9月19日〜25日のドイツのニュース



9月19日(月)

ギュルは爆破の脅迫を受けベルリン大学での演説を中止

爆破するとの脅迫を受けたため、トルコ大統領アブドゥル ギュルは、ベルリ
ンのフンボルト大学で計画されていた演説を、取りやめざるを得なかった。首
都ベルリンの警察は、この脅迫は真剣なものと分類される、と警察は発表した。
ウンター デン リンデン通りにある同大学では、その後爆発物の捜査が行な
われた。ギュルはドイツ訪問の初日の終わりに、ドイツとトルコの関係の歴史
について演説をするつもりであった。これより前に彼は、連邦大統領クリステ
ィアン ヴルフ、連邦議会議長ノルバート ラマート、外務大臣グイド ヴェ
スターヴェレと会談していた。この席上彼は、トルコ人に対してドイツが義務
づけている入国査証などの問題に、批判的な評価を下した。さらに彼は、移民
法の修正を行なうように、呼びかけていた。トルコは特に、将来の結婚相手を
トルコから呼ぶ場合に、ドイツ語の知識を証明しなければならない、とする規
則に反対している。

     その他のニュース

オバマは巨額の支出削減策を提案

米国大統領オバマは、約3兆ドル(約2兆2千万ドル)の支出削減策
を取り、米国の負債の危機に対処する方針である。赤字を今後10年
で全額解放するために、彼は富裕者層の税を引き上げ、税の抜け道
を塞ぎ、社会福祉への出費を引き下げ、軍の経費を押さえ込むつも
りである、とオバマはワシントンの大統領府のバラ園で述べた。こ
の際に彼は、中間層が今後は富裕層よりも多くの税を支払う必要は
なくなるようにする、との要求を強調し、この措置を講ずれば、
2017年から多額の借金は減少する、と述べた。さらにオバマは、
単に支出削減だけを行なう計画にはすべて、拒否権を発動する、と
予告した。上院で多数を握る共和党は、これに抵抗する、と発表し
た。オバマの計画は経済成長にも、雇用の創出にもつながらず、つ
まり赤字を減らすこともない、と会派長マッコーネルは述べた。

国際通貨基金はギリシアに緊急勧告 株価は急落

国際通貨基金はギリシアに対して、諸外国からの巨額の支援を行な
うための条件を満たすように、と今一度間臆した。ギリシア政府は
国有財産の売却を中心に進めていかなければならない、とギリシア
問題を担当する同基金代表トラーは述べた。2015年までに総額
5百億オイロの民営化を行うとの合意が、日程表から遅れている
が、それはギリシアの政治家が事後処理に一致して取り組んでいな
いからであり、政治家が実施にさらに長い時間をかけるのであれ
ば、同国は支払い不能に陥る、と述べた。またトラーは、納税の行
政も改革するように求め、単に増税するだけにならないように警告
した。市場では負債の危機のために、いらだちが拡大している。多
くの投資家がオイロに背を向けた。ギリシアなどの高額の負債を抱
える国々が、支払い不能に陥るとの観測が、再び強まっている。こ
の不安定さが、ドイツの株式市場で渦巻いている。基準となるドイ
ツ株式指数は、2.8%下がって、5416となった。

メルケル「ベルリン選挙は政府の仕事には負の影響を与えない」

ベルリンでの選挙での自由民主党の大敗北と、オイロをめぐる危機
は、連邦政府の仕事ぶりに悪しき影響を及ぼさない、と首相メルケ
ルは推察している。キリスト教民主同盟党首である彼女は、同党の
幹部会の後にこれを強調し、自分は自由民主党と密接に協力してい
るのであって、党首レースラーとだけ協力しているわけではない、
とも述べた。しかし彼女は、ヨーロパに批判的な自由民主党の選挙
戦を、はっきりと批判した。また彼女は、ヨーロッパ政策に関して
は、キリスト教社会同盟と意見が異なることも認め、緊急の場合に
はある国がオイロの使用圏を離脱するべきかどうかについては、様
々な意見がある、と述べた。彼女は、オイロが失敗に終われば、ヨ
ーロッパも失敗に終わる、との立場に立っている、と語った。キリ
スト教社会同盟党首ゼーホーファーは、この2つには関連はない、
としていた。自由民主党の委員会の協議後、党首レースラーは、同
党がヨーロッパに懐疑的な新たな方向性を打ち出すことがないよう
に、と警告し、このような方針には自分は同調できない、と述べ
た。また経済大臣でもある彼は、キリスト教民主、社会同盟との連
邦連立政権が破綻する、との観測を否定した。




9月20日(火)

国際通貨基金は世界経済が危機的状況と見る

オイロ使用国の負債が危機的状況にあり、世界経済が後退する兆しがある中で、
国際通貨基金は世界経済が新たに危険な局面にある、と見ている。同基金主席
経済学者オリヴィエ ブランシャールはワシントンで、新たな予想を示し、ド
イツも下向きの渦巻きに陥っている、と警告した。同基金の判断によれば、経
済業績は世界的に今年も来年も、わずか4%の成長となる。6月には専門家は、
4.3%ないし4.5%の成長を予想していた。国際通貨基金は、特にオイロ使用地
域の状況を憂慮している。負債の危機が周辺国から中核国に波及した場合、世
界的な金融の安定性が、深刻な動揺の中に陥る可能性がある、と恐れている。

     その他のニュース

ギリシアは今後も緊急貸し付けを得るべく奮闘

国家としての破綻の恐れがあるギリシアは、EUおよび国際通貨基金
の救済策からの緊急貸し付けの次回分の支払いを受けるために、奮
闘している。月曜日夜には蔵相ヴェニゼロスが、EU、国際通貨基
金、ヨーロッパ中央銀行の3者の専門家と電話で会談をしたが、成
果を上げることなく決裂したが、火曜日夜も再び話し合いを行なう
ことになっている。支援策のうち、次回分の80億オイロが支払われ
るかどうかは、ギリシア政府の支出削減および改革の措置に関し
て、前向きに評価する報告が出されるかどうかにかかっている。資
金が支払われなければ、ギリシアは10月には支払い不能に陥る。一
方同国は短期的な国債を発行して、約16億オイロの新規の資金を資
本市場で調達することができた。同国はこのような小学の資金も当
てにせざるを得ない。「カシメリニ」紙は、政府はギリシアがオイ
ロ使用地域に残るかどうかを国民投票にかけることを検討してい
る、と報じたが。大蔵省はこの報道を否定した。

イタリアは国債の信頼性の評価引き下げを批判

イタリア首相ベルルスコーニは、同国の国債の信頼性を、格付け会
社スタンダード&プアーズが引き下げたことを、激しく批判した。
格付け会社の評価は、現実よりも報道に基づいている、と彼はロー
マで述べ、この格付け会社は政治的な意図がある、との推定を述べ
た。イタリア政府は常に国会の支持を得ており、安定せいているこ
とが証明されている、とも語った。スタンダード&プアーズ社は、
高額の負債を抱える同国の支払い能力を月曜日夜に、A+からAに引
き下げ、さらに見通しも「悪い」と評価した。さらに同社は、現連
立政権は、負債の危機に断固たる措置をとる情勢にあるか疑問視し
ている。イタリアは国内総生産の約120%の負債を抱えており、ギ
リシアに続いてオイロ使用国すべての中で最大の負債を抱えてい
る。先週にはイタリア国会は、総額540億オイロの支出削減策を可
決していた。

アフガニスタン元大統領ラバニが攻撃を受け死亡

アフガニスタン元大統領ラバニは、カブールにある自宅で攻撃を受
け、死亡した。ラバニはおそらく自殺攻撃の犠牲となった、と警察
広報は述べた。和平高等評議会筋の情報によれば、彼は攻撃を受け
た時にはタリバーンの代表2人と面会していたが、彼は大統領カル
ザイの委託を受け、蜂起勢力と戦争終結に関する話し合いを行なっ
ていた。ラバニの家は、いわゆる緑地帯の中にアリ、米国大使館の
近くにある。警察は犯行現場周辺の広い地域を立ち入り禁止にし
た。先週には急進派イスラーム教徒タリバーンが、カブールの厳重
に防衛された外交使節のある地域に対して、攻撃を加えていた。火
曜と水曜にほぼ19時間続いた攻撃では、14人のアフガニスタン人
が死亡していた。ラバニはカルザイの前任大統領で、1992年から
タリバーンに解任された96年まで、政権の座にあった。しかし彼は
国連にとっては、2001年まで大統領であった。ソ連が1979年から
1989年まで占領していた時代には、彼は占領軍と「聖戦」を戦っ
た。




9月21日(水)

ギリシア政府はさらなる支出削減策をとると発表

ギリシア人は、厳しい支出削減を再び覚悟しなえればならない。諸外国の救済
策に基づく支援金の緊急に必要な支払いを受けるため、ギリシア政府代表は新
たな支出削減策をとる、と予告した。それによれば年金は、2割減らして月額
1,200オイロ以上減額される。また今年、3万人の国家公務員が「待機状態」に
置かれる、つまり給料の6割だけを受け取り、国の事業で新たな職を見つけるた
め、1年間の猶予を得る、ことになる。55歳未満で年金受給を開始するギリシア
人も、受給額が減らされるのを覚悟しなければならない。これより前に大蔵大
臣エヴァンゲロス ヴェニゼロスは議会で、さらなる支出削減に理解を求めた。
支出削減に対する抗議から、二大労働組合は、早くも新たなストを呼びかけた。
10月5日と19日には、それぞれ24時間ストが行なわれることになっている。

     その他のニュース

オバマはパレスチナ人国家は協議だけ行なう方針

パレスチナ人の国連加盟に向けた努力が、ニュー ヨークの国連総
会開幕の中心となった。米国大統領オバマは、パレスチナ人には独
自の国家を持つ権利があることを、原則的には認めた。ただしこれ
はイスラエルとの交渉を経てのみ実現されうる、とも述べた。イス
ラエル首相ネタニヤフはオバマとの会合の後、パレスチナ人の完全
な加盟請求は、失敗に終わったとの判断を述べ、近東をさらに安定
させるための唯一の手段は、直接対話である、と語った。ドイツ外
相ヴェスターヴェレは、この立場に追随した。パレスチナ大統領ア
ッバスは来尿日に、完全な加盟を申請する方針である。米国は国連
安保理で、これには拒否権を発動する、と予告した。フランス大統
領サルコジは一般討議の中で、米国の拒否権は暴力の激化を引き起
こす可能性があると延べ、パレスチナ人に、1年間の観察機関を与
え、この間にイスラエルとの和平交渉を進めてはどうか、と提案し
た。

懸案のスイスとの租税条約に署名

ドイツとスイスは、長年に渡りスイスでの巨額の不正資金に対する
課税について対立していたが、これに合意した。蔵相ショイブレと
スイス蔵相ヴィドマー・シュルンプフはベルリンで、激しく対立し
たこの条約に署名した。この条約は2013年以降の、ドイツの脱税者
に対する追加課税と、スイス銀行での収益に対する今後の課税を定
めるものである。社会民主党と緑の党は、これは容認できない「免
罪符販売」であり過半数を握る連邦参議院で、この条約をひっくり
返す、と予告した。ショイブレは、努力を払って取りまとめた規則
を揺るがすつもりはなく、追加交渉は断固拒否した。連邦、州、市
町村は、追加の巨額の税収が期待できる。

台風「ロウキー」が東京を襲う

台風「ロウキー」が、暴風と激しい雨で、日本の首都東京を襲っ
た。鉄道路線は機能停止に陥り、数万人の通勤客が、駅で足止めと
なった。同国の中心部では、26万世帯が停電となった。「ロウキ
ー」は時速160キロを超える風速で、東京の西200キロほどの地点
に上陸した。この嵐で6人が死亡、あるいは行方不明となった。
50人以上が負傷した。自動車製造会社トヨタや他の企業は、事前に
いくつかの工場を閉鎖した。台風の進路には、破壊された福島原子
力発電所もある。東京電力の広報は、この施設での作業のいくつか
は中断した、冷却装置に対する棄権はない、と発表した。




9月22日(木)

教皇はベルリンのオリンピック競技場で7万人を前に礼拝

教皇ベネディクト16世は、ドイツ訪問の初日を、ベルリンのオリンピック競技
場で7万人を前にした礼拝で締めくくった。84歳の教皇はまず、防弾加工のされ
た教皇用の自動車に乗って一周した。これより前に彼は、緊迫感を持って見守
られているドイツ連邦議会での演説で、政治家が公平と平和のためにより多く
の責任を果たすように求めた。やや法哲学的な演説の中で、ベネディクト16世
は、環境運動を擁護し、道徳を失った科学を批判し、ヨーロッパがキリスト教
という根を失うことがないように、と警告した。社会民主党、緑の党、わけて
も左翼党の国会議員数十人は、カトリック教会の長の演説には出席しなかった。
彼らはそれを、教会と国家の分離を定めた憲法に違反する、と見ていた。数千
人の反教皇派が、ベルリンの中心部で、彼らが非人間的と考える教会の性に関
する方針に抗議した。教皇はこの抗議活動を、民主国家の一部である、と評価
した。

     その他のニュース

ギリシア人は支出削減策にデモとストで抗議

数千人がアテネで、ギリシア政府が支出削減策の新たに決定したこ
とに抗議した。鉄道、バス、タクシーの運転手は、労働組合の呼び
かけに従って、ストライキを行ない、首都アテネの公共交通は大き
く麻痺した。航空管制官もストに参加した。これに対して、EU特別
対策本部部長ライヒェンバッハは、支出削減の決定は、ギリシアが
改革を進める容易をしていることの現れである、と述べた。ギリシ
ア内閣は、公勤務従事者の大幅な解雇、年金の削減、免税の上限の
引き下げを前進させていた。来週始めには、EU委員会、ヨーロッパ
中央銀行、国際通貨基金の三極の幹部が、アテネに集まり、債権者
が課した条件が守られているかどうか、判断する予定である。ギリ
シアは、10月の賃金を支払えるようにするため、80億オイロを必要
としている。

ブルガリアとルーマニアは当面シェンゲン圏域には加入できず

EU加盟各国の内相は、ルーマニアとブルガリアをシェンゲン協定に
加入させる決定を、EU加盟各国の首相と大統領に委ねた。この問題
は10月17日と18日に行なわれる次回のEU首脳会談で議題に上る、
とドイツ内務政務次官シュレーダーはブリュッセルの閣僚会議で述
べた。内相会議は、この問題を短時間議論しただけで延期したが、
それは合意が得られそうになかったためである。オランダとフィン
ランドは、予定されていた旧東側の両国の受け入れを、組織犯罪と
汚職の懸念から、受け入れを拒否している。国境を接するシェンゲ
ン協定地域への加入には、EU各国の全会一致の決定が必要である。

パレスチナの国連加盟をめぐる対立は解消されず

パレスチナ人が国会に完全に加盟することをめぐる対立で、国連加
盟の動議を提出する予定日を直前に控え、前線は厳しさを増してい
る。西ヨルダンランドのラマラでは、数百人のパレスチナ人が、米
国大統領オバマに反対してデモを行なった。数人は「オバマは偽善
者」「米国は蛇の頭」と書いた横断幕を掲げていた。オバマはニュ
ー ヨークの国連総会での一般討論と並行して、パレスチナ大統領
アッバスのやり方を、拒否する態度を鮮明にしていた。アッバスは
国連への完全な加盟を承認するよう求める動議を、金曜日に国連事
務総長潘に提出する意向である。提出が行なわれた場合には、米国
は安全保障理事会で拒否権を行使する、と予告している。イスラエ
ル外相リーベルマンは、オバマの発言が、パレスチナ人を「現実に
立ち戻らせ」、さらなるイスラエルとの和平交渉を再開するきっか
けとなると期待している、と述べた。




9月23日(金)

アッバスはパレスチナの国連加盟を申し入れる

パレスチナ大統領マハムード アッバスは、正式にパレスチナ国家の国連加盟
を申し入れた。76歳の彼はニュー ヨークで、国連事務総長国連事務総長潘基
文に、完全な加盟を申請した。パレスチナ人がこれに関して強い期待を持って
いるため、この申請は議論を呼ぶと見られている。しかし早期の国連加盟は、
米国が阻止する可能性が高い。米国は国連安全保障理事会で、拒否権を行使す
ると発表した。総会でアッバスは、イスラエルに対して近東紛争を平和的に解
決するよう呼びかけた。また彼は、占領した地域でユダヤ人入植地建設を行な
うと、二カ国併存による解決の土台を切り崩すことになる、共述べた。イスラ
エル政府は、加盟申請が行なわれたのは残念だ、と発表した。
西ヨルダンの地では、イスラエル兵士および入植者と衝突し、パレスチナ人1人
が射殺され、その他数人が負傷した。国連加盟の申請の背景には、イスラエル
が暴動の懸念があるため、治安部隊の警戒態勢を強めたことがある。現在約2万
2千人の警官が配備されている。

     その他のニュース

教皇は早期のキリスト教会統一に期待しないようにと述べる

エアフルトで教皇ベネディクト16世は、新旧両キリスト教の合同礼
拝に参加した。この席上彼は、全キリスト教統一で、早期に前進が
あるとの期待を抱かないように、と述べた。マルティン ルターが
初期に活動したエアフルトのアウグスティヌス修道院で、両教会に
対して、世俗化が加速する社会の中で、信仰の共同の証を作り出
し、人間の尊厳を守るために力を注ぐように呼びかけ、これこそが
キリスト教統一運動の最重要課題である、と述べた。一方ドイツ 
プロテスタント教会評議会議長シュナイダーは、カトリック教会に
対して、宗派を超えた結婚と、共同の聖餐式実施に向けた具体的な
進展を可能にするように求めた。教皇職にある人が、ドイツのプロ
テスタント教会の建物の中での共同の礼拝に出席するのは、初めて
である。連邦大統領ヴルフと連邦首相メルケルも、これに出席し
た。

米国とパキスタンの緊張は強まる

パキスタンと米国の緊張関係は、さらに悪化した。ワシントンの大
統領府は、パキスタンに対し、イスラーム教徒ハカニ組織網との一
切のつながりを立つように、と呼びかけた。またタリバーンとの結
びつきがあるこの組織網は、最近起きたカブールの米国大使館襲撃
および、他の攻撃を引き起こした、と述べた。ハカニの活動家たち
は、パキスタンの隠れ家から出撃しているのに、パキスタン政府は
これに一切の対策をとっていない、とも述べた。パキスタン外相カ
ルはこれより前に、米国との戦略的協力関係を解消する、と威嚇し
ていた。彼女はニュー ヨークで、同盟国を傷つけようという目的
で発せられる公的な発言はすべて、甘受できない、と述べた。彼女
のこの発言は、米国参謀本部長ミュレンが、ハカニ組織網を、パキ
スタンの秘密情報部ISIの武装部門であると判断した発言に向けら
れた者である。米国の代表が、パキスタンをこれほど激しく批判し
たことは今までなかった。

イエメン大統領サーレハは停戦を呼びかけ

イエメン大統領サーレハは帰国後、対立する両者に停戦を呼びかけ
た。流血の惨事を終わらせ、解決を見いだすためには、対話と話し
合い以外の可能性はない、と大統領府の代表はAFP通信に述べた。
ドイツ政府はサーレハに対して、「平和的かつ秩序がとれた移行」
のための道を作り出すように求めた。サーレハは午前中に、3箇月
半ぶりにサウジ・アラビアから帰国していた。サウジ・アラビアで
彼は、教皇で受けた負傷の手当を受けていた。8箇月前から野党勢
力が、33年間に渡って政権を握るサーレハに対して、抗議活動を続
けている。彼の支持者と反対派は、サヌーアで交戦し、血が流れて
いる。日曜日に戦闘が再燃して以来、百人以上が死亡した。副大統
領ハジが火曜日に発布した停戦は、ほとんど守られていない。




9月24日(土)

フライブルクでは若者数万人が教皇を歓迎

少なくとも2万4千人の若者が、フライブルクで、教皇とともに夜を徹した祈り
に参加した。ベネディクト16世は、ミサの会場で彼らに熱狂的な歓迎を受けた。
挨拶の中で教皇は若者たちに対して、技術を信頼しすぎないように、そして誤
った政治理念にとらわれないように、と警告した。これより前にカトリック教
会の長が教皇用専用車で司教座聖堂まで行くのを、数万人の信徒は歓迎した。
午後にはベネディクトは元首相ヘルムート コールを個人拝謁に迎え、コール
のドイツ統一に関する功績を賞賛した。教皇の広報によれば、この面会は心の
こもった雰囲気で行なわれた。ギリシア正教会の代表との会談で教皇は、社会
の反宗教的な活動にたいして、すべてのキリスト教徒が共に立ち上がるよう呼
びかけた。午前中に彼は、エアフルトの大制度広場で、2万8千人とともに、礼
拝を執り行い、旧東ドイツでのキリスト教徒が起こした抵抗運動を評価した。

     その他のニュース

警察「ドイツの観光客がアフガニスタンで射殺される」

アフガニスタンでは、ドイツ人観光客1人が殺害された、、と現地
当局は発表した。ゴール州の警察署長代理は、このドイツ人はアフ
ガニスタン人同行者2人とともに、四輪駆動車に乗っていたとこ
ろ、身元不詳の武装したものに殺害され、アフガニスタン人2人は
事故で負傷、近隣住民1人が死亡した。ベルリンの外務省は、カブ
ールのドイツ大使館は、全力を挙げてこの事件の解明に努力してい
る、と発表した。

プーチンはロシア大統領に再び就任する意向

現在のロシア首相プーチンは、大統領に返り咲く意向である。与党
「統一ロシア」の会議でプーチンは、現大統領メドヴェージェフか
らの就任要請を受けた直後、2012年3月の選挙に立候補する、と発
表した。自分が大統領に選ばれた場合には、メドヴェージェフを首
相に任命する、とプーチンは予告した。党大会の出席者は、メドヴ
ェージェフを12月の国会議員選挙に向けて、既に「統一ロシア」の
筆頭候補と定めた。メドヴェージェフは今回の職の交換を、考え抜
いた末の決断である、と述べた。プーチンは既に2000年から8年
にかけて大統領を務め、大統領職をメドヴェージェフに譲ってい
た。というのは憲法の規定で、2期務めた後彼はもはや大統領に立
候補できないためである。4年間を経て、プーチンの大統領立候補
が再び可能になった。3月の選挙で彼が勝利するのは確実と見られ
ている。

NATOはリビアの都市シルテの情勢悪化に警告

NATOは、リビアの都市シルテでは、現地部隊が元権力者カッザーフ
ィーの部隊が、今後も長く制圧を続ける声鬼なれば、情勢が危険な
ものになる、と警告した。NATOはブリュッセルで、ここ数日でカッ
ザーフィーの生まれ故郷の情勢は、だんだん悪化していており、カ
ッザーフィーに忠実なもの立野側から、処刑、誘拐、個人と家族を
狙った攻撃が起きている、と発表したシルテは砂漠の町バニ ワリ
ドと並んで、カッザーフィーの支持者の最後の拠点である。リビア
移行評議会の部隊は、漁師に対して新たな攻撃を開始した。




9月25日(日)

教皇ベネディクトはヴァチカンに信頼を寄せるように求める

教皇ベネディクト16世は、ドイツ訪問を終えるにあたって、カトリック信徒に
対して、信仰に立ち戻りまた信仰を新たにするように呼びかけた。フライブル
クで10万人を前に説教した彼は、ローマ教会に対して絶対的な信頼を寄せるよ
うにも呼びかけた。その際彼は、教会は自分の故国ドイツでは、現代および未
来の大きな課題に応えられる、との自信を表明した。フライブルク空港の敷地
内での礼拝でカトリック教会の長である彼は、教会が「宗教上のマンネリ」に
陥らないようにと警告し、言葉ではなく行動が重要だ、とも述べた。彼は説教
の中で、人間は神に与えられた善と悪の間から選択する自由を持っており、神
は被造物に自由を認めることで、自分の力に制約を加えた、と述べた。その後
教皇は、連邦憲法裁判所の裁判官、教会および社会で特に精力的な活動をして
いるカトリック信徒と会談した。

     その他のニュース

ガブリエルはヨーロッパの未来に関して国民表決を求める

社会民主党党首ガブリエルは、ヨーロッパとオイロの未来に関し
て、国民表決の実施に賛成した。ヨーロッパ政策の基本的な問題に
ついて、国民は将来直接決定を下せるべきである、と彼は「ビルト
紙日曜版」に述べた。このような国民表決は困難であり、必ずしも
成果を上げるとは限らないが、実施すれば、政治的経済的指導者
に、ヨーロッパの計画を説明させ、理解を求めさせることになる、
とガブリエルは述べた。連邦憲法裁判所長官フォスクーレも、国民
の直接的な関与なしに、ヨーロッパの統合をさらに進めるのは問題
だ、と考えている。彼は、基本法はヨーロッパの組織に権限をこれ
以上委託することを、いずれにせよ認めていないと考えられる、そ
れにもかかわらずヨーロッパを強めたいのであれば、国民表決が必
要である、と「フランクフルト一般新聞日曜版」に述べた。

国防軍の志願兵の2割が除隊

7月に自由意志での兵役が開始されてから、2割以上の新兵が国防軍
を既に去った。3459人の志願兵のうち、780人が早期に勤務を終え
たが、これは22.5%にあたる、と国防省はベルリンで発表した。個
人的な理由の他、軍の勤務が予想と異なっていたなど仕事の内容に
左右されていた、とのことである。国防相デ メズィエールは、自
由意志で入隊した人が、自由意志で除隊することができるのが当然
であるのは、正当かつ公正なことだ、と述べた。また彼は、この数
には満足しておらず、国防軍が対応策を講じられるように、除隊の
理由を今後分析する、とも語った。2012年初めには、試験期間全
体の総括を行なう予定である、と語った。

サルコジはフランス上院の一部改選に不安

フランスではこの日曜日に上院つまり国会の第二院の半分が新たに
選ばれる。間接選挙では、7万2千人の選挙人が、上院議員170人を
決める。大統領サルコジの保守派陣営は、地域の代表である上院
で、伝統的に過半数を握っている。しかし今回は、左翼諸政党が大
きく力を伸ばし、過半数に達する可能性も否定できない。そのよう
な場合には、大統領に続き2番目に重要な職である上院議長が、社
会党から出ることになる。この投票は、7ヶ月後に行なわれるフラ
ンス大統領選挙前の、最後の重要な意志表示である、と見られてい
る。上院で左派が多数をとるとすれば、サルコジは今後困難な政権
運営を行なう可能性がある。フランスの上院は、国民議会が先に可
決した法律に反対の投票を行なうことによって、国民議会のあらゆ
る投票を取り消すことができる。




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