコジの提案に関して、
危機管理としては改善されており、「オイロ使用地域の経済政府」に至るまで
の試みである、と満足の意を表した。ただし同委員会の広報は、オイロ債券の
導入とオイロ救済基金EFSFの増額を長期的には排除できない、と主張した。ド
イツは、ヨーロッパの中核部分を作り上げるようとしている、との印象を与え
ないようにしていた。メルケルとサルコジは負債の危機に直面し、オイロ使用
地域で経済政策の課税強化のための枠組みを中心に提案を行ない、すべてのオ
イロ使用国の憲法に借金抑制を定め、大規模金融業務行為に対して課税するよ
うに求めた。
その他のニュース
オイロ使用地域での物価上昇は高い水準にとどまる
オイロ使用17カ国では、7月の物価上昇は若干減速したものの、ヨ
ーロッパ統計局の発表によれば、2.5%であった。物価を押し上げて
いるのは、相変わらず高額の燃料および石油価格である、とルクセ
ンブルクにある同局は発表した。ヨーロッパ中央銀行は、物価上昇
率を最高でも2%に押さえるべく努力している。同銀は、7月にオイ
ロ使用地域の基準金利を、1.5%に引き上げていた。景気が後退して
いるため、多くの専門家は、同銀行は基準金利をさらに日上げるこ
とはない、と見ている。火曜日には、ドイツでも経済の雲行きが悪
化している、と発表されていた。第2四半期には国内総生産は、
0.1%しかのびなかった。経済学者はもっと高い経済成長率を予想し
ていた。連邦内閣は安全法の延長を可決
連邦内閣は2001年9月11日以降に交付された反テロ法を、さらに4年
間延長することを可決した。キリスト教民主、社会同盟と自由民主
党の連立が譲歩したことを受け、治安部隊の権限が拡大される。治
安当局は、テロの疑いがあるときには、飛行機の利用に関する情報
を、今後は直接予約機構に問い合わせることが出来る。さらに治安
当局は、銀行預金口座の情報も手に入れることが出来る。郵便物の
配達や私書箱の監視、小規模な盗聴工作などの規則は廃止される。
さらに政府委員会は、2001年以降の安全に関する立法全体を、再検
討することになっている。情報蓄積に関する新たな規定がどうなる
かは、まだ未定である。この決定が下されていなければ、2012年
1月にこの法律は廃止となるところであった。アサドはホムスとハマにさらに部隊を派遣
目撃者の話によれば、シリアでは政府軍は、野党の拠点ホムスとハ
マにさらに侵攻した。成人の他に、多くの若者も逮捕された、と人
権活動家は発表した。手入れが行なわれ、国家元首アル・アサドに
反対する勢力に対して、暴力的な措置がとられたことを受け、ラタ
キア、デイル アル・ソルの両市の情勢は、若干平静を取り戻し
た、とのことである。人権団体「人権監視団」は、EU加盟各国に対
して、シリアからの石油の輸入を中止するように求めた。ベルリン
では外相ヴェスターヴェレは、シリアに対して、新たな制裁を科
す、と威嚇した。また彼は、シリア政府に対して野党と話し合いを
行なうように、呼びかけを行なった。
８月１８日（木）
イスラエルはエーライト近郊のテロ攻撃に報復
イスラエルは南部の国境地帯で、計画的な連続テロ攻撃に、即時報復で反応し、
ガザ帯状地帯への空爆を行なった。ラファ近郊での爆撃により、急進派の組織
の有力者2名を含め、6人が死亡した、とパレスチナ側は発表した。国連事務総
長国連事務総長潘基文は、近東情勢が再び悪化することがないように、と警告
した。これより前に軍は、武装した攻撃犯が、イスラエルの保養地紅海岸のエ
ーライトの北で、数機の軍用機と軍の巡視隊を攻撃した、と発表していた。イ
スラエル兵7人が死亡、30人ほどが負傷した。特殊部隊が急進派を追跡し、最新
の情報によれば、うち4人を射殺した。
イスラエル軍は、ガザ帯状地帯の急進派パレスチナ人「民族抵抗委員会」PRCが、
この連続攻撃の背後にいるものと見ている。国境を接するシナイ半島で、テロ
組織対策をあまりに行なわなさすぎる、とエジプトを非難した。
その他のニュース
西側は団結を求める「アサドは辞任しなければならない」
大統領アル・アサドの流血の対処を目の当たりにして、西側は一致
してシリアの暴力的な政府に反対した。米国、EU、ドイツ、フラン
ス、英国はアサドに対して、辞任をはっきり求めた。アサドは改革
を行なう機会を利用せず、事態の推移の邪魔になっているだけであ
る、と米国大統領オバマは述べた。シリア政府に対する新たな制裁
は、孤立を深めることにつながる、と米国外相クリントンはワシン
トンで述べた。EUも、アサドとその政権はいかなる正当性も信頼も
失った、と発表した。国連委員会の推計によれば、シリア紛争では
3月以来少なくとも1千9百人が死亡した。治安部隊の行動は、「人
間性に対する犯罪」の構成要件を満たしている、とジュネーヴェで
発表があった。アサドは軍事行動終了宣言を発表していたが、活動
家の話によれば、木曜日も抗議運動に対して暴力は引き続き行使さ
れた。反乱勢力はトリポリ侵攻で戦果があったと発表
リビアの法規制料は、トリポリへの侵攻で、占拠する土地を拡大し
たと発表し、勝敗を決する首都攻防戦で大量の流血とならないよう
警告した。権力者アル・カッザーフィーの部隊と4日間にわたって
戦闘を繰り広げ、反乱勢力は現在、チュニジアに通じる西部の湾岸
道路王にあるサブラタ占領を祝った。これによりトリポリへの物資
輸送路は、ますます寸断されたことになる。また反乱勢力の指導者
ジャリルは、南西部の重要な都市モルスクは、守備隊ともども占領
し、多くの兵士を殺害あるいは逮捕した、と発表した。首相マハム
ーディは、トリポリでの記者会見で、即時停戦に改めて理解を求め
た。FAO「東アフリカの干ばつ被害者への支援が遅すぎる」
国連は、東アフリカの食糧不足に対して、世界各国の反応が遅すぎ
る、と訴えた。今日なお1千2百万人が餓死する危険があるというの
は、恥ずべきことである、と国連食糧農業機関FAO局長ディウフは
述べた。ローマで開かれた会議の冒頭で、短期的な緊急支援を用意
するだけではなく、気候変動に適応する形で、牧畜業と農業を長期
的に支援するよう訴えた。彼は、干ばつはこの地域では「新しい事
態ではない」が、気候変動のために「程度と頻度が増している」と
警告した。この会議には国連の代表、国連食糧農業機関の招待を受
けた加盟国の代表が、今後の対策について協議している。ソマリ
ア、ケニアその他の東アフリカの国々は、60年ぶりのひどい干ばつ
の打撃を受けている。ソマリアでは既に数万人が死亡し、数十万人
が隣国に逃げ出した。
８月１９日（金）
株式市場に大きないらだちが残る
国際的な金融市場には、引き続き世界的な景気後退に対する不安が広がってい
る。ヨーロッパ各地の株式市場では、全面的な売りが当面続いた。原材料市場
では、投資家が利益を金に変えようとした。ドイツ株式市場はこの間に、4.5%
値下がりし、2009年秋の前回の金融恐慌以来、最低の水準に落ち込んだ。フラ
ンクフルトのドイツ株式指数の値下がりは、1日で2.2%となり、5480で今週の
取引を終えた。ロンドン、パリ、ミラノの市場も、前日ほどではないにせよ、
再び値下がりせざるを得なかった。ウォール街は、取引開始から数時間は若干
の値上がりに振れた。米国の景気に関する数値がひどかったほか、ヨーロッパ
の国債の危機も、売買する人を神経質にする原因であった。
その他のニュース
米国副大統領は中国で金融に対する信頼を訴える
中国からの激しい批判を受け、米国副大統領バイデンは北京を訪問
し、不安定な動きを見せる米国経済と、米国の国債の安全性の信頼
回復に努めた。首相温と会談したバイデンは、中国は米国の国債の
8%を持ち、外国最大の債権国ではあるが、85%の多数は米国国民
が保有している、と指摘した。中国は1兆2千億ドルの米国国債を
持ち、他を圧倒する投資国である。数週間前から中国政府は、米国
政府が負債の危機にあると批判している。バイデンの訪中に際し
て、中国首相温は見通しに関して、意外な楽観姿勢を示し、米国が
この苦境を克服し、経済を健康な成長の道に戻すことが出来ると信
じている、と述べた。バイデンは国家元首で共産党首の胡とも会談
した。レースラーはメルケルの株式市場課税計画を邪魔する
自由民主党党首で連邦経財相レースラーは、連邦首相メルケルが目
指しているヨーロッパの株式市場への課税計画と、一線を画してい
る。そもそも実施する場合には、この税金はEUすべての国が足並み
を揃えた場合にのみ導入可能である、とレースラーは「シュトゥッ
トガルト新聞」に述べた。オイロ使用地域を、EU加盟国でオイロを
使用していない国より不利な立場に置かれることは認められない、
特にこの税金は英国の金融機関にも課さなければならない、と彼は
語った。野党社会民主党はメルケルに対して、フランスと取り決め
たこの計画を維持するように、呼びかけた。緑の党は、大規模な業
務行為に伴う税金に関して、英国政府と直接話し合うように提案し
た。メルケルとフランス大統領サルコジは、パリで緊急会議を行な
い、金融危機に備えて、株式取引に対してヨーロッパ全体で税金を
課すという案を取り上げていた。緑の党はリビア派兵に関して憲法裁判を起こすと威嚇
ドイツ兵のリビア派遣に関する対立で、緑の党は憲法裁判を起こ
す、と威嚇した。連邦政府が譲歩しないのであれば、場合によって
は再び連邦憲法裁判所が、法的な状況を明確化しなければならなく
なる、と緑の党所属の国会議員シュトレーベレはベルリンで述べ
た。彼のこの発言は、国防相デ メズィエール（キリスト教民主同
盟）が、この派兵はNATOの通常の行動であると擁護し、これに関し
て国会の委託は必要ない、と述べた。3月に戦争が始まってから、
新たに組織されたイタリアのNATO本部の戦闘司令部へ派遣されたド
イツ空軍の兵士は11名である。与党キリスト教民主、社会同盟と自
由民主党は、この臨時派兵を連邦議会に報告しなかった、とシュト
レーベレは批判した。兵士は特にNATOの戦闘機の攻撃目標選択に
従事する場合には、国防軍はリビア戦争に「積極的に」参加したこ
とになる、とも彼は述べた。
８月２０日（土）
イスラエルはエジプトとの緊張緩和に向け努力
エジプト人国境警備兵5人が先日死亡したのに、事態が解明されないことをめぐ
って、外交的な対立が起きているが、イスラエルは隣国エジプトとの緊張を緩
和するべく努力している。国防大臣エフド バラクは、エジプト治安部隊が、
イスラエル兵と武装パレスチナ人の間で交戦が行なわれた際に、国境地帯で殺
害されたのは残念だ、と述べた。これより前にイスラエル南部ではテロリスト
と見られるものたちが、数回の攻撃を行ない、8人を殺害、多数に負傷させてい
た。イスラエル ラジオによれば、バラクはエジプト軍とともに国境で起きた
この突発事件を調査する、と約束した。エジプト移行政権は、イスラエルが正
式に謝罪することを主張し、同時に大使を引き上げる、と威嚇した。1979年に
エジプトはアラブ諸国としては初めて、イスラエルとの間で和平を結んだが、
このような事態は一度起きただけであった。
その他のニュース
リビアの反乱勢力はトリポリを挟み撃ちに
リビアの反乱勢力は、6ヶ月にわたる戦闘の末、トリポリ周辺に軍
事包囲網をより狭めた。首都トリポリの両側にある2つの沿岸地域
を中心に、激しい戦闘が行なわれている。トリポリの西50キロにあ
り、蜂起勢力が占拠したサウィヤ市中心部には、臼砲およびミサイ
ルが命中し、同市最大の病院が打撃を受けた。東部の前線では、ス
リタンでの市街戦で、権力者アル・カッザーフィーに敗北し、30人
以上を失なった、と野党は発表した。ただし最近の作戦地域での勝
利により、トリポリに対する物資供給路は寸断された、と見られて
いる。また以前アル・カッザーフィーに忠実だったものたちのなか
には、彼を見限るものが増えている模様である。彼の代理ジャルル
ードに続いて、現在石油相を務めるアブクラーも、政権を離脱し
た、とのことである。イランは米国人2人に8年の拘留刑を言い渡す
イランで逮捕された米国人2人は、8年間の拘留を言い渡された、と
国営放送は報じた。この2名は、違法に国境を越え、米国当局のた
めにスパイ行為を行なった件で有罪が言い渡された、とイラン放送
は報じた。この2つの犯罪に対する刑罰は、3年および5年である。
共に29歳の男2名は、2009年に、その後釈放された米国人女性1名
とともに逮捕され、容疑をずっと否定し続けていた。彼らは北イラ
クを旅行中に、うっかりしてイランとの国境を超えてしまった、と
主張している。使用者会議議長フントは望まれた連立について苦情を述べる
ドイツ経済界は、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連邦政
府に失望している。任期の半分をすぎたところで、与党は期待に応
えていない、とドイツ使用者同盟連邦連合会長フントは「夕刊ハン
ブルク」紙に述べた。望ましい連立であったキリスト教民主、社会
同盟と自由民主党の連立は、彼らの能力をあまり発揮しておらず、
特に良好な経済状態に引けを取っている、とも語った。連立政権の
減税計画を彼は拒絶し、負債の返済を疑問の余地なく優先しなけれ
ばならない、とも述べた。さらに彼は、オイロ安定のための各国共
通国債の発行に反対し、いわゆるオイロ債券は、経済の弱い国々に
とって、経済の良好な国々の負担で、さらに借金を増やすことにつ
ながる、ドイツのようななんとかやりくりをしている国々が、無頓
着な国々の負債を支払わなければならなくなるような事態が起きて
はならない、と述べた。
８月２１日（日）
トリポリ攻防戦開始
リビアで蜂起が始まってから半年、反乱勢力はトリポリ攻防戦を開始した、と
発表した。権力者ムアマル アル・カッザーフィーの本拠地は、中断すること
なく砲撃と爆発に揺れており、その一部は既に蜂起勢力の手に落ちた、とのこ
とである。反乱勢力の移行評議会議長ムスタファ アブデル ジャリルは、ア
ラブ系の放送局ジャジーラに、この攻撃はNATOとアラブ系の同盟国と申し合わ
せたもので、数日前から武器をトリポリに運んでいた、と述べた。西側の軍事
同盟のジェット戦闘機が飛び立ち、首都周辺の全地域に激しい空爆を行なって
いる。交戦の間中カッザーフィーは支持者に対して、国営放送を通じて放送し
た音声による親書で、数ヶ月にわたる反乱を終わらせるように呼びかけた。彼
がこの間にトリポリを離れて逃亡した、との噂は確認されていない。
その他のニュース
メルケルはカッザーフィーに権力を早く断念するように求める
ドイツ首相メルケルは、リビアの権力者アル・カッザーフィーに対
して、国家元首から退くように求めた。これ以上の流血の事態を避
けるためには、出来るだけ早く辞任するのよい、と彼女はテレヴィ
のインタヴューで述べた。ドイツはリビア国民を今後も支援する、
とメルケルは付け加えた。彼女は、さらにドイツ兵をNATOの幕僚
に送り込んだことを擁護し、この派遣は法的に擁護されており、
NATOが活動するためには政治的に必要である、と述べた。緑の党
の政治家シュトレーベレは、この派兵に関して憲法裁判を起こす、
と予告していた。イスラエルとパレスチナは再び激しいやり取り
イスラエルと武装パレスチナ人は、引き続き軍事的な欧州を行なっ
ている。空軍はガザ帯状地帯北部の目標地点を爆撃した。これより
前に、急進派パレスチナ人は、少なくとも小型ミサイルおよび榴弾
17発を、イスラエル南部に打ち込んでいた。最近のこの実力行使の
きっかけとなったのは、数日前にイスラエル南部で複数の飛行機が
連続攻撃され、パレスチナ人テロリストと見られる者たちが8人を
殺害した事件である。アラブ連盟はカイロで緊急会議を開いた後、
国連に対して、イスラエルのガザ帯状地帯への報復攻撃をやめさせ
るように求めた。パレスチナ側は、今までのところ少なくとも15人
の犠牲者が出た、と発表している。さらにイスラエルとエジプトと
の深刻な外交上の危機は、未解決のままである模様である。イスラ
エルの政治家は、シナイ半島の国境で隣国のエジプト兵数人の死亡
が、未だ解明されていないのは遺憾である、と述べた。ただしエジ
プト移行政府は、公式の謝罪を要求している。赤十字「ソマリアを国際的な中心課題にしなければならない」
国際赤十字委員会は、政治的に分断され、飢餓に苦しんでいるソマ
リアを、諸外国が優先的に対処するよう強く求めている。これが実
現すれば、内戦で苦しむ同国が、暴力と貧困の魔の循環から逃げだ
せる、と委員長ケレンベルガーが、スイスの週刊新聞「日曜日」紙
に述べた。ソマリア和平には、発展の戦略が必要である、とも語っ
た。世界飢餓支援のドイツの会長ディークマンは、アフリカ連合に
対して、間近に迫ったアジスアベバでの特別階段では、ソマリア問
題の外国的な解決策を呈示するように求め、ケニアとエチオピアが
長期的に数十万人の難民を受け入れるのは困難だと思う、とベルリ
ンの「ターゲスシュピーゲル」紙に述べた。彼女は可能な先例とし
て、スーダンを挙げた。スーダンでは北部と南部の内戦後に、和平
と南スーダンの独立が話し合いで定められていた。