1月23日〜29日のドイツのニュース



1月 23日(月)〜26日(木)

お休みです。



1月 27日(金)

連邦議会はホロコースト犠牲者を追悼

連邦議会はホロコースト記念日に追悼式の時間を設け、国家社会主
義の犠牲者を追悼した。中心となる演説を行なったのは、文芸批評
家マルツェル ライヒ・ラニツキであった。現在91歳で、ワルシャ
ワのユダヤ人隔離地区でナチの凶行を生き延びた彼は、隔離地区か
らユダヤ人が強制収容所に抑留された自らの経験を描き出した。連
邦議会議長ノルバート ラメルトは、最近の調査によれば、ドイツ
国民の2割が潜在的に反ユダヤ人な心情を持っている、と指摘し、
この数はドイツでは2割分だけ多すぎる、と述べた。
世界各地でホロコースト記念日が行なわれ、ちょうど67年前のアウ
シュヴィッツ強制収容所と絶滅施設の解放の記憶を、新たなものと
した。1945年1月27日には赤軍がクラクフより西にあるこの施設
に侵攻し、生存者を解放していた。

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シリアでの抗議活動の拠点に軍が攻勢 死者多数発生

反政府勢力の発表によれば、シリア軍は抗議活動の拠点ホムスに対
して、新たな攻勢を開始した。木曜午後から同市は銃撃を受けてい
る、とロンドンの人権監視団本部は発表した。活動家たちはこれは
「恐るべき大虐殺」であり、30人以上が死亡した、と述べた。ハマ
州からも、治安部隊が住民に対して激しい攻撃を行なった、との報
告があった。ここでは女性、子供を含め少なくとも44人が殺され
た、とのことである。国連安全保障理事会がニュー ヨークで金曜
日中にも、シリアでの紛争を話し合う特別会議を行なうことにして
いる。EU加盟国のいくつかは、アラブ諸国と協力して、決議をの準
備を進めている。しかしこの決議には軍事的な介入がはっきりと除
外されておらず、ロシアが決議に賛成しない意向であるため、決議
はされない見通しである。

ショイブレはギリシアを批判

ギリシアが破綻する可能性をめぐって新たな議論が行なわれている
最中、連邦蔵相ショイブレは高額の負債を抱えるギリシアを、支出
削減の努力が不足しているとして、批判した。2年前にギリシアが
した約束の多くが守られていない、とスイスのダヴォスでの世界経
済公開会議でショイブレは述べた。また彼は、基本となるような合
意が守られないのであれば、防火壁は持ちこたえないだろう、と警
告した。ルクセンブルク首相ユンカーは、オイロ使用国に対して、
ギリシアに対する返済の要求を一部断念することを検討するように
求めた。

外務省はドイツ人がナイジェリアで誘拐されたことを確認

ナイジェリア北部で、ドイツ人男性1人が誘拐された。外務省はこ
れに関するナイジェリア当局の発表を確認した。同省は現在、早期
解放を目指して努力しているが、今のところ進展があったと報告は
できない、担当する大使と危機対策本部が全力を挙げて取り組んで
いる、とベルリンで発表した。建設会社ビルフィンガー ベルガー
社は、カノ市で同社の職員が誘拐された、と発表した。カノ市の他
ナイジェリア北部の複数の都市では、急進派イスラーム教徒組織
「ボコ ハラム」が先週、多くの襲撃事件を行なった。1週間前に
は、この地域では連携した襲撃が行なわれ、180人以上が死亡して
いた。




1月 28日(土)

アラブ連盟はシリアでの監視団の活動を中止

アラブ連盟は当面、シリアでの監視活動を注意する。同連盟の代表
は、この任務の作業は暴力が再び増加したため、中止された、と述
べた。監視団は12月末に、反政府勢力が暴力的に弾圧されていたた
め、シリアに派遣されたが、彼らはその活動を何度も妨害されてい
た。この任務は本来は、流血の事態を終わらせるのに貢献するもの
であった。アラブ諸国はほぼ1週間前にカイロで、批判が出ている
にもかかわらず、監視団の活動を延長し、さらに増員することを可
決していた。さらに彼らは、国連に対して支援をするように求める
ことで、合意していた。
シリア危機を解決するための国連決議案は、ロシアが留保している
ために、先日再び成立しなかった。モロッコの提案は、ロシア政府
にとっていくつかの「(越えてはならない)赤い線」を越えてい
る、そしてそれには制裁と武器禁輸を示唆するものすべてが含まれ
る、とロシアの国連大使ヴィタリ チュルキンはニュー ヨークで
述べた。

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ギリシアの負債の減免で前進

ギリシア政府と国際的な銀行連合は、負債減免に向けた議論の中
で、大いなる進展を達成した模様である。技術的、法的、およびそ
の他の点で大きな前進をした、とギリシア大蔵省公報は発表した。
民間の債権者が返済要求を断念すれば、ギリシアは約1千億オイロ
の負債を減らすことになる。これより前にEU委員会議長バオーゾ
も、オイロ使用国に対してギリシアに対するさらなる支援を求めて
いた。ロイター通信と「フィナンシャル タイムズ」の報道によれ
ば、EUがギリシアの財政政策を監視する権限をより多く持つよう、
ドイツは迫っている、とのことである。それによれば、支援策の第
二弾の支払うための前提として、EUの代表が、ギリシア政府の決定
に対する拒否権を行使することができる、というものである。

米国は近東に海上軍事基地を計画

報道によれば、米軍は近東に、海上に軍事基地を設置する方針であ
る。「ワシントン ポスト」は詳細な言及は避けた文書を引用し
て、この基地から特殊部隊が任務に向け出発する、米軍はこれによ
り、高まっているイランとの緊張関係と、イエメンとの長期的な戦
闘に対処する、と報じた。現在基地として使うために、旧型の戦艦
を改造している、と同紙は報じている。「母艦」と称されるこの基
地は、高速艇とヘリコプターが基地として、国の精鋭部隊SEALsの
規則に基づいて使用され、この基地は夏の初めには、近東に運ばれ
る、とのことである。この文書によれば、海上基地はペルシャ湾に
設置される可能性もある、とのことである。

メルケル「中国の投資に門戸を開く」

中国訪問を前に、連邦首相メルケルは、EUを投資先として中国に宣
伝した。彼女は毎週恒例の映像による広報で、水曜日に始まる訪問
では、両国の協力をきわめて広い範囲に拡大するつもりである、と
早くも強調した。その最重要なのは、中国でのドイツの企業が、よ
り広い範囲で活動できることだけでなく、中国企業がEU全体でそし
てドイツで投資を行なえるよう門戸を開くことであるとも述べた。
この背景には、中国がオイロ債券を買う際に積極的であるだけでな
く、経営不信の企業への投資も行なうのではないか、との期待があ
る。先日中国の投資家が、ポルトガルとイタリアなどで企業買収を
連続して行なったばかりである。




1月 29日(日)

シリアは監視団の活動中止は残念だと発表

アラブ諸国の監視団がシリアでの活動を終えて一日、大統領バシャ
ル アル・アサドは、反乱勢力が支配下においている首都ダマスカ
スの郊外に、数百人の兵士を派遣した。活動家の話によれば、十数
台の戦車とともに侵攻し、少なくとも5人の民間人を殺した、軍は
土曜日にも、反乱勢力が勢力下に置いていた街区を取り戻そうとし
て、12人を殺していた。一方、紛争の続くホムス州のいくつかの地
域で、離反した兵士は支配権を得た、とのことであr。シリア人権
監視組織の発表によれば、政府軍との激しい戦闘がアル・ラスタン
市で先行して行なわれた。留まるところを知らない暴力のため、ア
ラブ連盟は前日に監視団の活動を中止していた。シリア政府は、驚
きを表明し、アラブ連盟が国連安全保障理事会に対して、シリアに
介入するようにとの圧力を強めるつもりである、と非難した。

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ヴェスターヴェレは近東訪問を開始

シリアでの暴力、閉塞状況にある近東和平の努力、イランとの核を
めぐる対立が暗い影を落とす中、外相ヴェスターヴェレ(自由民主
党)はこの地域二への5日間の訪問を開始した。彼が滞在するの
は、ヨルダン、エジプト、イスラエル、パレスチナ人居住地域であ
る。出発を前にヴェスターヴェレは、今まではロシアなどが阻止し
てきたシリアに対する国連決議を、早期に採択するように求めた。
また彼は、イランの核計画をめぐる対立で、緊張感が高まっている
ことを懸念した。さらにヴェスターヴェレは、イランに対して、言
葉で弄して、情勢をさらに悪化させるのではなく、核計画をめぐっ
て透明性を高め、実質的な話し合いをする姿勢を示すように求め
た。

イランは石油価格の高騰が起きると警告

ヨーロッパがイランに対して石油禁輸措置をとったことで生じた対
立で、イラン政府は大きく石油価格が値上がりする、と警告した。
公営通信社IRNAは、国営石油産業の代表の話として、1バレルあた
りすぐに150ドルにもなるだろう、と伝えた。現在世界市場での1バ
レルあたりの価格は、100ドルを若干下回っている。EUが課した禁
輸措置に対抗して、テヘランの議会は、ヨーロッパへの石油輸出の
停止を検討していた。これに関する決定は、一時延期されている。
国際原発機構の査察官がこの間に、テヘランでの作業を開始した。
彼らは同国の問題の核計画について、広い範囲の情報を集める方針
である。

ビルマの野党の指導者スー チーは選挙戦の旅を開始

民主主義を取り戻す、との公約を掲げて、ビルマの野党の指導者ス
ー チーは、選挙戦の旅を開始した。港町ダウェイで彼女は、数千
人の支持者から歓声で出迎えられた。15年間に渡って自宅拘留を受
けていたノーベル平和賞受賞者であるかのjは、1月半ばに、4月1日
の国会議員選挙に出席する、と決断を下していた。この選挙では、
下院の440議席のうち48議席を決定することになっている。彼女
の選挙戦は、66歳の彼女がしばらく前に活動を認められたばかりの
政党「国民民主連盟」が、どれだけ広い支持を集められるか、試金
石と目されている。彼女は元首都ラングーン近くの村落カウフムの
候補者となる方針である。この地域は2008年に、暴風雨「ナルギ
ス」でひどく荒廃した所であった。




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