9月5日〜11日のオーストリアのニュース



9月5日(月)

     国外ニュース

反乱勢力はバニ ワリド侵攻を躊躇 交渉は決裂

リビアの4つの中心地は、まだ反乱勢力の手に落ちていない。4つの
中心地には、カッザーフィーの故郷シルテの他、彼に忠実な砂漠の
町バニ ワリドが含まれる。リビア最大の部族であるワルファラ族
の指導者と、この町を平和的に解放することをめぐる話し合いは、
失敗に終わった。協議事項は、蜂起勢力の軍司令部に委ねられた。
ただし反乱勢力は同市の攻撃を躊躇しており、内戦を避ける方針で
ある。両者の戦闘員の多くは、ワルファラ族に属している。

     国内ニュース

シュッセルの総括が激しい議論を呼ぶ

元連邦首相シュッセル(国民党)の政界からの引退を、専門家はき
わめて多様に論評している。国民党と自由党の連立時代からシュッ
セルの変わらない点は何か、また彼の引退は現在の国民党執行部に
何を意味するのだろうか。元同党の会派長クホールは、テレヴィ番
組で「紳士」シュッセルを、当時の国民党と自由党の連立、彼が思
うところの「狩猟の会」から擁護した。この事件は法的に解明され
た後、政治的な責任が問題となる、と述べた。報道関係者や政治学
者はおおむね、別の見方をしている。国民党を中心に彼らは、政治
の信頼性が大きく損なわれる、と警告している。




9月6日(火)

     国外ニュース

ビン ラーディン殺害は「大きな賭け」であった

テロの指導者ウサマ ビン ラーディンを5月に殺害した軍事行動
は、最後まできわめて心配な者であった、と米国大統領バラック 
オバマは述べた。攻撃計画に数ヶ月かけたものの、ビン ラーディ
ンがそもそも、探り出したパキスタンの都市アボッターバードに滞
在しているかどうか、直前まで不確実であった、とオバマは昨夜米
国のテレヴィ局で初めて放送された記録映画の中で述べた。それゆ
え彼の安全保障の顧問の半分は、この作戦を断念するように忠告し
ていた、とのことである。

     国内ニュース

退職金に対する増税計画

「シュタンダルト」紙によれば、大蔵大臣フェクター(国民党)
は、退職金からより多くの税金を得るために、一連の策を計画して
いる。これは、退職の際に、3ヶ月の収入分だけ税制面で優遇され
ていた従業員に適用される。また不当な解雇予告の場合に支払われ
る追加の給与の支払いでは、以前と同じく、給与の2割が無税のま
まであった。フェクターはこれも修正する方針である。




9月7日(水)

     国外ニュース

石油の巨額取引 BP社の人身御供が復帰

報道機関から緊急時の情報伝達の件で激しい批判を浴びせられ、米
国議会で「つるし上げ」られ、最終的にはBP社の社長を解任され
た。英国の経営幹部トニー ヘイワードは、メキシコ湾での「ディ
ープウォーター ホライズン」の事件以降、バラ色の状況ではない
ようであった。それから1年経たない今、2人の銀行家とともにヘイ
ワードが設立した投資会社ヴァラーが、トルコの石油会社ゲネル 
エネルジ社を買収した。この売買は15億オイロで、「人身御供にな
った男」は実業界に復帰した。

     国内ニュース

殺人事件の裁判で終身刑

陪審員がかなり長い間協議した後、水曜日午後に42歳の男がウィー
ン州裁判所で有罪を言い渡された。この男は2010年6月に「友人」
を射殺して、遺体を切り刻んだとされていた。判決は終身刑で、ま
だ法的効力が確定していない。この男は無効を申し立て、上告し
た。この審理の中では、容疑者の陳述に完全に依拠せざるを得なか
ったが、それは目撃者が全くいなかったためである。被告が切り刻
んだ遺体の犠牲者の頭部は、まだ見つかっていない。




9月8日(木)

     国外ニュース

オバマは議会で失業対策「混乱を収拾

米国大統領オバマにとって、木曜日の夜米国議会で演説を行なう
が、これは単なる新たな労働市場対策以上のものである。彼は減税
と雇用の創出に総額4千5百億ドルを使うと約束して、2012年大統
領選挙戦に向けて自らの立場を打ち出した。彼は議会での彼の論敵
を、「混乱を終わらせて最終的に行動する」よう呼びかけた。しか
しこれはあまり大きな印象を及ぼさなかった。事前に既に共和党
は、オバマの雇用創出策の多くの部分を拒否していた。

     国内ニュース

連立与党は「事態に即応」する方針

財産税と兵役義務に関して、連立両党内部では数日前から対立が起
きているが、「選挙」という言葉が再びオーストリア政界で生まれ
始めた。木曜日には与党両党が、事態の激化を押さえ、事態に即応
する方向に進んだ。たとえ不安があっても、選挙を望んでいる人は
いないのは確かであった。問題となっている論題そのものでは、社
会民主党も国民党も強硬な姿勢を変えるつもりはなく、論拠を示し
て相手を説得しようとしている。




9月9日(金)

     国外ニュース

「9月11日戦争」の総括 死者25万人

2001年9月11日の攻撃では、約3千人が死亡した。しかしこれはそ
れに続く紛争で死んだ人々のごく一部でしかなかった、とされてい
る。テロ組織アル カーイダの爆破は続き、米国はまずアフガニス
タン攻撃を行ない、その後にはイラクに攻め入った。「9月11日戦
争」という名前を付けたのは英国人の記者ジェイソン バークで、
彼はこの国際紛争を新たな本の中で描き出した。米国はこの戦争
で、山のような負債に陥り、保守的な見積もりよれば、この間に
25万人が死亡したが、その多くは民間人であった。

     国内ニュース

タマンドルが暫定的にウィーン国民党の指揮を執る

クリスティーネ マーレクが辞任したことを受け、国民評議会議員
ガブリエレ タマンドルが、一時的にウィーン市国民党の執行部長
の職を引き受ける。この決定は金曜日午後遅くに、ウィーン党幹部
会の会議で下された。ウィーン市国民党党首探しは、始まったばか
りである。長年に渡りオーストリア労働者職員同盟と労働者会議の
幹部を務めていたタマンドルは会議後に、新党首が見つかるまでだ
け、自分はこの職を務めるつもりだ、と強調した。




9月10日(土)

     国外ニュース

9月11日の映像にふさわしくない写真をめぐる議論

崩れ落ちる世界貿易センターの映像が、世界を変えた。9月11日の
生中継は、恐るべき事件を詳細まで描き出した。ただし1枚の写真
が、ドイツの写真家トーマス ヘプカーの収蔵から消え去った。こ
れは、この事件を緊迫感なく見ている5人のニュー ヨーク市民が
写っている写真である。この「屋外の昼食会の写真」が公表された
のは数年後で、すぐに大きな議論を巻き起こした。

     国内ニュース

ヴェネチア映画祭 金獅子賞はロシアのファウストに

ヴェネチア映画祭ではちょっとした驚きが起きた。オーストリア人
ヨハネス ツァイラーが主役を務めた映画「ファウスト」が金獅子
賞を取った。監督を務めたのは60歳のロシア人アレクサンダー ス
クロフである。ヨハン ヴォルフガング フォン ゲーテの同名の
悲劇に基づくこの映画の中には、41歳のシュタイアーマルク出身の
ツァイラーの他、ドイツ人の有名俳優ハナ シグラが出演してい
る。最優秀俳優はミヒャエル ファスベンダーと中国人女優デアニ
ー イプに与えられた。




9月11日(日)

     国外ニュース

9月11日の追悼 すべての死者に弔旗

2001年9月11日の攻撃から10年、米国はその歴史上最も大きく揺れ
た日を振り返った。9月11日の犠牲者の追悼の中心として、遺族が
ゼロ地点に集まった。ニュー ヨークでの式典は、大統領オバマ、
前大統領ブッシュ、市長ブルームバーグが出席して、新たに開設し
た9月11日記念施設で行なわれた。攻撃場所からはなれたところで
も、犠牲者の追悼が行なわれた。約3千人の死者すべてのために旗
が掲げられ、マンハッタンのバッテリー公園は旗の海と化した。

     国内ニュース

テヒテルレ 大学への支出増は2015年までに「可能な見通し」

オーストリアの大学は、2013年から15年までに、巨額の資金を得ら
れる見通しである。科学大臣カールハインツ テヒテルレ(国民
党)は、大蔵大臣マリーア フェクター(国民党)と話し合いをし
た後、その可能性は極めて高い、と見積もっている。日曜日のテレ
ヴィ番組の中でテヒテルレは、その他に大学授業料に関する彼の提
案を行なった。それによれば、大学授業料は、大学によって独自に
徴収されるべきであり、また使用されるべきであるが、その上限は
1学期あたり500オイロとされているが、大学に通う支援金は、別の
案件である。




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