３月１８日〜２５日のドイツのニュース
３月 １８日（日）
ガオクが第11代連邦大統領に選出される
元牧師で旧東ドイツの市民権活動家ヨアヒム ガオクが、ドイツ連
邦共和国の第11代大統領に選ばれた。連邦集会の選挙人991人が、
ベルリンでの連邦議会の建物の中で、72歳のガオクに対して賛成票
を投じた。左翼党が立てた候補者である記者ベアーテ カールスフ
ェルトは126票、極右のドイツ国家民主党が指名した歴史家オーラ
フ ローゼは3票を獲得した。棄権したのは108人、合わせて
1240人の投票者が連邦集会に属していた。政党に属さないガオク
は、1991年から2000年にかけて、旧東ドイツ秘密警察の証拠書
類に関する官庁の長官を務め、キリスト教民主、社会同盟、自由民
主党、社会民主党、緑の党の共通の大統領であった。ガオクは、
2月中旬に就任後わずか20ヶ月で、検察の捜査を受けて辞任したク
リスティアン ヴルフ（キリスト教民主同盟）の後任となった。新
大統領は監査の演説の中で、5年の任期中に民主主義を強化するべ
く努力する、と予告し、政府と国民の距離が近づくよう願ってい
る、と述べた。
その他のニュース
アレッポで爆弾攻撃 死者数名
シリア北部の都市アレッポで爆弾攻撃が発生し、数人が死傷した。
ロンドンに拠点を置くシリア人権監視団が、これを発表した。それ
によれば、この爆弾は、スレイマニエ地区にある治安部隊の建物の
近くで起きた。土曜日には首都ダマスカスで、自動車爆弾2発によ
り、27人が死亡、140人ほどが負傷したばかりであった。12月か
らはすでにダマスカスとアレッポでは数件の攻撃事件が起きてお
り、シリア政府と大統領アル・アサドに反対する勢力は、それぞれ
相手に責任がある、としている。ダマスカスでは、警官が反政府勢
力約2百人のデモを解散させた。イドリブとデイル アル ズール
州でも反政府の集会が行われ、治安部隊がデモ隊に向けて発砲し
た、と反政府勢力側は伝えている。
ミンスクの地下鉄攻撃犯と見られる者が処刑
諸外国からの抗議にもかかわらず、ベラルーシは2011年4月にミ
ンスクで起きた地下鉄襲撃事件を行なったとされ、死刑を言い渡さ
れた2人を処刑した。26歳の2人の男は、旧ソ連の共和国時代と同
様に、うなじを撃って殺された、と国営の報道機関は伝えた。ベラ
ルーシの首都の地下鉄襲撃では、15人が死亡、160人以上が負傷
していた。しかしこの2人が引き起こしたかどうかには、未だに疑
いがある。人権活動家は、独裁的な同国政府は、この襲撃事件に関
する真実を、早期の処刑によりもみ消すつもりだ、と非難した。EU
はこの判決を不公平である、と批判した。ドイツ政府も厳しい批判
を行なった。
ギリシア社会党が新党首を選ぶ
ギリシアでは社会党の新党首が選ばれる。ギリシア蔵相ヴェニゼロ
スが唯一の候補者である。全ギリシア社会運動党PASOKは、金融恐
慌のために、大打撃を受けた。そのためヴェニゼロスは、政治の刷
新を実施に移す意向である。今までの党首パパンドレウは、党首を
辞任する、と1月に予告していた。世論調査によれば、予定を早め
て5月初めまでには行なわれる予定の国会議員選挙では、同党は大
敗を喫する恐れが強まっている。同党は現在、9ないし15%の支持
率である。2009年には44%の支持率であった。ヴェニゼロスは、
党首に選ばれれば、蔵相を辞任する、と予告していた。
３月 １９日（月）
テロ検察が捜査を開始
トゥルーズでユダヤ人学校が襲撃されたことを受け、テロ行為を担
当するパリの検察は捜査に着手した。その理由として、この犯行
が、トゥールーズと隣接するのモントーバンで起きたフランス人兵
士に対する2件の襲撃事件と関連があるとの疑いがあるためだ、と
発表された。何者化が月曜日の朝に、学校前で3人の生徒と教師が
銃殺された。モントーバンでは、落下傘部隊の兵士2名が殺害さ
れ、トゥルーズでは1名が殺害された。この3件の事件では犯人はス
クーターを利用した。フランス大統領ニコラ サルコジは犯行現場
で、国にとっての悲劇である、と述べた。火曜日には彼は国内のす
べての学校で黙祷を行なうように命じた。ドイツ外務大臣グイド
ヴェスターヴェレは、この行為を非難し、反ユダヤ主義とユダヤ人
施設に対する暴力には、ヨーロッパでは存在する場所がない、と述
べた。
その他のニュース
ダマスカスで激しい戦闘
シリア大統領アル・アサド政府に対する蜂起が、首都ダマスカスを
ますます強く巻き込んでいる。大使館があるアル・メゼフ地区で
は、政府軍と蜂起勢力は激しい戦闘を行なった。活動家の発表によ
れば、この戦闘で日曜日の夕刻以降、80人以上が死亡した。一方国
連とアラブ連盟の専門家からなる代表団は、ダマスカスに到着し
た。彼らは共同の施設阿南の委託を受けて、危機解決の道に関する
交渉を行なうことになっている。国際赤十字委員かは、アラブ国家
であるシリアの情勢が悪化している、と警告した。同委員会代表ケ
レンベルガーはロシア外相ラヴロフとモスクワで会談し、戦闘が始
まってから1年、人々を助けるためには、緊急措置が必要である、
と述べた。彼はラヴロフに、毎日2時間の休戦を実現するために、
シリアに対して影響力を行使するように求めた。
数十万人のシーア派がイラクでデモ
イラクの港町バスラで、数十万人のシーア派が、よりよい生活条件
を求めてデモを行なった。説教師モクタダ アル・サドルの支持者
たちは、首相アル・マリキが貧困との戦いを進めるとの約束を破っ
た、と非難した。またデモ隊は同国の石油による収入を分配し、教
育の機会を増やし、より多くの雇用と民主主義を生み出すように、
とも求めた。宗教上の要人アル・ナセリは、イランに滞在している
アル・サドルの親書を読み上げた。このデモのきっかけになったの
は、米軍の同国侵入9年の記念日であった。
スイス人裁判官がカンボジアの特別法廷での仕事を放棄
ドイツ人の予審判事ブルンクが辞任してから5ヶ月、カンボジアの
クメール ルージュの恐怖政治の行為を追跡するための特別法廷
に対する新たな打撃が起きた。スイス人の調査裁判官カスパー・ア
ンセルメが、ブルンクの作業を引き継いでいたが、5月4日に職を離
れる、と発表した。その理由として彼は、自分の職務を「正しくそ
して自由に」行なうことができない、さらなる犯罪に関する調査で
妨害を受けている、と述べた。同様のことをブルンクも辞任の理由
としていた。自らもクメール ルージュの指導部に属していたカン
ボジア首相フン センは、現在審理中の3件の事例の法的解明を制
限する方針である。1975年から9年にかけてのクメール ルージュ
が政権にある間、およそ2百万人が拷問、処刑、食糧不足で死亡し
た。
３月 ２０日（火）
イラクで連続攻撃 死者少なくとも46人
イラク各地では連続攻撃が行なわれ、少なくとも46人が死亡し、
2百人ほどが負傷した。合わせて8の都市で行なわれた流血の凶行の
目標の中心は、治安部隊そしてシーア派の住民であった。巡礼者の
集まる町であるケルベッラーでは、2発の自動車爆弾が人通りの多
い商店街で爆発し、少なくとも13人が死亡した。北部に位置する州
都キルクークでは、警官を中心に13人が爆弾の破裂により死亡し
た。当局の代表は、この攻撃を引き起こしたのはテロ組織網アル
カーイダであるとし、犯人の目標は、来週バグダードで開かれるア
ラブ連盟会合を前に、人々の政府の信頼感を揺さぶることである、
と述べた。この犯行はシーア派によって行なわれたが、アル カー
イダの隊員と失脚した前政権の支持者はスンナ派である。
その他のニュース
ロシアはシリア決議を原則的に支持
国連は特使アナンの和平の努力を支援するために決議を行なうが、
ロシアもこれを原則的には支持する方針である。外相ラヴロフがモ
スクワで、これを発表した。ただし彼は、このような決議はシリア
大統領アル・アサドに対する最終通牒に変えることは許されない、
と警告した。フランスが提出した決議案の中では、シリア政府に対
して、アナンの6国目の和平計画を7日以内に実施に移すように要求
されている。この計画の中には、暴力の停止、人道支援隊の入国、
逮捕者の釈放、抗議運動の拠点からの治安部隊の撤退が含まれてい
る。これが実施されないのであれば、「さらなる措置」を検討す
る、と決議案には記されているが、より具体的な内容は指摘してい
ない。この火曜日に国連安全保障理事会で、この声明に関する投票
が行なわれることになっている。ロシアは今までに2回、中国とと
もにシリア決議の成立を阻止していた。
ドイツはイスラエルに潜水艦をさらに輸出
ドイツはさらに1隻の潜水艦をイスラエルに供給する。国防相デ
メズィエールが、イスラエル国防相バラクとベルリンで会談した
後、この情報を確認した。今までイスラエル海軍は、ドイツ製の潜
水艦3隻を投入しており、さらに2隻を投入する用意をしている。専
門家の発表によれば、新たな潜水艦は、核弾頭を搭載可能な中距離
ミサイルを装備している。公式にはこれは確認されていない。デ
メズィエールによれば、ドイツは1億3千5百万オイロまでの費用負
担を行なう。これは全費用の3分の1に相当する。
連邦刑事局は在アフガニスタンとパキスタンの組織に警告
連邦刑事局は、アフガニスタンとパキスタンで活動する組織に対し
て、テロリストによる攻撃が計画されている可能性がある、と警告
した。「ビルト」紙の情報によれば、ドイツの国籍を持つ21歳の男
が、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯にあるテロリスト養成
施設に滞在している。連邦刑事局広報はヴィースバーデンで、国内
外の協力者に対して危険回避のために、いわゆる警告の指示が出さ
れている、と述べた。ただしドイツの対する危険の状態は変わって
いない、とのことである。ベルリン生まれのこの男は、外国でテロ
リストに要請された、とのことである。同紙は、連邦刑事局の内部
文書を引用して、21歳のこと男は自殺攻撃を計画している、と報じ
ている。
３月 ２１日（水）
トゥルーズの殺害犯と見られる者との交渉が続く
トゥルーズの殺害の容疑者は、相変わらず自宅に立てこもってい
る。この家は警察の特殊部隊に包囲されている。専門家が、15時間
ほど前から容疑者と交渉を行なっている。これより前にフランスの
報道機関は、この男が逮捕された、と報じていた。警官3人が容疑
者との銃撃戦で負傷した。24歳のモハメド メラフには、月曜日に
トゥルーズのユダヤ人学校で、子供3人と教師1名を射殺した疑いが
持たれている。彼はこのほか、今月中に3人の兵士を殺害した、と
されている。捜査陣の発表によれば、メラフはテロ組織網アル カ
ーイダとのつながりがあり、犯行の動機として、フランス軍の国外
での活動と、パレスチナ人の子供の殺害に対する報復を挙げた、と
のことである。
その他のニュース
国連安保理はシリア声明を可決
ニュー ヨークの国連安全保障理事会は、数ヶ月に渡る議論の末、
シリア紛争に関する共同の立場をとることでようやく合意し、これ
に関する声明を可決した。この文書は、今まで拒否権を持つ大国中
国とロシアが抵抗して成立を妨げていた決議よりは、外国的な重要
性が少ない。両国は今回は、この声明を少なくとも支持するのを受
け入れた。この声明の中で理事会の15カ国は、シリア政府に対し
て、シリア特使アナンの提案を即時実行するように求めている。
6項目からなるアナンの計画には、国連が監視する停戦、人道支援
家の入国、収容者の釈放、野党の拠点からの政府軍の退却が含まれ
ている。
リビアの元秘密情報部部長は故郷で裁判に
リビアの元権力者アル・カッザーフィーの最も信任が厚かった人物
の一人が、故郷で裁判にかけられる。西アフリカのモーリタニア
は、リビア秘密情報部元部長アル・セヌッシを、リビアに引き渡
す、と発表した。政府公報アル・マネイは、モーリタニアはアル・
セヌッシが「公正な手続きを」裁判所で受けられるように、リビア
に引きわたすことに合意した、と発表した。アル・セヌッシは週末
に、モーリタニアで逮捕されていた。引き渡しの期日は発表されて
いない。秘密情報部の元部長である彼は、リビア当局だけでなく、
フランスから、そしてデン ハーグの国際法廷からも行方を追及す
る、と発表されていた。アル・セヌッシには、昨年起きたリビアの
国民蜂起の期間中の民間人に対する攻撃と、1996年のリビアの拘
留者1千2百人の殺害の責任がある、とされている。
ビルマ政府は西側の選挙監視団を国内に入国させる
ビルマの国会議員選挙まで2週間を切り、政府首脳部は西側からの
監視団も受け入れることを、ようやく認めた。招待を受けていたこ
の監視団には、東南アジア諸国連合の代表の他、EU、米国および国
連の施設も含まれている、とビルマ代表部高官は発表した。今回の
補欠選挙は、西側からは軍が支えている政権の民主制への改革の意
志を試すものと見られている。米国政府は、4月1日の投票をにらん
で、米国に開放の姿勢を誇示するものだ、と発表した。
３月 ２２日（木）
警察はトゥールーズの連続殺人犯と見られる男を射殺
フランス警察の実弾が、トゥルーズの連続殺人事件の犯人と見られ
る男を射殺した。23歳のこの男は、南仏の同市にある自宅の窓か
ら、飛び出したところに、銃弾が命中した。パリの内務省の発表に
よれば、彼はこれより前に、警察の精鋭部隊と激しい銃撃戦を行な
い、警官1名が負傷し、もう1人は衝撃を受けた。警察はアルジェリ
ア生まれのフランス人である彼を銃撃するまでに、32時間に渡り包
囲した。この男は、当局との話し合いの中で、過去数日間でトゥー
ルーズおよびその近郊で、ユダヤ人学校前での3人の子供を含め、
7人を射殺したことを自白した。また彼は、テロ組織網アル カー
イダの一員である、と述べた。フランス大統領ニコラ サルコジ
は、この連続殺人に関して、憎しみやテロを助長するようなインタ
ーネット上のサイトに対して、より厳しい措置をとる、と予告し
た。このようなサイトを習慣的に訪れる者は、今後は刑法上の訴追
を受けることになる、とサルコジはテレヴィ番組で述べた。
その他のニュース
シリアの活動家「政府軍はさらに抗議活動の拠点を占拠」
シリア政府軍は野党に対する構成を続け、活動家の話によれば、さ
らに1箇所の抗議活動の拠点を占拠した。放棄勢力側の発表によれ
ば、兵士は約90台の戦車を伴ってハマ市に迫ったが、その際に人命
が犠牲となり、家屋が破壊された。犠牲者の数は不明である。今回
の攻撃では逮捕者も出た、とのことである。過去数週間で、シリア
軍は既に長期にわたって先頭が続くホムスのババ アムロ地域と、
イドリブおよびイラクとの国境地帯にあるデイル アス・ザウルを
勢力下に収めていた。
マリでは反乱兵が権力を奪取
西アフリカのマリでは、反乱兵が権力を目指してクーデタを起こ
し、大統領トゥレを失脚させた。民主主義と国家の再生のための国
民委員会が、政治指導部の失脚により、同国北部で蜂起を起こし
て、全土を掌握し、すべての組織を解散させた、と反乱兵の広報が
テレヴィで述べた。憲法は当分の間破棄され、外出禁止が課され
た、とも付け加えた。蜂起の前には首都バマコでは、激しい戦闘が
起こっていた。EU外務委員アシュトンの広報は、このクーデタを非
難し、憲法に基づく秩序を再建するように求めた。クーデタの背景
には、同国北部でのトゥアレグ人反乱勢力と政府軍が軍事的な衝突
ていたことがある。反乱兵は政府がこの紛争を解決できない、と非
難している。
国際原発機構は北朝鮮との対話を開始
国際原発機構は、今後の査察団の訪問に関して、北朝鮮との対話を
開始した。ただし同機構の広報は、専門家が共産主義の同国にいつ
入国するのか、発表をすることはできなかった。査察は北朝鮮と米
国の協定に含まれている。独裁国である北朝鮮は、米国からの食料
品提供と引き換えに、寧辺の核施設でのウラン濃縮、核実験、およ
び長距離ロケットの発射を中止することを認めていた。同国は国際
原発機構の査察団を、2009年に国外追放し、それ以来再入国を認
めなかった。北朝鮮はウラン濃縮施設を利用している、と約2年前
に発表していた。2006年と9年には核実験が行なわれた。
３月 ２３日（金）
ガオクはドイツを開かれた社会にするよう訴える
新連邦大統領ヨアヒム ガオクは、ドイツを開かれた社会にするよ
うに訴えた。彼はベルリンの連邦議会と連邦参議院合同の会議で、
宣誓式を行ない、基本方針を演説し、最近ではドイツ語を話すキリ
スト教の伝統の他に、イスラーム教などの宗教、他の言語、異なる
伝統と文化が入り込んでいる国の中で、国民は生活するようになっ
た、と述べた。ガオクはドイツを、ここに暮らすすべての人が故郷
にいられると感じられるような国にしてほしい、と求めた。またド
イツ大統領は、市民と政治家の間に新たな信頼を得るよう努力する
と強調し、これを実現するよう勇気を与えた。戦後の歴史の視野に
収めて、旧東ドイツに公民権活動家であった72歳のガオクは、ドイ
ツは民主主義の奇跡である、と評価した。彼はヨーロッパを中心に
据えた考え方を信頼している、と明言し、危機の時代には、民族国
家の段階に逃げ込む危険が強まるが、危機の最中でこそヨーロッパ
に賭けることが重要だ、と述べた。
その他のニュース
ゴアレーベンの調査が一時停止
連邦政府はニーダーザクセン州のゴアレーベンの岩塩岩株を、当面
の間これ以上核物質の貯蔵所とするのが適当か調べる調査を行わな
い方針である。この作業は年内に終了させるが、鉱山を閉鎖する予
定はない。いわゆる「調査実験所」が計画されている。連邦と州
は、電力源の転換が進む中、核廃棄物の最終処分場のための別の候
補地を探すことで合意していた。ゴアレーベンの岩塩岩株は、35年
前から唯一の候補地として、調査が行われている。連邦首相メルケ
ルは、ゴアレーベンの岩塩岩株をめぐる対立で、連邦徒手が合意に
向けて努力していることを歓迎している。政府公報ザイベルトは、
この問題で合意に達することは、連邦政府が意図することである、
と述べた。
シリア大統領アル・アサドの家族にEUが制裁
シリアでの野党の運動に対して暴力が長期にわたって行使されてい
るため、EUは政府に対する制裁を強化した。今度は、大統領アル・
アサドの周囲の人物にも制裁が科される。ブリュッセルの外交官筋
の情報によれば、EU加盟各国の外相は、アサドの妻アスマ、母親、
姉妹、義兄弟に対して、入国禁止および資産の封鎖を決定した。EU
は既に、反政府勢力に対する暴力を終結させるため、シリアに対し
て複数の制裁を科した。アサド自身も制裁を受けている。
EUによるイランへの石油禁輸が発効
イランに対するEUの石油禁輸が、土曜日に公式に発効する。EU加
盟各国の外相は今回はブリュッセルで、これを実施するための規則
を可決した。今後はイラン産の石油および石油製品の輸入と、これ
に関連する融資業務および保険業務が禁止される。既に成立してい
る引き渡し契約は、7月1日まで実施することが可能である。禁輸は
既に1月に可決されていた。この禁輸は、イランの核計画の財源確
保を困難にするためのものである。イラン政府には、核爆弾を秘密
裏に開発している、という疑いが持たれている。各国外相は、反政
府勢力に対して政府が暴力的な措置をとる上で、重要な役割を果た
したとされるイラン人17人に、入国禁止を課した。
３月 ２４日（土）
トゥルーズの殺人犯の兄弟が事情を聞かれる
トゥルーズの殺人犯に対する警察の活動に続いて、当局は今度は犯
人に近い周辺を捜査している。モハメド メラの兄は、その女友達
とともに、パリのテロ対策本部に移された。通信社の報道によれ
ば、彼は事情聴取の中で、特殊部隊に射殺された弟の行為を誇りに
思う、と述べた。ただしこれに関して、公式の発表はない。29歳の
弟とその配偶者は、日曜まで警察の拘留を受けている。一方7件の
殺害を起こしたとされる犯人の母親は、自由の身である。
その他のニュース
ポルトガルは150億オイロの支援を得る
「ヴェルト」紙日曜版の報道によれば、危機が迫っているポルトガ
ルは、さらに150億オイロの金融支援を受ける可能性がある。この
資金はおそらく、4月には渡される、とのことである。ドイツ蔵相
ショイブレ（キリスト教民主同盟）は同紙に対し、ポルトガル政府
は必要な支出削減策を、効果的に実施するだろう、と述べた。EUの
ギリシア問題の対策本部部長であるドイツ人ライヒェンバッハは、
ギリシア政府は支出管理を大きく改善した、おそらくギリシアは今
年は20億オイロ相当の未納の税を徴収することができるだろう、と
述べた。同対策本部は、行動力のある行政府を作るために、ギリシ
アを支援している。
シリア軍は戦車を投入
シリア政府軍は土曜日に、反政府勢力と蜂起勢力に対して暴力を行
使した。シリア人権監視団の発表によれば、軍は戦車を使用して、
同国北部の町サラケブに侵攻した。政府に近い民兵いわゆるシャビ
ハも、これに加わっており、部隊は家屋を徹底的に調べ、人々を逮
捕した、とのことである。また蜂起勢力との戦闘では、数人が殺害
された、とのことである。さらに政府軍はホムス、クセイル、カラ
ート アル・マディクを砲撃した模様である。一方国連のシリア特
使アナンは、紛争解決に向け努力を続けている。来週彼は中国に向
かい、自分の任務を支援するよう中国政府に訴える。政府公報は、
元国連事務総長の仲裁に大きな意義を認めている、と述べた。日曜
日にはアナンはモスクワで、退任する大統領メドヴェージェフと会
談する。メドヴェージェフはアナンに停戦に向けた独自の提案を行
なうだろう、とロシア政府は発表した。
トルコ軍はクルディスタン労働者党の女性戦闘員を殺害
トルコ兵は同国南部で、クルディスタン労働者党PKKの女性戦闘員
15人を殺害した。アンカラの内務省は、ビトリス州の田園地帯での
戦闘で、軍を支援していた現地の警備員1名も殺害された、と発表
した。この州は、クルド人の独立ないしはより多くの自治を求めて
戦っている同党の拠点である。とることドイツでも、同党はテロ組
織に分類されている。軍の発表によれば、同党とトルコ国家の間の
紛争では、1984年以降4万5千人以上が殺害された。
３月 ２５日（日）
ザールラント州議会選挙は接戦が予想される
ザールラント州では日曜日に州議会議員が選ばれる。80万人ほどの
有権者が、投票を行なうように呼びかけられている。州首相アネグ
レート クランプ・カレンバオアー率いる与党キリスト教民主同盟
と、ハイコ マースを筆頭候補とする野党社会民主党の間で、接戦
が予想される。両党は選挙戦の中から、大連立を組む意志がある、
と予告していた。選挙が行なわれることになったのは、州首相が
1月初めに、キリスト教民主同盟、緑の党、自由民主党のいわゆる
ジャマイカ連立を解消したためである。世論調査によれば、自由民
主党は5%の関門を突破できない可能性が高い。緑の党が再びザール
ブリュッケンの州議会に議員を送り込めるかどうかは、不確実であ
る。第3党には、筆頭候補にオスカー ラフォンテーヌを擁する左
翼党がつく可能性が高い。
その他のニュース
新聞報道「GM社は高くつく工場を売却する方針」
報道雑誌「シュピーゲル」誌によれば、米国の自動車会社ジェネラ
ル モーターズは、今後は「経費のかからない国々」での製造を強
化する方針である。同誌は、同社の内部の戦略文書を引用して、こ
れを報じている。それによればポーランド、ロシア、中国、イン
ド、メキシコ、ブラジルでの生産量を拡大する方針である。オーペ
ル社の「ザフィラ」のボッフムでの製造は、遅くとも2015年まで
に終了する。オーペル社会長シュトラッケは、ヨーロッパで間近に
迫った工場閉鎖に関する報告を否定し、ドイツでも2014年まで生
産拠点を確保する合意がある、と指摘した。
シリアでは新たな戦闘 アナンは政治的解決を模索
シリアからは政府軍と蜂起勢力の間で、新たな戦闘が起きた、と報
告されている。目撃者の話によれば、この戦闘は首都ダマスカスの
郊外で起き、榴弾が使用されたほか、ダラー州では、離反した兵士
と正規兵数人が死亡した。モスクワでは現在、国連とアラブ連盟の
特使アナンが、シリア危機を政治的に解決するために、努力を続け
ている。外相ラヴロフおよび退任する大統領メドヴェージェフとの
対話で、停戦の可能性が話し合われた。アナンは引き続き中国に向
かう意向である。ロシアと中国は今まで、シリア政府に対する国連
安保理の厳しい決議が成立するのを阻止してきた。
オバマは北朝鮮と韓国の国境地域を訪問
米国大統領オバマは、韓国訪問の冒頭で、北朝鮮との国境に接する
非武装地帯を訪問した。米国はこの地域にほぼ3万人の兵士を駐留
していた。その後韓国大統領李との会談が予定されていた。オバマ
の滞在の中心となるのは、月曜日と火曜日にソウルで開かれる核安
全のための第2回世界会議への出席である。50を越える国々の代表
が、テロリストの核武装をどのようにすれば阻止できるかを議論す
ることになっている。ドイツからは外相ヴェスターヴェレが出席す
る予定である。