10月17日〜23日のドイツのニュース



10月17日(月)

連邦政府はEU首脳会談に負債の危機回避への期待を抑える

連邦政府は、オイロの負債危機に関するEU首脳会談を前に、過大な期待を打ち
消した。政府は「大きな解決」や「すべての問題の解決」が得られるとは見て
おらず、ブリュッセルでの交渉では、「重要な作業上の措置」だけが扱われる、
と政府公報シュテフェン ザイベルトはベルリンで述べた。ただし連邦政府は、
ブリュッセルでの交渉では「一定の前進」が得られると期待している、とも彼
は述べた。オイロ使用国は、日曜日のEU27カ国の首脳の会談では、包括的な解
決策を提案する予定である。その際には高額の負債を抱えるギリシアの負担の
減免に関して、実行可能な計画が取り上げられることになっている。また民間
銀行と保険会社が、ギリシア政府救済に第二段階に、より大きく参加すること
が議論される。
ヨーロッパ議会の社会党会派長であるドイツ社会民主党のマルティン シュル
ツは、ギリシア救済では自由意志に基づく負債軽減に向けた好機である、と見
ており、債券銀行の多数には、この措置に参加する用意がある、とベルリンで
開かれた社会民主党委員会の会合後に述べた。

ドイツ株式指数は下落

ドイツ株式指数の値上がり傾向は、この月曜に途絶えた。フランク
フルト アム マインでは、ドイツ株式指数は1.8%下がって、
5859で終わった。値下がりの主な理由は、オイロの負債危機解決
のためのEU首脳会談を前に、投資家の側の期待が下がっていること
である。

銀行に対する抗議は理解できるとの声

銀行および金融市場の権力に対する抗議が世界各地で広がっている
が、EUおよびドイツ政府の内部では、理解する声が上がっている。
EU委員会議長バローゾは、金融業界は、自分たちが倫理的な最低限
の基準を守らなければならないことを、わきまえなければならな
い、と述べた。ドイツ首相メルケルは、この抗議活動は大いに理解
できる、彼らは公正さを求める声を強めている、と述べた、と政府
公報ザイフェルトは発表した。フランクフルト アム マインで
は、資本主義に批判的な人たちが、現在ヨーロッパ中央銀行本部前
で、62基のテントに寝泊まりしている。ロンドンの株式市場近くで
も、ニュー ヨークでの「ウォール街を占拠せよ」運動に倣って、
抗議のための泊まり込みを行なっている。イタリアでは治安当局
が、全国各地で無政府主義者の活動に手入れを行なったが、これは
土曜日にローマで大銀行に対するでもが、激しい衝突となったこと
への対処である。

ギリシアでは支出削減に反対する新たなストの波

高額の負債を抱えるギリシアでは、労働組合は新たなストライキと
抗議活動を行って、政府に支出削減策に対する抵抗を強めた。収税
吏、税関職員、船員がストを行なった。島へのフェリーの運航も中
止せざるを得なかった。アテネの大蔵省および労働省の一部も、職
員に占拠された。ゴム収集も10日続けてのストであった。労働組合
は、水曜日と木曜日の全面ストを呼びかけた。また木曜日には国会
で、新たな支出削減策に関する決定が下されることになっている。
ここでは公勤務での解雇とさらなる給与引き下げが取り上げられ
る。首相パパンドレウは、ヨーロッパとギリシアの行方を左右する
1週間になる、ギリシアは現在協調を必要としている、と述べた。




10月18日(火)

大規模な人質交換 ハマースはイスラエル兵を釈放

近東では、数十年なかったほど大規模な人質交換が、支障なく始まった。5年間
急進派パレスチナ人組織ハマースの捕虜となっていたイスラエル兵ギラド シ
ャリットは、故郷に戻った。ハマースは彼をまず、エジプトに引き渡した。軍
広報の発表によれば、25歳の彼の健康状態は「良好で満足できる」ものである。
シャリットと引き換えにイスラエルは、合意に基づいて、合わせて1027人のパ
レスチナ人収容者のうち、477人を釈放した。西ヨルダンランドとガザ帯状地帯
では、数十万人が彼らを熱狂的に出迎えた。第2陣の550人の収容者は、2ヶ月
以内に釈放されることになっている。人質交換は、ドイツとエジプトが仲介に
役割をとった粘り強い交渉の結果であった。ベルリンでは連邦首相アンゲラ 
メルケルと外務大臣グイド ヴェスターヴェレが、シャリットの釈放に安堵し
た、と発表した。

オイロ負債の危機 ショイブレはEFSFの上限を維持すると約束

連邦蔵相ショイブレは、キリスト教民主、社会同盟の会派幹部会
で、オイロ救済の傘EFSFの枠組みの中で、ドイツの債務履行の上限
を拡大しない、と約束した、と参加者は述べた。彼は、EFSFでのド
イツの債務履行の上限は、2,110億オイロのまま変わらないと約束
した。また彼は、現在は「例外的に緊迫した状況」であり、オイロ
は危機にさらされており、現在重要なのは、銀行を資本力にふさわ
しい形で増強し、救済の傘EFSFを効果的に利用することである、と
述べた。この幹部会議では、連邦首相メルケルに、この日曜日にブ
リュッセルで開かれるEU首脳会談では、オイロ負債の危機を押さえ
込むために防御壁の建設を決定しなければならない、と要請した。
ギリシアの負債を新たな負債で返済する可能性は、他のオイロ使用
国へ波及させてはならない、とも語った。

HREの「不良債権処理銀行」は6億9千万オイロの損失

国有化されたミュンヒェンの不動産銀行ヒュポ リアル エステイ
トHREの不良債権処理銀行いわゆる「バッド バンク」は、ドイツ
の納税者に今年前半で、6億9千万オイロの負担をかけた。特にギリ
シア国債に対する減価償却が、FMS銀行の今年前半の業績を赤字に
している、と事後処理の期間である同銀行は発表した。FMSの損失
は、最終的には国家が肩代わりし、銀行救済基金Soffinの欠損は補
填される。不良債権処理銀行FMSは、ヒュポ リアル エステイト
の不良債権を今後数年で、これ以上できるだけ大きな損失を出さ
ず、現金化することになっている。

ギリシアの大規模ストは続く

ギリシアの大規模なストは続いている。火曜日には、報道関係者と
船員を中心に、ストが行なわれた。ゴミ収集と保健分野でも、多く
の被雇用者がストに参加した。彼らはこれによって、給与削減と解
雇の計画に抗議している。労働組合が全面ストへの参加を呼びかけ
ているため、今後2日間でギリシアの情勢はさらに厳しくなる見通
しである。木曜日には、国会は新たな法律を可決し、これにより、
百年前ぶりに国家公務員の解雇が可能になる。さらに公勤務の賃金
が再び減額され、追加増税が行なわれることになっている。この背
景には、高額の負債を抱えるギリシアが、オイロ救済の傘からさら
なる支援を受けるために、満たさなければならない支出削減の課題
がある。




10月19日(水)

トルコがイラク北部のPKKの拠点を空爆

トルコ空軍は少なくとも24人の兵士と警官が死亡したことに対する報復として、
活動が禁止されているクルド労働者党PKKのイラク北部の拠点を攻撃した。その
際には、同党の戦闘員少なくとも20人を殺害し、さらにヘリコプターが隣国に
特殊部隊を降下させた、と現地では報じられた。約5百人のトルコ兵が、国境を
7あるいは8キロ超えて越えて活動した。クルド労働者党の反乱舞台は、前夜に
イラクとの国境地帯にある軍と警察の拠点数カ所を、同時に主激していた。首
相タイップ エルドアンは、軍はイラク国境近くで、攻撃犯を捜索しており、
今回の活動は国際法の範囲の中で行なわれた、と発表した。
トルコ、米国EUからはテロ組織に分類されているクルド労働者党は、クルド人
が住民の過半数を超えるトルコ南東部で、治安部隊に対して、独立したクルド
人国家の建国を求めて、1984年に武装戦争を開始した。

全面ストでギリシアは麻痺 支出削減に反対して大規模デモ

高額の負債を抱えるギリシアで、政府の厳しい支出削減に抗議し
て、2日間の全面ストが行なわれ、公共生活が大きく停止した。国
営企業、銀行、官庁、病院、学校、交通の分野でストが行なわれ
た。商店やパン屋も店を開かなかった。航空管制官も、時間を限っ
てストに参加した。数万人が国内の多くの都市で、デモに集まっ
た。アテネの国会前では、警察とデモ隊が激しく衝突した。警察は
暴徒に対して、大量の催涙ガスを使用した。労働組合は、今回の全
面ストで、より穏健な支出削減策をとるように、と首相パパンドレ
ウの社会党政権に要求している。現在のやり方は社会的に非公正
で、経済を破滅させる、と労働組合は批判している。アテネの国会
は木曜日に、増税と給与引き下げの他に、初めて国家公務員の削減
を含む抜本的な計画を、可決することになっている。

メルケルは金融と負債の危機に政治が強く反応するよう求める

連邦首相メルケルは、ドイツには金融および負債の危機に対して、
政治がより強く応答する用意がある、と強調した。彼女はフランク
フルト アム マインで開かれた、ヨーロッパ中央銀行総裁トリシ
ェの退任式で、オイロを救済し、危機を押さえ込むために、あらゆ
ることが行なわれなければならないし、契約の変更も禁止されてい
はいない、と述べた。ヨーロッパは危機の中では、例外的な措置を
とる用意もある、とも語った。これより前にEU委員会議長バローゾ
は、オイロ救済基金EFSFを断固強化するように求めた。彼は、次の
日曜日に行なわれるEU首脳会談が、EUの未来を安定させるために、
強力な保証と長期的に正しい方向へ導く決定を下してくれる、との
期待を述べた。一方フランス大統領サルコジは、メルケルと協議す
るためにフランクフルト入りした。負債の危機に対する今後の措置
についての話し合いに、トリシェや、その他のEU幹部も参加するこ
とになっている。

ショイブレはオイロ救済の傘に「てこ入れ」する計画を発表

報道によれば、連邦蔵相ショイブレは、キリスト教民主、社会同盟
と自由民主党の連邦議会議員を前に、始めたオイロ救済の傘にいわ
ゆる「てこ入れ」を行なう計画を初めてはっきりと述べた。この計
画に従えば、国債を安定させることで、危機にあるオイロ使用国
を、救済の傘の方針に従わせ、その保証総額を数倍に増やすことが
可能である。今までドイツの債務履行の上限は2,110億オイロであ
ったが、これによってその金額が増えることはない、と彼は保証し
た。「ドイツ経済新聞」は、ショイブレが救済の傘の補償額を、計
画中のてこ入れ策により、1兆オイロにまで増やすつもりであると
報じたが、キリスト教民主、社会同盟の会派は、これを否定した。
英国の新聞「ガーディアン」はこれより前に、ドイツとフランス
は、2兆オイロのてこ入れ策で合意した、と報じていた。現在救済
の傘は総額4千4百億オイロである。




10月20日(木)

移行評議会「リビアの元権力者カッザーフィーは死亡」

失脚したリビアの権力者ムアンマル アル・カッザーフィーは死亡した。リビ
ア首相マハムード ジブリルがこれを確認した。今や、新たな統一リビアを作
る時である、と彼はトリポリで述べた。これより以前に新リビア政権のある指
揮官は、独裁者カッザーフィーは自らの生誕地シルトで、重傷を負って身柄を
確保され、その直後負傷が原因で死亡した、その遺体はミスラタへ運ばれた、
と発表していた。またカッザーフィーの息子ムアタシムも射殺され、カッザー
フィーの息子のうち、特に国外で有名なサイフ アル・イスラムは、逃亡途中
に政府軍似よって包囲された、とのことである。一方移行評議会の軍事指導者
たちは、戦闘が行なわれた港町シルトが完全に解放された、と発表した。シル
トは、カッザーフィーの最後の拠点と目され、今まで彼の庇護下に置かれてい
た。
独裁者の死の知らせは、多くにリビア人に歓喜をもたらした。テレヴィの映像
には、首都トリポリの路上で、祝う人々が映っている。

国連事務総長潘はリビア人に和解を呼びかける

元独裁者カッザーフィーが死亡したのを受けて、国連事務総長潘
は、リビア人に対して、和解を呼びかけた。あらゆる勢力の戦闘員
は、武器を平和的に放棄しなければならない、と彼はニュー ヨー
クで述べた。現在は報復ではなく、和解の時である、とも語った。
ドイツ外相ヴェスターヴェレはベルリンで、新たな民主的な時代を
築く機会が生まれた、苦悩を和らげ、リビアを再建するのをドイツ
は支援するつもりだ、と彼は約束した。

連邦政府は2012年の経済成長予想を引き下げる

連邦政府は来年、景気が大幅に冷え込む、と見ている。公式予想に
よれば、2012年のドイツ経済は約1%の成長である、と経済相レー
スラーはベルリンで秋の予想を発表した。これは政府が春の予想を
はっきりと下方修正したことになる。春にはし負は来年、国内総生
産が1.8%上昇する、と予想していた。それに対し今年は2.9%の成
長へと引き上げられた。レースラーは、ドイツは景気後退から被害
を受けていないと強調し、経済は回復の方向にあり、ヨーロッパの
安定化の土台であり、成長の推進力である、とも述べた。

キリスト教民主同盟と自由民主党は減税を行なうと予告

キリスト教民主同盟と自由民主党は、2013年からの減税で合意し
た。連邦蔵相ショイブレ(キリスト教民主同盟)と、経済相レース
ラー(自由民主党)が、ベルリンでこれを発表した。これによりい
わゆる「冷たい累進課税」の影響が緩和されることになる。この影
響で、より高額の税負担と物価上昇により、賃上げの大部分が吸収
されてしまっていた。連邦政府は、市民の負担軽減が、60億ないし
70億オイロに上る、と期待している。キリスト教社会同盟党首ゼー
ホーファーは、連立内部ではこの問題について、合意が成立してい
ない、と述べた。社会民主党と緑の党は、この計画は無責任である
と指摘した。社会民主党党首ガブリエルは、この措置は遅くとも連
邦参議院で阻止する、と述べた。




10月21日(金)

リビア政府は新たな出発に向けて舵を切る

リビア新政府は、元権力者ムアンマル アル カッザーフィーの死を受けて、
民主国家建設に急いで舵を切る方針である。アラブ系の放送局ジャジーラの報
道によれば、移行評議会は土曜日に、リビアがカッザーフィー体制から解放さ
れた、と宣言する意向である。現在首相職にあるマフムード ジブリールは、
1月以内に新たな移行政権を組閣することになっている。新政権の課題は、憲
法を制定する集会を招集し、自由選挙の準備を行なうことである。
カッザーフィーに対する蜂起は、2月に東部の都市ベンガジで始まった。8月に
は反乱勢力はトリポリを占拠し、42年間に渡る独裁的なカッザーフィー支配を
終了させていた。

国連はカッザーフィーの死の解明を要求

リビアの元独裁者カッザーフィーの死を受け、国連は死亡した状況
の調査を要求した。国連人権委員ピライの広報は、カッザーフィー
が逮捕された時に、まだ生きていたことを示す素人の映像が存在し
ていることはほっとするが、調査が必要である、と述べた。独裁者
の死に関しては、矛盾する報道が存在している。移行評議会の現議
長ジブリールは、カッザーフィーは生きたまま逮捕され、その後の
移行評議会の戦闘員と、カッザーフィーの支持者の戦闘で負傷し、
死に至った、と説明した。別の報道によれば、カッザーフィーは政
府軍の戦闘員に死ぬまで殴られた、とのことである。カッザーフィ
ーの埋葬は金曜日に予定されていたが、詳しい死因の調査の終了ま
で延期された。

シリアでの抗議活動で死者数人

リビアで蜂起勢力が最終的に勝利を収めたことで、シリアの反政府
勢力も、新たな刺激を受けとった。金曜日の礼拝の後、再び多くの
意図が路上に出て、大統領アサドとその政権に反対するデモを行な
った。活動家の発表によれば、治安部隊がホムスとハマの両市で、
野党陣営に発砲し、少なくとも13人が死亡した。レバノンとの国境
近くのクサイル市では、治安部隊がすべてのモスクを閉鎖した。目
撃者の話によれば、デモ隊は「カッザーフィーは去った。次はお前
だ、バシャル」と書かれた横断幕を掲げて歩いていた。シリアでは
数ヶ月前から、反アサド政権の抗議活動が続いている。国連の累計
によれば、今までにおよそ3千人が死亡した。

オイロ使用各国蔵相が協議を開始

オイロ使用地域の蔵相が、ブリュッセルに集まり、日曜日に計画さ
れていたEU首脳会談の準備を行なう。17カ国の蔵相の最重要課題
は、救済基金EFSFに対するいわゆる「てこ入れ」に向け、詳細をま
とめることである。ただし、ドイツの情報によれば、詳細が綿密に
練り上げられていないので、決定が下されるとの期待は持たれてい
ない。もう一つの課題は、ギリシアに対する総額80億オイロの次回
の信用供与を行なうことである。ヨーロッパ中央銀行、欧州委員
会、国際通貨基金の特別監査員は、木曜日に資金注入を勧告してい
た。この資金がなければ、ギリシア政府は11月に国家として破綻す
る危険がある。てこ入れ策に関する決定は、来週水曜日に出される
予定である。ドイツとフランスの間に意見の対立があるのが、その
理由である。フランスが救済の傘を銀行営業の認可と交換するつも
りであるのに対して、ドイツはこの基金を保険のように利用するべ
く努力している。




10月22日(土)

EUはギリシアに対する負債軽減の拡大に向け準備

オイロ使用地域の大蔵大臣は、国家として倒産の危機に瀕しているギリシアに
対する負債を、大きく減免するよう要請した。民間の債権者はおそらく、ギリ
シアに対する要求額を、半分ほどあきらめなければならないだろう、とベルギ
ー大蔵大臣ディディエ レインデルスは、フランスのテレヴィ局フランス24に
述べた。その見返りに、ヨーロッパの各銀行は、損失を埋め合わせるために、
およそ1千億オイロの資金を資本に注入することになる。精確に何が行なわれる
かは、まだ不明である。金曜日には各大臣は、ギリシアに対してさらに80億オ
イロの信用供与を認め、ギリシアの財政状況がさらに悪化したため、支援策の
第二弾を上積みしなければならない、と発表していた。この間にEU加盟27カ国
すべての大蔵大臣は、日曜日の首脳会談に向け準備を進めている。来週水曜日
の次回の首脳会談で、最終決定が得られる、と期待されている。

メルケルは負債の規則違反者に対する処罰を求める

EU首脳会談を翌日に控え、ドイツ首相メルケルは、オイロ安定およ
び経済成長協定に違反したEU加盟国に対して、より厳しい罰則を科
すことに賛成である、と述べた。彼女は、キリスト教民主同盟とキ
リスト教社会同盟の若手世代が共に参加する組織、青年同盟のブラ
ウンシュヴァイクでの会議に参加し、このような国々をヨーロッパ
裁判所に訴えることを可能にしなければならない、と述べた。EU条
約はこの点で修正が必要だ、さもなければ今後も共同通貨を持つこ
とが不可能になる、とも語った。

野党は政府が行動力を失ったと見る

ドイツの野党は、ベルリンの首相府での幹部会談で具体的な成果を
上げられなかったことを受け、連邦政府が実行力を失った、と非難
した。連立両党の一方が、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党
の連立を解消するのは、時間の問題でしかない、とも述べた。連立
両党の幹部は、連邦首相メルケルが主導した会合で、2013年から
の減税に関して、原則的な合意をしたものの、詳細の決定は11月の
次回の会合に延期された。それまでに、中低所得者の負担を70億オ
イロ減らすという目標を掲げて、いくつかの方式を検討することに
なっている。自由民主党の発表によれば、外国人専門労働力の移住
に関しても、原則的な合意が得られ、その収入の上限は、現在の
6万3千オイロから5万5千オイロに引き下げられた。それに対して
道路建設や、研究に対する国の支出は、引き上げられる、と広い層
が確信している。

労働紹介所が失業者数はさらに減少すると見る

経済成長の先行きが不透明であるにもかかわらず、連邦労働紹介所
長ヴァイゼは、今後数ヶ月では失業はさらに減少する、と見積もっ
ている。ただしその速度は遅くはなるが、破局的な事態を恐れる必
要はない、と彼は「フランクフルト一般新聞」に述べた。9月には
ドイツでは、280万人弱が失業していた。短時間労働の特別規則の
延長を求める声を、ヴァイゼは退け、新たな危機の中で、労働紹介
所は資金不足のために、その財源を確保できない、以前あった
170億オイロの準備金は使い果たした、とも彼は語った。




10月23日(日)

メルケルとサルコジ 水曜日のEU首脳会談で決定を下す

ドイツとフランスは、次回のEU首脳会談に向け、オイロおよび銀行の危機に対
する包括的な対策をとる、と予告した。ドイツ首相アンゲラ メルケルとフラ
ンス大統領ニコラ サルコジは、EU首脳会談終了時の共同記者会見で、水曜日
にはまずEU加盟27カ国の首脳全員がブリュッセルに集まる、と述べた。その後
オイロ使用地域の17カ国の首脳が、必要な決定を下すことになっている。メル
ケルとサルコジは、首脳会談が2つあることを擁護した。彼らは共に、きわめて
複雑な問題と課題を解決しなければならなかった、と語った。オイロ救済の傘
EFSFの強化に関する議論で、かなり広い範囲で合意ができそうだ、とサルコジ
は述べた。メルケルは、解決はヨーロッパ中央銀行の関与を含んでいない、銀
行に対する資本注入でも広い範囲の合意が得られている、と付け加えた。EU評
議会議長へルマン ファン ロンパウは、EU加盟各国は、EU条約の一部修正を
検討することで合意した、と述べた。彼の他、EU委員会議長ジョゼ マヌエル
 バローゾ、オイロ使用国の代表を務めるルクセンブルク首相ジャン・クロー
ド ユンカーは、12月初めまでに最初の提案を提示することになっている。

銀行は負債の減免は実行可能と見る

ドイツの銀行は、ギリシアの負債の一部減免の可能性に関して、冷
静な態度を取っている、と銀行連合は発表した。金融機関の資本の
状況は良好で、ギリシア危機での適切な負債の減免を、ドイツの銀
行は行なえる、と銀行連合執行部長ケマーはベルリンで述べた。EU
とのオイロ危機に関する協議では、各国蔵相は銀国がギリシアの負
債のほぼ半分を免除することに賛成している。各銀行がこれによっ
て発生する損失を処理できるように、資本を増強することになる。

リビアはカッザーフィーからの解放を祝う

長年に渡って権力を握ってきたカッザーフィーが暴力により死亡し
てから3日、リビアは大きな祭典を行って、独裁の終わりを祝っ
た。8ヶ月前に反カッザーフィーの蜂起が始まったベンガジ市の中
心部には、数万人が集まった。同市では移行評議会の議長ジャリル
が、都市、村落、丘、山、荒野、空を含め国が解放された、と正式
に発表した。式典の暴動では、人々が国歌を歌い、君主制時代の国
旗を振った。これから30日以内に臨時政府が組閣されることになっ
ており、この内閣は2012年までに憲法を制定する集会の選挙の準備
を行なう、とジャリルは予告した。この集会は憲法を練り上げ、そ
れを土台として1年以内に国会と憲法を選ぶことになっている。

カッザーフィーの遺体は検死を受ける

リビアでは元権力者カッザーフィーの遺体が、新政府のこれまでの
発表とは異なり、解剖された。遺体が公開されているミスラタ市の
軍事評議会の広報が、これを発表した。リビアの検死官は、解剖に
より、カッザーフィーが東部への銃撃で死亡したことを確認した、
と発表した。カッザーフィーは木曜日に生まれ故郷のシルテで、移
行政権の戦闘員に逮捕され、その後死亡したが、その状況について
は今まで解明されていなかった。




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