1月1日〜8日のオーストリアのニュース



1月1日(日)

     国外ニュース

デンマークがEU評議会議長に 非オイロ国がオイロを救うことに

デンマークは新年に、EU評議会議長をポーランドから引き継いだ。
オイロ危機の最中に、オイロを使用しない国が、決定的な方向転換
に取り組むことになる。さらに首相になったばかりのヘレ トーニ
ング・シュミットが、議長となる。彼女は12月に初めてEU首脳会
談に出席したが、フランス大統領サルコジが彼女を「デンマークは
外部におり、小国である。それにあなたは新人だ。私にはあなたの
言葉に耳を傾ける気はない」と叱りつけていた。国内政治の面で
も、オイロ救済は綱渡り芸になるかもしれない。

     国内ニュース

大統領の新年演説「今年は決断の年」にするよう求める

連邦大統領フィッシャーは、恒例の新年演説の中で、今年を「決断
の年」にするように求めた。フィシャーは日曜夕刻にテレヴィ演説
を行ない、債務の上限を関する対立で、政府と野党に具体的な義務
を負わせた。そして彼は間もなく採決される支出削減法案は、支出
削減、社会保障、経済成長刺激策からなる「魔法の三角形」であ
る、と述べた。そしてフィッシャーはすべてのオーストリア人に対
して、オイロ債務危機による不安定の最中にあるにもかかわらず、
ヨーロッパの統合はを「臆病にも」崩壊させてはならない、と訴え
た。




1月2日(月)

     国外ニュース

ヴルフの介入の試み 負債問題が報道上最大規模の事件に

ドイツ連邦大統領ヴルウの自宅購入のために、きわめて有利な貸付
を行なった事件が、報道機関を巻き込んだ事件に発展した。ヴルフ
が「ビルト」紙の批判的な報道を差し止めようとしただけでなく、
彼はおそらく編集人とシュプリンガー一族時s隊にも介入してい
た。ドイツの報道機関は、その批判記事の中で、好意的な記事を書
いていない。ヴルフは「気がふれた」と言う記事が、かなりいんぎ
んな評価の一つである。彼は大統領在任中に、もはや失うものはな
い、というのが全員一致の判断である。

     国内ニュース

迎撃戦闘機を売却か? 社民党の議論は人々を興奮させる

社会民主党は党内で、支出削減策の一環として、迎撃戦闘機オイロ
ファイターを場合によっては売却することを議論しているが、これ
は連立相手の国民党も刺激している。社会民主党は、この問題で再
び「定見のない政党」との立場に陥っている、国の安全をもてあそ
んではならない、と国民党の国防問題の専門家クリコフィッツは月
曜日に述べた。これより前に国防大臣ダラボス(社会民主党)は、
オイロファイター売却を提案した社会民主党の連邦執行部長クロイ
ターの問題で、非難を浴びせていた。




1月3日(火)

     国外ニュース

ドイツ大統領をめぐる醜聞は拡大

ドイツ首相メルケルが沈黙を続ける中、苦しい立場に追い込まれた
ドイツ大統領ヴルフ周辺は、ますます静かになっている。政権会派
の中からは、ほとんど指示する声が聞こえない。逆に批判の声がま
すます増えている。左翼党は初めてヴルフの辞任を求めた。その理
由として、ますます多くの有罪であることを示す詳細が明らかにな
っていることを挙げた。ヴルフは「ビルト」紙だけでなく「ヴェル
ト」紙も威嚇して、批判的な記事を載せないようにしていた。

     国内ニュース

国民投票 シュトラーヒェは若干の方向修正

国債の上限を憲法で定めることについて内政上の駆け引きが行なわ
れる中、自由党はすこし別のことを検討している模様である。党首
シュトラーヒェはテレヴィ番組の中で、オイロ救済の傘に関して、
国民投票を行なうことをその条件として要求するのをやめた。彼は
国民投票は、「救済の傘」に関して「将来に決定」を下す際に要求
する。国民党と共通点を見いだす上で、この方針転換が役に立つか
どうかは、疑わしい。




1月4日(水)

     国外ニュース

ヴルフの態度声明に批判 「容疑をはね返したわけではない」

ドイツの連立両党は、借金と報道機関への介入に直面している大統
領ヴルフが最近表明した態度を、肯定的に評価したが、ドイツ大統
領に対する批判は途切れることがない。野党によれば、多くの疑問
が答えられないままである。「すべての疑問を跳ね返したわけでは
ない」と社会民主党は総括している。緑の党がもう一度、首相メル
ケルに要請が行なわれたと見ているのに対し、左翼党はヴルフが
「報道機関、真実、資金に関して不愉快な関係」を持っている、と
非難した。さらに「ビルト」紙は、ヴルフの発言に反論した。

     国内ニュース

今度は国民党も直接民主制拡大に賛成

国民党も今度は、直接民主制の拡大に賛成する方針である。同党党
首ミヒャエル シュピンデレガーは、国民党青年部部長セバスティ
アン クルツに、包括的な民主主義法案の作成を委託した、と水曜
日に発表した。国民党の民主主義法案は、自由党への妥協ではな
い、と述べた。自由党は、国家の借金の上限設定を憲法で規定する
ために、「より多くの民主主義」を求めている。自由党党首ハイン
ツ・クリスティアン シュトラーヒェは、火曜日にオイロ救済の傘
に関して国民投票を行なうようとの主張を、国民党の方針に近づけ
て、弱めていた。




1月5日(木)

     国外ニュース

サウジ・アラビアとイランが対立 イラクは米国撤退後の道を模索

イラクで爆弾攻撃があり、過去数週間に数十人の命を奪った。この
暴力は米国の撤退と並行して増加し、シーア派とスンナ派の間でく
すぶる対立が、政治的な水準で戦われる。しかしこの間の権力の新
たな分配では、宗教的な側面は、むしろあまり中心とはなっていな
い。また地域政治も重要な役割を果たしている模様である。スンナ
派のサウジ・アラビアとシーア派のイランは、以前から長期間、弱
体介したイラクの支配権をめぐって争っている。

     国内ニュース

「礼拝税」案に悪意ある言葉

全員が支払うものの、カトリック教会を中心に利用することになる
「礼拝税」の提案で、オーバーエスターライヒ州農家連合が窮地に
陥った。政治面での競争相手の悪意ある言葉は、限界を知らない。
自由党は早すぎた「四月馬鹿」であるとし、未来同盟は「知的障
害」に驚き、緑の党は不安とともに「国民党の多様な頭脳集団から
どんな不明確な思いつきが出て来るのか」と不安をもって問いかけ
た。国民党党首シュピンデレガーが木曜日に、前日よりもこの提案
から距離をとった発言をしたのは、さほどの驚きではない。




1月6日(金)

     国外ニュース

ノルウェイでの大量殺戮 予告電話を無視

オスロでの攻撃とウトヤ島での大量殺戮の数ヶ月前、ノルウェイ政
府は脅迫の電話を受けていた。金曜日の報道によれば、犯行の数ヶ
月前に電話をかけてきて、労働者青年部の人々を射殺するつもりで
ある、と述べたとのことである。「宣言」の存在についても、この
男は言及していた。しかしこの電話は、「具体的な危険」とは見な
されず、電話をかけてきたのが、後に逮捕される犯人ブレーヴェイ
クであったのかどうかも不明である。

     国内ニュース

西部で大雪 歩行者が埋もれ 家屋が立ち退き措置に

金曜日には暴風を伴う新たな大量の降雪が、オーストリア西部をほ
ぼ席巻した。大きな影響を受けたのはフォアアルルベルク州、ティ
ロール州、ザルツブルク州であった。雪崩が発生し、自動車数台を
巻き込んだ。線路、道路は封鎖せざるを得なかった。高地にある冬
のスポーツ施設にとっては、まだ十分ではない。ガルテューアでは
歩行者3人が封鎖された地域で雪に埋もれ、インスブルックの高度
の高い地域では、家屋が立ち退きとなった。除雪隊が大量に動員さ
れた。しかし早期に事態がよくなる見通しはない。




1月7日(土)

     国外ニュース

ギリシア財政の立て直しに疑問 国際通貨基金は警告を発する

報道雑誌「シュピーゲル」によれば、国際通貨基金はギリシアの財
政の立て直しが、大規模な借り換えを行なわなくても可能かどう
か、疑問を強めている。同基金はギリシア政府に警告を発し、3つ
の可能性がある、と見ている。ギリシアはさらに支出削減を行なわ
なければならない、民間からの負債の減免を拡大する、あるいはオ
イロ使用国がさらに資金を提供する、の3つの可能性である。国際
通貨基金、EU、ヨーロッパ中央銀行の三極が次回訪問する1月中旬
には、新たな1千3百億オイロの支援が、議論の中心にある。ギリシ
ア政府によれば、3月半ばまでだけで890億オイロの資金が必要で
ある。

     国内ニュース

ベーア作品の74年ぶりに初演

テレージアヌム城公園でのウィーン夏のオペレッタでは今年、ヨー
セフ ベーアの「ポーランドの結婚」の74年かけての初演が行なわ
れる。1938年にナチが、アン デア ウィーン劇場でのリヒャルト
 タオバーを擁して「ポーランドの結婚」のオーストリア初演を禁
止した。ユダヤ人作曲家ヨーセフ ベーアはその後、作品の上演禁
止措置を受けて、今回は彼の娘たちが取り上げた。ウィーン夏のオ
ペレッタは、74年かけてのオーストリア初演で、ようやく遅れを取
り戻すことができる。




1月8日(日)

     国外ニュース

メルケルとサルコジは債務危機で解決策を模索

オイロ危機はクリスマスごろから沈静化した。しかし問題は解決と
はほど遠い。先日ギリシアは再び注目を集めた。国際通貨基金は、
財政再建計画は十分かどうか、疑問を呈した。さらにイタリアとス
ペインも不安の種を提供している。専門家はオイロが崩壊する可能
性を否定していない。ドイツ首相メルケルとフランス大統領サルコ
ジの月曜日の会談で、債務危機が再び議題に上る模様である。

     国内ニュース

西部の道路封鎖と大混乱は息をつく間もない

オーストリア西部の大雪は続いている。フォアアルルベルク州とテ
ィロール州同様、ザルツブルク州でも日曜日には、外部との交通が
断たれる村落が増加し、数千の家庭が停電した。さらに道路および
鉄道交通が麻痺した。雪崩の状況も危機的である。早期に緊張状態
が収束する見通しはない。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system