10月31日〜11月6日のドイツのニュース



10月31日(月)

パレスチナはUNESCOに加盟 米国は資金提供を中止

パレスチナはUNESCOに完全な形で受け入れられた。パリに本部を置く教育と
文化を担当する国連の組織であるUNESCOに対する問題の加盟提案に、パレス
チナは必要な現在の加盟国193カ国の3分の2の賛成を得た。ドイツは、米国と
共にこの提案に反対したが、フランスは賛成票を投じた。パレスチナ人は予想
通り、熱狂的な反応を示した。イスラエルは結果に責任を取るように、と威嚇
した。米国政府は、近東の和平交渉を念頭に置いた場合、加盟は「時期尚早」
で「非生産的である」、と批判した。11月に行なわれるUNESCOへの支払い総
額6千万ドル(4千3百万オイロ)を中止する、と米国外務省は発表した。

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ドイツのパレスチナのUNESCO加盟反対を野党は屈辱的と評価

パレスチナをUNESCOに受け入れることに対して、連邦政府が反対投
票を行なったが、ドイツの野党はこれを厳しく批判した。社会民主
党会派長エアラーは、ヨーロッパが重要な外交問題で、共に棄権す
るのではなく、分裂した投票を再び行なうことになったのは、主と
してドイツとオランダのせいである、と述べた。同様のことを緑の
党の会派の外交問題の専門家ミュラーも述べた。連邦政府は、反対
投票を行なったことを擁護した。外務省公報は、現在国連安全保障
理事会で行なわれているパレスチナの国連への加盟手続きが、影響
を受けてはならない、と述べた。さらに現在始まったばかりのイス
ラエルとパレスチナ人の間の直接交渉に、さらなる負担がかかる可
能性もある、と語った。

NATO事務長ラスムセンはリビア人の投資を評価

リビアでのNATOの活動が正式に終了するにあたって、事務長ラスム
センは急遽トリポリを訪問した。移行政府の代表と会談した後に彼
は、リビア人が元権力者アル・カッザーフィーとの戦いで示した勇
気と団結を賞賛した。訪問の前にラスムセンは、NATOのリビアで
の活動を、同機構の歴史上最も大きな成果を収めたものの一つであ
る、と評価していた。民間人に対する攻撃を阻止するために、
NATO加盟12カ国とその他の4カ国が、国連安全保障理事会の決議
で正当性を認められた上で、3月末からカッザーフィー軍に対する
空爆を行なっていた。空爆はリビアの反乱勢力が、カッザーフィー
政権に対する勝利を収める上で、本質的な貢献をなした。

OECDはオイロ使用地域での景気後退を予想

経済協力開発機構の見解によれば、オイロ支援国17カ国は、来年は
かなりの景気後退の方向に進む。オイロ使用圏のうちの工業国は、
2012年にはわずか0.3%の経済成長となる、と予想されている。
5月にはまだ2.0%の成長が予想されていた。この背景には、ヨー
ロッパが負債の危機に直面しており、国家としての倒産の危機にあ
るギリシアに関して不確実な要因があり、ヨーロッパの銀行や高額
の負債を抱えるオイロ使用国を食い殺す可能性があるためである、
と述べた。木曜日と金曜日にフランスのカンヌで行なわれるG20首
脳会談をにらんで、同機構は、世界の経済大国であるこれらの国々
の首脳に対して、構造改革を進展させるように呼びかけた。




11月1日(火)

ギリシアの国民投票に関して危機対策首脳会談

ドイツとフランスは直前になって危機対策首脳会談を設定し、高額の負債を抱
えるギリシアをめぐる新たな混乱を収拾する方針である。ドイツ首相アンゲラ
 メルケルとフランス首相ニコラ サルコジは、電話で会談を行い、水曜日に
南フランスのカンヌで会談を行う、と発表した。これにはEU、ヨーロッパ中央
銀行、国際通貨基金の首脳が出席することになっている。メルケルの広報シュ
テフェン ザイベルトは、先のオイロ首脳会談での決定を実施に移すための日
程を練り上げる、と発表した。
ギリシア首相ゲオルギオス パパンドレウは、首脳会談での決定を国民投票に
かける、と予告したが、独仏政府のこの行動は、これに対処する方策である。
先週オイロ使用各国はブリュッセルで、ギリシア政府に対する新たな巨額の支
援計画を決議し、銀行に対して負債の返済を断念するように働きかけていた。
その条件は、ギリシア政府が、厳しくそして国民の間では不人気の支出削減策
を堅持することである。

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パパンドレウは国内の政界から厳しい圧力にさらされる

高額の負債を抱えるギリシアの借金精算のために、不人気な対策を
とるかどうかについて国民投票を行なう、と予告した首相パパンド
レウは、国内の政界からの激しい圧力にさらされている。彼が属す
る全ギリシア社会主義運動PASOKのある国会議員は、会派から離脱
する、と発表した。政府はこれにより、国会の300議席のうち152議
席を持つだけになった。まだ同党の主要な政治家は、選挙の実施を
求め、超党派政権を結成するように求めた。保守派の野党は、パパ
ンドレウの国民投票計画を阻止するつもりだ、と発表した。金曜日
にはパパンドレウは国会で、信任投票を行なう方針である。

ベルルスコーニはパパンドレウを批判

ギリシア危機の新たな展開は、高額の負債を抱えるイタリアも圧迫
している。首相ベルルスコーニは、ギリシア首相パパンドレウを公
然と批判した。国民投票を行なうとのパパンドレウの発表は予想外
の行なわれ、市場の不安定性を増すことになる、イタリア政府は既
に発表した支出削減と改革の計画を断固実施する、とベルルスコー
ニは強調した。ドイツ国際と比較した場合、イタリアの負債の危険
性は、オイロ誕生以来最高水準にまで達した。

ギリシア危機は市場に大きな値下がりをもたらす

ギリシアがオイロ使用国が先に取りまとめた救済策を、国民投票に
かけると発表したことに対して、国際金融市場は相場の暴落で応え
た。アテネから、ミラノ、パリ、ロンドンを経由してニュー ヨー
クに至る間、市場の相場は下落した。フランクフルト アム マイ
ンのドイツ株式指数は5%下落し、5834で引けた。




11月2日(水)

ギリシア危機対策会議がカンヌで始まる

ギリシアがオイロ救済に関して計画されている対策を国民投票にかける、と突
然予告したことを受け、フランスのカンヌで、負債の危機に関する今後の対策
を話し合う危機対策会議が始まった。この話し合いには、ドイツ首相アンゲラ
 メルケル、フランス大統領ニコラ サルコジ、ギリシア首相ゲオルギオス 
パパンドレウらが参加する、EU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金の代表も
出席する。先週のオイロ首脳会談では、大規模な負債の減免と、高額の負債を
抱えるギリシアに対する支援の第2弾が可決された。これと引き換えに、ギリシ
ア政府には、さらなる支出削減が求められた。パパンドレウはこれに関して国
民投票を行なう意向であるのは、他のオイロ使用国とは話し合いが行なわれて
いなかった。木曜日にはカンヌでは主要工業国および中進国20カ国G20の首脳
会談が行なわれる。

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イタリア内閣は経済改革を可決する方針

カンヌでのG20首脳会談を前に、イタリアは負債の危機を脱するた
めの一連の経済改革を可決する方針である。夕方に始まる特別会議
で内閣は、いくつかの措置を決定する、とローマで発表された。同
国は高額の負債を抱えているため、首相ベルルスコーニは先日ブリ
ュッセルで開かれたEU首脳会談で、さらなる支出削減策をとると発
表していた。イタリアでの報道によれば、国家の資産の売却と労働
市場の改革を中心とした措置がとられる予定である。イタリアが経
済実績の120%ほどの負債を抱えており、ギリシアに続いて通貨同
盟の中でギリシアに続いて危機に陥る可能性がある、との懸念をオ
イロ使用各国は抱いている。

アラブ連盟「シリアは暴力を終わらせる計画を受け入れる」

シリア政府は、アラブ連盟が立てた暴力行使を終わらせる計画を受
け入れた模様である。通信社の報道によれば、シリア代表日はカイ
ロで開かれた閣僚会議で、無条件にこの提案を受け入れた、と発表
した。これより前にシリア国営放送は、合意が成立した、と発表し
ていた。この計画はデモ隊に対する暴力行使の即時中止と、シリア
各都市に配備された戦車の撤退を含んでいる。その後、野党との
「国民的な対話」が開始されることになっている。一方活動家の発
表によれば、反政府派に対し再び攻撃が行なわれ、少なくとも20人
が死亡した。

ドイツは再びイスラエルとパレスチナ人に勧告

ドイツ政府はイスラエルに対して、東エルサレムと西ヨルダンラン
ドでの入植地の建設を速やかに中止するように求めた。政府公報ザ
イベルトはベルリンで、占領地域での入植活動は、国際法違反であ
り、どのようなお措置を講じても正当化され得ないし、近東の情勢
は懸念を引き起こすものだ、と述べた。ブリュッセルでEU外務委員
アシュトンはイスラエル政府に対して、2千軒の新たな住居の建設
を行なうとの決定を、撤回するように、と訴えた。問題のパレスチ
ナのUNESCOへの加盟で、イスラエル首相ネタニヤフは、入植地拡
大を急ぐように、との命令を出していた。




11月3日(木)

ギリシアの国民投票は取り消し 緊急政府をめぐる話し合い

負債の危機の圧力で、ギリシアの社会党政権は瓦解し、大政党は今度は、協力
せざるを得なくなる。首相ゲオルギオス パパンドレウは、諸外国からの支援
に関して国民に投票させるのを既に断念した、と発表した。国民投票の中止は、
野党「新民主主義党」と、統一内閣を作る話し合いを行なうための前提である、
とパパンドレウは述べた。彼が今後どのような役割を担うのかは明確にならな
いままである。野党が支出削減および国家財政の再建計画を阻止するのをやめ
た後は、EUとの合意を守り、実施することが重要である、と疲弊しきったパパ
ンドレウは述べた。移行政権の詳細については意見が様々で、いくつかの危機
対策の見取り図が言及されている。パパンドレウは自らが属する「全ギリシア
社会主義運動」党に、金曜日の信任投票では自分を支持し、野党との話し合い
で自分の力を強めてくれるように訴えた。野党党首アントニス サマラスは、
パパンドレウに辞任を求めた。

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G20首脳会談はギリシア政府の混乱の中行なわれる

EUの指導者たちは、ギリシアに対して先のEU首脳会談での決定を、
早急に実施するように圧力をかけている。EU評議会議長ファン ロ
ンパウと、EU委員会議長バローゾは、カンヌで開かれているG20首
脳会談で、ギリシア政府は救済策を実施するための条件を、合意し
た通りに満たさなければならない、との要求を出した。ドイツ首相
メルケルは、ギリシア人は早期に賛成しなければならない、さもな
ければ失われた信頼を回復することはできない、と述べた。オイロ
使用国にとっては、いわゆる「防火壁」を用いた場合、どのように
すれば危機がイタリアとスペインに広がることを阻止できるかが、
今回の首脳会談では重要であった。信頼できる筋の情報によれば、
この両国は国債を発行する際に、金利をより引き下げる可能性も高
い、とのことである。米国、中国、ロシアは、ヨーロッパの会議参
加国に対して、断固とした行動をとるよう促した。本来は金曜日ま
でに、経済成長が世界的に弱まっていることに対する行動計画と、
金融市場の監視、さらに(ヘッジファンドなどの)いわゆる「影の
銀行」が首脳会談の主要議題になるはずであった。

ヨーロッパ中央銀行は予想外に基準金利を引き下げる

負債の危機とオイロ使用地域に迫りつつある不況対策として、ヨー
ロッパ中央銀行は基準金利を急遽引き下げた。物価上昇率が高いに
もかかわらず、同銀行は新総裁ドラギのもとで初めて行なわれる評
議会で、金利を1.5%から1.25%に引き下げた。ドラギはフランク
フルト アム マインで、「不安定が増大」しており今年後半およ
び2012年の景気にとって、危険な要素が増えている、と述べた。
金利の維持を予想していた多くの専門家は、不意打ちを食らった。
オイロ使用地域での物価上昇率は、このところ3%で、ヨーロッパ中
央銀行の目標とする数字の2%を大きく上回っている。負債の危機と
世界的な景気後退で、オイロ使用地域の経済成長は息の根を止めら
れる危険がある。

イタリア国債の金利は再び上昇

イタリアは再び、負債に対してより高い金利を支払わなければなら
ない。負債に悩むイタリアの10年ものの国債の金利は、有価証券の
流通市場では、6.4%にまで上昇した。これは例えばヨーロッパ全体
でも最も安定しした国債として取り扱われるドイツ国債の4.6%よ
り、高い金利である。首相ベルルスコーニは、水曜夜に緊急対策会
議を再び開いたが、ブリュッセルでのG20首脳会談で約束し、すぐ
に発効させるつもりであった危機対策の措置を成立させられなかっ
た。ただし成長のための改革の一部として、国有不動産の売却およ
び国営企業の民営化は決定した。ただしこれには、国会の承認が必
要である。ベルルスコーニの最も重要な連立相手北部同盟のボッシ
は、大統領ナポリターノと会談した後、専門家からなる新政権を新
たに選ぶべきである、と明言した。




11月4日(金)

メルケル「金融市場の規制で大きな前進」

カンヌでのG20首脳会談は、金融部門の規制で大きな前進があった、とドイツ
首相アンゲラ メルケルは述べた。大銀行の問題が、納税者の負担で解決され
ることはなくなる、との今後の保証が得られた、と彼女は工業国と中進国の首
脳会談後に述べた。こうした大銀行は、危機に備えてより強い武器を備えるた
めに、より高額の資本の余裕を事前に持つことになる、とのことである。さら
にヘッジファンドなどのいわゆる「影の銀行」は、G20の行動計画の支援を受
けて、規制を受けることになる。G20各国はこの行動計画を掲げて、オイロ負
債危機拡大と世界的な経済成長が崩落することがないように、協力して抵抗す
る方針である。国際通貨基金は債権者かつ金融監視官として、諸外国の信頼を
得ることを目指して、とくにヨーロッパでの役割を強めるように、と指示され
た。緊急事態に対する国際通貨基金の資金が上積みされる。大規模金融取引に
世界各国が課税することは、予想通り過半数を得られなかった。非政府組織
は、飢餓や貧困などの議題がカンヌでは排除されていた、と訴えた。

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ベルルスコーニ「国際通貨基金の資金は不要」

高額の負債を抱えるイタリアは、ヨーロッパ救済基金にも、国際通
貨基金にも資金を求めるつもりはない、と首相ベルルスコーニは述
べた。この種の干渉は不要である、とカンヌでのG20首脳会談の後
で彼は断言した。イタリアの国債に対する圧力は、一時的なヒステ
リーであり、国際通貨基金に支出削減の政策を「監視」するよう求
めたことはなく、定期的な「検証」を求めただけだ、と記者会見で
彼は訂正した。保守派の政治家であるベルルスコーニは、政治権力
を維持できる、と自信をのぞかせた。彼の計画に関する次回の投票
は、再び信任投票と結びつける、とベルルスコーニは予告した。彼
の政党自由国民党PDLに属する2人の国会議員が党を離脱しており、
これによりベルルスコーニは国会の多数派を失った。

ギリシアの運命の日 パパンドレウは信任投票を受ける

ギリシアでは負債をめぐる事態が新たな段階に入る。金曜日の夜に
社会党の首相パパンドレウは、国会で信任投票を受ける。投票結果
とは関係なく、ギリシアの二大政党は、パパンドレウを含めない形
で、国を一つにまとめあげる移行政権を結成する用意を早くも進め
ている。保守派の野党は相変わらず、速やかに選挙を行なうよう主
張している。ギリシア蔵相ヴェニゼロスは正式に、諸外国からの支
援策に関する国民投票を断念する、と発表した。ドイツ蔵相ショイ
ブレに対してかれは、ギリシア政府は野党も含め、できるだけ広い
範囲から協力を得るよう努力している、と約束した。保守派の新民
主主義党党首サマラスは木曜日、先に約束した支出削減の決定とギ
リシアの負債の減免に対する支持に、再び疑問を呈していた。

ギリシア危機はコメルツ銀行に重大な影響

ギリシア危機は一部国有化されたコメルツ銀行に、大きな負の影響
を与えた。ドイツで2番目に大きな銀行である同行は、今年の第3四
半期には、ギリシア国債の新たな減価償却で、6億8千7百万オイロ
の損失を出した。第2四半期には1億1千3百万オイロの黒字であっ
た。この有価証券は、今後のギリシアの支払い能力が不確実である
ことを念頭に億と、その価格を52%を失ったものとしてあきらめな
ければならない、と同行はフランクフルト アム マインで発表し
た。また同行は、収益予想を下方修正しなければならない、と見て
いる。今年前年の利益14億オイロを大幅に上回りたい、との目標を
述べても、もはや信頼されない、とも述べた。2012年に計画され
ている40億オイロの営業目標も、市場の状況から見て到達できな
い、と同行経営陣ブレシングは述べた。




11月5日(土)

パパンドレウは国内を一つにまとめあげる政権を目指し努力

ギリシア首相ゲオルギオス パパンドレウは、投票で信任を受けたことに後押
しされ、国を一つにまとめあげる政府を作る第一歩を踏み出した。新連立政権
は4ヶ月の任期で、国家としての破産を回避するために、諸外国からの支援金を
確実に受け取れるようにすることになっている。大統領カロロス パプーリア
スとの会談後にパパンドレウは、いかなる状況にあっても、ギリシアがもはや
オイロ使用地域に残留することを望まない、という圧力がかかるのを回避しな
ければならない、と述べた。複数の政党を含めて結成される新政権は、EU首脳
会談の決議と国家の負債の5割の減免措置から得られるすべての法律を可決しな
ければならない、とも語った。保守派の野党「新民主主義党」党首アントニス
 サマラスは、社会主義者のパパンドレウの即時辞任と、数週間以内の選挙実
施を改めて求めた。

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メルケルはオイロ危機解決に10年かかると計算

連邦首相メルケルは、現在のオイロ危機および負債の危機を解決す
るには、少なくとも10年の時間が必要になるだろう、と予測してい
る。彼女は毎週恒例のインターネット上で発表した声明で、この負
債は数十年かかってたまってきたものである、情勢が改善するまで
には、おそらく10年かかるだろう、と述べた。解決のためには、オ
イロを使用するすべての国で、負債の拡大を防ぐ措置を導入する決
定が、功を奏するだろうが、それには「きわめて困難な道」が目の
前にある、とも述べた。最重要工業国と中進国が集まってカンヌで
開かれたG20首脳会談では、オイロおよび負債の危機の他、倒産の
危機にあるギリシアの劇的な情勢が、主要議題であった。

ベルルスコーニに対して大規模な抗議活動が再び行われる

イタリアでは社会民主主義の野党が、打撃を受けた首相ベルルスコ
ーニを追い落とすために再び動員をかけている。最大野党民主党PD
の呼びかけに応えて、数万人がローマで行なわれた中道右派政権に
対する全国的な抗議集会に集まった。この抗議活動は、ベルルスコ
ーニが先のカンヌでの首脳会談で行なった、イタリアの情勢はよ
く、負債の危機は市場の一時的なヒステリーに基づくものだ、との
発言に対しても向けられていた。ドイツ社会民主党党首ガブリエル
は、ローマで招待客として演説し、金融市場の権力を濃く激し、新
自由主義が今回の危機を引き起こした、と述べた。イタリアは国内
の経済実績の120%ほどの負債を抱えているため、ギリシアに続く
オイロ使用地域の危険な国と目されている。ベルルスコーニには自
分の陣営の中でも、ますます反対意見が出ており、改革、支出削減
の計画を、内閣および国会で押し進めるのが困難となっている。

ナイジェリアで連続攻撃 死者60人を越える

ナイジェリア北東部で、連続爆破攻撃および襲撃事件が起こり、公
式発表によれば、少なくとも67人が死亡した。ヨベ州の州都ダマツ
ル市内およびその周辺で、攻撃が行なわれた。イスラーム教の派閥
ボコ ハラムに属するものが、この暴力行為を行なった、と発表
し、さらにテロを行なう、と威嚇した。警察および赤十字職員の発
表によれば、まず金曜日に治安部隊の建物前で、自動車爆弾が破裂
し、多くの警備員が死亡した。その後武装した男たちが、町のあち
こちに出没し、銀行の支店を爆破し、警察と教会を襲撃した。金曜
日には、ダマツルの東130キロにあるマイドゥグリからも、軍およ
び教会の施設に対する爆破および襲撃が報告されていた。マイドゥ
グリは以前から、ボコ ハラムの拠点として知られている。




11月6日(日)

三首脳会談でギリシアの権力争いが終結

国家が倒産する危険にさらされる中、ギリシアでは政府と野党が、挙国一致政
権をめぐ手相変わらず議論を続けている。大統領カロロス パプーリアスは、
社会党の首相ゲオルギオス パパンドレウと、保守派の野党党首アントニス 
サマラス(新民主主義党)を、決着を付ける三首脳会談に招いた。この提案を
行なったのはパパンドレウであった。パパンドレウは、4ヶ月間の任期の移行
政府を結成することに、理解を求めた。この政府は、国会議員で広い範囲の賛
成を得て、危機対策措置を実施し、諸外国からの支援金を再び受け取れるよう
にするためのものである。サマラスは今まで、パパンドレウが首相を辞任する
ことを、妥協の前提条件としていた。また彼は、選挙を数週間以内に行なうよ
うに求めている。社会党の影響力を持つ勢力は、早期に決断を下すよう求めて
いる。閣議の情報では、間もなく解決が得られる、とのことである。

     その他のニュース

フランス首相「1945年以来最緊縮の予算」

フランスの保守派の政府は、国民にさらなる支出削減に向け準備を
させようとしている。新聞報道によれば、首相フィヨンはこの木曜
日に、疲弊した経済に直面しているのに、税金の負担を新たに軽減
する、と予告した。資本市場でのフランスの支払い能力を守るため
の支出削減計画は、80億オイロの規模となる、と述べた。土曜日に
行なわれた準備のための閣僚会議で、フィヨンは「第二次世界大戦
以降、最も厳しい予算」である、と述べていた。フランス政府は
2012年の経済成長を、当初は1.7%と予想していたが、これを
1.0%へと下方修正した。大統領サルコジは、再選に向けて戦って
おり、今まで支出削減措置に躊躇していた。

政府「連邦銀行の金準備には手を付けない」

ドイツ連邦政府は、オイロ救済へより大きく参加することを拒否し
ている。政府公報ザイベルトは、政府は救済の傘EFSFに、保有して
いる金と外貨を投入することはない、と発表した。新聞報道によれ
ば、首相メルケルは先のG20首脳会談で、これを求める提案を突き
つけられたが、連邦銀行総裁ヴァイトマンが拒否権を行使したこと
を受け、メルケルもこれを拒否していた。米国大統領オバマとフラ
ンス大統領サルコジは、オイロ使用各国の発券銀行が保有する外貨
と金の準備高を利用して、救済の傘を満額にすることに理解を求め
た。

連立政権は減税に関して協議 首相府で会談

ベルリンの首相府で、キリスト教民主、社会同盟と自由民主党の幹
部は、減税を行なうかどうかで協議を行なう。党と会派の長と首相
メルケルが会談した後、与党3党の事務長もこれに加わった。話し
合いの焦点は、中低所得者の税負担を減らすことができるかどう
か、行なう場合にはどのような行なうかである。中でも、賃上げが
自動的に高額の税金により、実質的になくなってしまういわゆる
「冷たい昇給」が、問題となっている。経済相レースラー(自由民
主党)と蔵相ショイブレ(キリスト教民主同盟)は、この点の修正
を求めている。ただしショイブレは、減税の余地はわずかしかな
い、と強調した。キリスト教民主同盟所属の複数の州首相は、減税
を断固拒否している。これに対して自由民主党は、減税を求めてい
る。この問題は、連立政権成立以来、連立政権の負担となってい
る。




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