12月26日〜31日のオーストリアのニュース



12月26日(月)

     国外ニュース

福島原発事故の報告書 日本政府に対する厳しい批判

福島の原子力発電所事故から9ヶ月、異例の激しい非難が、政府が
設置した専門家委員会で持ち上がっている。原発を運転する東京電
力も、担当する官庁も、これほどの規模の災害に準備をしていなか
った、とその中では記されている。専門家たちは、政府が中でも住
民の立ち退きの対策で、重大な失敗を犯した、と非難した。最終報
告書は夏に出される予定である。

     国内ニュース

ファイマンとシュピンデレガーは支出削減案で話し合い

政府幹部はクリスマスと大晦日の間に短時間だけ全力をあげてい
る。連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)と副首相ミヒ
ャエル シュピンデレガー(国民党)は、火曜日に支出削減案をめ
ぐって会議に臨む。この会談では、せめて骨子だけは提案されるこ
と人っている。具体的な細かい成果が得られる、とは期待されてい
ない。国民党が税金に関する措置をできるだけ維持する方針である
のに対し、社会民主党は財産税の引き上げを目指しているため、交
渉が困難であるのは変わらない。火に油を注ぐのは、ウィーン市長
ミヒャエル ホイプル(社会民主党)が、納税者側に3分の2の賛成
で、予算の整理を遂行するつもりである、という点である。




12月27日(火)

     国外ニュース

銀行の相互不信 欧州中央銀行への預金が記録的な高額に

ヨーロッパの各銀行が相互に持つ不信が大きくなっている。それを
明確に示す証拠が、ヨーロッパ中央銀行にクリスマスを越えて残し
てあるほぼ4,120億オイロの記録的な金額である。ヨーロッパ中央
銀行は、金融機関が相互に資金を貸し合うように、不利な条件を提
示している。しかしこの銀行間取引市場は、2008年の金融恐慌の
時にも既にそうであったが、機能していない。

     国内ニュース

政府は百億オイロの支出削減の方針 詳細は2月に

支出削減の可能性と、新たな税金には、聖域を設けてはならない。
首相ファイマン(社会民主党)と副首相シュピンデレガー(国民
党)は、火曜日の2人の話し合いで、この点に合意した。2016年
までに政府はわせて百億オイロの支出削減を行なう方針である。作
業班が、その方法を決めて行くことになっている。決定は2月末に
下される。それまでは、具体的な詳細を待つ必要がある。徐々に詳
細は確定する。作業班は、何に新たな税金を課すか、検討してい
る。




12月28日(水)

     国外ニュース

平壌の葬列 新たな権力者の行進

大げさにかつ巨大に。水曜日には長期間独裁を続けた金正日の葬儀
が、北朝鮮の首都平壌で執り行われた。数万人が道に立ち並び、遺
体をのせた大型車が通り過ぎたとき、一部は取り付かれたように泣
きじゃくった。数時間に渡った葬儀の行進は、同時に新たな権力者
たちの行進でもあった。スターリン主義の同国で今後、命令する権
限を持つものは、公の場に身をさらしてきた。大型車の隣を歩いた
男たちの中には、息子の金正恩もいた。

     国内ニュース

クリムトとそのモデルの記念の年

記念の年2012年には、グスタフ クリムトの多くの絵が、つまり
官能的な女性の姿が見られる。彼の美しいデッサンと絵画、装飾的
で金に彩られた作品は、以前から一般大衆に人気があった。同時代
人の多くの発言や証拠が、クリムトが女たらしであるとの噂を立て
られているのは、不当ではないようである。それにもかかわらず、
150年前の7月に生まれたクリムトは、女性の肖像画家に矮小化さ
せることはできない。




12月29日(木)

     国外ニュース

ロシアでの抗議活動 プーチンとの対決は散漫に

数千人のロシア人が、12月4日の選挙に関する不満を、大声で屋外
でぶちまけた。彼らは首相プーチンが、選挙で不正を働いた、と非
難した。これは抗議運動をまとめる唯一の論点である。一方体制を
内部から変革することを求める人たちもおり、他方すぐに政権交代
を求める人もいる。左派の活動家の他、環境保護派と国民主義者も
路上に出て抗議を行っている。野党政党にとって、この抗議活動は
厳しい試金石となる。

     国内ニュース

家計の支出削減 必修科目としての購入の断念

国内政治が相変わらず巨額の支出削減と負債の減少をめぐって議論
している間に、オーストリアの個人の家計は既にみずから支出削減
に向けて進んでいる、と保険会社および銀行業の最新の世論調査が
示している。特に衣服と通信費を来年の支出は減少させる、と少な
くとも新年には決意をしている。休暇の件については、回答が分か
れている。19%は希望通りの休暇、さらにはより多くのお金を支出
する方針である。一方3分の1は、よりわずかな資金しか用意できな
い、と早くも訴えている。




12月30日(金)

     国外ニュース

アサドに対する挑発 数十万人のシリア人が路上に繰り出す

シリア大統領アサドの政府に対する野党勢力の行動が、新たな高み
に達した。アラブ人監視団の問題の任務の最中の金曜日に、全国各
地で数十万人が政府に抗議して、路上に繰り出した。これにより政
府が主張するこの抵抗活動は単なる犯罪者と手織りストが起こして
いるものだ、との申し立てははっきりと否定された。投入された部
隊は再びデモ隊に発砲し、野党陣営の発表によれば、30人以上を殺
害した。活動家は「今週の金曜日はいつもとは違う日だ」と述べ
た。

     国内ニュース

テヒテルレは部分的に大学の入学定員を設定する意向

オーストリアでは「大学の入学定員」が、議題になるかもしれな
い。科学大臣カールハインツ テヒテルレは、(ドイツ同様に)大
学入学を高校卒業資格試験の成績に基づいて、制限することに賛成
している。「日刊ティロール」紙に彼は、今後はウィーン経済大学
の例に習い、全員が大学に入学できない可能性がある、と述べた。
「この問題では高校卒業資格試験の成績を、基準として考慮に入れ
ることも、私は望んでいる」と語った。




12月31日(土)

     国外ニュース

オイロ誕生十年 緊急会議は茶会のようなもの

2002年1月1日にオイロは、高揚感を持って受け入れられた。少な
くとも政界ではそうであった。特に英国ではオイロは「性的魅力」
にあふれていると見られていた。10年後に、オイロ使用地域の分断
は「現実的な危機」と見られている。首脳会談をたびたび開き、オ
イロ使用国は債務危機から脱出しようとした。しかし批判的な声
は、オイロ導入の際に既に出ていた。EU委員会元議長ドロールは、
2001年の時点で既に、政治の調整が欠けていると非難し、オイロ
担当者の会議は、むしろ「何人かの女性が出席する茶会」のような
ものだ、と述べていた。

     国内ニュース

大晦日のお祭り 2011年との別れは気軽

経済恐慌、自然災害、政変。今日の大晦日のお祭りは、古い年との
「別れはつらくない」という印象であった。その分だけ祭りの参加
者が新年を楽観的にみている。それにもかかわらず展望は暗い。日
付変更線を変更したサモアから始まり、暗い声を発している人はき
わめて少ない。オーストリアではウィーンの「大晦日小道」が、以
前はお祭りの中心であった。夕方早い時間から既に、数十万人がウ
ィーン市の中心部でお祭りお騒ぎを繰り広げた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system