2月20日〜22日のドイツのニュース



2月 20日(月)

政府「ガオクを大統領候補指名で連立には危機は生じていない」

ヨアヒム ガオクの連邦大統領への指名に関して、キリスト教民
主、社会同盟と自由民主党の連立与党内部では、不協和音が生じた
が、連邦政府公報シュテファン ザイベルトは、政府の危機の兆し
は生じていない、と見ている。連立および連立政府の存続に関して
不安を持つ必要はない、と彼は述べた。自由民主党は日曜日、キリ
スト教民主、社会同盟の意向に反して、社会民主党と緑の党が支持
していた旧東ドイツの市民権活動家ガオクを支持した。連邦首相ア
ンゲラ メルケルは、日曜夕刻に譲歩をしてようやく、自由民主党
との軋轢が深まるのを避けることができた。主要なキリスト教民
主、社会同盟の政治家たちは、月曜日に自由民主党の行動を見て、
今後の協力に影響がある、と威嚇した。野党側は、この対立は、連
立の崩壊が進んでいることの兆しである、と評価している。連立の
あちこちに「深い溝」が走っている、と緑の党党首ツェム エツデ
ミルは述べた。4党すべてが賛成しているため、72歳の進学者ガオ
クが、辞任したキリスト教民主同盟の政治家クリスティアン ヴル
フの後継者に選ばれることは、確実と目されている。

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ショイブレはギリシア支援策を監視するように主張

ドイツはギリシアに対する巨額の支援を新たに行なう際には、ギリ
シア政府が約束した改革を実施して行くために、はっきりした規則
を作るように求める。連邦蔵相ショイブレは、オイロ使用国蔵相会
議の直前にブリュッセルで、これを明言した。また彼は、オイロ使
用国の閣僚たちが、総額1億3千万オイロの支援計画の第2弾を決定
することに「自信」をのぞかせた。ただし、民間の債権者の債務の
放棄をどれぐらいにするかなど、いくつかの問題が未解決である、
とも述べた。オイロ使用国連合の議長ユンカーも、細部をさらに明
確にする必要があると見ているが、合意は得られる、と見ている。
また彼は、ギリシアはオイロ閣僚会議の求めている事前の履行義務
は果たした、これ以上無駄にできる時間はない、とも述べた。もし
銀行と基金が債務を放棄するとの早期に譲歩しなければ、ギリシア
は3月20日に倒産する。

連邦銀行は景気刺激策に反対

オイロ債務危機による負担が増加しているにもかかわらず、連邦銀
行は巨額の景気刺激計画は過剰である、と見ている。月次報告の中
で同銀は、この計画は、「景気刺激の観点から正当化できない」と
述べている。さらに、ドイツ経済は遅くとも春には、自力で弱い局
面を克服するだろう、この見通しは先に再びはっきりと明らかにな
った、とも記している。国内総生産は2011年の第4四半期には、
0.2%減少したが、これは過去ほぼ3年間はなかったことである。連
邦銀行のこの発表は、国際通貨基金と米国の要求に反するものであ
る。国際通貨基金と米国は、世界で4番目の経済大国であるドイツ
に、世界の景気が後退する中、国の支出を増やして経済を刺激する
ように求めている。

プーチンは「前例のない」軍備拡張に努力

ロシアの大統領選挙まで2週間、首相プーチンは軍の装備強化を行
なう、と予告した。米国とNATOが計画しているミサイル迎撃態勢
を視野に入れた場合、これは必要不可欠である、と政府の「ロシア
新聞」に寄せた文章の中で書いている。ロシアも空域および宇宙防
衛体制を強化しなければならず、この問題では「ドンンアに愛国心
を発揮しても、発揮しすぎることはない」とも述べている。今後
10年でそのために、5千9百億オイロを支出する、とのことであ
る。特にプーチンは大陸間弾道ミサイル4百発、戦闘機6百機、2千
3百の戦車を調達する方針である。2000年から8年までロシア大統
領を務めたプーチンは、3月4日の大統領選挙に向け優位に立ってい
る。




2月 21日(火)

ショイブレ「ギリシア支援はうまく責任を果たした」

連邦大蔵大臣ヴォルフガング ショイブレは、オイロ使用国連合
が、ギリシア支援策の第2弾に合意したこと受け、この問題を長期
的に解決する機会である、と見ている。彼はブリュッセルでの記者
会見で、入念な調査に基づいて責任を取るという成果が得られた、
今回ギリシアは長期的な時間をかけて、負債を再び自力で返済し、
よりよい経済状況の道を歩み、より強い競争力に立ち戻ることがで
きる機会を得た。オイロ使用各国の蔵相はこれより前に、総額1千
3百億オイロの支援策に合意していた。ギリシアの負債の状況を、
2020年までに経済実績の120.5%にまで引き下げられるよう、民
間の債権者はその債券の53.5%を放棄することになる。ギリシア
はそのために、今月末までに、健康保険制度、地方行政、労働市場
を中心に、改革を軌道に乗せなければならない。支援策の第2弾が
実施されなければ、ギリシアは3月半ばに倒産するところであった。

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ハンガリー国会はEU予算案の署名に賛成

ハンガリー国会は高額の負債を抱える同国の、EUの財政管理官を導
入するのに賛成した。首相オルバン率いる右派保守派の内閣の政治
的な方針に、与党フィデス党と野党社会党の国会議員は賛成票を投
じた。反対したのは、極右「よりよいハンガリーのための運動(ヨ
ッビク)」で、「政治は別のものでありうるLMP」は棄権した。オ
イロ強化に向けた予算案には、赤字国には自動的に制裁を科すこと
や、国内法に負債の歯止めをかける条項を設定することが含まれて
いる。この予算案は、3月初めのEU首脳会談で署名されることにな
っている。EU加盟国としては、英国とチェコだけがこの協定に反対
している。

ホムス砲撃で死者多数

シリア軍は、反乱勢力の拠点であるホムスに対する攻撃を続けてい
る。活動家の話によれば、20人以上が死亡、340人ほどが負傷し
た。特にババ アムロ、カディジェフ、カルム エル セイトゥン
などの街区を中心に、砲撃が行なわれている。空軍は遮断されたホ
ムス市上空を偵察飛行している。シリア治安部隊は追加の地上軍
を、離反した兵士数百人が滞在しているとされるホムスへ移動させ
た。同国西部のハマ市も、封鎖されている。国連とEUは人々に悲劇
が降りかからないように、と警告した。この間に医療の他、食料品
が緊急に必要となっている、と国連旗が支援調整官アモスはブリュ
ッセルで述べた。一方ロシアは、金曜日の予定されている「シリア
の友人」会議への参加を取りやめた。シリア政府の代表が一人も招
待されていないので、この会議はシリア全体で対話を始めるのには
役立たない、とロシア政府は発表した。

イエメンでは死者が発生し選挙への不参加が起こる

イエメンでは大統領選挙が行なわれたが、選挙への不参加と暴力が
暗い影を落とした。ただし選挙には1人しか候補者はいない。今ま
での副大統領、ハディである。彼は今後2年間だけ、暫定的にこの
職に留まることになっている。その後イエメンでは選挙が行なわれ
る。同国の大政党は、職を追放された大統領サーレハの帰国を受
け、この選挙のやり方に合意していた。地元での報道によれば、反
乱勢力と治安部隊の銃撃で、2人が殺害された。同国南部を中心
に、多くの投票所で投票を行なわないようにとの呼びかけが、アル
 カーイダの支持者と見られるものから投げかけられている。一方
首都サヌアおよびマリブ州とタイス州では、男女別に投票所前に長
い行列を作って投票を待っている。




2月 22日(水)

アフガニスタンでのコラーン焼却に対する抗議で7人死亡

アフガニスタンでは、米兵がうっかりしてコラーンを焼却したこと
に対し、暴力的な抗議行動が激化している。アフガニスタンの公式
発表によれば、衝突が起きた際に、全国で7人のデモ隊が殺害され
た。首都カブールでは、怒ったデモ隊が自動車に放火し、商店を襲
撃した。パルワン州でも暴力的な抗議活動が起きた。現地の兵士
が、コラーンの冊子を売却したことが明らかになったあと、火曜日
には早くも、千人単位のアフガニスタン人が米軍の基地バグラムを
攻撃した。国際アフガニスタン保護部隊は、司令官ジョン アレン
が指令を出し、すべての兵士に対して、コラーンなどの宗教的印刷
物に適切な扱いをするように、早期に教育を受けさせるよう命じ
る、との決定を下した。

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反政府勢力はシリア政府軍は27人の若者を殺害と発表

反政府勢力の発表によれば、シリアでは27人の若い男が意図的に殺
害された。これらの民間人はトルコとの国境地帯で追撃を受け、収
監されたあとに射殺された、と「シリア人権組織網」が伝えてい
る。抗議活動の拠点ホムスを榴弾による攻撃で、フランス人の写真
家と米国人女性記者が死亡した。ほぼ1年前に大統領アル・アサド
に対する抗議活動が始まってから、最新の情報によれば、7千6百人
以上が死亡した。その中には、5千5百人以上の民間人、4百人ほど
の離反兵士が含まれる、とロンドンに本拠がある「シリア人権監視
団」が発表した。シリアの人道上の状況が危機的であることを受
け、赤十字は今一度、2時間の戦闘中止を呼びかけた。ジュネーヴ
での会談では、反政府勢力の使節は停戦に応じる用意がある、と述
べた。シリア政府側からは返答はない。

国際原発機構の調査団は進展なくイランを退去

国際原発機構の調査団は、イランとの2日間の交渉を終え、成果を
上げることなく出国した。ウィーンに本拠がある国連の組織であ
る同機構の総裁天野は、インターネット上で、交渉の推移の進展
に失望した、と述べた。主席査察官ナッケルツが団長を務める専
門家団は過去4週間で2度目の訪問を行なったが、国際原発機構は
軍事基地にあるパルチンの施設への立ち入りを求めていた。同機
構は、ここで核兵器の開発作業が行われている、と推定している。
国際原発機構は、しかしイラン政府はここを訪問することを認めな
かった、と発表した。査察団は問題の核計画に関するさらに細かい
情報を得られるように努力していた、ここでも協力は得られなかっ
た、と同機構はウィーンで発表した。

ブエノス アイレスで列車事故 死傷者多数

アルゼンチンの首都ブエノス アイレスでの列車事故で、公式発表
によれば、少なくとも40人が死亡、550人以上が負傷した。この列
車はオンセ駅にあまりに速い速度で侵入し、時速約20キロで車止め
にぶつかって停止した。機関車と後ろに続いた車両は大破した。




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