１１月７日〜１３日のドイツのニュース
１１月７日（月）
パパデモスがギリシア挙国一致政府の首相になる可能性
ギリシアでは、ヨーロッパ中央銀行元副総裁ルカス パパデモスが、首相職を
引き受ける可能性が高まってきた。今までの政権党社会党と野党各党の間で交
渉が行なわれ、大統領カロロス パプーリアスが移行を打診したのと並行して、
64歳の高名な経済学者の名前が、再び浮上した。しかしEU元環境委員で保守派
のスタヴロス ディマスの名前も取りざたされている。挙国一致政権は月曜日
にも発表されることになっている。迫り来る国家としての倒産という圧力を受
けて誕生したこの連立の主たる目的は、切実で欠くことが出来ない支出削減策
を、広い範囲の支持を集めて実施することである。その場合にのみ、諸外国の
資金提供者の巨額の資金を受け取れることが可能となる。ギリシアでは2月中旬
に、選挙が行なわれる可能性がある。
その他のニュース
ユンカー「ギリシアへの貸付に関する決定はまだ」
オイロ使用国の代表ユンカーは、ギリシアへの次期緊急支援を月曜
日にも認める、との期待をそいだ。ルクセンブルク人である彼はブ
リュッセルで開かれたオイロ使用各国蔵相会談で、「今日はまだこ
れを決定する決断」が下されるとは思っていない、その前にギリシ
ア政府は、10月の首脳会談の決定を「きわめて細かい点まで厳密
に」実施しなければならない、と述べた。ギリシャ当局の発表によ
れば、同国は12月中旬までに、自力でなんとかやっていけるので、
まだ若干の時間的猶予がある、ともユンカーは述べた。ギリシア蔵
相ヴェネゼロスはブリュッセルで、「挙国一致で国の責任を持つ」
新政権は、オイロ使用各国と合意した支出削減を実施に移すつもり
である、と明言した。各国蔵相は、現在を4千4百億オイロを支出で
きるオイロ救済基金EFSFの資金量を、1兆オイロに引き上げる方法
について協議を行なってもいる。自由民主党はオイロ救済のための党員投票を開始
自由民主党は歴史上3度目の党員投票を開始した。今回は、オイロ
救済の措置の問題が取り上げられる。6万4千人の党員は、12月中
旬までに投票を行なうことが出来る。この投票は、オイロに反対す
るシェフラーの動議に基づくもので、予期できない危険があるため
に、長期的な安定機構ESMの計画を拒否しようとするものである。
ESMは2013年に、今までのオイロ救済基金EFSFの機能を引き継ぐ
ものである。これに対して連邦自由民主党の幹部は反対動議を提出
し、ESMによる支援を支持した。党員の3割が投票を行なった場合
には、投票結果は同党の幹部を拘束するものになる。決定は単純多
数で下される。フランスは支出削減を大幅に拡大
金融市場での信用状態を安定させるために、フランスは支出削減を
大きく拡大する。首相フィヨンはパリで、付加価値税の引き上げお
よび国家の支出の削減を中心とする多様な対策をとる、と予告し
た。2016年までに会わせて650億オイロの追加支出削減を積み上
げることになっている。フィヨンによれば、低く抑えられている付
加価値税を5.5%から7%に引き上げるが、基本的な食料品など、生
活に必要な商品は除かれる。さらに、大企業に対する税金は少なく
とも一時的に、5%から引き上げるよう努力が行なわれている。さら
に年金受給年齢を62歳に引き上げる措置を、1年前倒しして2017年
から行なう。国家自身はさらに、5億オイロを支出削減し、2012年
予算では会わせて15億オイロ分支出を切り詰める可能性がある。大
統領および閣僚の給与は、収支が均衡した予算が実現するまでの間、
凍結される、とのことである。
１１月８日（火）
ベルルスコーニは過半数を失う 大統領と緊急会議
政治的に打撃を受けたイタリア首相シルヴィオ ベルルスコーニは、国会で多
数の賛成を得られなかった。2010年の国家財政の決算報告書に関して、ぎり
ぎりの投票が行なわれ、ローマ国会は通過したものの、賛成したのは308人の
国会議員にすぎなかった。これは絶対多数に必要な316票を大きく下回った。
野党の左派各党と、中道右派政権の陣営の離反者も、棄権する、と予告してい
た。ベルルスコーニは夕刻にも大統領ジョルジョ ナポリターノと緊急会議を
行なう方針である。ベルルスコーニがどのような対処をとるかは、はっきりし
ていない。野党は彼に辞任を求めている。連立相手の北部同盟のウムベルト
ボッシも、ベルルスコーニに辞任を求めた。
その他のニュース
EUはギリシア政府に保証を求める
ギリシアの移行政権組閣の交渉は、長時間かかっている。野党党首
サマラスは、首相パパンドレウと挙国一致政権組閣に関する2日目
の交渉を行なったが、EUが求めている次期政権の支出削減の方針に
ついて、文書によって保証するのを拒否した。EU通貨委員レーンは
ブリュッセルで、EUは新ギリシア政権と二大政党の党首の文書によ
る保証を求める、と強調し、これは緊急に必要とされている諸外国
の救済措置の次期分の資金支払いを行なうための前提条件である、
と述べた。ギリシア政府の危機により、EUではギリシアが新政権下
で合意を実施に移すかどうか、疑問の声がわき上がっていた。この
間に現内閣は、移行政権組閣に向け、正式に道を開くために、辞任
する用意がある、と述べた。首相パパンドレウの公認に誰が就任す
るかは、不透明である。最も有力な候補者と見られているのは、ヨ
ーロッパ中央銀行の元副総裁パパデモスである。メルケルとメドヴェージェフはガス輸送管を開通させる
わずか17ヶ月の建設期間で、ドイツ首相メルケルとロシア大統領メ
ドヴェージェフは、バルト海に面した町ループミンで、最初のバル
ト海ガス輸送管北管を開通させた。1224キロの管は、シベリアに
あるロシアのガス基地と、西ヨーロッパの域内市場を、ベラルーシ
とウクライナなどの不安定な中継国を通らずに、直接結びつける。
この管には年間275億立方メートルの輸送能力があり、これはドイ
ツの年間使用量の約4分の1にあたる。メルケルは、この輸送管で
EUは安定して信頼できるロシアとの協力関係を築いた、と述べた。
メドヴェージェフにとっては、この北管ヨーロッパの安定したエネ
ルギー供給に、重要な貢献をするものである。来年2本目の輸送管
が運転を開始すれば、計算上は西ヨーロッパの2千6百万の家庭にガ
スを供給できる。開通式には、フランス首相フィヨン、オランダ首相
ルッテ、EUエネルギー委員エッティンガーも出席した。「イランは核兵器を製造している」との報告
国際原発機関の情報によれば、イランは少なくとも昨年までに核爆
弾の開発に携わっていた。同機関には、イスラーム教国である同国
が2010年までに、様々な計画を実施し、核弾頭の開発に向けた実
験を実施してきたことを示す、一連の証拠が提出されている、と公
表されたばかりのイランの核計画に関する最新報告書には記されて
いる。イラン政府は今までのところ一貫して、同国の核計画は非軍
事目的のものである、と述べていた。
１１月９日（水）
ギリシア新首相に関する合意は成立せず
高額の負債を抱えるギリシアでは、移行政権の組閣をめぐる話し合いが、相変
わらず遅々として進んでいない。現在単独で政権を持つ社会主義の「全ギリシ
ア社会運動」と、保守派の「新民主主義党」は、大統領カロロス パプーリア
スが議長を務め、会談を行ったものの、新首相に関する合意を得ることはでき
なかった。話し合いはこの木曜日に延期された。これより前に首相ゲオルギオ
ス パパンドレウはテレヴィ演説で、辞任すると予告し、国一つにまとめあげ
る政府を樹立する、と述べた。ギリシアでの報道によれば、国会議長フィリポ
ス ペトサルニコスが、最近まで首相職の有力候補と見られていた。彼は「全
ギリシア社会主義運動」に属している。新政府の主要課題は、破壊された国家
財政を強化するために、EUおよび国際通貨基金と合意した大規模の支出削減策
を実施し、選挙の準備を行なうことである。
その他のニュース
ベルルスコーニは民間人になる意向
イタリア首相ベルルスコーニは、辞任すると発表した後、政界から
の引退を発表した。選挙が早期に実施されれば、自分は立候補しな
い、と75歳の彼はイタリアの新聞「スタンパ」に述べた。ベルルス
コーニは、負債の危機を克服するために、議会が支出削減と改革の
計画を可決したら、自分は辞任する、と強調した。自分にはEUに対
してこの法案を成立させる義務を負っており、退任する前に約束を
守りたい、とも彼は述べた。彼の辞任の発表では、金融事情は落ち
着きを取り戻すことは出来なかった。イタリアの国債の金利は、初
めて7%を越えた。オイロ使用地域で3番目に大きな経済大国である
イタリアは、1兆9千億オイロの負債の山を抱えている。核をめぐる対立 対イラン制裁強化を求める声があがる
国際原発機関がイランの核計画に関する報告を出し、西側ではイラ
ン政府に対する制裁強化を求める声が起きた。ドイツ外相ヴェスタ
ーヴェレは、イランが核爆弾を製造しているとの同機関の報告は、
不安を呼ぶものであり、イラン政府が今後も真剣な話し合いを拒否
するのであれば、制裁強化は避けられない、と述べた。また彼は、
軍事力を投入するという選択肢を議論することをドイツは拒否す
る、とも強調した。フランス外相ジュペは、フランスは前例のない
ような制裁を行なう準備がある、と述べた。これに対して国連で拒
否権を持つロシアは、新たな制裁に反対した。イスラエルは諸外国
に対して、イランの各区計画を中止させるよう呼びかけた。過去数
日イスラエルでは、イランに対する軍事攻撃の可能性について、議
論が行なわれていた。経済五賢人は成長の衰微を予想
連邦政府の（諮問機関である）経済五賢人は、ドイツの経済成長
は、今年は3%であったが、来年は大きく衰え、0.9%になると予想
している。それにもかかわらず、失業率は若干下がる、と経済全体
の動向を評価する専門評議会である経済五賢人の年次予想の中には
記されている。彼らはこの文書をベルリンで、連邦首相メルケルに
提出した。彼らの予想では、登録されている失業者の数は、10万人
減少して、年平均で290万人になる。オイロ使用地域の経済は、国
家の負債と銀行の危機の悪循環の中にあり、政治の不確定性のた
め、市場は今後も不安定である、とも見ている。いくつかの兆候
は、世界の金融および経済恐慌が始まった2008年の情勢を思い起
こさせる、とも報告書には記されている。
１１月１０日（木）
新首相がギリシアを危機から逃れさせる任務を負う
高額の負債を抱えるギリシアでは、各党が数日に渡る駆け引きの末、ヨーロッ
パ中央銀行元副総裁ルーカス パパデモスを、移行政権の長にすることで合意
した。64歳の彼の発表によれば、挙国統一新政権は、今までの政権党社会党の
他、保守派の新民主主義党と右派国民主義の「正教人民運動LAOS党」が支持
をしている。これらの党を会わせると、国会の300議席のうち254議席にな
る。ギリシアのテレヴィでパパデモスは、自分はオイロに信頼を寄せていると
公言し、国民には一体性、理解、理性を持つように呼びかけた。新政権の主要
課題は、10月末のオイロ首脳会談の決定を実施に移すことである。新たな巨額
の支援計画と、負債の減免の見返りに、ギリシアはさらに厳しい支出削減計画
を実行しなければならない。
その他のニュース
間もなくイタリア新政府ができる模様
イタリア餌は、首相ベルルスコーニの辞任予告を受け、早急に新政
権が組閣される見通しである。首相職の有力候補は、EU委員を長い
間務めたモンティである。ロイター通信によればモンティは、木曜
日以降に大統領ナポリターノと、国会議長フィニと会談をすること
になっている。ベルルスコーニ辞任の後、モンティは移行政権の長
となる可能性がある。イタリア下院の各会派は、既に土曜日に経済
成長と予算の収支均衡を促進するための改革計画で合意した。ベル
ルスコーニは、議会の可決後に辞任する、と予告した。新政権が迅
速に結成されるとの期待は、イタリアの株式市場にとって追い風と
なった。1年ものの国債の売買は、予想を上回って推移した。メルケルはオイロ使用地域の助け合いを進める方針
連邦首相メルケルは、オイロ使用地域が縮小するとの観測に、強く
異議を唱えた。彼女はルーマニア大統領バセスクとベルリンで会談
し、ドイツは、オイロ使用地域を現在の形で安定させる、という目
標だけを追求しており、十分な改革の努力が払われる場合に、これ
は可能である、と述べた。水曜日にはロイター通信は、ドイツのフ
ランスが、オイロ使用地域の縮小に向けて、机上の練習を行なって
いるようだ、と報じていた。メルケルは、ギリシアの新政府に対し
て支援を約束し、イタリアに対しては、既に発表した支出削減策を
迅速に実施するように求めた。外国人の子供に二重国籍を認めない
ドイツで生活している外国人の子供は今後も、成年に達した後、
1つの国籍を選ばなければならない。社会民主党は連邦議会で、原
則上複数の国籍につながるいわゆる選択式を廃止する、との提案を
していたが、これは失敗に終わった。記名投票で308人の国会議員
がこの動議に反対し、278人が賛成し、1人が棄権した。ドイツで
生まれた外国人の子供たちは、これにより今後も、成年に達した
後、ドイツ国籍か両親の国籍の一方を選択しなければならない。
１１月１１日（金）
ネオナチが外国人を殺害した模様
ドイツの捜査当局がつかんだ情報によれば、右翼急進派のテロ組織が、小店舗
を経営する外国人を連続して殺害していた模様で、2000年から2006年までに
8人のトルコ人、1人のギリシア人がこの犠牲となった。捜査も担当したカール
スルーエの連邦検察がこれを発表した。これより前に、右翼急進派と見られる
2人の住居から、武器が発見され、これはいわゆる「ケバブ店殺人」にも使われ
た。警察の発表によれば、この2人は先週銀行強盗を行なった後、自殺してい
た。彼らは2007年のハイルブロンでの警官殺害も行なっていた。共犯者と見ら
れる女は、未決勾留中である。連邦検察は、他にも犯行に加わったものがいる可
能性を否定していない。
その他のニュース
ギリシアではパパデモス政権が誕生
危機に揺れるギリシアは、新政権を持つ。数日に渡る対立の末、新
首相パパデモスの移行政権の閣僚が、大統領パプーリアスのもとで
宣誓を行なった。その直前に発表された閣僚名簿には、社会党のヴ
ェニゼロスが蔵相と副首相に留任と記されていた。元EU環境委員で
保守派のディマスが、新外相に就任する。彼と同じ党に属するアヴ
ラムプーロスが国防相を務める。社会党（全ギリシア社会主義運動
PASOK）と保守派（新民主主義党ND）、右派（正教人民運動 LAOS）
が、政権を支える。憲法によればパパデモスは2週間以内に、国会
で信任投票を受けなければならない。移行政権はギリシアを、国家
としての破産から守り、諸外国の財政支援が再び同国に与えられる
ようにすることになっている。巨額の支援計画と負債の減免の見返
りに、ギリシア政府は厳しい支出削減の課題をさらに満たさなけれ
ばならない。イタリア上院は新支出削減策を可決
イタリア上院は、新たな支出削減策と改革を可決した。これにより
同国は負債の危機からの脱出を目指す。この中で特に重要なのは、
国家資産の売却、人員解雇、閣僚支配の廃止、新たな雇用を生み出
すための条件の改善である。この措置が発効するまでには、さらに
下院の可決が必要である。この採決は土曜日に予定されている。下
院が巨額の支出削減策へ賛成するのは、確実視されている。首相ベ
ルルスコーニは、緊縮予算が可決されたら辞任する、と予告してい
た。彼の後任には、元EU委員モンティが有力である。メルケルはイランに強硬な措置をとる方針
連邦首相メルケルは、イランとの核をめぐる対立で、諸外国がより
厳しい措置をとることに賛成した。彼女は「ライプツィッヒ国民新
聞」に、イランをより透明性を持たせるために、まだすべての手段
を尽くしてはおらず、まず一方で制裁があげられる、と述べた。ま
たメルケルは、核をめぐる紛争で軍を投入するという選択肢は、原
則的には考慮の外に除外していない国々も多数ある、と指摘した。
ただしこうした国々も、外交的な解決を望んでいる、とも彼女は強
調した。国際原発機関は、イランに関する最新の報告書で、イラン
の核兵器開発計画を明確に指摘していた。
１１月１２日（土）
イタリア国会は支出削減および改革法を可決
イタリアでは上院と下院で、新たな支出削減と改革の方策が可決され、政治の
新たな出発が近い将来へと近づいた。他のEU加盟国からの圧力が続いているた
め、政府の幹部の交代への道が開かれた。閣議が夕刻にも開かれることになっ
ている。保守派の首相シルヴィオ ベルルスコーニは、上下両院が改革を可決
したら、直ちに辞任すると発表していた。この改革には、年金受給開始年齢の
引き上げ、国家保有の不動産の売却などが含まれている。ベルルスコーニの後
任には元EU委員のマリオ モンティが有力と見られている。ローマでは、彼は
月曜日にも新首相に指名される可能性がある、との観測が流れている。
その他のニュース
アラブ連盟はシリアを当面除名する
シリアでは反政府勢力に対する暴力が続いているため、アラブ連盟
はシリアの加盟を水曜日から無効とする。アラブ諸国は、ダマスカ
スから大使を引き上げる他、経済的な制裁を検討するよう求められ
ている。カタール首相アール サーニは、暴力が終結するまでこの
除名措置は続く、とも述べた。カイロで先日行なわれた協議に参加
したシリア代表は、この決定を規約に反している、と批判した。シ
リア大統領アル・アサドは、10日前にアラブ連盟の和平計画に賛成
したにもかかわらず、軍を用いた民主化運動の弾圧を強めていた。
人権団体の発表によれば、野党の拠点ホムスだけで、11月になって
から百人以上が死亡していた。集計によれば、3月の紛争開始以
来、3千5百人以上が死亡した。ヴェスターヴェレは国連によるシリア非難を要請
アラブ連盟は、野党に対する暴力行為のため、シリアの加盟を一時
停止する決定を下したが、ドイツ外相ヴェスターヴェレはこれを歓
迎した。国連安全保障理事会はここから結論を導きだし、大統領ア
ル・アサド政権の弾圧に対して、はっきりした決議を出し、方針を
示さなければならない、と要請した。今までは拒否権を持つロシア
と中国が、シリアに制裁を科すのを国連安全保障理事会で阻止して
いる。ネオナチ組織が殺人を告白した模様
「シュピーゲル」誌の情報によれば、いわゆる「ケバブ屋殺人事
件」で、先に死亡したネオナチ2名は、自白を残していた。ザクセ
ン州のツヴィッカオのこの組織の炎上した家屋の中で、捜査陣は
DVDを発見し、その中でこの組織が国家社会主義を信奉し、新たな
移住者を殺害したことを認めていた、と同誌は報じている。この
2人は先週、銀行強盗をした後、自殺していた。彼らの共犯者は現
在、捜査のために拘留されている。連邦検察の発表によれば、この
3人の他に連続殺人事件に関与したものがいる証拠は、今のところ
ない。
１１月１３日（日）
イタリアではモンティが組閣を委託される
イタリアでは問題の首相シルヴィオ ベルルスコーニが辞任したことを受け、
元EU委員マリオ モンティが組閣を委託された。大統領ジョルジョ ナポリタ
ーノは、1日がかりで国会および各政党の有力者と交渉を行ない、これを発表し
た。国際的に高名な経済学者である68歳のモンティが率いる新政府は、高額の
負債を抱えるイタリアの金融市場に対する投資家の信頼を、出来る限り取り戻
し、イタリアを負債の危機から脱出させることになっている。上院に続いて下
院も、昨日ようやくEUが求めた支出削減策を可決していた。ベルルスコーニは
これを辞任の条件としていた。絶えず醜聞を引き起こしていた75歳のベルルス
コーニは、イタリア国会での政治的活動を継続する、と公の場で強調した。
その他のニュース
キリスト教民主同盟幹部は最低賃金をめぐる戦いで合意
キリスト教民主同盟の連邦党大会が間もなくライプツィッヒで行な
われるが、最低賃金をめぐる対立で、党幹部は妥協に合意した。事
務長グレーエの発表によれば、賃金の下限を設定は（労使双方が参
加する）労働条件委員会に委ねられるのは変わらない、この委員会
は業種の特殊性および地域的な差をも決着させる権限を持つ。これ
から取られる方針は、10ほどの様々分野で、間もなく成立する最低
賃金を設定し、時給で働く人たちの1時間あたりの賃金を7オイロと
するだけではない、ともグレーエは述べた。これにより党の幹部
は、キリスト教民主同盟党首で連邦首相のメルケルの抗争におおむ
ね沿うことになり、党の労働者陣営の議長であるカール・ヨーゼフ
ラオマンの計画には反している。内相フリードリヒは右派のテロに警告
外国人の零細企業経営者8人と女性警察官1人の連続殺害事件で、
4人目の容疑者が逮捕されたことを受け、連邦内相フリードリヒ
（キリスト教社会同盟）は、「新たな携帯の右翼急進派のテロ」が
起きるかもしれない、と警告した。彼は1998年以来外国人を敵視す
るものたちの未解決犯罪行為すべてを、連続殺人の一部であるのか
どうかすぐに再検討する、と予告した。一方ハノーファー近郊で逮
捕された共犯者と見られる男の犯行容疑が、固まった。彼らはテロ
組織「国家社会主義地下組織」に属し、ネオナチの3人組を支援し
ていた。2000年から2006年の間にトルコ人、ギリシア人、女性
警察官の殺害を引き起こしたとされるこの組織には、この3人組も
属していた模様である。シリアではアサド支持者が外国大使館を襲撃
シリアでは大統領アル・アサドの支持者たちが、シリアがアラブ連
盟から突然除外されたことに、暴力の波で対抗した。憤慨した支持
者たちは、外国の外交代表部などを襲撃した。トルコは、大使館員
の一部を帰国させる、と予告した。また数百人の男たちが、サウジ
・アラビア大使、カタール代表部、フランス領事館も襲撃した。フ
ランスはその直後、駐パリのシリア大使を呼び出した。前日にはア
ラブ連盟が、反政府勢力に対する暴力が続いていることを理由とし
て、突然シリアの加盟を一時停止した。同連盟はさらに、月曜日か
ら野党に対して軍事的な措置をとっている独裁的なシリア政府に対
し、経済制裁を取る、と予告した。アサド政権はこの間に、同連盟
の特別首脳会談を行なうように求めた。