12月5日〜11日のオーストリアのニュース



12月5日(月)

     国外ニュース

選挙での不正の疑いでモスクワでは反プーチンのデモ 

ロシアの国会議員選挙は不正の疑いがあるとして、月曜日には数千
人が路上に繰り出した。彼らはモスクワとサンクト ペテルブルク
で、首相プーチンの政党「統一ロシア」勝利したことに抗議するデ
モを行った。この抗議活動では、数百人が逮捕された。ヨーロッパ
安全協力機構は、この選挙を明確に批判し、いくつかの個々の選挙
結果の適法性に疑いがある、としている。ロシア政府に対して、諸
外国からの圧力が強まっている。

     国内ニュース

S&P社はオイロ使用国国債の格付けを引き下げ オーストリアも

格付け会社が、ヨーロッパの政治を追い立てている。ドイツ首相メ
ルケルとフランス大統領サルコジが、危機対策を発表したわずか数
時間後に、これが起こった。米国の格付け会社スタンダード&プア
ーズは夕方、オイロ使用15カ国と、その中でも特に最高の評価AAA
を持つオーストリアやドイツを含む6カ国を監視下に置いた。おそ
らく重大な決定が下されるEU首脳会談を数日後に控え、あたかも圧
力が全くなりないかのように、スタンダード&プアーズ社はもう一
度圧力を強めた。




12月6日(火)

     国外ニュース

イタリアではオーガニック食品の偽装問題

イタリア警察は、大規模な詐欺事件を暴露した。食料品会社が長年
に渡り、ルーマニアの商品を取り寄せて、偽って「ビオ」として販
売していた。このように偽ってビオとされた70万トン以上の商品が
取引され、イタリア市場全体の1割ほどに相当する。容疑者7人は現
在拘留されている。2億2千万オイロ相当の食料品が、オーストリア
に入って売られた。

     国内ニュース

野党は負債の上限を設定するフィッシャー案に反対

野党は連邦大統領フィッシャーの、国家の負債に歯止めをかけるこ
とに、間接的な形で賛成することには、あまり理解を示していな
い。フィッシャーは、格付け会社スタンダード&プアーズがオイロ
使用地域の信用力を引き下げると威嚇したことで、負債の歯止めを
かけるのを憲法に盛り込むことに、今なおさらに期待を抱いてい
る。間接的に賛成するというのは、野党が国民評議会の本会議から
退席することで可能になる。野党はこれを検討しておらず、フィッ
シャーの提案に「民主政治上の疑念」がある、と見ている。




12月7日(水)

     国外ニュース

30年に渡る駆け引き 米国人記者は処刑されない

30年に渡って続いた争いの末、警察官殺害で有罪判決を受けた米国
の黒人記者ムミア アブ・ジャマールに対して、死刑執行は回避さ
れる。担当するフィラデルフィア検察の発表によれば、この訴訟は
形式上の手抜かりがあったため、検察はもはや死刑執行を求めてい
ない。現在58歳のアブ・ジャマールは、生涯を獄中で過ごすことに
なる。黒人活動家で記者であった彼は、諸外国でも新聞の大見出し
になった。世界各地で、この判決に反対する支援者が戦いを行な
い、アブ・ジャマールは死刑廃止を求める象徴的な人物となった。

     国内ニュース

国家の負債の抑制措置可決 野党は反対

数週間に渡る駆け引きの末、水曜日に国民評議会では、国の借金に
歯止めをかける措置が可決された。与党各党は野党の支持を得て、
3分の2の賛成を得るべく努力したが、効果はなかった。未来同盟も
自由党も、緑の党もこれには賛成しなかった。負債の歯止めはその
ため、憲法には含められず、単純多数でいつでも破棄することがで
きる。




12月8日(木)

     国外ニュース

EU対英国 首脳会談は対立で始まる

木曜日午後、ブリュッセルでのEU首脳会談の冒頭で、嵐の兆しが巻
き上がった。いくつかの方面から、ドイツとフランスが求めている
国家財政の規律強化を求めるEU条約修正の提案に、反対する声が起
きた。英国首相キャメロンを中心に、賛成するには条件があるとし
て、火に油を注いだ。ヨーロッパ中央銀行の今後の役割に関して
も、合意とはほど遠い状況である。

     国内ニュース

ガブリエル オルソラの国外追放は確実とフォーフェスは見る

「残念だが国外追放を阻止する可能性はないと思う」とシュタイア
ーマルク州首相フランツ フォーフェス(社会民主党)は、ガブリ
エル オルソラの事件に関する回答として述べた。93歳の年金を受
け取る女性であるオルソラは、国外追放が迫っており、これと戦っ
ている。




12月9日(金)

     国外ニュース

メルケル式オイロ救済法 欧州中央銀総裁ドラギの協力が必要

期待はずれではないが、十分でもない。ドイツ首相メルケルとフラ
ンス大統領サルコジが中心となったEU首脳会談の結果に、分析家と
経済学者が下した評価は、はっきりしている。オイロ救済にあたっ
ては、ヨーロッパ中央銀行の役割を強化すること望んでいた。事前
には、大きな負債を抱える国の国債の購入拡大を求める声が強まっ
ていた。ヨーロッパ中央銀行は、この計画拡大を検討しておらず、
「他の可能性」があるのではないか、と述べている。

     国内ニュース

ファイマンは赤字で15億オイロを削減する方針

連邦首相ウェルナー ファイマンは、政府が計画している支出削減
策の規模を確定した。2月末までに、15億オイロの整理法案を取り
まとめるつもりである、と「クライン新聞」の早刷りはEU主の会談
と並行して報じている。政府が何もしなければ、2012年の赤字は
3.2%から3.4%になる、とファイマンは述べた。彼は今後支出削減と
増税を行なうことを検討している。




12月10日(土)

     国外ニュース

中国のメコンでの主導権をめぐる争い

中国は土曜日に、タイ、ラオス、ビルマとともに、メコン川の見回
りを開始した。これにより、東南アジアの重要な河川であるメコン
川での中国の貿易船の安全を確保する。同時にこの措置は、中国政
府のこの地域での影響力をさらに強めることになる。ただしこれは
長期的には中国にとって利益よりも、損失の方が大きくなる可能性
もある。というのはこの知己の多くの国々は、中国の支配権拡大の
努力に対して不安を持ち始め、米国に近寄り始めているからであ
る。

     国内ニュース

ファイマン「国民投票には意味がない」

ブリュッセルでのEU首脳会談を終え、首相ウェルナー ファイマン
(社会民主党)は、現在のオイロ危機野中では、趨勢を転換するた
めの手段が見いだされた、と楽観的な見解を示した。これは特に負
債の歯止めに当てはまる。ファイマンはこれについて、野党を今一
度説得する意向である。また彼はEUの根本的な修正問題では、
2008年のときに自らが約束したのと同様の国民投票は不要である、
と考えている。




12月11日(日)

     国外ニュース

副首相クレッグからの叱責 キャメロンはEUと危険な賭け

金曜日のEU首脳会談で、英国首相キャメロンは、EU条約改正に拒否
権を行使すると述べて、冒険的な賭けにうってでた。EU内部では彼
は悪役となったばかりでなく、英国の追放を求める声すら初めて大
きくなった。キャメロンは特に、ロンドンの金融部門を保護するつ
もりであったが、これが党内のヨーロッパに懐疑的な陣営からの賞
賛をもたらした。世論調査を信ずるなら、多くの英国人も、キャメ
ロンを支持している。ただし副首相クレッグ(自由民主党)は、大
きく失望した、と述べ、何人かの専門家同様に、英国経済にとって
大きな失策である、と警告した。

     国内ニュース

ファイマンは大学授業料に関する議論で「機会は公平」と述べる

大学の授業料を巡る慎重な配慮が必要な議論が動き出した。首相フ
ァイマン(社会民主党)は、2009年に廃止された授業料を、再導入
する可能性はもうない、としていた。オーストリア国営放送の番組
の中で、機会の公平は「正しい」原則である、と指摘したが、いく
つかの授業料の携帯に関しては議論する価値があると見ている、と
述べた。ファイマンは具体的には、教育貸付金制度があるオースト
ラリアが模範になる、と述べた。ただし首相は自らも支出削減を行
なう方針で、将来的には広告の量を減らすつもりである。




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