9月26日〜10月2日のオーストリアのニュース



9月26日(月)

     国外ニュース

OECD地域だけで危機で1千3百万人の職が失われる

ヨーロッパの労働市場に対して、危機がどのような傷跡を残した
か、は、ギリシアやスペインなどの国々を見ればわかる。その他の
国でも情勢は危機的で、うまく「逃げおおせる国」はほとんどあり
そうもない。経済開発協力機構加盟34カ国だけでも、2007年以降
の世界的な金融、金融経済恐慌で、1千3百万人分の職が失われた。
失業者の数は、4千4百万人ほどに上る。特に若者にとって、今後数
年の見通しはバラ色ではない。

     国内ニュース

ほとんどの自動車運転手は事故の犠牲者を無視

すべての自動車運転手のうちわずか15%だけが、事故の際にその場
に残り、救援を行なっている。これは8月末の「オーストリア自動
車 オートバイ ツーリング クラブ」OeAMTCの調査は、震撼す
べき結果となっている。この報告書では、マッタースブルクとアイ
ゼンシュタット間のB50路線で事故が起きたと仮定して、その経過
を描き出している。




9月27日(火)

     国外ニュース

EU委員会は監査会社の権限を縮小する

EU委員会は、大監査会社が優位な状況を、この業界に対する新たな
規則を作って、打破する方針である。国内市場委員バルニエの法案
によれば、業界を牽引するデロイト社、PwC社、アーンスト&ヤン
グ社、KPMG社は、これ以上企業の助言を行なうことはできなくな
る。これにより監査会社は、企業に関する判断を独立して行なうこ
とになり、多くの利益をもたらす顧問業務から影響を受けることが
なくなる。バルニエの改革案は急進的なもので、監査会社から激し
い抵抗にあっている。

     国内ニュース

諮問委員会が雑誌広告の委託を調査する

政府は雑誌広告問題に関連して、広告を出す委託を行なう際に、取
引をより透明化するべきだと見ている。首相ウェルナー ファイマ
ン(社会民主党)と副首相ミヒャエル シュピンデレガー(国民
党)は、昨日の閣議の後で、諮問委員会を作り、閣僚の新聞広告の
委託が「客観的」に成果を上げているかどうかを、今後は検討す
る、と予告した。政治広告の禁止についてこの前に議論されたが、
これは閣僚に対する制約を課すことは可能である、との決着がつい
た。




9月28日(水)

     国外ニュース

ドイツ海賊党は7%を獲得し上昇中

2006年にドイツの海賊党は誕生した。9月中旬に同党はベルリン
市議会で9%近くの票を得た。それ以来ドイツ各地で上昇を続けてい
る。フォルザの世論調査によれば、新しいこの政党は7%の支持で、
左翼党と同じぐらいの支持である。予想外のこの展開は、2%ほどに
落ちぶれている自由民主党にとって、いらだちの種となっている。

     国内ニュース

ケルンテン州持株会社の社長マルティンツは留任

「ケルンテン州の自由党」と国民党は昨日、ビルンバッハー事件に
関して、ケルンテン州持株会社の緊急会議を行ない、役員会会長ヨ
ーセフ マルティンツの解任に反対する決定を行なった。同持株会
社の役員ハンス・イエルク メギモレッツとゲルト サンダーも留
任する。さらに4週間のうちにもう一度会議を招集することが決ま
った。それまでにビルンバッハー事件で、未解決の問題を解明する
ことになっている。




9月29日(木)

     国外ニュース

人種的な暴動がブルガリアを揺るがす

数日前からブルガリアでは、少数派ロマ(いわゆるジプシー)に対
する抗議活動が起きている。警察が既に火曜日に、悪名高いロマの
族長で、民族上のブルガリア人からは、衝突を引き起こしたとされ
ている男を逮捕したが、抗議と暴力は続いている。この暴動の原因
になったのは、若いブルガリア人が死亡した自動車事故であった。
それ以来民族主義者たちは、地元住民の怒りを利用して、自分たち
の計画を訴えている。デモの最中に「ジプシーは出て行け」との声
が聞かれた。

     国内ニュース

調査委員会が新聞広告を調査 カープは平静を保つ

政府の新聞広告の問題は、電信電話会社、連邦住宅供給会社BUWOG
とあわせて、国会の調査委員会の調査を受ける可能性が高まった。
木曜日午後には、社会民主党が譲歩した。同党会派長カープは、最
終的には何も議論しないことを誰も望んでいはいない、と述べ、連
邦首相ファイマン(社会民主党)に対する容疑は、早期に解決する
だろう、と平静な姿勢を示した。国民党は連立相手である社会民主
党に「赤い広報疑惑」を突きつけていた。調査委員会での原則的な
合意がなされることに、野党も満足の意を表わした。




9月30日(金)

     国外ニュース

フォルクスヴァーゲン社とスズキがバラ戦争

フォルクスヴァーゲン社とスズキの間のバラ戦争は、平和が訪れる
兆しがない。日本の自動車製造会社であるスズキは金曜日、要求に
関する満足のいく回答をフォルクスヴァーゲン社から得ていない、
と発表した。スズキは9月末までに契約違反の訴えを取り下げるよ
うに求めている。電子メールの形で受け取ったドイツのフォルクス
ヴァーゲン社からの回答には、何か発言するには値するような者で
はなく、スズキは今後の対処についてまだ決めていない、とも述べ
た。フォルクスヴァーゲン社は、スズキが契約違反をして、他の製
造業者からエンジン技術を購入した、との批判を続けている。

     国内ニュース

新聞広告に関する緊急質問 シュトラーヒェがファイマンと応酬

21の質問が出されたが、具体的な回答は少なかった。自由党党首シ
ュトラーヒェが、オーストリア鉄道の広告に関して、連邦首相ファ
イマン(社会民主党)に対して、金融質問を行なったが、その結果
がこれである。シュトラーヒェはファイマンを非難して、国営に近
い同社の経営陣に圧力をかけた、と述べた。ファイマンはこの告発
を激しく退け、「自分への攻撃を回避する陽動作戦」である、と述
べた。しかし最後には、この回答に実際に満足する者はいなかっ
た。連立相手の国民党ですら、失望をあらわにし、自由党は不信任
動議を後に提出した。




10月1日(土)

     国外ニュース

ギリシア公務員解雇で多くの裁判が起こされると懸念

ギリシアのオイロをめぐる難問で、さらに懸念が増えている。政府
は今度は、公務員の解雇計画に大量の訴訟が起こされるのではない
か、と懸念している。国家に必要な人員削減は、行政裁判で失敗に
終わる可能性もある。一方作業を再開した国債記入監督官は、順調
に成果を上げている、と見ている。日曜日には閣議で厳しい支出削
減計画について協議が行なわれる。

     国内ニュース

プレルは高額所得者に増税の方針

ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)は、
「一定の限度を超えてきわめて高額の所得を得ている人に、一定の
期間、より高い税率を課すのに賛成である」と述べた。ただし彼は
「プレッセ」紙のインタヴューで、社会民主党が求めている財産税
は、「冷たい没収」であるとして、拒否した。経済連合はプレルの
試みを拒否している。




10月2日(日)

     国外ニュース

8.5%の赤字 ギリシア政府は三極の支出削減目標を達成できず

ギリシアはEU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行からなる三極と
の間で合意した赤字削減の目標を、今年と来年は達成できない模様
である。内閣は土曜日夜に、2012年予算案を可決したが、これは今
年の経済実績から8.5%の赤字となる見込みである。諸外国からの支
援の見返りに、ギリシア政府は7.6%の赤字という目標に賛成してい
た。来年はギリシアは6.8%の赤字の予想で、合意された6.5%には
届かない。

     国内ニュース

A-Tec社崩壊 社民党はオーストリア持株会社を介入させる方針

社会民主党は、間近に迫ったミルコ コヴァッツ所有のA-Tec社の
倒産と解体が、国内の工業の情勢を、長期的に悪化させるのではな
いか、と懸念している。社会民主党執行部長クロイターは、同社の
知恵や経験と会社本部が国外に流出しないようにしなければならな
い、と警告した。彼は担当する国民党の閣僚に、オーストリア持株
会社を介入させるように求めた。社会民主党がこの(部分的)国有
化に賛成するかどうかは不明である。いずれにせよ国民党は、これ
をはっきりと拒絶しており、このようなことは「国有化の時代に逆
戻り」することになる、と判断している。




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