8月29日〜9月4日のドイツのニュース



8月29日(月)

メルケルはヴェスターヴェレを支持

連邦首相アンゲラ メルケルは、外務大臣グイド ヴェスターヴェレ(自由民
主党)を支持する保身を変えていない。現在内閣改造は計画されていない、メ
ルケルは外相とともに、信頼感を持って仕事を行なっている、と政府公報シュ
テファン ザイベルトはベルリンで述べた。ヴェスターヴェレは、リビア政策
での態度で、野党以外からも激しい批判を受けている。自らの陣営の中からも、
不満の声が増えている。彼はリビア情勢の展開を受け、NATOの軍事行動の寄
与ではなく、ドイツが支援している制裁の効果だけに言及していた。日曜日に
ようやく彼は、自分の態度を修正した。自由民主党党首フィリップ レースラ
ーは、その後ヴェスターヴェレを支援したが、自由民主党所蔵の閣僚全員が連
邦政府内部で成果を上げなければならない、と述べた。それ以来ヴェスターヴ
ェレは外務大臣として、待機状態にある。自由民主党事務長クリスティアン 
リントナーを交えた記者会見が以前から計画されていたが、直前に中止され
た。党の発表によれば、人事面での議論を長期化させても、利益はない。

     その他のニュース

NATOはカッザーフィーの故郷シルテに対する攻撃を強化

NATOはリビアの都市シルテの、重要な軍事目標に対する空爆を強化
した。長年にわたり権力の座にあったアル・カッザーフィーの故郷
の町の周辺では、NATO軍機がレーダー施設と地対空ミサイルを中
心に爆撃を行なっている、と同同盟は発表した。リビア反乱勢力は
週末に、シルテからわずか数キロのところに迫っている、と発表し
た。ここはカッザーフィーの大きな拠点であり、彼はここに逃げ込
んでいる可能性がある、とされている。反乱勢力の移行評議会議長
ジャリルは、諸外国の軍事同盟にリビアでの活動を続けるように呼
びかけ、カッザーフィーは同国公民にとってだけでなく、世界全体
にとっても、相変わらず危険である、と述べた。この間にEU委員会
はリビアの首都トリポリに、人道支援のための事務所を開設した。
これはEUの支援を、必要としている人に早期に届けるために配慮す
る機関である。木曜日にはパリでは、北アフリカの同国に対する今
後の支援に関して、国債会議が開かれる。これにはドイツh巣賞メ
ルケルも参加する。フランスはあわせて50カ国ほどを招待した。

メドヴェージェフはシリアでの暴力行使をやめるように求める

ロシア大統領メドヴェージェフは、シリア元首アル・アサドに外交
急送文書を送り、暴力行使を即時かつ完全に中止するように求め
た。メドヴェージェフはさらに野党に対し、シリアの権力者たちが
申し入れている対話を受け入れるように要請した。ロシアは国連安
全保障理事会で拒否権を持っているため、今までシリアに対する諸
外国の対処をより厳しくするのを阻止してきた。シリアでは野党に
対する弾圧が続いているため、EU加盟各国は同国に対する石油の禁
輸措置で、基本的に合意した、とブリュッセルの外交筋は発表し
た。シリア政府に対する罰則が正式に決定されるのは、週末になり
そうだ、とのことである。

イルヴェスがエストニア大統領に再選

エストニア議会は、大統領イルヴェスを2期目に再選した。現職の
彼は、第1回投票で101票のうち73票を獲得し、必要な3分の2の
賛成を一回で集めた。唯一の対立候補は、緑の党所属のEU議会議
員タランドで、国会議員25人の賛成を得た。イルヴェスは2006年
9月に初めて大統領に選ばれた。彼の2期目の5年間は正式には10月
に始まる。




8月30日(火)

反乱勢力は最後まで残ったカッザーフィーの戦闘員に降伏を迫る

リビアの反乱勢力は、カッザーフィー政権との戦いで、最終的な決断を迫り、
彼に忠実な者たちに最終的に降伏するように求めた。NATOも、長年に渡って権
力を握っていたムアマル アル・カッザーフィーの最後まで残された拠点であ
るトリポリの南東にあるバニ ワリド市と、独裁者カッザーフィーの生まれ故
郷であるシルテ市の目標地点の爆撃に、力を集中する、と発表した。蜂起勢力
の軍広報アフメド オマル バニは、今後も平和的な解決を探るが、遅くとも
土曜日には「最後の戦闘」を開始する用意がある、と述べた。反乱勢力の国民
移行評議会も、カッザーフィーの支持者たちに対して、イスラーム教徒の祝日
である断食あけまでに降伏するように求めた。これより前に移行評議会は、カ
ッザーフィーの家族を受け入れた隣国アルジェリアを批判していた。情報大臣
マハムード シャマムは、これは「攻撃行為」であると述べ、カッザーフィー
とその家族はリビアで裁判を受けなければならない、と要求した。

     その他のニュース

フランス外相はリビア監視活動の実施に賛成

フランス外相ジュペは、リビアに監視団を派遣すると発言した。ド
イツもこのような日軍事の活動に参加することがあれば、フランス
としては喜ばしい、とジュペは「フランクフルト一般新聞」に述べ
た。「再建のための部隊」は必要だが、「介入部隊」は不要であ
る、と明言した。反乱勢力の国民移行評議会は、まだできたばかり
で「内部に緊張」があるため、支援が必要である、とも語った。ジ
ュペは同紙に対して、リビアへの軍事介入は「絶対に欠くことがで
きない」ものであったが、それはベンガジの住民が「直接的な脅威
にさらされていた」ためである、と発言した。国連安全保障理事会
で、軍事活動に関してドイツが取った態度に関してジュペは、意見
の違いから生じる「劇的な状況」は生じず、両国政府は常に同じ目
標を目指していた、とも語った。

自民党非公開会議ではヴェスターヴェレ問題が中心に

ヴェスターヴェレ危機が生じる中、3日間の日程で自由民主党会派
の秋の非公開会議が始まった。ケルン近郊のベンスベルク城で、国
会議員たちは同党の政治の方針について輪郭を定める方針である。
有権者の世論調査で評価が下がっている同党にとって、ヨーロッパ
政策の他、税金、教育、市民権が中心の議題である。打撃を受けた
外相ヴェスターヴェレに対して、信任投票が行なわれる予定はな
い。同党党首レースラーは、この会議が始まる直前に、自分は元党
首であるヴェスターヴェレを支持しており、彼を巡る議論は終わっ
た、と発表していた。ただし同党の会派も、ヴェスターヴェレのリ
ビア政策での「頑固な態度」を、大きな不満で受け止めていた。彼
は、自ら乗り出したカッザーフィー政権に対する制裁が、独裁性崩
壊の主要な原因であるとしていた。数日経ってようやく彼は、党首
レースラーの圧力を受けて、NATOがリビア政府との戦いで成果を
上げたことを認めた。

米国はシリアの国会議員に対する圧力を拡大

シリアでは暴力が続いていることを受け、米国政府はシリア外相ア
ル ムアリムに対し、制裁を科した。ムアリムが米国内で持ってい
るかもしれない資産すべてを凍結する、と米国大蔵省は発表した。
大統領顧問シャーバンと駐レバノン・シリア大使アリも、米国の制
裁を受ける名簿に記載された。米国は8月中旬に、大統領オバマ
が、国家元首アル アサドに初めて退陣を求めた後、シリアに対す
る制裁を大きく強化していた。米子k政府は特に、シリアからの石
油の輸入を禁止し、シリアが米国内に保有する資産を凍結してい
た。EU加盟各国の外相は、金曜日に石油の輸入禁止を可決する方針
である。




8月31日(水)

内閣はオイロ救済の傘を強化

ドイツ連邦政府は、反対意見もあるオイロ救済基金EFSFの拡大に乗り出した。
連邦内閣は、オイロ安定化法の修正を承認した。これによりドイツ国内で、救
済の傘を権限を追加し、緊急事態に発行する債権の総額を引き上げることが可
能になる。この基金は特に、破産の危機にアルオイロ使用国を支援するために、
より多くの資金を調達するためのものである。この基金を保証するにあたって、
ドイツが分担する金額は、1,230億オイロから2,110億オイロに増加する。野
党社会民主党と緑の党は、原則的にこれに賛成する方針であるが、金融機関が
負債の危機克服に参加し、全面的に決定に関与する権限が国会に与えることを
期待している。これはキリスト教民主、社会同盟と自由民主党の連立政権の中
でも、意見が分かれている。9月末には、連邦議会と連邦参議院は救済基金拡
大に関して、投票を行なうことになっている。

     その他のニュース

ポルトガルは支出削減と国債発行を減らすと予告

EUおよび国際通貨基金から780億オイロの金融支援を受ける見返
りに、高額の負債を抱えるポルトガルは、大幅な支出削減を行なう、
と予告した。蔵相ガスパールは、2014年までに公勤務の職員を毎
年2%ずつ減らし、職員の給与は凍結する上、高額所得者の増税も
計画されている。首相コエーリョは補足して、ドイツ首相メルケル
の提案に基づいて、負債の歯止めを憲法に明記する用意がある、と
述べた。EUと国際通貨基金の支援策と引き換えに、自由主義・保守
派のポルトガル政府は、まず今年、国家予算の赤字を9.1%か
ら5.9%に減らさなければならない。

レースラーのヴェスターヴェレ叱責は続く

リビア政策をめぐって、連邦外相ヴェスターヴェレと、彼が属する
自由民主党党首レースラーの間で、対立がくすぶり続けている。ヴ
ェスターヴェレの広報はベルリンで、政権の方針を決定する権限は
連邦首相にあると明言し、一方外相は「外交の先頭に立つ」が、外
交に関するすべてに「責任」を持っている、と述べた。レースラー
は火曜日に、リビアでの軍事活動に関する議論では、自分が「方向
性を定め」たが、ヴェスターヴェレは、「この方針にはっきり賛成
した」と述べていた。ヴェスターヴェレは対リビアの国連決議でド
イツが棄権したことを擁護して、カッザーフィー政権からの解放
で、NATOが果たした役割を評価するのを、長い間躊躇していた。

リビアの反乱勢力はカッザーフィーの息子アル・サーディを釈放

首都トリポリが陥落してから1週間、リビア反乱勢力は、長年に渡
って権力を握っていたカッザーフィーの一族をさらに釈放する方針
である。その中にはカッザーフィーの息子アル・サーディが含まれ
ている。トリポリの反乱軍の指揮官ベルハジは、アル・サーディは
トリポリに戻ることを求めており、これを保証するよう求めた、と
述べた。カッザーフィーの故郷シルテでは、独裁者の現地部隊が投
降する兆しはまだ出ていない。シルテの他、沿岸にある軍都セブハ
は、カッザーフィーに忠実な者たちの、最後の拠点と目されてい
る。蜂起勢力はこの両都市の戦闘員に対して、金曜日夜までに投
降するように、と最後通牒を突きつけた。




9月1日(木)

リビア支援会議がパリで開始

パリに多くの国の要人がリビア支援会議に集まった。約60の国の代表が、この
会議に出席する。この会議ではまず、リビア反乱勢力の移行評議会に協力した
支援のあり方を調整することになっている。移行評議会は、リビアの国外の凍
結資産を、できるだけ速く自由にするよう求めている。この資金で、数ヶ月前
から給与の支払いを待っている公勤務に従事する職員に、給与を支払うことに
なっている。さらに緊急に、首都トリポリの上水およびおよび下水網を確保す
ることが必要である。数百万人が住む大都市であるトリポリでは、6割の人が
今なお水を手に入れられていない。EUはこの会議の直前に、対リビア経済制裁
を緩めていた。28の企業、銀行、あるいは官庁が制裁の一覧表に載っている。
一方長年に渡って権力を握っていたムアマル アル・カッザーフィーの家族に
対する入国禁止を、EUは維持している。

     その他のニュース

リビア移行評議会はシルテに対する最終通牒を延長

リビア反乱勢力は、長期にわたって権力の座にあったカッザーフィ
ーの生まれ故郷にいる部隊に対する最終通牒を、1週間延長した、
と国民移行評議会が発表した。当初はこの沿岸の町の無血明け渡し
を行なう期限は、土曜日に設定されていた。英国の放送局BBCは、
この地域の部族の指導者たちに、より多くの時間的猶予を与え、カ
ッザーフィーに忠実な戦闘員たちにこの申し入れを検討させるため
である、と報じた。一方カッザーフィーは、新たな音声による親書
の中で、シルテおよびトリポリの東にあるバニ ワリドにいる部族
に対して、激しい反抗を行なうと威嚇し、この部族の戦闘員たち
は、重装備を持っている、と述べた。蜂起勢力はカッザーフィー
は、バニ ワリドにいる、と推定している。

外交官「EUはシリア産石油の輸入停止を科す」

外交官筋の情報によれば、EUは金曜日に、シリア産石油の輸入禁止
措置を科す方針である。イタリアが現在結んでいる契約があるた
め、この禁輸措置が発行するのは11月中旬になる、とも発表した。
シリアの原油のおよそ95%は、EUに売却されている。輸入停止のほ
か、EUはシリア大統領アル・アサドに忠実な者たちに対して、入国
の制約をさらに強化し、さらに多くの企業と銀行の資産を凍結する
方針である、とも外交官は発表した。EU加盟27カ国は、シリア政
府が野党の運動に対して、暴力的に対処しているとして、政府の代
表者に対して入国禁止、資産を含む一連の制裁措置を科していた。
英国外相ヘイグは、シリアに対する国連の新たな決議を行なう、と
約束した。

ハマの検事総長はアサドに対する抗議のため辞任

シリアでは国家元首アサドに対する抗議活動が始まってからおそら
く初めて、高官が辞任した。インターネット上で公表された映像の
中で、ハマ州の検事総長バクルが、自分の職を辞すると公表した。
彼は辞任の理由として、反政府勢力に暴力を行使し続けていること
を挙げ、数百人が死亡した、と訴えた。具体的にはバクルは、ハマ
市の中央収容所の中で、72人の収容者が死亡した、と言及した。そ
の他に320人が警察の拘留中に拷問で死亡したほか、治安部隊が約
420人のシリア人を殺害し、大きな墓場に埋め、恣意的に1万人ほ
どを逮捕した。シリア当局は、検事総長は月曜日に誘拐されてお
り、無理矢理言わさられたのだ、と発表した。




9月2日(金)

EUはシリアに石油禁輸を科す

EUは今回、シリアに対して石油禁輸の措置も科した。これはシリアで野党に対
して弾圧が続いていることに対する措置である、と外交官がブリュッセルで述
べた。禁輸措置は、シリア産の原油および原油製品の輸入禁止および輸送禁止
を含んでいる。アラブ人国家であるシリアは石油輸出の95%をEUに行なってい
る。またEUは現在の制裁を、シリアの54人と12の金融機関に拡大した。これ
では、ヨーロッパ内の資産の凍結と、入国制限が行なわれる。大統領バシャル
 アル・アサドに反対する新たな抵抗活動を弾圧しようとして、治安部隊は少
なくとも14人を殺害した。ロンドンに本拠をもつシリア人権監視団が、この数
字を挙げている。

     その他のニュース

トルコはイスラエル大使を国外退去させる

トルコは、イスラエル海軍が2010年5月にガザ帯状地帯向けの支援
物資輸送団に対して攻撃を行なったことで生じた対立で、イスラエ
ル大使を国外退去にした。またイスラエルとの軍事条約すべてを当
面停止した、とトルコ外相ダヴトグルがアンカラで発表した。「ニ
ュー ヨーク タイムズ」紙は木曜日に、国連の調査報告書を木曜
日に公表していた。この報告書の執筆者たちは、イスラエルによる
ガザ帯状地帯の海上封鎖は、適法であり、妥当なものであるが、イ
スラエルはトルコの活動家9人が殺害された支援船に対する軍事活
動は度を超えており、適切ではなかった、との結論に達している。
トルコは公式の謝罪を主張しているが、イスラエル政府はこれを拒
否している。トルコ政府は大使をテル アヴィヴから事件直後に呼
び戻した。

リビアでは反乱勢力は民主化に向けた日程表を確定

パリで開かれている国際リビア支援会議をうけ、リビア新政権は民
主主義への移行の予定表を確定した。8ヶ月以内に、憲法を作る集
会にむけた選挙を行なうことになった、と国民移行評議会の代表ガ
マティはロンドンで英国の放送局BBCに述べた。新憲法は国民投票
を行なうが、遅くとも2013年春に、国会議員および大統領選挙が
予定されている、とガマティは述べた。さらに移行評議会は、リビ
アの学校は9月17日に再開し、将来的には英語とフランス語の授業
を増やす、とも述べた。

ギリシアの今までの改革の努力に不満の声

ギリシアは諸外国の資金提供者の圧力を受けているため、常軌を逸
した国の負債を制御するために、より多くのことをしなければなら
ない。同国政府は2012年国家予算を改定し、構造改革に着手しな
ければならない、とEU委員会、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金
は声明の中で述べた。アテネで活動する3つの機関の代表は、一時
的にアテネを離れ、同国政府に時間的な余裕を与える、とも発表し
た。またEUの外交官は、今までのギリシアの努力について、不満が
噴出しているとも付け加え、民営化される企業の一覧表が提出され
ていないし、ギリシアの公務員の給与表も作られていない上、税金
節約計画も予告通りに提出されていない、と述べた。EU委員会、ヨ ーロッパ中央銀行、国際通貨基金は、次回分の資金提供の支払いま
で定期的に、ギリシアの支出削減および改革の計画を検討してい
る。秋にはさらに80億オイロが支払われる。




9月3日(土)

リビアの反乱勢力はカッザーフィの拠点を包囲する方針

リビアの反乱勢力は、今までの権力者ムアマル アル・カッザーフィーの最後
の拠点を包囲する方針である。国民移行評議会議長ムスタファ アブドゥル 
ジャリルは、シルテ、バニ ワリド、サブハの各都市は、カッザーフィの戦闘
員に対する最終期限が切れるまでに包囲されるが、住民には今後も必需品を供
給する、と述べた。反乱勢力の最終通牒によれば、カッザーフィに忠実な者た
ちには、9月10日までに武器を捨てるための時間が与えられている。移行政府
の石油大臣アリ タルフニは補足して、紛争を平和的に解決するために、バニ
 ワリドの各部族は反乱勢力におそらく加わってくるだろう、と述べた。噂に
よれば、カッザーフィと彼の息子は、トリポリの南東150キロにある砂漠の町
に滞在している可能性がある。

     その他のニュース

西側の秘密情報部はカッザーフィ政権におそらく協力

米国と英国の秘密情報部は、リビアの権力者アル・カッザーフィー
政権と、おそらく密接な協力関係にあった。これはトリポリで見つ
かった資料からも明らかになった、と米国と英国の新聞は報じた。
CIAは少なくとも8回、テロの容疑者を尋問するために、拷問を行
なうので有名なリビアへ送っていた、と「ニュー ヨーク タイ
ムズ」紙は報じている。それによれば、米国秘密情報部は2004年
以降も、北アフリカのリビアで一種の恒常的な代表部を作るために
努力していた、とのことである。英国の新聞「インディペンデン
ト」紙は、秘密情報部MI-6は、カッザーフィのスパイに、亡命中の
リビア反政府勢力に関する情報を提供していた、と報じた。この文
書は蜂起勢力がトリポリに侵攻した後、元リビア外務省と秘密情報
部のムサ クサの事務所の中で見つかった。

独仏政府はさらなるシリア制裁を行なう可能性を認める

シリアは、大統領アサドの政権が野党の活動に残忍な対処を続ける
のであれば、EUのさらなる制裁を受ける可能性がある。フランス外
相ジュペとドイツ外相ヴェスターヴェレがポーランドのソポトで、
他のEU加盟各国の外相と会談を行った後、これを発表した。さらに
彼らは、国連が決議によってシリア非難に理解を求め、さらにシリ
アの野党とも協力していくのに賛成である、と述べた。金曜日には
EUはシリアに対して石油の禁輸と、いくつかの企業に対して制裁を
科したばかりであった。今回の禁輸措置は、当面新規の契約に適用
される。イタリアが反対しているため、今までの物資供給の合意
を、11月中旬までは遂行される。ロシアはEUの新たな制裁を非難
した。一方的な制裁措置尾をとっても、若干の問題を解決できるだ
けである、と外相ラフロフは述べた。

トルコはイスラエルのガザ封鎖を告訴する方針

トルコとイスラエルの緊張は続いている。トルコ外相ダヴトグル
は、デン ハーグの国際裁判所に、イスラエルのガザ帯状地帯封鎖
を告訴するつもりである、と予告した。トルコ政府は来週、この封
鎖の適法性に異議を唱えるために、手続きをとり始める、とも語っ
た。金曜日にはトルコは既に、同国にいるイスラエル大使を国外追
放にし、イスラエル政府との軍事協力を凍結していた。この背景に
あるのは、昨年のガザ支援物資輸送船に対する軍事攻撃に関する国
連の報告書で、この報告書には、イスラエル兵がトルコの活動家
9人を殺害した、と記されている。この報告書では、イスラエルは
行き過ぎた暴力を行使した、と非難されているが、急進派パレスチ
ナ人組織ハマースが支配するガザ帯状地帯の海域を封鎖しているの
は、適法である、とされている。




9月4日(日)

社民党はメクレンブルク・フォアポメルン州の政権を維持

メクレンブルク・フォアポメルン州で州議会選挙が行なわれ、州首相エルヴィ
ン ゼレリング(社会民主党)が、予想通り今後も政権を担うことができる。
テレヴィ会社の最終得票予想によれば、社会民主党は36%以上の票を獲得する。
また今まで連立政権を組んでいたキリスト教民主同盟は、24%の得票で、記録
的な低さであった。左翼党は変わらず18%程度にとどまった。緑の党は8.5%
を獲得し、初めて州議会議員を出す。自由民主党は3%に届かず、前回の投票の
わずか3分の1にとどまり、議員を送り出せない。またこの予想によれば、極右
の国家民主党は票を減らしたものの、5%の障壁をかろうじて突破した。
ゼレリングは選挙戦の中では、キリスト教民主同盟との連立を改めて組むか、
左翼党と協定を結ぶつもりか、明言してこなかった。緑の党はこれで16の州す
べてに議員を送るが、自由民主党は12州に留まる。

     その他のニュース

ギリシアの負債をめぐり連立政権の不安は強まる

連邦政府内部では、巨額の負債を抱えるギリシアが、改革を進める
との約束を守らず、これによってオイロ救済の努力全体を危険にさ
らすのではないか、との不安が広がっている。キリスト教民主、社
会同盟と自由民主党の政治家は、資金を提供するEU、国際通貨基
金、ヨーロッパ中央銀行の代表団が、ギリシアから突然出発するこ
とに不安を表明した。この三者とギリシアの話し合いの決裂は、オ
イロ安定にとって打撃である、と自由民主党事務長リントナーは訴
えた。ボースバッハ(キリスト教民主同盟)と自由民主党の財政の
専門家ソルムスは、ギリシアに対して、オイロ使用をやめるように
強く勧告した。連立政権の政治家の中には、混乱に陥らないよう
に、と警告する者もいる。連邦蔵相ショイブレは、オイロ安定を成
功させられる、との自信をのぞかせた。彼は「ライプツィッヒ国民
新聞」に、オイロが「ヨーロッパ統合の推進力であり、それは変わ
らない」と述べた。

反カッザーフィー派は砂漠の都市バニ ワリド攻撃の準備

リビアでは蜂起勢力は、長年に渡って権力を握ってきたカッザーフ
ィーの支持者の最後の拠点の一つを封鎖した。彼らは砂漠の町バニ
 ワリド攻撃の用意をしている、と反乱勢力の指導者は放送局ジャ
ジーラに述べた。また、現地の部族の指導者と話し合い、戦闘をし
ないでこの町の管轄を引き受けられると見ている、とも彼は述べ
た。バニ ワリドは首都トリポリの南東150キロほどのところにあ
り、カッザーフィーが潜伏している可能性がある、と見られてい
る。逃げ出した住人の話によれば、カッザーフィーの支持者はこの
間に、バニ ワリドから退去し、重火器を持って産地に退却した。
新政権の戦闘員は、カッザーフィーの生まれ故郷シルテに再び迫っ
た。移行評議会の部隊は、シルテ市に突撃する用意ができている、
とのことである。

ドイツもカッザーフィー政権から情報を得る

元秘密情報部の調整官シュミットバオアーの情報によれば、ドイツ
もリビアの秘密情報部から情報を得ていたが、合同で行動を起こす
ことはなかった。彼は「ビルト」紙日曜版で、この方針を「踏み外
したことは一度もない」と請け合った。ドイツ当局にとって重要だ
ったのは、反テロの戦いに関する情報と、ドイツの治安に関係する
ことが中心であった、と1991年から1998年まで連邦首相府で国
務大臣を務めていた彼は述べた。土曜日に米国と英国の新聞は、両
国の秘密情報部はカッザーフィー政権と、今まで発表されていたよ
りも、かなり密接に接触をとっていたことを暴露していた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system