8月22日〜28日のドイツのニュース



8月22日(月)

反乱勢力がトリポリに迫る カッザーフィーの終わり

リビアの国家元首ムアマル アル・カッザーフィーは、40年間続けて支配を続
けてきたが、それも終わりである。反乱勢力は引き続き抵抗を受けながらも、
69歳のカッザーフィーの首都トリポリの居所にまで、攻め入った。政府軍は防
衛のため、バーブ アル・アシシジャにあるカッザーフィの居所前に、戦車を
配備した。蜂起勢力はカッザーフィーの息子2人を逮捕することが出来たが、父
親カッザーフィーの居場所については、相変わらず謎のままである。反乱勢力
の発表によれば、トリポリでの戦闘では、損失も大きい。首都へ攻め込んでか
ら早い時点で、彼らはトリポリ中心にある象徴的ないわゆる「緑の広場」を制
圧した。戦闘員と住民は、喜びを爆発させ、この広場を「殉教者広場」と解明
していた。この間にリビア国営放送局の建物も制圧した。同局は古い政府の宣
伝機関としては、最も重要なものの一つであった。

     その他のニュース

諸国はカッザーフィーに早期に権力を放棄するよう迫る

リビア反乱勢力が勝利を収める兆しがはっきりしてきたため、諸外
国は権力者アル・カッザーフィーの支配体制が、期待されていたよ
うに終了することを歓迎した。世界各国の首脳や外相は、長年にわ
たって国家元首の座にあったカッザーフィーに、即時権力を放棄
し、これ以上の流血を避けるように要請した。ドイツ外相ヴェスタ
ーヴェレは、リビアに民主的な改革を進めるよう迫り、ドイツが再
建を支援すると約束した。ロシアは喜びすぎるのは禁物だ、と警告
し、武器による勝利は、政治的な成果を保証しない、と述べた。中
国政府は、リビア国民の意志を尊重しており、再建にあたっては諸
外国が協力する、と発表した。

ドイツ政府はリビアに緊急支援を行なうと約束

開発大臣ニーベルは、新リビア政府に対して、7百万オイロの緊急
支援を行なう、と約束した。この資金は電力および水の供給のため
の資金と考えてほしい、と彼は述べた。ただし新たなリビアは今
後、ドイツ国民の税金からは開発支援を受け取ることはない、同国
は豊かなので、物資や人材をドイツで購入することができる、と述
べた。外務省の発表によれば、現在ドイツ国内の口座には、約73億
オイロのリビア資産が凍結されている。国連の決議に基づいて凍結
された資産なので、国連の解除が必要である。

イスラエルとパレスチナ人は武器を一時使用停止

5日間にわたってイスラエル人と急進派パレスチナ人は、実力によ
る衝突を行なったが、月曜日から武器は沈黙している。両者か間
接的な交渉を行ない、戦闘行為を一時中止することで合意した、と
パレスチナ川のガザ帯状地帯を支配するハマース民兵は発表した。
イスラエル政府は、深夜以降空爆を中止するとは発表していない。
イスラーム教徒急進派に最後のミサイルが、早朝に南イスラエルに
向けて発射された。ここ数日の衝突で、少なくとも24人の死者、百
人以上の負傷者が残された。エーラタ近郊で複数の飛行機がテロ攻
撃を受けたことが、今回の衝突のきっかけであった。この事件では
イスラエル人8人が死亡していた。それ以来、イスラエルとエジプ
トの関係が悪化した。というのも、この事件の犯人捜査の際に、エ
ジプトの国境管理所数カ所で銃撃が行なわれたためである。




8月23日(火)

リビアの反乱勢力はトリポリのカッザーフィーの居所を制圧

リビアの蜂起勢力は、厳重に防衛されていた権力者ムアマル アル・カッザー
フィーのトリポリの居所を制圧した、と諸外国の記者たちが伝えている。これ
より前に反乱勢力は、バーブ アル・アシシジャにある巨大な施設への入り口
を既に支配している、と発表していた。一日を通じて、激しい戦闘の音が聞か
れていた。NATOの戦闘機が首都上空を飛行していた。同機構の広報はブリュ
ッセルで、NATOは攻撃を調整するために、反乱勢力と連絡を取り合ってはい
ない、と強調しており、民間人に対する危険が発生すれば、同機構は介入を行
なう、と述べていた。カッザーフィーの居所については、相変わらず不明であ
る。それにもかかわらず、米国からリビア反乱勢力に送られている使節イブラ
ヒム ダバシは、アラブ国家である同国は、3日以内にカッザーフィー態勢か
ら解放される、との地震を発表した。ワシントンの米国国防省は、たとえカッ
ザーフィーの命令能力が大きく制約されたとしても、残っている政府軍は相変
わらず危険である、と警告した。

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EUはシリアに対する制裁を強化

EUは、国家元首アル・アサドのシリア政府に対する制裁を強化し
た。野党勢力に対する暴力が続いているため、アサド周辺の幹部
50人が、直ちにEU各国に入国することが禁じられている。これらの
人物の資産は凍結される。その他に、石油会社を含むシリアの企業
5つは、輸入禁止の一覧表に載せられた。国連人権評議会はジュネ
ーヴで、アラブ国家である同国の7月以降の人権侵害を調査する国
際委員会を設置する、と決定した。シリアの人権活動家の話によれ
ば、同国政府は反アサド勢力に対して、強硬な姿勢をとり続けてお
り、ホムスおよびハマの抗議活動の中心地では、再び数人の死者が
出た。

コソヴォをめぐりドイツとセルビアは明らかな対立

ドイツとセルビアは、コソヴォとセルビアの国境紛争の解決をめぐ
り、あからさまに対立している。ドイツ首相メルケルは大統領タジ
ッチとベオグラードで会談し、コソヴォ政府と直接対話を行ない、
この対立の収束に向けて力を注ぐよう、呼びかけ、これがセルビア
がEUに加入するための前提である、と述べた。タジッチはこの要請
を断わり、セルビアは4週間前に流血の事態となった対立を、自力
で解決することに、関心を持っているが、セルビアは以前州であっ
たコソヴォの独立を受け入れるつもりはない、と述べた。また彼
は、国境問題をEU加盟問題と結びつけることがないように、と警告
した。また彼は、秋に予定されているEUの中間報告で、セルビアが
加盟候補国に分類されることだけを期待している、と明言した。セ
ルビア政府は逆に、加盟交渉の開始のはっきりした日程を示すよう
に求めた。

アフガニスタンでドイツ人2名が行方不明

アフガニスタンではドイツ国籍を持つ2人が行方不明である。カブ
ールの内務省によれば、この男性2人は数日前、パルワン州で登山
を行なった際に、姿を消した。彼らは支援組織の職員であった。ド
イツ外相ヴェスターヴェレはベルリンで、彼らが誘拐の犠牲になっ
た可能性がある、と発表した。蜂起勢力タリバーンの広報は、彼ら
2人の誘拐に関する情報は、自分のところには届いていない、と述
べた。2007年7月には、ドイツ人炭坑技師2名が、数週間にわたって
誘拐されて、大きく報道されていた。彼らのうち1人は射殺され
た。もう1人は2007年10月に85日ぶりに釈放されていた。




8月24日(水)

反乱勢力はカッザーフィーの行方を追及

リビアの首都トリポリの何箇所かと、空港近くでは戦闘が続いているが、蜂起
勢力は権力者ムアマル アル・カッザーフィー捜索に重点を移している。反乱
勢力の広報は、戦闘がまだ続いているトリポリ南部に、カッザーフィーがいる
ものと推測している、と述べた。カッザーフィーの同志には、カッザーフィー
を逮捕あるいは殺害した場合には、恩赦を与える、との申し入れが行なわれた。
移行政権によれば、ベンガジ出身の実業家が、カッザーフィー逮捕に対して、
百万オイロ以上に相当する賞金をかけた、とのことである。カッザーフィーの
腹心によってトリポリのホテル リクソスに数日間留め置かれていた外国人記
者は全員、建物から出ることが許された。移行政府は、ブレガとラス ラヌフ
の石油基地での労働を、ただちに再開するように呼びかけた。
ロシア大統領ディミトリ メドヴェージェフは、リビア情勢を「二重の支配」
が行なわれている、と描写し、蜂起勢力が早期に完全な支配を確立しなければ、
今までの権力者カッザーフィーと平和協定に関する話し合いを行なう方がよい、
と述べた。

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EUは支援物資の準備を完了

リビアでは病院が人であふれ、負傷者がきわめて多数出ているた
め、EUは住民のための支援を準備している。無駄にしている時間は
ない、とEU委員会はブリュッセルで対処を急がせた。担当する委員
ゲオルギエヴァによれば、戦闘終了後すぐに支援物資を分配できる
ように、物資は既にリビアに入りやすい地域に移されている。EUは
医療分野に力を集中し、病院に設備を提供する方針である。難民支
援も行なう、とのことである。フランス大統領サルコジは、9月1日
にパリで、大規模なリビア再建国債会議を開催する、と予告した。

ヴルフは欧州中央銀行の国債購入を批判

連邦大統領ヴルフは、異例の強い調子で、世界的な国家の負債の危
機への、政治家と通貨監視役の対処の方針を批判した。彼はヨーロ
ッパ中央銀行を非難して、巨額の負債を抱えるオイロ使用国から巨
額の国債を購入することで、同銀は自分に課された役割を逸脱した
が、これは万一の場合には一時的には容認できる、と述べた。EUの
活動方法に関する条約は、発券銀行の独立性を確保するために、ヨ
ーロッパ中央銀行にははっきりと、債務名義を直接的に獲得するこ
とを禁じている、とも語った。またヴルフは、ドイツを含めヨーロ
ッパ各国政府を非難して、危機の中で銀行、格付け会社、気まぐれ
な報道機関から影響を受けすぎている、と指摘し、必要があれば政
治は、国会の場を含めて、不人気な決断を下さなければならない、
と述べた。ヴルフはボーデン湖畔のバイエルン州リンダオで、ノー
ベル経済学賞受賞者の会合で、このような意見を表明した。

メルケルはオイロを崩壊させないようにと警告

オイロ危機に関する議論の中で、首相メルケルは共同通貨オイロ
と、ヨーロッパの一帯性を保つよう、緊急に呼びかけを行なった。
彼女はマグデブルクで、オイロはヨーロッパの諸事業全体と分ちが
たく結びついており、ドイツがヨーロッパのためにヨーロッパの安
定を作り出す錨であるのは変わらない、と述べた。キリスト教民
主、社会同盟の会派内部には現在、高額の負債を抱えるギリシア救
済のための新たな対策を拒否している国会議員もたくさんいる。連
邦議会では9月にEU支援基金に関する決定が下される。メルケルは
これより前に、ヨーロッパの相互理解に対する功績に対して、マグ
デブルク市の2011年オットー皇帝賞を授与された。賞金のないこ
の賞は、2年に一度国際的な人物に送られる。この賞は、ヨーロッ
パの歴史に大きな足跡を残したオットー大帝にちなんで名付けられ
ている。




8月25日(木)

リビア移行政府はトリポリに本拠を移す

リビア移行政府が首都トリポリに到着して、歓声で出迎えられたが、地下に潜
伏した国家元首ムアマル アル・カッザーフィーは、支持者に対して今一度抵
抗するように呼びかけた。彼は音声による親書の中で、女性も子供もリビアを、
反乱勢力および「外国からの侵略者」から防衛するように要求した。蜂起勢力
によって占拠された独裁者カッザーフィーの居所の近くでは、再び激しい戦闘
が起きている。同市のアブ サリム地区では、約1千人の反乱勢力が、カッザー
フィーの民兵が立てこもっているいくつかの建物を包囲した。国内の他の場所
からも、新たな戦闘が起きている、との報道が寄せられている。反乱勢力はカ
ッザーフィーの行方を追及する中、NATOの支援を受けている。英国国防大臣リ
アム フォックスはインタヴューの中で、NATOは蜂起勢力に、秘密の情報部の
情報だけでなく、事態の解明や探索の手段も提供している、と述べた。英国は
特殊地上部隊を派遣して、カッザーフィー捜索で反乱勢力を支援している、と
の新聞報道があるが、フォックスはこれについて見解を明らかにしなかった。

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アフリカ各国は飢餓対策に2億5千万オイロを調達

アフリカ連合AUの東アフリカでの飢餓に対する支援国会議は、総額
2億5千万オイロ近くの支援の約束を行なった。大部分はアフリカ開
発銀行が負担する、と同連合委員会議長ジャン ピングがエチオピ
アの首都アディス アベバで発表した。残りはアフリカ各国と民間
の支援者からの資金である、とのことである。国連は年末までに、
さらに7億オイロが必要である、と見積もっている。アフリカ東端
のアフリカの角では、過去数十年で最悪の干ばつが続いている。特
にソマリアが打撃を受けており、国連の発表によれば、40万人近く
の子供たちが餓死の危険にさらされている。ソマリア、エチオピ
ア、エルトリア、ジブチ、ケニア、ウガンダでは、あわせて1千2百
万人が、この干ばつの影響を受けている。

元首相コールの批判が外交政策に関する議論をあおる

元首相コールが、連邦政府の外交政策の方針を厳しく批判したこと
を受け、キリスト教民主、社会同盟内部では、方向性をめぐる対立
に火がついた。連邦首相メルケルと外相ヴェスターヴェレは、ドイ
ツが進む方向を見失っているとの非難はあたらない、と述べたのに
対し、外交の専門家ポレンツとミスフェルダーは、この批判に同調
した。コールは、政府は外交上の「羅針盤」を欠いており、ドイツ
は数年前から、対内的にも対外的にももはや当てにできる大国では
なくなっている、と「国際政治」誌に述べた。メルケルはコールの
この批判を退け、連立はヨーロッパおよび世界の協力国とともに、
現代の課題を克服する活動を行なっている、と述べた。また彼女
は、コールが1982年から1998年にかけて首相を務めた時期の成果
を賞賛した。キリスト教民主、社会同盟の会派の外交問題の専門家
ミスフェルダーは、キリスト教民主同盟の党員の中には、党の方針
とオイロに関する議論に疑問符をつけている者も多い、と述べた。

ショイブレは大統領の中央銀行批判を退ける

連邦大統領ヴルフはヨーロッパ中央銀行EZBの危機管理の方針を批
判したが、連邦蔵相ショイブレは、この批判を適切ではないとして
退けた。ショイブレはフランクフルト アム マインでの会議で、
発券銀行の独立性を尊重し、その決定を受け入れることなど、すべ
てが十分に議論されており、オイロは安定した通貨である、と述べ
た。ヴルフは水曜日に、疲弊したオイロ使用国の国債を約1千1百億
オイロで購入することで、ヨーロッパ中央銀行は自らに託されてい
る範囲を逸脱した、と非難していた。また彼は、ヨーロッパの各国
政府は、金融恐慌の際に、銀行、格付け会社、あるいは突飛な報道
の影響を受けすぎている、と非難していた。




8月26日(金)

ナイジェリアの国連の建物に自殺攻撃

ナイジェリアの首都アブジャにある国連の建物が自殺攻撃を受け、少なくとも
16人が死亡した。赤十字は、負傷者は11人である、と発表した。これに対し厚
生大臣モハマド アリ パテは、負傷者は60人である、と述べた。目撃者によ
れば、犯人は爆弾を乗せた自動車をこの建物に突っ込ませた、とのことである。
爆発で、4百人の国連職員が働くこの建物の一翼を倒壊した。当初ベルリンの外
務省が得た情報によれば、ドイツ人の犠牲者はいない、とのことである。国連
事務総長潘基文は、この攻撃を非難し、自分の代理としてアシャ・ローズ ミ
ギロをアブジャに派遣した。ドイツ首相アンゲラ メルケルは、犠牲者の家族
に弔意を伝えた。英国の放送局BBCによれば、急進派イスラーム教徒組織ボコ 
ハラムがこの凶行を行なったと発表した。

     その他のニュース

英国の軍機がシルテのカッザーフィーの防空壕を爆撃

英国の戦闘機が木曜日夜に、地下に潜伏したリビアの権力者アル・
カッザーフィーが、故郷シルテに持つ防空壕を爆撃した。トルネイ
ド型機が、作戦本部のある巨大防空壕に向け、巡航ミサイル数発を
発射した、とロンドンの国防省は発表した。NATOの爆撃機がさら
に、シルテ近郊で30台の装甲車を攻撃した。沿岸の都市であるシル
テは、反乱勢力が火曜日に首都トリポリの彼の居所を制圧した後、
カッザーフィーが潜伏している可能性のある町の一つと目されてい
る。反乱勢力の特殊部隊は、引き続きトリポリでもカッザーフィー
の行方を追っている。反乱勢力は、トリポリの東360キロにあるシ
ルテ近くまで攻め入った。ここでは彼らは、カッザーフィーに忠実
な者たちの激しい抵抗にあっている。今までベンガジの本拠地を持
っていた反乱勢力の国民移行評議会が、トリポリでの活動を開始し
た。

アフリカ連合はリビア移行評議会を承認せず

アフリカ連合AUは、リビアの国民移行評議会を、リビア国民の正当
な代表とは相変わらず認めていない。エチオピアの首都アディス 
アベバでの首脳会談で、同連合はその代わりに、リビアに「すべて
の党派を含めた移行政権」を作り、地下に潜伏した権力者アル・カ
ッザーフィーの支持者も、これには参加すべきである、と要請し
た。さらに国内を和解させる動きを生み、早期に選挙を実施しなけ
ればならない、と述べた。南アフリカ大統領ズマは、戦闘が続いて
いる間は、移行評議会を正当な代表と認めることはできない、と述
べた。今までアフリカ連合加盟54カ国のうち20カ国が、移行評議会
を承認した。ジンバブエなどいくつかの加盟国は、承認を全く拒否
している。カッザーフィーは他を圧して、同連合最大の資金提供者
であり、彼の働きかけで9年前に同連合は結成されていた。

新リビア大使が外務省に就任の訪問

駐ドイツ次期リビア大使アル・コトハニが、就任にあたってベルリ
ンの外務省を訪問した。今までの反乱勢力の政権の代表となる彼
を、外相ヴェスターヴェレが出迎えた。コトハニは今まで、バイエ
ルン州の施設で、医師として暮らしていた。過去数ヶ月彼は、ドイ
ツから反乱勢力に対する支援物資を送る活動をしていた。今までカ
ッザーフィーの大使を務めていたアル・バラグは、数日前にベルリ
ンから国外に脱出していた。また、今まで駐スーダンのドイツ大使
エーベルレが、駐リビア大使に就任する。ただし首都トリポリの代
表部は、閉鎖されたままである。反乱勢力の拠点であるベンガジで
は、既に5月末からドイツの連絡事務所が置かれている。ここは外
相ヴェスターヴェレが6月に正式に開設していた。




8月27日(土)

暴風雨「アイリーン」が米国東岸で暴れ回る

恐れられていた暴風雨「アイリーン」が、米国と右岸に到達した。この暴風の
最初の先端は、北カロライナを襲い、激しい風、豪雨、高波をもたらした。同
州の住民20万人以上と、ヴァージニア州の数万人には、電力供給が停止した、
と当局は発表した。一方近隣の地域では、近づく暴風雨にへの備えを進めてい
る。数十万人が安全な場所に移動し、数百万員が住む大都市ニュー ヨークで
は、市長マイケル ブルームバーグが、37万人に、自宅を離れるように呼びか
けた。航空会社は週末のほぼ7千便の運行を取りやめた。公共交通は営業を取り
やめた。この嵐はほぼ6千5百万人を脅かしている。
「アイリーン」は時速150キロで、弱まってはいるが、気象学者はさらに危険で
強力な嵐である、と警告している。

     その他のニュース

リビア反乱勢力はトリポリを完全に制圧と発表

リビアの反乱勢力は、トリポリ侵攻以来6日、首都を完全に制圧し
た発表した。長年にわたって権力を握っていたカッザーフィーの部
隊を、郊外のカスル ビン ガシールで打ち破り、追放した、と反
乱勢力の将校は述べた。NATO軍機の支援を受けて、地下に潜伏し
たカッザーフィーの捜索は、彼の生まれ故郷シルテに集中して行な
われている。首都および西部の数カ所を選挙したあとでは、シルテ
はカッザーフィーに忠実な部隊の最後の大きな基地である。トリポ
リは土曜日は、おおむね平静であった。ただし町のいくつかの場所
では、新鮮な水と電力が届いていない。食料品も同じように不足す
る見通しである。新鮮な商品を売っていたいくつかの商店の前で
は、長い列ができている。住民によれば、ガソリンも不足してい
る。

ドイツ政府はNATOのリビアでの軍事活動を賞賛

リビア問題での態度で強い批判を受けた外相ヴェスターヴェレは、
NATOのリビアでの軍事活動を評価する発言を行なった。諸外国がリ
ビア人に対して軍事的活動の支援を行ない、カッザーフィー政権を
追い落とすことに成功したのを、連邦政府は喜んでいる、と「ヴェ
ルト紙日曜版」に述べた。これより前に連邦首相メルケル(キリス
ト教民主同盟)は、「心からの敬意」を払う、と述べていた。また
彼女は、ドイツがNATOのリビアでの活動に参加しなかったことを
擁護し、NATO派遣に関する3月の国連安全保障理事会で、ドイツが
棄権したことを、中立と混同してはならない、と述べた。ドイツが
リビアで国連が活動することがあったとして、ドイツがそれに参加
するかどうかは、自分自身が検討するつもりである、ともメルケル
は述べた。元外相フィッシャーは「シュピーゲル」誌で、連邦政府
のリビア紛争での態度は、国連安保理での棄権に関して言うと、
「完全な敗北であり、連邦共和国建国以来、外交上最大の敗北かも
しれない」と述べ、ドイツの世界での立場は、「本質的に損なわれ
た」と語った。

シリア軍は抗議活動を押さえるための拠点を設置

シリアでは、大統領アル アサド政府の治安部隊が、反政府勢力の
全国の拠点に基地を設置した。最大の小野は首都ダマスカス、東部
のデイル エル スール、港町ラタキアそれぞれの郊外に置かれた
ものである。野党組織は、散発的に銃声が聞こえる、と伝えてい
る。金曜日には改めて数万人が、反政府の抗議行動を行なってい
た。治安部隊はデモ隊に発砲し、未確認の情報によれば、少なくと
も7人が死亡した。テヘランでは、イラン外相が、シリア大統領ア
ル アサドを支援する、と強調した。半官の通信社ISNAの報道に
よれば、サレヒはシリアで支持的な空白ができると、この地域の危
機につながる、と述べた。また彼は、国民からの正当な要求には応
えるように求めた。



8月28日(日)

暴風雨「アイリーン」が熱帯性低気圧に弱まる

米国の大都市ニュー ヨークは、恐るべき規模の災害を引き起こすことなく、
暴風雨「アイリーン」をやり過ごした、と救援隊は見ている。洪水や停電が発
生した地域もあったが、最悪の事態はすぎた、と救援隊隊長ジョセフ ブルー
ノは述べた。これより前に「アイリーン」は、ハリケーンから熱帯性低気圧に
格下げされていた。数百万人が住むニュー ヨークでは、危険な地域に住む
37万人ほどが、安全な場所に移るように呼びかけられていた。公共の近距離交
通は完全に停止し、同市の3つの空港も閉鎖された。ニュー イングランドへ向
かう途中で、この嵐はさらに弱まった。気象学者は、洪水が起きる可能性があ
る、と警告している。「アイリーン」は土曜日に、最大風速140キロで、北カ
ロライナ州に上陸した。北へ進む途中に、最新情報によれば、少なくとも14人
が死亡した。

     その他のニュース

リビアの反乱勢力はシルテまで30キロに迫る

リビアの蜂起勢力は、シルテまでわずか30キロの地点におり、元権
力者アル・カッザーフィーの故郷の町を平和的に引き渡すよう交渉
を行なっている、と自ら発表した。ただし交渉はいつまでも続くわ
けではない、緊急の場合には同市を武力を用いて占拠する、と反乱
軍の司令官はAFP通信に述べた。シルテはカッザーフィーの最後の
大きな権力基盤である。彼が同市に逃げ込んだ、との観測が流れて
いる。これより前に反乱勢力は、沿岸の都市スアラ近郊の村落2箇
所を占拠し、これにより同国の大部分を制圧した。この間に蜂起勢
力は、首都トリポリの物資の供給を改善する作業にあたっている。
基本的な食糧、飲み水、ねんりょうが不足している。また医療も十
分に提供されていない。反乱勢力の発表では、供給物資はトリポリ
港および、反乱勢力の中心都市ベンガジから運ばれる。

シリア兵は脱走兵に銃撃

目撃者の話によれば、シリアでは政府軍の兵士が、首都ダマスカス
の郊外で、脱走兵と銃撃戦を行なった。兵士数人がデモ隊に発砲す
ることを拒否し、土曜日夜に同市のアル・グタへ逃げ込んでいた
が、彼らはそこで、政府に忠実な部隊から攻撃を受けていた、との
ことである。シリア政府は、脱走兵がいることを否定し続けてい
た。また人権活動家の発表によれば、イドリブ市近郊では、政府軍
によって、民間人がさらに2名殺害された、とのことである。アラ
ブ連盟は、ダマスカスに使節を派遣する、と予告した。事務総長エ
ル アラビが率いる外交団は、大統領アル アサドに、民間人に対
する暴力行使を中止し、国民の政治、経済、社会福祉の改革に対す
る要求を尊重しなければならない、という内容の親書を手渡すこと
になっている。

パキスタン秘密情報部はアル カーイダ副首領の死を知らず

パキスタン治安当局の代表は、テロ組織網アル カーイダの副首領

が死亡したとされる件について、何も知っていない、と発表した。
アル・ラハマンが最後にどこに滞在していたかについても、何も知
らない、と秘密情報部の職員はイスラマバードで発表した。米国の
主な報道機関は土曜日に、米国政府関係筋の情報として、アル カ
ーイダの副首領が先週月曜日に、米国の無人偵察機の攻撃を受け
て、パキスタンで死亡した、と報じていた。詳細な状況について
は、当初何も公表されたなかった。この発表によれば、アル・ラハ
マンは一連の攻撃計画に関与していた、とのことである。「ニュー
 ヨーク タイムズ」紙に報道によれば、彼はアル カーイダの元
首領ビン ラーディンが5月初めに死亡したことを受け、組織に2番
手に昇進していた。アル カーイダの頭目には現在、エジプト生ま
れのアル・サワヒリが就任している。




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