10月10日〜16日のドイツのニュース



10月10日(月)

エジプト首都で新たな衝突

エジプトの首都カイロから、新たな暴動が伝えられている。通信社の報道によ
れば、数百人の(キリスト教の一派)コプト教徒デモ隊が集結し、病院前で治
安部隊に投石を行なった。日曜日には、抗議集会で衝突が起き、少なくとも24
人が死亡、2百人以上が負傷した。元大統領ホスニ ムバーラクが失脚してか
ら、エジプトで起きた暴動としては、最も激しいものであった。イスラーム教
急進派が、アスワン地域にある教会が放火したことに抗議して、数千人のコプ
ト教徒は当初は、平和的にデモを行なっていた。その後イスラーム教徒と治安
部隊の間での暴力が激化した。首相イサーム シャラフは、エジプトは危機の
中にある、と述べた。国営放送では、コプト教徒は、警察隊を攻撃して流血の
事態となり、兵士2名を殺害した、と非難された。

     その他のニュース

EUは銀行の危機のため首脳会談を延期

EUは本来今週に計画されていた首脳会談を、新たな銀行危機が発生
したため、延期した。EU評議会議長ファン ロンパウはブリュッセ
ルで、首脳会談が行なわれるのは、10月23日になる、この期日は
オイロ使用地域の負債の危機を念頭に置いて、世界的な戦略を今後
まとめあげる余裕を作るためである、と発表した。ドイツ首相メル
ケルとフランス大統領サルコジは、日曜日にベルリンで会談し、危
機の解決のために改めて熟慮する、と約束していた。拡大されたオ
イロ救済の傘EFSFの措置を、銀行救済にも利用するかどうかという
問題で、両国の意見が異なっているとされるのを、2人は否定した。

ベルギーは瓦解したデクシア銀行の一部を引き受ける

オイロ危機で混乱に陥ったベルギーとフランスに拠点を置くデクシ
ア銀行は、破壊された。首相レテルメはブリュッセルで、ベルギー
が国家として、同行のベルギーの部分を100%取得することを確認
し、ベルギー デクシア銀行買収で、ベルギー政府は37億オイロ支
払う、と述べた。銀行の存続を確実にすることが重要で、銀行の顧
客の資金は、それぞれの口座で安全が確保される、とも述べた。さ
らに彼は、900億オイロの危険な有価証券は、いわゆる「バッド 
バンク」不良債権買い取り銀行へ移される、とも予告した。ベルギ
ー、フランス、ルクセンブルクの政府が、この保証を行なう。デク
シアはギリシアに多額の投資を行なっていた。同行はそのほか、フ
ランスの市町村、地域の最大の債権者である。

オイロに関する自民党の党員投票を求める署名が提出される

オイロ救済の傘ESMに関する自由民主党の党員投票は、実質的に決
定済みの事項となった。オイロに懐疑的なシェフラーは、党本部
に約3,850人の同党員の署名を提出した。この数は党員投票に必要
な最低の数字をはっきり上回る数字である。この投票はおそらく
11月に始まり、クリスマス前には終了する。自由民主党が、一般党
員から求められて、党員投票を行なうのは初めてである。「反オイ
ロ派」は、救済の傘を拒否しており、オイロからの離脱する権利を
求めている。シャフラーは、過半数を獲得できる、と自信をのぞか
せたが、これは連立政権を危険にさらすようなものではない、と述
べている。これに対して事務長リントナーは、党員は党幹部の方針
に追随すると確信している、と述べた。彼は誤った決定によって、
見通しのつかない結果に陥らないように、と警告し、財政制度の炉
心溶解が起こるのを阻止しなければならない、と語った。




10月11日(火)

スロヴァキアはオイロ救済の傘の関する投票を行なう

オイロ使用国としては最後に、スロヴァキアがオイロ救済の傘EFSFの拡大に関
する投票を行なう。ブラスティラヴァの国会は、この計画を拒否する恐れが高
い。連立与党の「自由と連帯SaS」が、首相イヴェタ ラディチョヴァーを支持
することを拒否するつもりであるほか、野党社会民主党も、拡大を支持しない、
と予告している。決定を行なう国会の会議は、いくつかの委員会の協議開始直
後に、中断した。救済の傘の拡大が投票で否決されれば、首相ラディチョヴァ
ーが、彼女の政治生命を、オイロ決議を成功させることと結びつけていたため、
スロバキア政府は退陣の恐れがある。それにもかかわらず、救済の傘は第2回投
票で国会に可決される可能性もある。マルタが拡大に賛成したことを受け、ス
ロヴァキアは夏にEU全体の影響のあるこの策をまだ可決していない、唯一の国
となった。救済の傘拡大は、オイロ使用地域に属する17カ国すべての支持が必
要である。

     その他のニュース

ギリシア支援基金の次回分の支払いが認められる

ギリシアの債権国諸国は、国家として破産の危機に脅かされている
同国に対する、次回の支援金の支払いを認めた。これにより総額
80億オイロのさらなる緊急借款が、11月初めに渡されることにな
る、とEU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金の専門家からなるい
わゆる「三極」はアテネで発表した。オイロ使用各国の蔵相と、国
際通貨基金幹部会の賛成がさらに必要である。高額の負債を抱える
ギリシアに対しては、春に緊急借款の計画で合意が成立していた。
しかし分割されて支払われる各回の支払いの前に、ギリシア政府
は、合意された支出削減策が実施されていることを証明しなければ
ならない。その際にパパンドレウ政権は、遅れを繰り返していた。
その理由は、低迷するギリシア経済である。三極によれば、景気後
退は6月の時点の予想よりもひどく、2013年にようやく回復が見
込まれる。

ティモシェンコに対する判決に諸外国から批判

諸外国から大きな抗議があるにもかかわらず、ウクライナの元首相
ティモシェンコは、職権乱用の容疑で、7年間の拘留の判決を受け
た。キエフの裁判所は、彼女が2009年にロシアとのガスに関する契
約を結んだが、この契約で彼女は職権を踏み越え、ウクライナに総
額1億4千万オイロの損害を与えた、と認定した。裁判官がこの判決
を朗読している間に、50歳の野党の政治家であるティモシェンコ
は、ヨーロッパ人権裁判所に異議を申し立てる、と予告した。EUは
ウクライナに、重大な結果をもたらす、と威嚇した。ドイツ外相ヴ
ェスターヴェレはベルリンで、ウクライナの法治主義が後退した、
と述べた。批判はロシアからも出ている。モスクワ外務省の声明の
中で、この判決は「明らかに反ロシア」的である、ガスに関するこ
の契約は、両国の法律に基づいていることを裁判所は無視してい
る、と述べている。それゆえウクライナはすべての契約を守らなけ
ればならない、とロシア外務省は求めた。ウクライナ政府は、モス
クワに対して、ガス価格と大幅な値下げに関して、事後の交渉を行
なうように求めている。

メルケルはヴェトナムとの貿易増加に賛成

連邦首相メルケル(キリスト教民主同盟)は、経済的に上り調子の
ヴェトナムとの関係を拡大する意向である。彼女は首相就任後、社
会主義国ヴェトナムを初めて訪問し、首都ハノイで首相グエン ダ
ン ズンと、一連の協定に署名した。同時に彼女は、ドイツの投資
の前提条件となる、信頼できる法的な枠組みを作り出すように求め
た。さらにメルケルは、ヴェトナムの人権状況を改善することが、
ドイツのヴェトナムの関係を活性化する上で、大きな意義を持って
いる、と述べた。ドイツの企業は既に多数、ヴェトナムに進出して
いる。ドイツはヴェトナムの貿易相手国としては、EUではかなり大
きい。今回署名された居低には、貿易関係と文化交流を中心にした
戦略的な協力関係が含まれている。その他に、信用供与の約束と、
開発支援の分野での具体的な計画が重要である。ヴェトナムは、東
南アジアで最も急速に成長している経済国の一つである。




10月12日(水)

スロヴァキアではオイロ救済の傘が過半数の賛成を得る

スロヴァキアでは、オイロ救済の傘EFSF拡大に、早くも賛成が得られる見通し
である。野党社会民主主義の政党「方向党Smer」は、同基金の拡大に向け、国
会の多数を政府が獲得できるように協力する、と予告した。同党党首ロベルト
 フィツォは、与党各党の代表との会談後、遅くとも金曜日までに、国会が改
めて投票を行なう、と発表した。「方向党」が賛成する見返りとして、首相イ
ヴェタ ラディチョヴァーは、国会議員選挙を予定を早めて、来年3月10日に
行なう、と予告した。
火曜日には国会は、オイロ救済の傘に反対する投票を行ない、ラディチョヴァ
ーはこの投票を自分に対する真因投票と結びつけていたため、スロヴァキア連
立政権が崩壊する可能性もあった。同国の賛成がなければ、オイロ救済の傘の
拡大は実施不可能であった。他のオイロ使用国16カ国は、既に賛成していた。

     その他のニュース

バローゾは銀行救済のために合同の計画を作るように求める

負債の危機の危険性に備えてヨーロッパの銀行を強化するために、
EU委員会議長バローゾは、ヨーロッパが調整して対策を作るように
要請した。彼はブリュッセルのヨーロッパ議会で、銀行の資本集め
のための計画を呈示し、そのための追加資金を、当初は民間の投資
家から調達すべきである、それが不十分であれば、各国政府が資本
を拠出しなければならない、と述べた。負債の危機に打撃を受けた
銀行が、オイロ救済の傘EFSFから貸付を受けるのは、最後の手段で
ある、とも語った。長く続く負債の危機に直面して、ベルギーとフ
ランスに拠点を持つデクシア銀行に続いて、さらにいくつかの金融
機関が困難な状態に陥るかもしれない、との懸念が強まっている。
多くの銀行は、負債の危機のため、巨額の償却を行なわなければな
らない。

ドイツ株式指数は6000を下回って取引終了

オイロ危機解決が早期に前進するとの見通しで、フランクフルト株
式市場での取引は推進力を得た。ドイツ株式指数は午後、8月中旬
以来初めて、心理的には重要な指標6000を上回った。最後には再
び若干下げて、5994で取引終了した。これは2.2%の値上がりで
あった。

メルケルはモンゴル入り

ドイツの首相として初めて、連邦首相メルケルはモンゴルを訪問し
た。大統領エルベグドルジおよび首相バトボルドとの会談で、原料
に関する協定に署名が行なわれる。この協定で、ドイツの産業界
は、いわゆる希土類元素の入手が保証される。価値の高いこの金属
は、特に携帯電話の製造に必要である。おそらくドイツの鉱業界と
の間でも、巨額の取引が合意される。さらにメルケルはウラン バ
ートルの国会で、演説する予定である。これより前に彼女は、ヴェ
トナムを訪問していた。モンゴル入りの前に、彼女はロシアと中国
に国境を接する同国の情勢について、モンゴルは第三国との関係を
結ぶべく努力しており、ドイツにとっては興味深い交渉相手であ
る、と述べていた。




10月13日(木)

スロヴァキアはオイロ救済の傘拡大への道を開く

スロヴァキアは第2回投票で、オイロ救済の傘EFSF拡大のための道を開いた。同
国国会は、瓦解した連立政権を構成していた親ヨーロッパ政党3党と、野党社会
民主党の賛成多数で、救済の傘拡大を可決した。ヨーロッパ通貨連合加盟17カ
国のうち、最後まで残った国が賛成したことで、高額の負債を抱えたオイロ使
用国救済のための基金は、実現する可能性が生まれた。これより前にスロヴァ
キア国会は、予定を早めて来年3月に国会議員選挙を行なうことを決定していた。
これは社会民主党が、オイロ救済の傘拡大に賛成するための前提条件としてい
たことであった。

     その他のニュース

負債の危機はドイツの経済成長の足かせに

ドイツの景気は、オイロの負債の危機により、ますます大きな打撃
を受けている。主要経済研究所4つは、2012年の経済成長を0.8%と
予測している。研究者たちはベルリンで、秋の合同調査結果を発表
し、好景気の時期は当面は過ぎ去ったが、来年は景気後退になるわ
けではないだろう、と述べた。これらの研究所は、今年の国内総生
産の増加を2.9%になる、と予想している。連邦経済相レースラー
は、ドイツはヨーロッパの安定および経済成長の支えであるのは変
わらない、と発表した。

ドイツとモンゴルは協力で合意

連邦首相メルケルのモンゴル訪問で、ドイツと中央アジアの同国
は、より多くの協力条約を締結した。中でも原材料協定には、毎年
最大で1千5百万トンのモンゴルの石炭の採掘を、ドイツとオースト
ラリアの合弁企業が行なうことと、ドイツ企業が価値の高い希土類
元素の発見作業に参加することが含まれている。ウラン バートル
でメルケルとともに記者会見に臨んだ首相バトボルドは、モンゴル
はドイツの最新技術の獲得にも関心がある、と述べた。メルケルは
若いモンゴルの民主主義が、中央アジアで先駆的な役割を果たして
いることを評価したが、同時にさらなる改革を進めるように求め、
モンゴルは死刑を廃止すべきである、とも述べた。

ドイツは負傷したリビア人150人を受け入れる

ドイツは、失脚した権力者カッザーフィー政権との戦いで重傷を負
ったリビア人150人を、手当のために受け入れる。リビアの首都ト
リポリを訪問中に連邦経済相レースラーは、新政権の代表とこれに
ついて合意した。早くも来週火曜日に、最初の負傷者が空路ドイツ
に運ばれることになっている。




10月14日(金)

ショイブレ「独仏政府は協力してオイロ危機に対処する」

連邦大蔵大臣ヴォルフガング ショイブレによれば、ドイツとフランスはオイ
ロの負債の危機解決のための努力で、命運を共にしている。彼はフランス大統
領ニコラ サルコジと大蔵大臣フランソワ バロワンと会談した後、両国はヨ
ーロッパ共同通貨オイロを協力し合って防衛し、安定させることができる、と
パリで述べた。バロワンは、サルコジとドイツ首相アンゲラ メルケルが次回
のオイロ首脳会談に向けて発表した総合対策のを取りまとめるにあたって、前
進があった、と説明した。
エリゼ宮での会談は、パリでの主要工業国と中進国20カ国G20の大蔵大臣およ
び発券銀行総裁の会合開始直前に開かれた。土曜日もこの協議は続いて行なわ
れ、オイロ危機が議題の中心になる。

     その他のニュース

ドイツ政府は銀行の資本増強を主張

銀行が反対している中、ドイツ政府は、ヨーロッパの金融機関が緊
急の場合には、負債の危機の中銀行を安定させるために、国の支援
を受けて、資本を増強するよう主張している。政府公報ザイベルト
は、このようにベルリンで発表した。ドイツ銀行総裁アッカーマン
は木曜日に、ヨーロッパの銀行業界は、2008年秋の金融恐慌のさ
なかよりも、明らかに堅固になっている、と述べ銀行の国による強
制資本増強を拒否した。一方格付け会社フィッチ社は、米国および
ヨーロッパの大投資銀行のうち、7つの銀行の信用力の評価を引き
下げる可能性がある。ドイツ銀行もこれに該当する可能性がある。
フィッチ社は、これらの銀行は金融市場の活動に依存している、と
批判した。

ギリシアでの抗議活動が激化

ギリシアでは、政府の支出削減への抗議活動の規模が、ますます大
きくなっている。全国で収税吏と大蔵官僚が、10日間のストに突入
した。彼らはこれにより、給与引き下げと公勤務で計画されている
解雇に抗議をするつもりである。アテネでは近距離公共交通でのス
トが、引き続き行なわれた。バス、鉄道、タクシーは走っていな
い。ゴミ収集がストで中止されているため、拡大都市ではゴミが路
上に積み上げられている。蔵相ヴェニゼロスはアテネで、税金の支
払いが遅れている人のせいで、国家は今までにおよそ370億オイロ
の税収を失っている、と発表した。

ポルトガルは法人税を引き上げる方針

ポルトガル政府は、金融恐慌克服のために、企業の義務も増やす方
針である。首相コエーリョはリスボンの国会で、1千万オイロ以上
の収入のある企業は、2012年には少なくとも5%の追加の税を支払
うことになる、と述べた。木曜日にはコエーリョは既に、国際通貨
基金とオイロ救済基金の支援金を受け取るための条件を満たすため
に、抜本的な対策を発表していた。中でも国家公務員に対するクリ
スマスおよび休暇手当が、支給中止となる。ポルトガルは780億オ
イロの支援と引き換えに、2012年の国家の赤字を(国内総生産の)
4.5%にまで引き下げることを義務づけられている。




10月15日(土)

大銀行に対する抗議が全世界で

80を超える国々で、人々が路上に出て、大銀行の権力と株式市場の投機家に抗
議し、社会的公正を求めてデモをした。ニュー ヨークでの「ウォール街を占
拠せよ」という活動や、スペインの「憤慨した者たち」という運動を先例とし
て、世界各地で運動が行なわれ、金融市場の恣意的な行動や、貧困層と富裕層
の格差のさらなる拡大が弾劾された。ローマとベルリンでは、大衆による行進
が衝突に発展した。ドイツの多くの都市でも、合わせて数万人が集会に参加し
た。フランクフルト アム マインでは、ヨーロッパ中央銀行本部前で5千人の
デモ隊が、ベルリンでは首相府前に1万人ほどが集まった、と報じられている。
ドイツ労働組合連合会長ミヒャエル ゾマーは、良心のとがめを感じない投資
銀行は、民主主義の正当性を無視し、世間一般に対する責任を取ることなく、
社会を分断し、混乱を招いている、と述べた。社会民主党党首ズィークマール
 ガブリエルは、大金融機関に打撃を与えることにつながる営業銀行と投資銀
行の分割を求めた。

G20はヨーロッパ人に負債の危機の中で圧力を加える

ヨーロッパ各国政府は、オイロ使用国の負債の危機をなんとか押さ
え込むために、諸外国からに圧力にさらされている。10月23日の
EU首脳会談に、効力があり実行可能な解決を見いだすと期待してい
る、とパリで開かれている主要工業国および中進国G20の蔵相およ
び発券銀行総裁の会議を終えるにあたって、発表された。米国と日
本、さらに中国とブラジルは、ヨーロッパに対して圧力をかけ続け
た。ドイツ蔵相ショイブレは、破産の危機にひんしているギリシア
をめぐる負債の危機解決に向けて、包括的な対策をとる、と約束
し、さらに関係するヨーロッパの銀行に、十分に資本を供与すると
も請け合った。これより前に彼は、緊急の場合には金融機関に対し
て、国家が資本を提供することで強制的に援助することに、今一度
理解を求めた。その他ショイブレは、オイロ使用地域の経済政策を
よりうまく制御するための動議を出し、EUの条約をいわゆる「安定
連合」の方向へ修正するための提案を行なう、と予告した。

リベリア野党「サーリーフに有利になるように選挙で不正」

リベリア野党は、火曜日の大統領選挙の結果を承認しない方針であ
る。野党は選挙委員会が、投票用紙を現職のサーリーフに有利にな
るように操作した、と非難した。野党8党がモンロヴィアで発表し
た声明の中で、選挙から手を引くつもりである、と述べた。。これ
らの政党、なかでも集計で第2位と第3位の候補を持つ政党は、同時
に日曜日のデモに参加するように呼びかけた。土曜日には早くも与
党の事務所が焼き払われていた。選挙区の半分以上を集計した後
で、大統領サーリーフが投票のおよそ45%を獲得し、決選投票に進
むことが決まった、と選挙委員会は発表していた。サーリーフは、
今年のノーベル平和賞を受賞した3人の女性のうちの一人であっ
た。

洪水はバンコクに及ぶ ダムは持ちこたえている

対の激しい洪水は、首都バンコクにまで到達した。数百万人が住む
大都市であるバンコクに築かれたダムと砂袋の防塁は、チャオ プ
ラヤー川の水位を、今のところ安定させている。およそ50年間なか
ったほどの激しい洪水が、市の中心部に及ばないように、救援隊は
堤防を増強した。とくに経済の中心地」バンコク地域の政策的な工
業地帯と、疎開する場所、国際空港を守ろうとしている、と新首相
シナワットは述べた。中国、日本、米国は財政面、および物資の面
での支援を行なっている、と報じられている。今のところ、北部を
中心にタイの3分の1ほどが洪水となっている。




10月16日(日)

アルジェリア人サンサルがドイツ書籍出版業平和賞を受賞

アルジェリアの作家ブアレム サンサルが、フランクフルトのパウル教会で、
ドイツ書籍出版業平和賞を受けた。スイスの文学研究者ペーター フォン マ
ットが賛辞の中で、サンサルは「飛び抜けた語り手」であり、62歳の彼は権力
者の貪欲さを容赦なく糾弾し、いつも思いやりに基づいて行動している、と述
べた。サンサルは北アフリカの民主化運動を代表し、自作が発効禁止されてい
るアルジェリアの政治および社会体制に対する批判に対して、2万5千オイロの
副賞のついた賞を受け取った。感謝の発言の中で彼は、アラブ革命を「コペル
ニクス的転回」と呼び、世界中の人間は民主主義を求めており、「独裁と急進
主義、市場の無理強い、宗教の強圧的な干渉、現実的政策の冷笑主義を拒否」
しているとも述べた。イスラエルとパレスチナの紛争についても、間もなく
「壁が崩れる」だろう、とサンサルは楽観的な見通しを述べた。

連邦大統領ヴルフがアフガニスタンを公式訪問

連邦大統領ヴルフは、急遽アフガニスタンを公式訪問し、大統領カ
ルザイと、同国の未来について話し合い、その後ドイツ兵のもとを
訪問した。カルザイとの会談では、まず12月に予定されているボン
でのアフガニスタン会議が議題となった。ヴルフはカブールでさら
に、諸外国の部隊が撤退した後にも、ドイツが支援を続けると約束
し、長期的な成果を上げることを望んでおり、そうしなければ西側
が払った「努力全体」は報われないことになってしまう、と語っ
た。北アフガニスタンの国防軍の駐屯地マザリシャリフでヴルフ
は、ドイツの指揮官および兵士に語りかけた。ヴルフの訪問は、安
全上の理由から、直前まで発表されなかった。ドイツ連邦大統領が
アフガニスタンを公式訪問するのは、1967年以降初めてである。
当時の大統領ハインリッヒ リュプケが、ヒンドゥクシの同国を訪
問していた。

ショイブレはギリシアの負債をさらに軽減するのに賛成

連邦蔵相ショイブレ(キリスト教民主同盟)の判断によれば、ギリ
シア危機の長期的解決は、ギリシアの負債総額の減免なしには不可
能である。この負債の減免は、夏の時点で思っていたよりも、おそ
らく高額にならざるを得ないだろう、と彼はドイツ第一テレヴィで
述べた。銀行と投資家は当時、自らの意志で債券のうち平均で21%
を放棄する、と約束していた。負債の減免は、来週のEU首脳会談で
可決される総合対策の一部である、とショイブレは予告した。世界
各地で金融業界に対する抗議活動が強まっているが、彼はこれを深
刻に受け止めており、政界は自ら規則を作るのであって、市場に駆
り立てられるのではないことを証明しなければならない、と述べ
た。またショイブレは、米国が現在、ヨーロッパと同じ問題を少な
くとも今は抱えている、と指摘した。

ドイツ人脱税者に対する大規模な手入れ

ルクセンブルクにいるドイツ人国外逋税者(脱税のために国外に移
住する人)と見られる人物の情報が入ったCDを、新たに購入したの
を受け、初めて大規模な手入れが行なわれた。ノルトライン・ヴェ
ストファーレン州、バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州
に拠点を持つ財産相談会社の複数の事務所を捜査した、と指揮権の
あるボッフム検察は確認した。「ビルト紙日曜版」によれば、アウ
グスト・フォン・フィンク企業団に属するデュッセルドルフのフォ
ルクスヴァーゲン社の資産管理が問題となっている。報道雑誌「シ
ュピーゲル」誌は、約3千人の脱税者に対する捜査に関して失策が
あり、当局および弁護士にさえ、この手入れに関する情報が漏れて
おり、脱税捜査官を予定よりも早く派遣した、と報じた。




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